2018年09月20日
サンマの味・サンバーのエキマニ雑考
・北海道産のサンマが売られていたので焼いてみた。うちはIHでグリルがないのでフライパンにクッキングシートでチャレンジしたが、見事皮が剥がれる。秋刀魚の皮はそこまで味云々言う物じゃないのでいいんだが。たっぷりの大根下ろしをかけて頂くと、甘い脂肪やあっさり目だが旨味がある肉汁で幸せになる。あとは茄子を焼いて挽肉をかけて頂くが、今の夏は硬くて火の通りがイマイチだった。焼き茄子はおいしいんだが調理が手間で茹でる方が楽だ。だが茹でると味と色が抜けちゃうんだよなぁ。久々に調理が出来て少し気分転換になった。あとはカボチャでポタージュスープ、暖まる。ちょっと味が濃くなったので豆乳で割るといい感じ。
・サンバーのエキマニが届いたので観察、思った通り色々残念な出来だった。この後R2だと溶接で作ってるぐらいだから、メーカーも存続していれば改良したかっただろうなぁ・・・なにしろ鋳造だから形状自由度もあれだが「重い!」車体の一番オーバーハング側にこんな重い物を積むなんて不本意だっただろう。あとはバンパーもだな、サンバーのバンパーは耐熱性が必要なので重い鉄であり、樹脂のような塑性もないので、1度へこますとそのまんま、内側は耐熱で二重板になっていて安易に板金出来ない。この二つをパイプと樹脂なりアルミにすれば大分変わったと思うのだが、よく考えたら貨物サンバーにそんな運動性はいらないか。
とエキマニの話、先に660cc4発の理想論から書くと、極力ストレートなパイプとか、鋭角で集合させるという基本に加え、集合はクランク爆発間隔が極力離れている1,4と2,3を集合させてからさらに合わせる4-2-1が好ましいそうだ。つじつかささんの本によると、エキパイの設計では排気慣性と排気脈動をおおよそ3:1ぐらいで効果を勘案するとかある。この二つは別の現象だがエキパイは物理的にどちらも合わせて効くので結果論的に複合されてしまうとかなんとか。
次、石田宣之さんの本から、「排気効率を1%高めると吸気効率を3%高める事が出来る」「排気バルブから一本に集合させるまでの距離を1mくらいとると排気干渉の発生回転数を2000rpm以下に出来る」「集合部断面積を角排気管断面積の80%まで絞るパルスコンバーターを使うと2000rpm以下のトルクがあがるが高回転が伸びない」とかなんとか。この方はRBの設計者だが、つじさんより前の世代なので排気慣性と排気脈動が混じってたりする。
最後、立花啓毅さんの本、「第一集合までの長さはシリンダー排気量×1.2」「第2集合までは第一集合の長さの1.5倍の長さ」という、これまた説明不足感満載だけれど含蓄がありそうな情報がある。この第2集合以降のパイプの太さの説明とか皆無だもんな、排気慣性なんだか脈動なんだか分からんが、容積で考えて良ければアレンジ出来そう。
という事で立花さんの話から先に計算するとEN07の気筒容量は165cc、エキマニ断面積は21㎜×28㎜の四角形に近いので仮に5.5平方センチぐらいとする。すると30cm×1.2で36cm、そこからポート長を3cmぐらいとして引くと33cm。第2集合は36cmの1.5倍だから54cmであり、合算すると90cmになり、石田さんの集合理論もおおよそ達成出来る。ちなみに純正エキマニの長さは一番が4番と集合するあたりですら30cmに満たない。また合流した後のフランジ部の太さは33mmぐらいだったので断面積は8.5平方センチとポート断面積の1.5倍程度だった。ま、集合理論はサンバーの場合はほとんど追求されていないって事だろうな、FRエンジンだって追求しちゃあないが。
さて、純正マニの構造だが、1、2番はやはり内部が鋭角で集合している良い形にはなっている。ただ、書いたように1、2番は爆発間隔が並ぶので干渉を起こす可能性が高い。そして3番はほーぼ直角接続だった。一見鋭角にする工夫に見られるでっぱりは遮熱板ステーのためのパーツで内部は寸胴。そこ以外もステーの肉は管内部にも大きくせり出しており、あまり良いとは思えないな。そして4番も直角というか逆流するほどの角度になっているが、それまでの集合部が若干外に逃げているので、その分甘く見て直角。フランジ部分は結構曲がりというか食い違いが起きている。しかし全体としてどこにカーボンがごっそり溜まっているという事もなく(敢えて言えばエンジン側フランジのガスケット段差の間に結構あるかも)、エキマニの中としては普通か綺麗なぐらいだった。まあ一言で言えば、ベースとして加工するのはちょっと厳しいかもという感じ。また4-2-1-にするスペースも多分無い。あ、一応エキパイをぶっとくすれば理論的長さは短く出来る。段差がないようにφ32(ポートの対角長さ)パイプで考えると25cm-ポート長ぐらいになる。短いほど高回転型にはなってしまうが、純正が10cmそこそこな事を考えればまだマシかも知れない。
もう一つ、メタルスピードさんのタイプ2のようなチャンバーに直接入れるタイプ、あれを等長とは言わないと思うんだが(内部仕切があればまたアレだが)、ぱっと見サンパー(サンバーじゃないよ)っぽい考え方なのかなぁとは思った。サンパーはシングル用エキマニで集合管による排気慣性を使えないので大きな部屋に流し込む時の膨張で脈動を起こしているそうで、そのポイントとして気筒容積(シングルなら排気量でいいんだけど)の10倍という数字が挙げられていた。サンバーに当てはめると1650ccになる。ぱっと見φ60ぐらいかなぁという感じで、長さも25cmぐらいだから700ccちょっと。1500ccもあればちょっとしたペットボトルの大きさなので関係なさそう。
ただ、上の理論をひっくるめて排気総容量を計算すると660×1.2×1.5=1188ccになり、あのデカいチャンバーはなんかしらの意味があるような気もしてくる。あるいは、あの中でサイクロンみたいに渦を作って抜いてるとか?もっともサイクロンは掃除機なんかでもあるが、投入エネルギーに対する仕事量は低い傾向があるから、エキマニで消音したいのならいいけど、仕事量はちゃんと設計された集合管に劣るかも知れない。
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Posted at
2018/09/20 20:51:38
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