2007年11月14日
長年の燃費の疑問解決
えー、毎度ばかばかしい話題ですが、何故デミオは平地だとカローラ並に走るのに坂道になるとこうもたるいのか?について、やっと分かりました。デミオの方が重いから、ではあるんですが、これまでは「重いだけなら平地だって遅くなるはず」だと思っていたので納得出来なかったんですが、よく考えると重大な落とし穴がありました。
平地でのエンジン出力は物体の加速に使われて、運動エネルギーに置き換えられます。それが空気抵抗、走行抵抗等になって消えていく訳ね。運動エネルギーは重量に比例し、速度の2乗に比例します。だから1割重ければ1割余計にエネルギーが必要ですが、速度差は2乗比例なので、同じ投入エネルギーを速度で見ればルート分しか遅くなりません。0.9のルートだから95%ぐらいの速度ですね。
一方坂道だとエネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーに置き換えられます。運動エネルギーの計算は平地そのままで位置エネルギーが余計に引かれる計算になります。じゃあラフに計算します。
40kmで走っているカローラのエネルギーは
1/2(40km×1000kg)=20000kg.km/h=途中飛ばして
6.1×10^4J
勾配率3%の坂を100m登ったカローラのエネルギーは
3m×1000kg×9.8m秒^2=3×10^4J
おわかりだろうか?大体だが、速度エネルギーが6.1×10^4Jで位置エネルギーが3×10^4Jなので、割合は2:1位な事が分かる。3%の勾配はけっこう急ですが、ここらへんの峠ではむしろ控えめと言ってもいい数字です。実際には数百メートルのアップダウンは普通にあるでしょう。で、等速運動している場合はご存知のようにパワーは割と上手く保存されているので、1割増しのエネルギーを蓄えるなんて1割アクセルを長く踏んでればいいんですが、問題は位置エネルギーで、速度エネルギーを常に放出しまくっていると考えて、その半分の量を常に食いつづけている感じです。上の例だと40kmで100mだったとすると9秒ぐらいなんで、18秒で停車するブレーキを常にひきずったまま走っているのと同じ事になります。そして放出時間などかんけーなしに位置エネルギーは蓄積します。
幸いなことに位置エネルギーはポテンシャルエナジーで回収と言うか利用出来るんですが、こと車に限ればポテンシャルエナジーが高い=下りのブレーキ負荷がキツイだけの話で全然嬉しくありません。まあ、ゆるい上り下りが延々と続く北海道の直線のアップダウンのようなケースであれば、エンジン効率を抜かせば割と平坦路と近似値になるのかも知れませんが。
つまりデミオで時々いい燃費を記録している方が見られますが、平坦な道が多いんだと思います。モード燃費はこう言う位置エネルギー要素を「全く」含まないために、すげー重い車でも良い燃費数字が出ちゃう。まあ、シャーシダイナモ上だと登坂も急加速も同じ事だし、下りでエネルギー回収が出来てしまう計算になるので含めてないんでしょうが、山道だと上で書いたように1割重い車の支払うエネルギーは1割増しどころじゃありませんし、安全上回収は不可能です。JC08はコールドスタートにくわえ急加速などを加味しているようですが、私は登坂モード燃費も計測すべきだと強く主張したい。日本の大部分のドライバーはソルトレイクに住んでる訳じゃないんだから・・・
ブログ一覧 | クルマ
Posted at
2007/11/14 19:51:10
今、あなたにおすすめ