2007年07月12日
今日は担当さんがいたのでデミオに乗ったり話たりしてきました。乗る前の話はほとんど前書いた話のまんまですね。現状でDY、DWからの乗り換え需要は少なくほとんど新規、だから仕上げのシンプルさも気にならないしデザインは好評(MC後DY比で、MC前DYとは微妙)とのこと。
試乗車はスポルト(1.5CVT)にしました。DEはスポルトと通常モデルのデザイン上の違いは少ないです。ハンドルも皮だけど特に良く無い。メーターは透過式と言うか通常ブラックアウトしていてキーオンで出てくるんですが、なんかイマイチ。アクセラとかの赤メーターは目が痛くて嫌いなので、デミオぐらいの色のバランスは好きなんですが、もう少し文字盤に拘りが欲しかったような。あとインテリジェントキーになっとります。
発進ですが、CVTだけどトルコンを効かせてあると言う話でしたが、ほんと普通のATみたいな感じです。アイドルがCVTだからか非常に低くなるので、その場合一瞬タイムラグがありますが、そこからはストレートに加速していきます。CVTにありがちな「エンジン回転先行」と言う現象がありませんし、車速が追いつく感じもありません。出来の良いAT直結に乗っているような感じで、結局CVTを意識する瞬間は走ってはありませんでした。もっともクリープやエンブレもトヨタのように強く作ってない。
乗り心地はまあまあです。さすがに偏平タイヤなんで路面の突き上げはありますが、ボディーに侵入するピークが抑えられている感じ。また遮音もしっかりしていて、DY比でもかなり静かに感じます(特に風切音やエンジン音は少ない)。タイヤがまだ太いようで、グリップ感はハーフウェットだとイマイチに感じますが、コーナーではロール時間が短く腰が残る感じが無いです。シートは一旦座ってしまえばそんな訳でロールに対しては必要充分かな?
スポルトはFブレーキが大径化されていて、これはさすがにオーバースペックでした。ノーズダイブはそんなしないのではありますが、これ思いっきり踏んだら簡単にロックしそうで、街乗りだと疲れます。
さて、このデミオ、走りに関して一言で言うなら「自然」です。言うまでも無く全ての特徴はこの軽量・高剛性・そして良いバランスのシャーシによる物でしょう。軽いのでCVTをビジーにする必要もなければクリープで演出する必要もなく、大きなサス入力もないしサス固めないでも無駄なロールやダイブをしません。さすがにブレーキはちょっと疑問ですが。また重量減以上に重心やオーバーハングの処理も良くなっているようです。DEはかなりルーフを下げて絞っており、全長も4cm切り詰め、逆に幅は5枠ギリまで増しているので、重量マスがまとまっているんですね。またシート位置も多分後ろ気味にしてセンターに座らせてます。なのでドライバーとしては非常に車体の動きが自然に感じられます。ここらへんは「素直」なんだけどかったるいDYや、演出が過ぎる他のコンパクトに対し1世代進んでいると感じさせる部分です。特にCVTに関してはいきなりこれだけの物になるとは思いませんでしたね。確かにティーダとかのギア固定感がある物はトルクがリニアに感じられて力強さはあるし、フィットのはもっとスムースな感じがあったと思いますが、デミオのはそう言う何かを意識させない物があります。
あと疑問を述べたマニュアルモードCVTですが、まあハンドル握ってれば使えるかナァ。むしろマニュアルモードのレスポンスの良さに驚きました。スバルとかホンダのCVTってマニュアルモードで変速した時に「ウィーン」と変速しているタイムラグを感じた気がするんですが、デミオのはミッションのようにカチカチと変速します。あるいはトルコン負荷を考えて他の車はあまりショックが出ないようにしているのかも知れません(そう言う意味で7速とか細かくしてステップを切ってるのかな?)。
バック視界はそんな良くないですが、DYも肝心の部分は見づらいので似たり寄ったり。EPSは軽く感じます。スポルトタイヤでこれだと通常タイヤだと結構軽いんだろうと思いますが、挙動は自然で穏やかなので神経質に舵当てる必要はないでしょう。
結局デミオは私が常々言っている「車は軽いのが一番」と言うのを証明したようなモデルで(と言ってもDYが重かっただけでライバル比だと普通)、外見から受ける印象ほど個性的だったりエレガントな感じはしません。むしろホッとさせる癒し系ですね(外観が癒し系の車はろくなのに当たった事がないが)。マツダの持つ走りに対する真摯な姿勢とノウハウが注ぎ込まれていて、まだアタリが出てないのに非常に気持ち良く走る事が出来ました(まあ、DYユーザーなんで、キャリーオーバーがあるDEがことさら自然に感じられているのは否めませんが)。
課題としては、DYなりDWからの固定客への買い換え需要で、担当さんもバラエティーモデルに関してはお茶を濁していたので、まずあるでしょう。ただ、そうなったらDYそのものになりそうな感じで、軽量化以上のブランニューな部分ってのは感じられませんでした(もしDYにCVTくっつけると酷い事になりそう)。グローブボックスがややまともになったのはDYユーザーにはニュースですが、ダッシュボード上の物入れがなくなったのでナビを気軽につける訳にはいかなくなりました。あとは燃費ですが、このスポルトで19.4です。MC後スポルトが18,2程度あったので、「100kgも軽くしてCVTも使ってたった0,8しか良くなってないんかよ!!!」と誰もが思うはずです。こればっかりは実際乗ってみないと分かりませんが、DEはDYほどカタログと乖離した数字が出ないような印象を持ちました。多分DYのような嘘が減った。だからあまり責める気はしませんが、それでも多分この数字はそのうち販売のてこ入れに改良する余地を残した物だと思います。JCO8もそのうち関係してくるし。
もう一つはスポーツバージョンで、正直スポルトに差額の意味は認められませんでした(てかブレーキは余計)。ターボモデルの話を担当さんに振って見ましたが「小排気量ターボは難しいでしょうけど、スポルトのキャラが立ってないのは事実で、なんらかのスポーツエディションの登場の可能性はありそう」って事でした。私としてはDEは素のデザインが良いので、下手にエアロゴテゴテにして欲しくはありませんが。
最後にフィットのFMCが間近だそうで、これまた担当いわく「ホンダは成功の次は保守」だそう。多分簡単にカタログスペックは超えられるんだろうなぁ。またスイフトに1200が出ているのを知りました。こいつも燃費が良くCVTで、ミラーサイクルデミオよりは数字は劣りますが、結局根の部分で一番競合したくない相手でしょう。
Posted at 2007/07/12 17:17:40 | |
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デミオ | クルマ
2007年07月12日
日本のモード燃費が10・15からJCO8と言う新測定基準になると言うニュース。デミオの燃費がカタログの1/2程度だった事から特にこの虚偽・誇大広告的なカタログスペックには疑問を持ち関心を持って新基準を楽しみにしていたが、正直落胆した。確かに若干前のデータ-よりは辛くなるので,そう言う意味では燃費が実態に近づくのかも知れないが、肝心な部分では何ら改善されてない測定方法だ。私が一番信用できると思った諸外国の例では「実際の遠距離ロードテストを複数のユーザーにやってもらい」そのデータ-を解析する物。これ、一見すると分かる通り科学的ではない。だってユーザーが実際にロードで乗ると運転スタイル、諸条件が異なるので、追い風参考記録も出れば向かい風参考記録も出てしまう。だから違う車同士を同じ土俵で比較するには向いてない。
でも同時にこうも言える。実地テストなんだからその車の正直な燃費データ-は出るね、と。すると理屈上では「その車の正直な燃費データ-」が出るんだから相互比較も出来ると言う事になる。すくなくとも私が調べてびっくりした問題には答えている。それは10・15モードでは車重やタイヤが違っているグレードでも同じ燃費が出てしまっていた問題だ。JCO8では「車重が比較リストに入っている」とある。逆説的に10・15モードではそれを無視していた事になる。恐らくCd値なんかも嘘だらけだったことだろう。そしていくら補正式を組んだとしても、結局のところシャシ台じゃなくて道走らせないとわかんないね、って事になる(理想を言えばロボット運転で完璧にパターン走行を路上こなせればいいんだろうけどさ)。だったら試験母数を増やして統計的に計った方がまだマシって事が言える。あるいはシビアコンディションとノーマルコンディションみたいな区分けがあってもいいかも知れない。海外ではシティーモードとハイウェイモードが併記されていることも珍しくない。
そして試験母数を増やす最大のメリットは試験車両にある。10.15モードでは確か3000km走行の新車を使ってメーカーがやってたと思う。試験回数は知らないが、試験車両は抜き取りの一台だったと思う。が、私はこれ信じてない。本当にその一台が完全量産車かなんて分かるはずがない。仮に国交省が任意の一台を指定するとしても、そんなの「初期ロッド全部燃費スペシャル」にしてしまえば済む話だからだ。メーカー自身の選別ならなおさら信じられない。これは決してメーカーが嘘臭いほど燃費に振った車を試験に出していると言っている訳ではない。ただ、コンスタントな製品が作れないメーカーだと嘘になるのは事実。例えばマツダなんかはエンジン技術力では国産では下の方だ(REは特殊なので抜かす)。ロードスターなんかファンが多いので良く調べられているのだが、面白い事に私が乗っていた奴はカタログスペック並の性能が出ていた。いわゆるアタリって奴で、多少は非純正部品も使っていたが。その原因の一つとして考えられるのがエンジンの砂型で、私のヘッドは特にオリジナル設計に近い砂型の品番と呼ばれているのが付いていた(あるいは素材とか組み立てとかも違うかも知れないが)。ところがそう言うアタリがある一方でロードスターの外れエンジンってのも結構聞くところで、いわゆる設計不良によるキー溝拡大とかじゃなくて、燃費のばらつきと言うのが相当大きかった。当初はこれはドライバーの技量の差だろうと思っていたのだが、さすがにデミオで痛い目にあって思った。これはそれだけではないだろうと。弱小メーカーは金型をポンポン交換出来ないし、元の精度も低い。生産技術だって製品管理だって不利だろう(が、T社の部品が高いと言っている訳でもない)。初期の型で作ったヘッドでよい性能でも崩れた金型だと全然って可能性も高い。これはエンジンだけじゃなくて電装系とかボディーでも言えるかも知れない。例えばアライメントをどれだけしっかり出しているか、私は全然分からない。
そう言う「アトランダムで発生するばらつき」がどの程度あるのかを知るには、抜き取り方は全然対応していない。と言うかおみくじの凶を引いたら「これはな、練習やねん」と大阪みたいな事言ってるに違いないのだ。またJOC8モードでは車速が上がっている。これに関して私は「軽自動車叩き」が裏にあるような気がしてならない。モードが複雑になる事とアベレージスピードが上がる事は似ているようで違う。ただ負荷を上げていけば、エンジンに余力がある普通車や大型車のカタログスペックが良くなるのは目に見えている。もちろん、これまでの10.15モードが余力がない軽自動車の燃費を良く見せる要因であった事は否めないが、普通車が売れない状況を打破しようと言う策略を感じないでも無い。この問題を解決するにはやはりモード燃費をHiとLoに分けるしかないと思うが。
もう一つはある程度信頼出来る組織員を使ってモニタリングを継続する事。実際ネット上ではそうやって10・15モードカタログ達成率を掲示してあるサイトもある。車が長年走った後でどうなるか、それだって大事だ。そして出来れば排ガスデータ-もフィードバックすると面白いだろう。そして最後だが、カタログ燃費が国全体トータルで23%良くなったとか欺瞞に満ちた宣伝しない事だ。本当にCO2を減らす気があるなら、実地に照らした燃費データ-から賞罰を累進的にしても省燃費車を優遇し、更に現在の馬鹿みたいに高い自動車関係の税金を安くすべき。その分は燃料で取ればよい。日本のガソリン代はバカ高いのは事実だが、でもヨーロッパも調べたら同じか安いぐらいの物だった。そりゃ原油原産国は安いが、それと比較しちゃいかん(もちろんイラクのように原産国だけど国内に出回らない国もある)。そうやって燃費コストを上げる事でますますユーザーは燃費に敏感になり(トヨタとホンダとダイハツが喜びそうだな)市場要求に押されてメーカーも本腰を上げざるをえなくなるだろう。まあ、運輸業界はちょっと厳しいから特例が必要だろうけど。
Posted at 2007/07/12 12:44:29 | |
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