2009年06月22日
・うちの祖母は自活してはいるが、そろそろ90にならんとする歳なので、自転車にのるのは心もとない。でも、移動するのに支えが必要になってきたので、自転車を押して歩いている。しかし自転車というのは乗るための物であって、本質的に押して歩くには適していない。例えば荷台だって高いし、そのためには乳母車と言う物がある(最近はシルバーカーと読んでいる)。
ところが、どこをどうつついても老人な祖母はシルバーカーを「老人臭い」からと言って毛嫌いして使おうとしない。そういえば祖父も脳溢血で倒れてから半身不随になったけれど、杖は決して使おうとしなかった。それを人間の尊厳だとか言うのは自由だが、私にはむしろ常に下を見たがる人間の浅ましさのような感じがして嫌だ。その感覚の行く先は老いさらばえた姿を晒すぐらいなら自宅に引きこもってしまった方がいいと言う事だ。
面白いのは、昨今電動車椅子が増えて、それで移動している身障者を良く見るようになったが、総体としてはどの人も明るく楽しそうだ。あんまり自己中で世間体を気にしなさ過ぎるのも良くはないだろうけれど、取れる対策を取らずにいて最終的に迷惑するのは本人だけではないだろうに。
ついでにシルバーカーそのものについても改良の余地があるように感じる。杖と同じで、先入観で見ればどんないいデザインでも身障者と結び付けられてしまうし、普及すれば結局イメージが出来上がってしまう物だろうが、それでもシルバーカーがダサいのは損をしていると思う。畑をやっていると3輪自転車が通るが、それを押している老女はヨボヨボだけれど、自転車は海外製なのかデザインが洒脱で色も綺麗で、いわゆる老人3輪車には見えない(ただし、使い勝手は悪そうだが)。シルバーカーも本格的に老人対応になる前の、違和感が少ないデザインみたいなのを出して、出来ればそれをメディア戦略使ってオシャレな物として売り出したり出来ない物だろうか?いや、老人のセンスなんて、ほんとしなびて干からびたような物だから、今の製品は皮肉にも彼らにフィットしているんだと思うけれど。
Posted at 2009/06/22 23:15:47 | |
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