2011年03月14日
・私は常々民放各社は営利企業であるから、報道が偏向しており信用ならないと思っていた。その点NHKは色々批判はあるけれど、体質改善に努力し、また国営放送として放送内容が中立公平で、より中枢に近いのではないかと錯誤していた。非常時に限っては、それは無いという事がこの大地震で良く分かった。NHKは未だ国家の情報統制をもっとも受ける、報道機関というより広報機関似すぎないという事だ。
・端的な例がメルトダウンや放射線量の報道で、放送の裏の声で公式発表のはるか前から「燃料棒が露出」とか「放射線量が管制室で1000マイクロシーベルト突破」とか聞こえていた(民放だったり、実際に放送された物もある)。が、すぐに都合が悪い情報はおとぼけを決め込んで、全く報道しなくなってしまう。
・その最たる物が原発の爆発の映像だ。民放では爆発の瞬間を報道していたが、NHKでは爆発の映像は流さず、ただ爆発の前後を比較する写真と言葉だけで説明していた。最初、複数のカメラが現場にあり、NHKは原発を偶然捉えて無かったのかと思ったが、どう考えてもそれは考えづらい。そして、実際NHKはその瞬間の映像を流してはいたが、すぐに封印されたという事が分かった。情報操作である。
・確かに報道には都合が悪い物があって報道出来ない事も多いかも知れない。数万人が死んでいるにも関わらず、テレビに死体が映る訳じゃないし、それを見たいとも思わない。が、常識的に考えて分かっている事実を報道しない消極的な意味の情報操作もまた国民に対する背信であり、受信料を取っておきながら国の意向に平服するんなら、国税だけで運営してろ!と言いたくなる。あるいは、これから、報道魂を持ったジャーナリストによるスクープが飛び込むかも知れない。
・また積極的な情報操作が疑われるのは、当初1号機の爆発に関して、あたかも直下型地震があり、そのために原発が異常をきたしたかのような報道がされたこと。もちろん、東電が嘘の情報をよこしたのは明白なのだけれど、そんなの気象庁のデーター見れば分かってしまう事である。NBC装備の報道が東電の内部に入り込むぐらいで、やっとNHKは報道機関だと思えるのだが。
・問題は、放射能汚染地域での報道が全くなされてない点である。これはいささか酷な話かとも思うが、東京電力と原発保安院は、現場で記録は取っているはずだが、まるで軍隊の内部かと思うほど情報を出してこない。そりゃ戦争している訳ではないので、モラル的にそこが問題にはならないが、何らかのアクシデントが不都合があっても黙り込む可能性が高い。特に今懸念しているのは、現場の作業員の被曝問題。自衛隊の中央防災だかのNBC装備部隊が出ているらしいけど、東電とか消防にその装備があるとは思えない。それに、いくら想定外の地震とは言え、冷却系がバックアップも含めて福島第一第二両方で全部死ぬというのは、いくらなんでもと思う。
・あと、枝野さんを広報に使うのはズルイと思う。なぜなら、万一嘘の広報がなされていた場合、その責任を内閣の長である首相が取らない可能性があるからだ。チャーチルがイギリス人に言ったように、日本人もまた辛い情報であっても事実を知らされる方が良い事を前の戦争から学んだはずだ。もし、事実を一つでも公開してなかった事が発覚した場合、もう原発や東電は組織として一切信用出来なくなる。
Posted at 2011/03/14 20:32:52 | |
トラックバック(0) | 日記