2011年04月14日
・水田のケイカル買いにホームセンター行ったらワインコーナーにアルプスワインの有機ナイアガラのワインがおいてあったので衝動買い。ラベルによると、ドクターグローの指導で契約農家が有機栽培しているとある。有機栽培は言うほど簡単ではない。ブドウの場合、有機栽培が普通に出来る品種はごく一部だ。肥料に関しては無施肥だって取れる事は取れるし、ナイアガラは豊産種だから有機だって取れるだろう。問題は農薬で、ナイアガラはこれまた樹体は丈夫なのでボルドーだけでいけるだろうけど、実が恐ろしく弱いんだよなぁ、バンプ病に。
本来であれば、ナイアガラはそれほど病気に弱い特性ではないと思われる。実際デラと同じ頃はかなり丈夫だ。問題は糖度が上がるのが比較的遅く、普通の感覚で言うと過熟にあたる時期にならないとナイアガラはおいしくならない。ゴールデンナイアと呼ばれる、果皮が透明に黄色く変色してからが本番と言える(もっとも、ゴールデンになっても味があがらないナイアも存在する)。
おそらくだが、ナイアガラは樹勢がとても強い品種なのが影響しているとは思われる。2倍体ではもっとも大きくなる樹の一つで、ほっとくと一本で3畝ぐらい埋めてしまうほどだ。逆に言うとそのぐらいまで伸ばさないと栄養成長にエネルギーを回しすぎてしまうのだろう。葉っぱは分厚く耐病性は良好なのだが・・・同じ系統で糖度がさっさと上がるのはポートランドで、ナイアガラと非常に似ているが、樹勢はそれよりは弱く、今度は果実の貯蔵性が著しく悪い。
まあ、つまり、化学合成薬を使わない栽培はナイアでは可能だが、糖度が十分にあがるまで待てないんじゃないか?というのが私の感想。ワインの飲み口も割とそんな感じで、度数低めで甘さも低く、ナイアワインの特徴である狐臭はほとんどしない。ワイン的にはそれは異臭がしないので良い事なのかも知れないけど・・・もう一つの事情として、ワインの場合はボルドーを実にもぶっかけられるので、実はそれほど大変ではないのかも知れない。加工ブドウは作ってないので、他の品種がどのぐらい弱いのかわからないが、ボルドーをたっぷりかけておいて病気になる事はあんまり無いだろうとは思う。それが味にどう影響するのはわからないけど。
個人的には、ナイアガラのワインは日本だけのカテゴリーだと思うけれど、その中ではシャルドネやサンセミよりおおかたの日本人には向いていると思う。スペインやチリだと作ってないし。でも、本当にうまいナイアガラというのは、ごく一部というのは理解されていないとも思う。そもそも優良選別系もないし、栽培方法も乱暴に言っちゃうと理論がわからないでもほどほど取れた頃からそう進化していないと思う(ナイアは花振るいが少ない有核栽培品種なので、樹形がいびつでも結実する)。生食用としては、ナイアの栽培を工夫して味をあげるより、品種交代した方がはるかに良いしね。
ワイン用としてナイアがあっていると言うのは、もう1にも2にも香りが強いので、鈍感な人でもわかるという事にあると思う。それは生食でも似ているのだけれど、生だとわかる香りが加工しても残るのかという問題に行き着く。白は特に熟成したアロマが赤みたいに変化しづらい印象なので、加工するとただの甘い汁になっちゃう。ナイアはそれでも残る濃い香りがあり、ほぼ他の香りをマスクしてしまうので、ワイン産地では評価以前だと思うのだ。実際氷結タイプだとそういう香りや微細な味はあまり関係なくなるので、ナイアの評価は高い気がする。
と書いて、どうしても気になってもう一度飲んでラベルを調べたら、「輸入果汁使用」となっていた。なんだよー、アメリカで作っているブドウかよー、と言った感じ。うーん、輸入果汁ってたいていが濃縮還元を行うので、もう香りとかは絶望的になるから、栽培方法でこの味なのかジュースにしたからなのかわからないけど、これじゃあなぁ・・・
・水田などの作業も進めているが、稲作の方はまた面倒な事に。ノウハウが無いからわからない事ばかり。とりあえず水路は使えるようにしたが、借りる水田周辺は水路の施工が手抜きで水漏れが酷く、一方水持ちも悪く、農業機械も入れづらいという古い設計だ。どうしたものだか・・・
Posted at 2011/04/14 04:55:02 | |
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