2011年04月23日
・地元ワイナリーに行ってブドウ品種の話など。なんか事務所じゃなくて売り場で話したのだけれど、「ワイン売れないで余ってる」「競合が大変」とかお客がいる前でしゃべっちゃうあたりが、雇われ者だなぁと言った感じ。話してたら「私、もうすぐここ首になっちゃうので、話聞いてもアレですけど」とか言い出すし。うーん、取締役が「首切り」という意味がわからんが、なんとなくわかる。
・簡単に現状をまとめると、ブドウの品質は良いこの地だが、供給過多で従来品種は余っているし、ちょっと珍しい程度の品種もあまり売れてない。基本的に流通ルートに乗ってるのは1銘柄だけで、残りは直販のみ。銘柄を増やすと仕込み行程がさらに大変で煩雑になり投資も大変なので、やりたくない。
・ワインブドウ作りたければ既存の契約農家がどんどんリタイヤしているから、そこ借りた方がよくね?でも、受け入りを足きりするために、品質基準はすげー厳しくしているから、全部は買わないよ、でもワイナリーの勉強はしてねえ、という事らしい。生産部門もギリギリで回していて、投資なんか全然出来てない。出来て10年超えてるけど、地元で良いワインの品種の研究なんか、人任せらしい。人材は地元の別の民間ワイナリーに流れて行ったが「どうせ潰れる」、とも言っていた。負け惜しみ?
・日本のワイナリーは純粋にワインを作りたくて創立されたワイナリーと、ブドウ産地の出荷基準外の有効活用というのがある。後者はほぼ確実に農協とかが絡んだ3セクで、見分け方としては、うーん、ベリーAやコンコード、ナイヤガラのワインがある事かなぁ?ナイアでもおいしいのはあるので難しいのだけれど、それは優良は3セクもあるという話であり、成り立ちは上であっていると思う。で、3セクは独立系を憎んでいるんじゃないかと思う事がある。独立系は契約栽培も品種も自由だし、そもそもワインが好きな人がやってるから、こだわりが違う。3セクは多分だが、いろんな制約があるんじゃないかと思う。もちろん、金銭的には独立系も厳しいとは思うけど。
・一農家として見ると、本当はそんなところに出荷したくはないのだけれど、じゃあ別のワイナリーと契約栽培するかと言われると、出荷がものすごい手間になるのは厳しい。かと言って自前で醸造するのは酒造免許とかあるし無理。調べた中で魅力的で比較的近いのは小布施ワインだったのだが、ここは自社農場100%化を目指しているので、難しい(というか勉強したい)。つまるところ、ワイナリーの醸造家というのは突き詰めていくとブドウの栽培からはじまるドメーヌやシャトーが高品位の方向性だ。五一ワインだとエステート五一とか。そして、原料農家を契約栽培で縛っていく事の難しさも、小布施ワイナリーは理解しているように思われる。個人的には、アルコールそのものにこだわりはないので、ジュースでいいんじゃね?とか思ったりもするけれど。
Posted at 2011/04/23 20:38:04 | |
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