2012年01月20日
・今日は畳店に畳の発注をしに行ったのだが、親父を連れて行ったらなまじっか知り合いだっただけに、強く藁の畳を勧められた。私も藁の畳の踏み心地の良さを否定する気はない。スタイロ畳の耐久性が若干劣るのもメーカー試験で知っている。伝統技能に生きる店がスタイロ畳をやりたくない気持ちも機械を見ればよく分かる。
しかし、一方で、断熱性能を考えるとスタイロ畳は現状ベストな選択肢で、そりゃ野地板剥がして床下に別途断熱材を入れるなら別だけれど、畳を薄くしてスタイロを野地板の上に置くとか、もっと薄い断熱材(つうか、包装用クッション)を敷くと暖かいとか言う意見には、トータルで家を考える事をしてこない建材屋の底の浅さを感じずにはいられない。前者は結局スタイロ畳の1バリエーションに過ぎないし、5㎜で断熱になるなんて真空断熱でもやんなきゃ無理だ。畳が割れるなんて考える必要はないし、畳針であく穴がそんなヒートブリッジ(つうか穴か)になる訳でもない。
次世代省エネ基準で見るとうちの地域は一応Ⅲだけど、実質Ⅱの地域なので(というか区分があいまいなのだ。旧○○市の旧がどこまでさかのぼるかによる)、床下断熱でも1Bで135㎜、Ⅲの地域でも90㎜を要求している。これ、非常に大きな問題があって、従来木軸工法だと根太の太さは45㎜ぐらいなので、Z工法でスタイロを支えようとすると大引まで切らないと入らない、というヘンな事になる。実質「基礎断熱」にするしかクリア出来ないんじゃないかな?でも、クリアしているであろう家でもそんな工事している所はわずかだが・・・
私が言いたいのは、畳の厚さ6cmのうち、5㎜が畳表に取られると、あと5㎜のクッションを抜かして40㎜の断熱材を入れるCタイプのスタイロ畳ですら不十分だという事だ。まあ、全面リフォームが出来ない以上、床だけ厚さを増しても不十分なのは分かるけど。許される最大厚さである45㎜を他の場所に入れて熱的に弱い部分を作らない事が、リフォームでせめてやれる限界だろうと思う。しかし、この種の基礎原則は、実感としてとても分かりづらいので、厚い藁畳を見ると暖かそうと思っちゃんだろうな・・・
・同様なのがペアガラスでも問題になる。インプラスという内窓も見積もりを出してもらっているが、内側は単板でもいいだろうとガラス屋は言う。でもペアガラスと単板では断熱性能は雲泥の差になる。仮想的には従来のサッシと内窓でペアガラスになっている訳だけれど、私はどうもそこが納得出来ないというか数字のトリックがあるような印象を受ける。
ペアガラスの熱貫流率はほとんどガラスの枚数と距離で自動的に出てくる感じで、要はガラスそのものの特性はかわってない。私はずっとペアガラスは真空なんだろう(でなければ断熱性能なんてないだろう)と思っていたので、その低い性能とただの2重サッシである点にがっかりした。そんな程度の断熱の考えであれば、内窓の部分に障子とか閉めてある事でも効果があるように思われるし、実際あるんだろうけど、他の断熱基準から考えると大甘と言わざるを得ない。
・畳屋はそれでも注文を受ければスタイロでもやりそうで、地元でも良かったのだが、水道業者が地元バレしてしまい、見積もりを出させたら下見にきただけで12000円も要求してきたりで最悪だ。近所だからこういう事やられるとほんと困る。水道関係は規模が大きいし、公共事業に噛んでて職人も抱えているので経済的に厳しいと酷い事やるだろうとは思っていたが、案の定酷いもんだった。どう断ろうか思案中。こんな所に発注するなら12000円程度勉強代で安いモノだが、険悪になってもいかんしなぁ。大規模リフォーム店に任せた事にしようか・・・それにしても、何も知らないと、こんなぼったくりな見積もり(せいぜい2万円ぐらいの材料費が16万円に化けてる)でも払ってしまうのだろうか?
・そういえば住宅エコポイントとか各種補助事業を見ると、全部業者経由が対応になっている。確かに公平性とか事業の確かさとかの要素もあるけれど、お役所が工務店やメーカーに仕事を発生させて儲けさせ、DIY能力がない人にも多少補助しようというのが見えてくる。DIYで出来る人は元々対象外な訳だが、補助額と業者の阿漕な儲け方を見ると、とてもまともな補助になるとは思えないし、DIYでやる者としては税金取られて不公平に思われる。結局政府が大きくなって何も良くなってない例だよね。市の補助金もあまりに複雑怪奇で、部署が違うと同じ補助対象でもお互い知らなかったりする縦割そのものだ。
・ほんと、今回のリフォームを通じて、日本という国がジクジクと腐っていくのを感じた。地方が貧しく、またさもしい人材ばかりになり、中央や大手がそれを使ってさらに資本を蓄えるようになり、職人はキャバクラやパチンコやグリーで浪費している。Always3丁目の夕日をやっていたので見たが、こういう問題は別に今だからという事でもないし、食べる物に困るような貧困になくむしろ飽食で医療も格差とかいいながら祖母はサイボーグになっても延命して、多くの医療保障を受けてサポートも受けられる。不幸せなんて言ったら罰があたるだろう、やっぱりこういう良い側面を作った日本人もいたのだ。でも、金があればとりあえずなんでも良い、利益を出す事が成功という雰囲気を肌で感じると、祖母らの寿命が尽きる頃にその放漫のツケがいつか回ってくるようなのを感じる。それはまさに現在進行形なんじゃないか。
・グチはそのぐらいにして廊下のリフォームから。ここは掃き出し窓の内側の縁側というかそんな場所なのだが、床板が結露水でふやけて紫外線で劣化して突き板も浮いた場所だった。多くのリフォームではこういう床を剥がすのに苦労しているようだが、やってみて苦笑してしまった。こういう平面相手には丸ノコが良いのだが、ネット記事だと丸ノコで根太を切らないように苦労している話しが多い。が、丸ノコには切り込み深さの調整がついているので、12㎜に調整すれば「どこからどう切っても」フロア材は切れる。根太に1㎜切り込んでも何の問題もなかろう。あと丸ノコはチップなので、フロア釘程度は一緒に切ってしまえる(良くはないだろうが、なにせ隠れているので)。
結果だが、ここは303㎜間隔で下地無し12㎜合板フロアという思った通りの構造だった。ただ、困った事に、前の大工がフロア材を固定するビスを幅木に相当するサッシと敷居の下で打ってあるので、幅木を外す訳にもいかずかなり面倒な事に。敷居を外すのが正解なんだろうけど、サッシなんか外せるなら内窓なんかで苦労せんわ(笑)。日本の木軸家屋はサッシを作り付けにしてから外壁をやるので、サッシの交換が出来ないという問題があるな。ここはスタイロ入れて合板貼って無垢フロアにする予定。
・あと、勝手口ドアがアルミの板なので、アンティークドアの会社に行ってドアを見てきた。ただサイズが74cm×180cmとかなり狭く、重量が20kg~と重いので、そのようなサイズのドアがあるかどうか。ただ、軽いドアにするとステンドグラスが入ってない訳で、アンティークでやる価値が無くなる。重いと既製品の今のサッシの蝶番が心配。いっそドアを自作して新品ステンドでも入れた方が楽じゃないかと思ったり。フラッシュドアでもいいしなぁ、断熱材入るから。インテリアドアも設計上熱空間の内側の敷居として必要なので、しっかり作り直す必要があります。ぶっちゃけプリント板が好みでないので、張り替えしてやりたい所です。
Posted at 2012/01/20 23:09:44 | |
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2012年01月20日
・先日ラジオで、つい明治の先頃までは、教養教育と言えば和歌や俳諧であり、当時の人間なら百人一首などはすべてそらんじていたという話しがあった。よってインテリの会話などでは本歌を知っているという大前提での文章文脈が当然であって、それを知らないと意味をなさないとも。
・先日MADを見た。しかし元ネタがFFシリーズとか見てないアニメだったりして、意味不明な部分がかなり多くて、動画のコメントで「多分面白いのだろう」と思うしか無かった。つまり明治までの和歌俳諧の基礎教養というのは、今日ではアニメであり、MADを楽しむためにアニメを見るというのが今日の教養教育なのではないか?と思ったりする。うーん、なんて勉強熱心なんだ、俺。でも、昔の寺子屋教育は読み書きそろばんという実用部分の他に、道徳思想教育として和歌を教えていたのは間違いない訳で(教科書の事を往来物だったか、昔の手紙の文例集を使っていたそうな)、やっぱりアニメ見て楽しんでいたんだよ!
・そうすると、アニメにも恐らくヒエラルキーが存在するんだと思う。それは直接的な良さ悪さの評価ではなく、MADへの引用数のような間接的な数で表されうる。例えばラピュタはムスカ関係が多いし、エヴァも多いが、銀魂のような元がパロディーなのはヒエラルキーでは下になるだろう。多分手塚治虫が「万葉集」とか、ジブリが「古今和歌集」で、ガイナックスの一部が「新古今和歌集」とかかなぁ。
・今日はもう一件のリフォーム業者(やっぱり大手)との打ち合わせというか下見というかだったのだが、新築部門の人と軽く話してあったのである程度分かっていると思ったら、現場で御用聞きで、リフォーム部分の単価を聞いても「出せない」の一点張り。確かに間違いがあって後でもめるのが嫌とか言う種類のもあるけど、そもそも単価を知らないんじゃないかと思うような感じだった。つまり一式まるまるで受けて予算を消化しきるような感じか。うちは予算1000万円ぐらいを主にやってますからって、明らかに違う種類のリフォームだ。もちろん、そういうのがあるのは分かるけど、そんな種類のじゃない事は事前の話しからも分かるんだし、電話だって分かる。何より予算を聞かれるのがなんか腹立たしい。必要な作業があって単価があって積み重なっていくらとなるのであって、自由に食っていいパイを与えられるようなどんぶり勘定で今後やってけるのか。唯一出した床暖房の単価も、前のメーカーより10万円ぐらい高い感じでコスパ最悪。でも畳だったらホットカーペットで良いというなどは、一応まともか。
私は親が新築する際に家の関係を調べたので、まあ新築関係がどんだけあこぎな商売かは経験してきているが、大手メーカーのリフォーム部門ってのはその延長にあって、写真写りがいいリフォームは提案してくるが、肝心の部分はどうも信用ならないというか、単品で集めていった方が良いような感じだ。普通の買い物だとパーツ個別で買うより完成品の方が安いという事もあるが、住宅の場合どのみち下請けに丸投げするので、下請けと直接契約の方がマシ(実際新築でもそういう建て方を進めるグループもいる)(あるいは設計事務所がマージン取って折衝を行ったりする。でも事務所経由の工務店でも実力がない所もある)。
・そんな訳でメニューは自動的に決まった。天井裏にグラスウール、台所と外廊下がスタイロ入れたフローリング、内廊下はコルクタイルかカーペットタイル、窓は内窓で暖房は石油ファンヒーターとホットカーペットやエアコンの併用。和室床はスタイロ畳。
このリフォームはエコポイントの対象になるので、結構補助金が出る。というか、かかる費用に対する補助の価格がおかしい部分もある。例えば窓の断熱工事は18000ポイントぐらいだが、床の断熱は5万ポイント、天井が3万ポイント。ついでに段差解消とかでも5000ポイント、手すり設置でも5000ポイントとかはおいしい。ただリフォームで屋根裏全部に断熱材を入れられるのかと言われると、かなり厳しいのが実情だろう。全面リフォームならまあ分かるけど、例えば二部屋だけ断熱しましたとかでも効果はあるが30000ポイント申請していいのだろうか?また床も同様だ。
このエコポイントは新しい制度になってから被災地支援と称して1/2以上の価格は被災地に関係する商品で使わなければならなくなってしまった。半額は即時交換としてフローリング材だの配管工事だのに使える、と思う。
Posted at 2012/01/20 22:00:40 | |
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