2012年04月22日
・山羊を放牧するために移動するのは大変だ。山羊は道すがら草を食おうと立ち止まるし、仲が悪い山羊同士は頭突きをはじめる。先走ろうとする奴もいれば常に立ち止まろうと踏ん張る奴もいる。種雄と雌を発情期に一緒にするのも間違いの元だ。一度に歩かせられるのはMAX2頭で何度も往復するのは時間の無駄だし疲れる。そこで突然イギリスの田舎の羊の事を思い出した。
・イギリスではパブリックパスと言って、私有地でも通行権が慣例法で認められており、牧草地のど真ん中が登山道の一部という事がよくある。確か湖水地方のどこかだったと思うが、そういう道を歩いていたら羊の群れが道一杯を走ってきた。その土地では放牧地は石垣で区切られていて、パブリックパスは石垣の間の道がそうだったのだが、そこを数十頭の羊がセールの時のおばさんのように走ってくる。最初は大きい奴で、最後には小さい羊が走ってきた。私は石垣の隙間だったかで群れが通過するのを眺めていたのだが、結局その羊の波の意味は良く分からなかった。まあ牧草地を移動してるんだろうけど。
・で、今思うと、あの石垣通路を使った羊の移動というのは、とても便利なローテーションの仕組みだったのだろうと分かる。おそらく群れの後ろは牧羊犬か何かが居て、追い出しているのだ。そう言われてみれば石垣の通路には時々ストッパーがあり、また二重ゲートの入り口もあった。ただパブリックパスはそこは通過せず、石垣についている階段で渡った記憶がある。ともかく、幹線通路は石垣で完全に区切って、ゲートとストッパーを使ってローテーションをかけていたのだ。
・もちろん、全ての境界が石垣という事はなく、通行しない側の境界は木の柵だったと思う。念のためグーグルアースで見てみたら、ウィンダミアの綺麗な田舎はほんとそんな感じで、羊らしき物体まで映ってたりする。たとえばホークスヘッドあたり。あー、なんか見てたら行きたくなった。まあ、ああいう羊道は今は車道を兼ねているようなので、やっぱりそう簡単に応用出来る物じゃないか。犬もいないし果樹は食べられちゃうし。
Posted at 2012/04/22 23:55:29 | |
トラックバック(0) | 日記