2012年10月01日
・落葉果樹の高生産技術などみていると、色々勉強になる。今回は土壌の肥沃化と果実の相関関係について考察。単純に木を大きく強くしたいのであれば、土壌を肥沃かさせて水分も多くして垣根栽培にすれば強くなる事は目に見えている。でも、それと果実が良くなるかは別問題である。例えば一本の木ですら先端部の樹勢が強い場所では果実品質は意外と劣り、細い母枝から生えてる枝で案外大きなものが取れたりする。じゃあ樹勢を全部叩けばいいかと言うと、もちろんそんな事するとろくな果実がならなくなってしまう。日本だと根域制限してそこらへん調整するほどバランスが難しい。ラブルスカ系が日本だと強健なのも、一つには土地がそのような場所で特化してきたからなのもあるかも知れない。収量制限だって、大粒種が1.5tぐらいなのは、ちょうど良いバランスがそこらへんなのだろう。かつては、ジベレリンが許可されておらず、樹勢とのバランス取りに様々な方法が考案されたりしたものだが。
・結局、栄養成長か生殖成長かをどうコントロールするかという問題に行き着くのだろうが、それらは台木からはじまる品種選定や灌水施設の有無、地下水位の高さなど多岐にわたる条件の違いに対して、ブドウの木そのものがどの程度のホメオスタシスを発揮出来るかにかかっている。ところが、最近の天候は乱高下しやすい。今年はうちの地域はブドウには適した天気だったので当たり年ではあるのだが、一方で天候に左右されすぎるような脆弱な園が多いという事でもあると思う。ま、主にうちの話しだが(笑)。よい所の園はますます良いとしても、悪い時にも極端には悪くはないしね。
・来年の管理に関してはナイアガラはまたしても害虫が大量に入っていて嫌になった。多分剪定しても多くが死ぬんだろうナァ。もう面倒だから全部切り倒してしまおうかと思う。値段にしたって、今年ナイアは800gで200円(パック)とか信じられない底値だ。目を疑ったよ。スチューベンは2kgで1000円とかかなり高いので、多分東北で栽培面積が減ったかなにかではないかと思うが、この品種は強健なだけではなくラブルスカにしては樹勢が弱く果実品質がとても高いのが魅力。ナイアガラと対照的だ。ほんと、好きな人は好きなんだけど・・・ただ、この木は成長が遅いのがネック。デラほど遅くないと思っていたのだが、デラとほとんど一緒。時々すごい伸びるので、ポテンシャルは低くないと思っていたが。
・話しかわって「メシマズ嫁」のトピックがなかなか面白かった。美人でメシマズとブスでメシウマ、嫁さんならどちらかという比較があるが、美人でメシウマならいいんじゃないかと、なぜそういう固定概念があるのかと思ったり。私はメシマズというのは、そもそもその人の育ちの悪さが出ているように思う。自分の舌でおいしいまずいが分かれば、自分で食べる物をおいしくするのは当たり前の欲求なので、「不器用」とか「調理を知らない」というのはあまり問題ではないだろう。それが気にならないほど食に対する欲求が少ないというケースはあるかも知れないが。
・そういう育ちの良さ、味覚の鋭さというのは割と幼少期に植え付けられてしまうので、後天的に得られる物より大きいように感じる。もちろん大人になってからも味覚の開拓は怠るべきではない。日本人はカレーやラーメンが大好きだが、私はあそこらへんの食材は一見グルメな人がいるけど、本質的にはインスタントな美味しさを指向していると思う。それはともかく、要はメシマズ嫁というのは核家族で親がちゃんと料理を作らない家庭で育ったという事が大きな原因のように思うし、あるいは食材をけちらざるを得ない状況があったのかも知れない。もっとも、ダンナの方がそれと同じような舌だったら問題ない訳で、結局夫婦間で育ちが似たような所がいいのかもね。あんまり上等な食事でもやっぱりダンナが分からないケースもあるだろうし。
Posted at 2012/10/01 08:09:41 | |
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