2012年11月24日
・お手伝いに行っている所にスーパー7があり、昼休みにちょっと助手席に乗せてもらった。峠道の途中にあるので、絶好のワインディングロードを10分ぐらいドライブしてもらったのだが、刺激的な乗り物だった。普通の自動車の評価基準が当てはまらないというか、レーシングカーそのもののようでありながら、普通に乗れてしまう快適性というか適応能力がある感じ。
・エンジンはKシリーズかシグマか聞くの忘れたが、年式からいえばシグマユニットなのかな?これまたボンネットあけた訳ではないのでまた聞かなければいけないが、キャブのような無骨なトルクが低回転からあるみたい。でも特別パワフルって感じでもないし、発進でがくがくするようなチューンの高さも感じない。ギアは高い場所でクロスしているみたいで、1速でもそれなりに走り回りそうな感じだが、上は何速使っているのか明確に分からないぐらいクロスしている。それでも車体が軽いのでどうとでも走るというか。
・車体は足を伸ばしてコックピットにもぐりこみ、それでも頭はかなり強い風に吹かれる。もっと腰を押し込めばいいのだろうが、車体がタイトすぎて押し込めないし、腰の上を曲げることになる。ただ、全身を車体がそのままホールドするので、まったく体が遊ばない。リアタイヤがすぐ真後ろに来ている独特のポジションだ。よくボンネットが目の前で先に曲がると表現することもあるが、私は特にそれは感じなかった。車体がそれ以前に小さいのだ。でも乗車幅が小さいだけでリアトレッドはそれなりに大きい。重心バランスからいえばフロントヘビーだろうと思うが、リアがまず絶対逃げないという安心感があってクラッシュゾーンなどまったく無いけれど不安は無かった。
・この車はメーカーで選べる中で一番ハードなサスをつけているそうで、見てもタイヤなんかほとんどストロークを感じない。ロールという物がまったく無い。車体がそれで軽量なので、ギャップでガンガン浮いたり跳ねたりするんじゃないかと思ったが、100km以下でそういう挙動は感じなかった。剛性バランスの妙なのか伸び側ストロークを何らかの方法で確保しているのが、ロールしないのにロードホールディングが良いという未体験の感覚。タイヤは太いけどショルダーが丸くて、その特性も関係しているのかも知れない。
・またハンドル径がかなり小さく34とか32とかじゃないかと思うが、それでハンドル操作がせわしくない。すごいシュアなハンドリングを持っている車って小刻みに進路調整をするものが多いが、これはファミリーカーかと思うほど素直な曲がり方をしていて、多分ドライバーはオンザレール感覚だろうと思う。これも車体がロールなどで姿勢を作って曲がっている訳ではないので、なんでハンドルだけでああ綺麗に曲がって途中でも補正を必用としないのか分からんが、ともかくそう見えた。もっともハンドル切れ角は小さいようで、最小回転半径はFRのくせに軽く6mはある感じで、ロックトゥロックも少ないけどギアレシオも高いんだろうね。ノンアシストだろうし。
・ブレーキもオーナーはやや不満なようだが、これで不満なら世の中のたいていのスポーツカーはダンプカーだぜ・・・私は交差点でいつまでも減速しないので怖かったが、何の不安もなく止まってしまうので最終的には慣れた。ま、減速しててもGをあんまり感じないというか。
・スーパー7というとよくレーシングカートに喩えられるので、私は一部かも知れないが安定性が悪いカートを想像していた。運動性は高いけどナーバスで、わりとGも感じる乗り物だ。しかし7は性能の割りに挙動は穏やかでオープンの開放性(とくにマフラーの煩さ)とコックピットのタイトさに目をつぶれば、かなりゆったりとした気分でも乗れる乗り物である。ま、常識の2倍ぐらいの速度まででは常識的な安定性がある。昔ロードスターでちぎられた思い出がよみがえったが、あのバックヤードビルダーのようなチャチなお尻から想像する以上にこの車はピュアで、それを安定性に振っているのを感じた。たとえば同じぐらい速いであろうランエボとかS15に乗ると私は怖いもん、ターボなのもあるだろうけど。そして、この車のよさの大きな部分はこのタイヤによってもたらされているような気がする。表層的な絶対グリップに頼らない穏やかな表情の良いタイヤだ。もっとも、あのスピードでもトレッドはほとんど冷えていたので、動力性能に対してキャパが多きすぎるかも知れない。でも冷却性能もむき出しに近いからナァ。
Posted at 2012/11/24 21:09:29 | |
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