2013年02月10日
・ダンパーのOHでガス圧が掛からない場合にどうなるか経験した訳だが、その理論的な説明がイマイチ分からなくて混乱してました。一応TEINが分かりやすいモデルを出してくれていたので納得出来たと言えば出来たというか、現象の説明にはある程度なりました。それでも100%分かったかは微妙ですが。単筒式ダンパーで何で加圧が複筒式より高いか、はっきり分かる人はどのぐらい居るでしょうか?複筒式に高圧ガス入れたっていいし、単筒式のガスを低圧にしてもいいのではないか?と思われる方はいないでしょうか?
・まず真っ先にダンパーの中にガスが入っている理由ですが、それはダンパーロッドがシリンダー内部に入る分、内部容積を食うからです。全部オイルだとそのショックはロックして縮みませんし、シールが壊れない限り伸びもしません。
・では先に複筒式の話しから。原理的には複筒式のピストン部を単筒式と同じ構造にする事も可能だと思いますが、普通は複筒式は圧側はベースバルブを通じて外側の筒にオイルを押し出していて、伸び側をピストンバルブで調整しています。なんでそうなのか?これですね、圧側でピストンバルブで減衰力を調整しようと思っても、気体があるとそいつが先に縮んでしまうので減衰力が発生出来ないんですね、うちの偽OHみたいに。しかしベースバルブであれば、オイルに満たされた空間での圧縮だけ減衰すればいいので、ガス圧は基本的に不要です。キャビテーション予防に多少予圧は出来ますが、基本的に不要じゃないかな?
・一方単筒式はガス圧がないとベースバルブがフニャフニャで減衰力が発生出来ないと分かります。まあ、負圧でもバルブは開くでしょうから、全くスカスカでもないでしょうが。しかし、これ、突き詰めるとどこまでも圧縮気体の容積変化の問題がついて回ります。これを嫌って、単筒式でも固定したベースバルブを独立して持つタイプもあったそうですが、TEINはストロークを短くする事になると言っています。。ただ、バイクの場合、リザーバータンク側に減衰力調整装置があるのがありますよね?あれがベースバルブ独立式です。多分ですが、ああすれば単筒式のメリットも得つつ、ガス圧を下げてデメリットを消す事が出来ているのだろうと思います。もっとも、完全にベースバルブだけで圧側を出しているかは分かりません。確かベースバルブとピストンバルブを併用していたはず。リザーバータンク側に大きなバルブは設置出来ませんから、多分役割分担してるんじゃないかな?
・ま、そんな訳でVTのリアサスに加圧して走ってきました。まあ、簡単に書いてますけど、バルブチャックが車載では届かず、またサスを外すという手間が掛かりましたがね。圧はコンプレッサーの最大圧で入れてますがメーターは7kgぐらいで止まってしまったので、どっちが正解か分かりません。どのみちタイヤバルブは超高圧向けではないので、そこらへんが限度でしょう。プリは分解前と同じ3段目です。
・先に結論から言うと「コレがすごい良くなった」というのは分からなかったです。8の字なんかもやってみましたが、ちょっと腰高感というか踏ん張る感じが強くて、もう少し圧が低い方がサスが動いて乗りやすいかな?と思います。加圧ゼロだと減衰が足りないのですが、低速だとリアタイヤがついてないんじゃないかと錯覚するほどリアが軽くなります。適度な減衰はリアの存在感を感じさせるようで、加圧後はリアがどっしりした感じが戻ってきました。ある意味これまでより座りがいいので、漫然と大きい道を走っていてもラインがびしっとしています。多少ですが、衝撃の突き上げも分散された感じはあります。
立ち上がりはえらく良くなった気がします。というかトラクション掛けている方向は多分良くなっている。同じように直線で加速していくと、以前より速度の乗りが良くなっている感じがします。リアが入りすぎないしハネすぎもしない。またコーナーでのアクセルあけていく待ちでちょっとだけですがタメが出てきたので、レスポンスが遅いF2Hのエンジンでもアクセルを当てるのが楽になりました。ある程度バイク任せに過剰にトラクションをかける感じで平気で、エンジンのトルクが出ている方の性格の所を使えます。こういう時のVTってちょっとドカとかTLみたいに強いパルス感があっていいですね。
コーナーの入りは最初書いたように初期曲がりはちょっとアンダーになりました。VTのクイックすぎる性格だと思っていたのは、結構リアの抜けもあったみたいですね。なので、進入がスパンスパンという感じでもないしフルロックまでラグがあるので、以前のような感じではない。まあ、乗りやすいはずですが、あの設定の方が良かったかな。そっからの立ち上がりもアンダー出やすいので、しっかり目線を切り替えてやる必要があります。この時、リアのBT45はもの凄いシャープな曲がり方をしますね。スキーのターンのようにエッジに乗っている感じで、非常に鋭い味なんですが、外れるとどうなるのか怖い感じもします。
これからタイヤの皮がもう少し剥け、エア圧セッティングをしてから、プリロードをダンパーや車高に合わせて調整してやって、これでVTがやっとスポーツ出来る道具になってくると思います。
Posted at 2013/02/10 13:03:19 | |
トラックバック(0) | 日記