2014年12月05日
・コタツの断熱強化に挑戦してみました。まず現在下に敷いているアルミの2㎜のシートは掛け布団と内掛けの間に入れます。そして敷布の下に4㎜のシートを二つ折りにして入れて見ました。下側は4倍もの断熱層を稼げました。んで、どうなったかですが、他のこの手の製品でもよくある事なんですが、比較が難しい。コタツとかってサーモスタットが内蔵されているので、同じ熱源で温度がこのぐらい違いましたって比較がしづらいんですね。さらに言えばあの結果だって掛け布団をすごく薄くすれば「温度がこんなに早く上がった」とか言えちゃいますし。まして人間の感覚なんてアテにはならないのですが、はっきり変化したと思う点はあります。コタツの中が涼しくなりました。え、それって失敗してるんじゃない?と思う方、それは違う。
コタツってサーモで出力をコントロールして同じ温度にしているので、放熱が大きくても赤外線を多く出せば同じになりますよね。しかし、強い赤外線で焙られているので足が熱くもなります。直接的な加熱が多い。しかし、アルミ箔で断熱をしっかりすると、ずっと最低の温度で運転しているので、全然焙られた感じがしません。汗も出ないけど、しっかり暖かいという不思議な感じです。これまでが日当たりがいい場所で直射日光あびている状態だとすると、今のは日陰で涼んでいるような感じがする、そういう違いです。また場所による温度差が減ったような気がします。こたつあるあるですが、周辺は寒かったりする物ですが、全体に均一になった感じですね。足置いてなかった場所に足を移動しても、その部分も強く焙られてはないので余熱も低いですし。
保温要素は電源を切ったときに一番感じられるのですが、それは長くなりました。気温にもよりますが、コタツって付けておくと熱いが止めると寒いというラインがあります。ヒーターの最小出力の問題や焙られて汗が出る問題などの要素も関係しますが、そこらへん含めて現状だと電源切っても快適な時間が長いです。というか、切ったことを忘れたりします。久々にケチなエコが上手く行って良かったです。まあ、床が元からスタイロ系とかならあんまり差はないかもですが。
・ワインの呼称資格試験って・・・高いのねぇ。一般会員だと試験に2万以上、合格したら登録にまた2万って感じだ。まあ事業体としてはそのぐらいやりたい気持ちも分かるし、国際的な上部組織があってのソレだからなぁ。とは言えソムリエ(サービス)・ワインアドバイザー(流通小売り)に比べメリットがないワインエキスパート(他一般)が一緒というのは厳しい気もする。逆に言うとワインエキスパートはそのぐらい余裕がある一般人向けという位置づけなのかも知れないし、これは他の呼称資格試験の受験資格に満たない人がさっさと取っておくというプレ資格的な要素もあるのかも知れない。
・土壌について、粘土質土壌というのは大きく分けるとケイ酸とアルミニウムの結びつきが1;1のカオリン型と2:1のモンモリロ型になるのだそうだ。他にも金属塩がナトリウムであったりカルシウムであったりもするそうだが、本質は「ケイ酸がシート状になって金属塩との間に養水分をため込む」という事にある。んで、カオリン型はシートが一層なのでそのため込む力は粘土土壌の中でも低く、日本の土壌でもっとも一般的な粘土はこのカオリンだそうだ。一方モンモリロ型はそれがサンドイッチなので容量が大きい。何故粘土の話を唐突にはじめたかと言うと、ワインの世界では粘土質向きの品種、砂礫地向きの品種というのがあって、赤だとメルローは粘土向き、カベソーは砂礫向きと言われている。良くメルローは粘土に植えろと言われるし、ここの地区はメルローは他の品種に比べると目立って塩尻に劣るので、本当に粘土の違いだけなのだろうかと思った訳。
メルローの大御所と言えばボルドーの右岸、特にポムロールである(棒読み)。ここの土壌はスメクタイトと呼ばれる粘土鉱物が多いためメルロー向きであると説明される。メルローは「渇水に弱い」「かと言って過剰水分だとぼやける」ので、適度な保水性がありつつ過剰な水は土壌がためこみ根を圧迫して吸収を妨げる事で高品質なブドウが出来ると言う。このスメクタイトというのはモンモリロ型粘土鉱物の一種であるし、ぶっちゃけヨーロッパの肥沃値の粘土はこのモンモリロ型が多い。土壌のベースが異なれば施肥から潅水まで別の基準を考えなければならない訳で、カオリン型にあった栽培を研究しなければならないと思う所。ぶっちゃけ、ヨーロッパの畑が一見すると粗放で砂礫が多いにも関わらず生産性や品質が高い原因があると思うんですよ。粘土って言ってみれば現在工業的に試験されている超吸収ジェルみたいな物ですので、砂漠の緑化と似たような所がある。でも、地元と塩尻で距離で20kmほどの所で粘土質の違いがあるのか???と思ったら、違いました。というより塩尻がかなり地質的には変わっているのです。
塩尻という名前について長野県民の多くは「塩の道の終着点」であるからという説は知っていると思います。また上杉謙信の義塩伝説で武田信玄に塩を送ったという事も知られています(そういう祭りがまだあります)。敵に塩を送るの由来ですね。しかし、調べると実は地名の由来はもっともっと古いのではないか?という話がありまして、塩のついた地名は「粘土質や赤ローム層がある所に多い地名で、乾燥すると塩っぽい物が析出する赤ローム層の端っこだったから」という説、「シオというのは窪地の意味で、そこに粘土などが流入して底土になって青粘土になっているから」という説があるそうです。一応塩尻市の公的な見解は「赤ロームの端」という説だそうで。
んで、現在のローム層の定義はかならずしも火山灰の降積物だけでもないそうですが、とりあえず火山灰と大雑把に言うと、もう一つの粘土アロフェンについて触れる必要があります。これは結晶性ではない粘土の事で、火山灰に多く含まれるとあります。非結晶性だからか、吸着力は低いのですが、吸着量は割と多いという特性があり、特にアンモニアとカリの吸着が苦手とあります(CECが選択的って事かな)。
またシオ=窪地説で出てくる「青粘土」って何かと言うとモンモリロナイトの事だそうです。いやね、青粘土にも種類があるのではないかとは思いますよ、還元的な環境にあった土壌はシルトでも青みを帯びたりしますし。ただ、扇状地など川の上流は粘土は流出するので粘土が少なく、特にモンモリロ型は日本だと少ない。一方塩尻は日本では例外的にモンモリロ型の粘土が多いのではないか?と言える訳です。これが塩尻の暖かいメルローを作っているのかも。
・さて、メルローと言えば先日安曇野ワイナリーの国産ワインコンクールのメルローどこ産よ?って話をしました。自社農園って話は出てましたが、ソムリエには「新植した所のはまだ若い」って言われてましたね。んで、過去のビンテージで情報が出ました、高山村でした。その後、ワイナリー周辺のメルローも成長してブレンドしているかも知れませんが、安曇野ワイナリーが原料として安曇野産ではない物を使っていたのは事実のようです。別に悪い事ではなく、長野県全体で見ればプラスですし、県外に自社農園を持って融通するメーカーもあります。メルローの高品質ワインを作ってみたかったから高山の高品質原料を買う、そういうスタイルもカルフォルニアなどであります(フランスだって原料のみ供給の生産組合とかあるんだけど、プレミアム度合いが低い事が多いので、それを引き合いには出せないようなイメージ)。問題は「高山村の土壌ってメルローに向いてるの?」という事です。高山村は志賀高原の方の渓谷や山腹でワインを作っているので土壌条件としては割と山辺に近い。あと、栽培期間の温度も塩尻ほど高くないのも似ている。味としてもほんと山辺と塩尻の中間って感じでした(最高級で比較すると)。でも、安定栽培が出来ているなら、恐らく土壌条件はもう少し粘土質なのかな?とも予想します。うーん、これは是非行って確かめてみなければ。
Posted at 2014/12/05 22:05:30 | |
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