2015年01月13日
・仕事はデラ園(遠方)の剪定、いや車の整理とかゴミ捨てとか、いろいろやらなならん仕事は分かっていたんだけど、天気がいいので久々に山羊つれてきて草たべさせながら仕事。でも、相変わらず勝手に帰ろうとしたり奴らは脳みそ入ってないわ。デラの剪定は自然樹形なので難しいはずだが、自分で何度かやってある程度勝手が分かっている場合、樹形は出来上がっていてそれほど手を入れないのであれば、現状維持で剪定すればいいだけなのでかなり簡単だった。昨年薄くしたしね。
・夜は農協の会合で青年部と農協組織との懇談会があり、いろんな話をするという事であったが、結局農協改革を軸にした議題に突如なってしまい、何度も聞かされているお題目の読み上げだけで貴重な時間を浪費し、質疑応答(青年部はあんまり農協の経営の事情は分からないので、本当におしえてもらう立場)で大半の時間が終わった。確かにそういう議論をあちこちでやる事は意味はあるとは思うが、農協の改革に関してここで話しても結局具体的にどういう成果や方針や行動に繋がるのか分からないという意見が一番的確だったろう。これは国家主義や法治主義の行きすぎた所でよくある事だが、専門にそれをやってる人は様々な事を裏を含めてわかっており、付け焼き刃で現状維持を望んで話しても全然分からない。それが将来自分達のためになるかどうかすら分からん。結局、組織の上層部が示してくれた方針が正しいと信じるしかないわけで、今更こんな事言われてもなぁって感じがした。
一方、もっと足元の所での意見交換はほとんど行われず。これだったら出席しないでもと思ってしまってもしょうがない。大体、青年部の出席者は少ないし、農協も窓口職員まで来て貰ったけど、そんなん話す事ないがなって顔してる。それでも、2点ほどあった収穫・
1:農協の金融信用事業は自分での資金運用は2割、残り8割は農林中金とかなんちゃら共済だったか、別の金融機関に預けて運用益をもらっているのだそうだ。そういう貸付残高が1000億ほどあるらしく、ぶっちゃけ農協の利用者である農家が家を建てるとか言って預金したってスケールメリットが全然ないと。改めて言われるとショックだけど、つまりそういう事である。JAバンクは農家のために特例を得ているが、農家がらみで実際に資金を運用している訳ではない。ただ、運用益は農家のために色々使ってくれているので、農家サイドとしてはメリットは大きい。ただ、窓口で20万とか30万の定期を組んでも、そんなはした金って思われているのは事実なんだろうと思う。
2:課長から出された重い課題なのだが「農協が大事と言いつつも農協への系統出荷の割合が落ち込んでいるように思われる(出荷資材の割合などから)。何故農協に出さないのか答えろ」という、まあ取りようによってはかなりアレな質問である。もちろん、「農協として努力の足りない所を教えてくれ」みたいなオブラートに包んだ言い方であったが、要は系統出荷割合が低い人はどうなのよと言う訳だ。これは、特定の人のつるし上げになりかねない
ので、他の人の意見として当たり障りがない部分でフォローを入れといたが、課長はどうも全く違う事を考えていたらしくてイマイチ通じなかったので整理したい。
系統出荷が増えると農協は取り扱い手数料が増え利益が増える。また、宣伝活動や技術指導は具体的には金を取らずに行っているので(大きく見れば出荷手数料に入ってくるが)、そういうメリットだけただ乗りしている奴は恥を知れって言いたいのだろうとも思う。一方農家サイドで直売している人は私は2種類あると思う。一つは意識が低く従来はもっと低品質で高く売れていたから、競争原理で品質チェックが厳しい農協に出したくないというグループ、そこには善意で「この程度の物を出したくない」って人も含まれるだろうが、老人にはそういう人も結構いる。ただ、農協は品質が低ければ低いなりの値段で取ってはくれるので、農協がどうこう出来る事はあんまない。
もう一つのグループで課長の頭にあるのは、大農家生産者ほど直売割合が増えるという方。直売の方が利益率が高いとか言いたいのかも知れないが、ぶっちゃけると並のグレードであれば市場の方が安くて良い物が手に入るので、「超高品質(千疋屋に並ぶレベル)で農協の評価基準に収まらないほど良い物」を作る人以外は、それほどメリットはない物だろうと思っている。じゃ、なんで系統に出さないかと言えば、農協にはある程度方針って物があるので、ロザリオビアンコ(たとえば)を出すって言ってる農協にシャインマスカットを出すと嫌な顔される訳だ。そのロザリオを農協の金使って主幹品種としておしといて、結局露地栽培に向かなくて植えた半分がダメになり、シャインをメインにしようってなあなあで決まったら?そりゃ大口農家さんとしては面白くないよな、特にロザリオ推しだった別の大口農家の政治的働きかけや利益独占があらわなんだから。
もっとぶっちゃえると、農協の公平性には大きな疑問があるわけだ。総代会の議決権は誰でも一票だが、多くの決定は密室で豪農とその子弟で職員とか取り巻きとかでなあなあで決まっている。あるいは農協が農家をそそのかしてへんな方針を出す事もある。そういうので嫌な目にあった農家は、「農協は○○さんの私的組織だから関わりたくない」って思ったりするのも仕方ないだろう。というか、農協自体は大きな組織なので、それ全体を否定は出来なくても「あいつがいる間は出したくない」ってなったりする。
そう、結局の所、系統に出す出さないは価格インセンティブでもシステムでもなくて、農協の中の個人を信用出来るのか?この人達の働く場を維持するために農家も協力しようと思えるか?という簡単な事なのだ。それを頭ごなしに「系統に出さなきゃ村八分」みたいな事を言ってたら、さらに求心力は低下する。今の農協は個々の農家に滅多に顔を出さないし、それだけ愛着が薄い。まず、指導員が個々の畑に収穫期に来るぐらいに農家と密接な関係を構築し、一方で様々な決定をオープンにして公平性に疑問が持たれないぐらいにして系統出荷が増えるのだが、こんな話はできっこないし、課長がこれを分からないようだと色々問題だと思った(敢えてつるし上げているとしたら別だけどさ)。
・一時期ソーセージ道楽をしたのだが、一番のお気に入りだったチーズ入りソーセージは結局シリーズでもっとも先になくなり、残りのもかなり割高になってしかも店頭に並ばなくなってしまった、リクエストしたのに。他のもまあ美味しいんですが、ハムソーセージで中橋義雄シリーズがかなり美味しかったのでソーセージも買ったら、こっちもかなり美味しくてファンになりました。農協直販、頑張ってるナァ。自分でボイルするソーセージに限り無く近い味がします。それにしてもソーセージは自分で作ろうにもケーシングが高くてうんざりします。本当にあの値段だったら普通のソーセージもかなり高くなってしまいそうですが、あるいは工場生産だと生の腸とか使えるから安かったりするんでしょうか?
今日は寒かったのでストーブ焚いて、またマッシュドポテトと鍋料理を作って幸せです。マッシュドポテトは大分味作りにも慣れてきました。少しもったいないですが、茹でる段階から塩味tをつけておいた方が好みですねぇ。また牛乳よりクリームの方がやっぱり滑らかな舌触りになりますし、植物性ホイップより生クリームのほうが・・・まあホイップでも充分ですけど。林檎を入れるとボール一杯が1日もたなくて自分でもびっくりします。
・日本の製造業(中小企業の)がぶちあたっている壁についてちょっと考えて見ました。一言で言うなら商圏が狭いのが問題なんかなと。電子機器の進歩に対してモデルチェンジのサイクルが上げられないので、中国など新興国からの追い上げに対応出来ておらず、さらに販売力が低下するという悪いスパイラルに陥っているのではないかと。もちろん、大手の下請なら開発能力はなくても製品自体は作る事が出来るのでしょうが、価格決定力がありませんし。それにしたって、大手が伸びている時は大阪の町工場なんかでも「こういう物が欲しい」ってメーカーが探して、それに対応できる工場が大きく伸びたなんてザラだったそうです。たとえばスーパーカブのレッグシールドなんかそうですよね、これまで鉄板の絞りでしか作れないと思われていた物をポリプロピレン素材で大きく形成して安く錆びず軽いって物を量産した。大手ザマァって思ってますが、日本全体が落ち込んでいる。よく人件費の話が出ますが、工場の場合、単純労働賃だけじゃなくて諸経費もかかってますし、遊んでいる時間も生きていかなければならないので、仕事がないとさらに悪循環に陥る。その時間をコマ作ったりして技術や発想の進歩に使ったり、工場の生産の合理化に使って生き残っている所も沢山ありますが、職人技術だけだと早晩行き詰まります。ここらへんはまあ知られたマクラみたいな話です。
問題は日本はこの問題解消を補助金事業や政府購買、労働力だけ外から持ってきてコストダウンしたり、増税で内需をどんどん冷やしている政策を取っている事ですね。上で商圏が狭いと書きましたが、私は商圏を広くして新興国需要で戦う事には基本的には反対、とは言わないまでも、日本の製造業に対してはあんまりメリットがないのではないかと思います。国際企業さんは逆にそうしないと生きていけないので、そうやってアフリカでも南極でも進出して白熊にでもエアコン売りゃいいんだろうけどさ。
本来は日本はGDP世界二位で、内需も決して小さかった訳ではないんです。そのGDPが世界との貿易不均衡でもたらされていたとしても、そのお金を上手く国内で回せば市場も購買力もあり、内需で魅力的な商品開発に回せる事が出来て、さらに市場の活性化がはかれたのではないかと。貿易での利益拡大は常に簡単にひっくり返ってきた歴史がありますから。
世界史を見返してみると、近代以降での大繁栄は一つのパターンと、そのパターンが終わった時に衰退と権力の変化が見られています。まず世界を手に入れたのはブリカス、英国でした。繊維工業ではじまった近代化は、布製品をアフリカ、アジアに売り込み、そこで取れた紅茶・コーヒーや鉱物資源をヨーロッパや新大陸に売り込み、そのお金で拡大再生産しとりました。古くはまあ大航海時代にも三角貿易はあったので、その延長の悪い奴ですね。
しかし、二度の大戦で勝利したにも関わらずイギリスはどんどん没落していきます。いや、アメリカがもっと合理的に発展したというべきかも。アメリカは内需が強い国ですが、もちろん輸出をかまけていた訳ではありません。今でも様々な分野でトップクラスの実力はありますし、ベンチャー企業も優遇され新しい血を入れてます。しかし、内需に関して言うと製造業は不法移民などでも積極的に入れて労働価格を安くしてなりたっています。モンドヴィーノでもメキシコ人がオーパスワンなどで働いているのが描かれています。ま、これはフランスだって同じ事で、労働力は言葉もあやしいアルジェリア系移民だったりして、こいつらはイスラム教徒だったりする訳です。つまり「内需に対して国内産のみでバランスを取ろうとすると価格を高くするか保護貿易をするか移民政策を取るか」って三択を迫られる。で、移民政策は全ての国で経済的に成功、社会的には失敗したと言えます。つまり、人件費を安くするためには安い生産コストの国から単純労働の人間をもってきて、労働できる期間を区切って追い返すという非人道的単純労働を狙っていた訳ですが、資本家は正規の労働者じゃなくて違法でも安いのを使いつぶした方が短期収益があがるので密入国や違法労働者が減らず、それらが国内にコミュニティーを得る事で内需に穴あけるような○○タウンみたいな植民街が形成されたのではと。オバマは違法移民を合法化して内需拡大とかやりだしましたが、それは彼が別にアメリカ本国の人間ではないからですね、メンタリティーが。それを言えばアメリカ人はインディオで、かれらが絶滅させられているので、アメリカは特殊ケースではあります。でも、世界の大半の国はそうではありません、ちゃんと土着国民がいて文化伝統があるんです。それに、同じ入植国家でもカナダは最近中国からの移民を制限(ほぼ禁止)しました。
アメリカの次に覇権を握ったのは日本で、大雑把に言うと第一次大戦から80年代ぐらいがアメリカの時代で、85年代から00年代が日本が一番輝いていた時代でしょうか。皆、景気低下を一時的な株価の不況と捉えていましたが、根本的には権限委譲の時代だったにすぎなかった。その後は一瞬NIESや中国の時代が来ましたが、恐らくそれらが長く続く事はないでしょう。すでに翳りが見えていて、大雑把05~15年あたりが中国のピークかなぁと。パクスアメリカーナがまあ15年から85年の60年、パクスジャポニカが85~05の20年、パクスチャイナが05~15の10年だとすると、権限は委譲されるにつれ目減りし、工業化や重商主義の持続時間が短くなっているのが分かります。インドあたりに行き着いたら覇権なんて5年以下で、実質意味なくなってるでしょうし、改めて自由貿易主義の限界について話し合われる事でしょう、地球がまだ人が住める星だったら。
Posted at 2015/01/13 23:06:01 | |
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