2015年03月04日
・仕事はデラ園とスチューベン園の剪定枝運び出し終わり、パープル園の枝集めも半分ほど終わったので、明日でパープルと巨峰の枝の運び出しは終わるんじゃないかな。仕事の後農協青年部の総会があってかなり長い事話をしていた。今はもう手に入らない山辺の2008のメルロー、イタリアの発泡ワインを主にいただく。発泡ワインは黒ブドウ使っても透明なのが多いが、これは真っ黒と言うほど濃い。でも、全然タンニンが重くなくて飲みやすかった。シャンパンは泡が昇っていく様が見えるので、赤だとそれが見えないのが残念と言えば残念か。メルロミディアム2008はうろ覚えだが、結構良いビンテージだったように思う。当たり年だがやや若い2011が上手く成長した感じもするが、2011は若くても飲みやすい。2008が若かった時はどうだったのだろう。NAC認証はメルロのミディアムは取れたり取れなかったりするのだが、2008は取れてるので全体的に見ても良かったのだと思う。ともすれば少し線が細く冷たい感じがしがちな山辺のメルローとしては、陽気な感じがして素晴らしい出来だった。
・カベルネ・フランの良さが段々分かって来た気がする。度数が気になってたけど、それを含めてアレなんかも知れない。鹿肉と結構合う。単体だと弱いような気がしてたけど、スパイシーな感じがいいのかな?でも、現代農業のシカ肉の本を借りてきて読んでびっくりした。フレンチのシカ料理はアロゼでバターでゆっくり加熱して、ソースは骨だの筋だの赤ワイン40本だのを煮込んで70kgの原料が10kgになるまで煮詰めるんだそうな(まあ骨はそのまま入ってはないだろうけど)。そりゃ命を全部頂くという意味では尊敬出来る精神だけど、その熱量や手間、食材を考えると「凝縮された食費の味がした(村上春樹・羊を巡る冒険)」ってのは冗談でも文学表現でもなんでもないのかも知れない。
・土台の継ぎ手どうしようかと調べてたら、これまた図書館の本でドリフトピン工法というのがある事を知った。どういう事かと言うと、従来の木軸建築では梁と柱の継ぎ手、仕口なんかは木材の末端部を複雑に加工して組み合わせる方法で継いでいたのだが、そこを接合金物とぶっといピンで留めるのだそうだ。柱側は穴を掘らず金物をボルトで固定するだけだし、梁の仕口もマシンカットでちょっとだけ切って穴をあけるだけなので、ただでさえ細い柱をさらに穴でやせさせる心配がなく、接合強度もまあ従来の2倍ぐらいあるそうな。土台継ぎ手でも同じようなドリフトピン接合があり、この手のは解体も楽だし熟練もいらないし強度も高いと紹介してあった。
もっとも、だったらもっと普及してしかるべきこの工法が一部メーカー採用にとどまっている訳で、「金物が高すぎる」「木材と金属の加工精度の差が必要で、それがガタになる(従来の継ぎ手だと木材同士が潰れる事でガタが消えていた)」「仕口のプレカットのマシンがそんなに無い」「そもそも、現代の技術で適切に補強金具で作った継ぎ手なら耐震性能は必要充分にある」ってな主張もあった。ちょうど前書いた剛床工法の固定がN75じゃなくてコーススレッドだったらどうかみたいな話ですな。
・穂木の方も継ぎ手と原理が同じ、接ぎ木って作業が必要である。うちは手ハサミでやる予定で、それもあるんだが、刃物部分のちんけさや通常でさえ非常に重い動きなどから見て、これで大量に接ぎ木を作るのはしんどいのではないかと思っている。小布施ワイナリーだと作業台の上に固定されたタイプを見たし、角藤さんの事を書いたブログでも、そこが足踏み式の接ぎ木カッターを持っていると書いてあった。そしてその価格が30万とか聞いて二度びっくり。アホかと。どうやらフランスから輸入している所があるらしいが、ぼったくりもいい所だなぁ。日本でもまあ零細鉄工所が作れば高いのもあるんだろうけど。
構造的にはボール盤でそのまま出来そうな気がする。チャックで刃を咥え、固定台部分に適当な木材で受け作ればいけそう。この刃は手動の奴は作りは悪いが原理は使い捨てカミソリと同じなので生産効率は高そう。形としてはオメガカッターってのが一番あっているとは思うのだけれど、英国鞍式接ぎ木ってのをウリにしている果樹屋さんもあるし、もっと雑な差し込み式のだって成長しちゃえば全然問題ない事もある。ボール盤でやるなら、丸鋼に割り切って刃を差し込んで溶接なりなんなりで簡単に固定できそう。問題はその刃で、薄い生鋼が手に入ればダイスでもなんでも治具作って万力かなんかでプレスして、焼きを入れれば出来そう。しかし、そんな薄い生鋼を売っているのを見た事がない(ていうか、需要もまずなさそう)。ただ、もちろん製品は沢山見る訳で、焼き入れリボン鋼なんかを試作している企業に頼めば簡単になんぼでも作ってくれそうな気はする(需要は知らん)。
・もう一つ、ロボット工学の本を読んでいて以前から「どうにかならんかな」と思っていた機構の大きなヒントが得られた。動力剪定ハサミなのだけれど、どのモデルもモーターと刃先がセットなので重いという問題があった。安い機種だとヘタするとバッテリーすら一緒になっていて、つくづくメーカーってバカだなぁと。ちょっといいかな?と思っていたのはエア式で、むしろ歴史から言えばこっちの方が古いらしいが、コンプレッサー背負って作業するのは色々難しいので現在は廃れつつある方式だ。
で、ロボット工学(先日批判した福島のドローンやってる野波って人ではなく、鈴森さんという人が書いてるけど、研究ジャンルは割と似てそう)でどう参考になったかと言うと、生物とロボットは幾何学的、力学的に相似性が高く必然的に生物に似てしまうという事例の一つとして「アームは末端部が軽くなくてはいけないが、そこに動力の組み込むが出来なくなるので、腱でもってより体幹側の動力を伝達している」というのがあった。たとえばユンボで言えばシリンダーはそれぞれの関節にあるけれど、動力源はエンジンで駆動するポンプで出して油圧ホースで伝達している。詳細は調べてないらしいが、アシモなんかもあれは油圧制御ハンドだそうで。人間や人の手の形のロボなんかも、手の平に若干の筋肉がある他は、前腕にある筋肉で筋を引っ張って指を駆動している。
と考えると、ワイヤー駆動の道具(たとえば車のパワーウィンドウとかそうだ)で先端部分のリンクを操作してハサミが握られる形にすれば、器具は飛躍的に軽くなるだろう。モーターやバッテリーは腰に収められる。ただ、ワイヤー自体にそれほど自由度はないので、へんな取り回しは出来なく成る。ワイヤーの力の伝達力だが、たとえば自転車のブレーキなんかはフルの力で握る事は少ないだろうが、そうやっても壊れない程度の力はある。あれなんか1.6㎜程度の太さだ。要は直の伝達トルクではなくリンク比で増力してやってストロークでパワーを稼げばよい。
そして大きなメリットはそのリンク機構は小さいだけではなく、末端部の形状を制限しないって事だ。現行の電動式ハサミは完全にそのメーカーの規格でしか刃先が使えない、ギア駆動のワンオフだからだ。そしてメンテ性も悪く好きな形状は使えない。一方ワイヤー引きリンクなら既存のハサミですら簡単に使えるようになりうる。グリップの内側に両方にワイヤーを引っかける金具を取り付ければいいだけだから。その金具をエンド側に設置すれば増力出来るし、それでも足りなければ動滑車を入れて引っ張るという手も考えられる。
その場合は感圧センサーか何かをハサミに取り付けて使う事になるだろう。単純なスイッチで全部動かそうとすると保持する指がちょっと面倒になりそうに思う。
・PC03軽トラに積んだという情報をやっと発見、やっぱり出来るじゃん(ダメ人間)。これで土嚢積みの方法が大分現実味を帯びてきた。あとは土嚢枠だな。製品であるのは枠が独立した出っ張りになっていて、土嚢の口を折り返して固定、上には穴が開いた板を渡して土を乗せる事で「容量の均一化」「上に引っ張れば土嚢が綺麗残る」って事が出来ている。一方コンパネで作るやり方の場合、土嚢が入る穴が連続しているので、袋の口を折り返す事が出来ない。また、上に穴あきプレートを乗せては使えないので容量の均一化がさらに手間になる可能性がある。ただ、独立した穴をもうけるのは確かに手間だ。
廃品利用でよければペール缶はこの手の作業での定番なので、底を抜いたペール缶を複数コンパネに固定してそこに土を投げ込む方法は楽そうではある。製品の丸コピである。4袋同時ぐらいの設計なら蓋は蝶番止めにすれば外したり固定したりする手間が省ける。容量も土嚢は25リッターぐらいなので、首をしめる余白を考えるとペール缶はうってつけ。
コンパネで作る場合は、普通に見る連続した穴をさらに二つに分けてサイトにも切れ込みを入れて首を折り返せるようにする。それなら上にプレートも置けるし袋の固定もいらない。実はコンパネの板取りから言うと、多分こっちの方が作りやすいのではないかと思う。
Posted at 2015/03/05 00:38:41 | |
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