2016年12月25日
・いやほんとに楽しみました、JPホーガン「星を継ぐ者」。惑星ミネルヴァが炎に包まれて崩壊していく様なんかは、脳裏にHALOの一場面が浮かぶようでしたし、一方で地味な科学考証は時々破綻していた気もするけれどとてもミステリーとして刺激されます。自然が作り出した現象に対する推理が自然科学だとしたら、SFというのは人為的な科学が作り出した現象への推理小説なのかも知れません。実はこの舞台となった2028年にはすでに世界は究極の核兵器の登場により逆に争いがなくなっており、それが宇宙へ目を開かせている事から話が始まるのですが、冷戦まっただ中の1978年前後はそれは夢想の世界というか願望でした。今思う以上にこの事自体が大きなフィクションなのですが、読み進めていくと最大の大前提であるこの事が、小説の大きな大きなテーマであった事に気付かされます。言ってみれば「猿の惑星」の逆だと言ってもいいでしょう。
以下ネタバレ 今回ハント博士の方の最後の推測は早い内から頭にありました。というか、この当時どうだったのか分かりませんが、月の由来に小惑星補足説は定番ですしね。ただ現在はジャイアントインパクト説というのが有力だそうです。しかし、この説は補足説だと確率的に難しいのではないかという部分が「地球に小天体が衝突したんじゃないのか」と言い換えているだけなので、根本的には補足説のバリエーションって気もする。
面白いのは、この小説はアバンで過去を書いておいてから、現代を描写しているので、むしろ読者はアウトラインは逆に掴んでおり、それが決して叙述トリック的なミスリーディングではないので感心する。小説の冒頭はとても重要な訳で、SFのような物だとなおさらだが、これはむしろミステリーの始まり方だ。一方でエピローグは少し緩い雰囲気の、ちょっとサービス過剰感もある物だが、当然ここは続編で確かめねばなるまいと思わせる。
さて、という事で続編2つも取り寄せるとして、現時点でガニメディアンについて想像。もし描写すると恐ろしく混乱をきたすので本作ではチャーリーと同世代のコリエルについては遺物が発見されてない前提だが、マスターシーンから両者が一緒にいた事は間違いないし、それも何名かいた事も分かっている。一般に2500万年というスパンで干渉しつづけるという事はまずありえないと思われるし、言語分析から一時期はいなかったと思われる。となると戻って来たと考えるか、あるいは例の推進器は時空移動としても働きそうなので、タイムスリップしたような可能性も考えられる。ただ不思議なのは、コリエル達の技術からすれば地球に来る事も可能だったはずだし、戦争に荷担するような風にも見えない。逆に移民船にミネルバ由来生物の情報がほぼ無いし、続きが楽しみな反面、多分一気にスペースオペラ化しそうな気もする。
後書きではSFの歴史とトレンドみたいなのが語られていて、スターウォーズが最新の流行みたいに言われているのが面白い。実際、50年代の古典SFがあって、70年代のニューウェーブで無軌道の小説側面重視になって、それが後半になって再び科学に肯定的なSFがヒロイックファンタジーとしてスペースオペラ的に復活し、一方でトールキンなどファンタジーにも広がって行くというアウトラインは時代関係なく読んでいる私には新鮮だ。それは特に児童文学という物を思い返してみるとはっきりする。
私が子供の頃読んでいた児童文学のSFと言うと「おんぼろ宇宙船シリーズ」とか「星雲からきた少年」(だったと思うのだが、どうも内容が一致しない)とかだったと思うけれど、ほっぺん先生シリーズとかずっこけ三人組とかでもSF回みたいなのがあった。まあ多かったのはタイムスリップ物でスペースオペラは少数派だったし、そもそもヒーロー然とした主人公は流行らない時代だったとは思う。それが段々オカルトとか伝奇的な物に代わって行って、まあ一周まわって江戸川乱歩とかに戻っていった気がする。それはちゃんと大人の世界のトレンドともリンクしていたわけで興味深い。
たとえばジブリを見てみよう。一作目のナウシカ(厳密にはジブリじゃないか)は84年、まだスターウォーズ(ジュダイの帰還)の余韻がありBTFも公開されており、SF要素が強い(映画はそこは結構削られてしまっているが)。二作目ラピュタはスチームパンクになっている。三作目のトトロ、四作目の魔女の宅急便では伝奇的・オカルト的な物になっていっている。多分ここらへんで「SFネイティブな世代」と「バラ色な未来ってなんだっけ」世代に分かれると思うのだ。いや、実際はSFネイティブな方がカーソンの沈黙の春とか公害やらなんやらと、いきなり鈍化した科学技術の発展で「世紀末現象」に大きく転んでいると思うのだけれど、それ以降の世代は特にそういうカウンターとしては捕らえてない可能性が高い。だから段々オカルトは純ホラー的な物になっていってる(気がする)。
・今更だけど、日本って移民受け入れた方がいいなと思った。自称日本の将来を考えているとか言う政治家やブラック企業経団連とか使い物にならないお荷物を優秀な移民にかわってやってもらうってのはどうだろう。今後まともにならないって意味だともっとも切り替えた方がいい代物だし、自分達がやろうとしていることの意味を考えるようになるだろうし。このジョーク見ると良く分かる。
最強の軍隊は
アメリカ人の将軍
ドイツ人の将校
日本人の下士官と兵
最悪の軍隊
中国人の将軍
日本人の参謀
ロシア人の将校
イタリア人の兵
という事で後は分かるな。中東移民で汚されたドイツからのドイツ人移民と、トランプショックで政治亡命希望するアメリカ人受け入れを認めればいいんだよ!
・電動薪割り機、家人が留守中に使ってみたらブレーカーはなんともなかったということで正常に作動しました。良かった良かった。柿の根元のようにヤニっぽくて割れない奴も簡単に割れてくれましたが、案の定硬い木ははじけます。両手がふさがっているとガードが出来ないのでプロテクターが欲しいけれど、そういう物があると木が置きづらいし、安全管理が難しいですね。もせた木なんかも砕けて割りづらいので、扉みたいな物で上から押さえる形にすれば安全かつ割りやすくなるとは思いますが、出番がそもそも滅多に無い道具ではあります。オイルは念の為少し抜いて見ましたが、特に汚れなどなく、交換されているのかも知れません。動作自体は全然問題ないから、しばらくは交換しません。これで割れずに薪置き場のお荷物だった薪も燃やせて、煮込み料理が捗ります。
・仕事は剪定作業、ピオーネ園は新植予定もあるのでさらに無駄な枝を抜いて、前やっていたひとが「すっきりしたねぇ」とびっくりしていた。以前は黒木だけでも頭の上がごみごみしていたからな。あとは間柱の位置でSSが走れない場所を解消したいのだが、棚下枝の誘引も絡んでくるので難しい。ただの棚なら間柱を多少動かしても問題ないんだけどね。明日でピオーネ園も片付きそう。デラの方は無理に樹冠を広げて樹勢を調整していた部分をまともな自然樹形のバランスにするのに迷っている。確かに強い部分を広げてその木は比較的樹勢が落ち着いたし、今年は本来の先端がまた伸びたから詰めてもいいと思うのだけれど。
・消毒を請け負ったところの料金の計算をやったのだが、久々のエクセルはなんとか使えてよかった。購買記録などの整理も進み、さて印刷して持っていくだけになったのだが、キャノンのプリンターはゴミなので使いたくないが、ブラザーのレーザープリンターはまだ接続してない。まあコンビニにUSBで持っていってコピーする練習でもするかと思って調べると以下の事が分かった。エクセルやテキストやワードなどのファイルはコンビニプリントは対応してないので、PDF形式に変換しなければならない。しかし現在のソフトはPDFのエクスポート機能はサポートしているので、特に難しいことはなさそう。という事でオープンオフィスにもあったPDF変換をかけようとすると、ダイヤログボックスが立ち上がるのだが、OKボタンなどが出ているであろう下の方にスクロールしてくれないのでエクスポートできない!!!!時々こういうバ○が作ったとしか思えないソフトがあるんだが、ほんと誰か気づけよ・・・所詮偽者の二流品か。
じゃあメモ帳あたりにコピペしてスクリーンショットで・・・とやってみても、改行とかがおかしくなるし、修正してもスクショはいらん画面が出てくる。ブラウザだと出来る全画面表示が出来ないし、ここからチマチマと無駄なサイドバーとか消すのも嫌だし、本当に本当にパソコン関係の印刷というのは大ッ嫌いだ!さらにオープンオフィスはそのあと起動不良とか言う謎のトラブルをおこした。これもしかしてバグソフトか?面倒になってキャノンのプリンター使ったら、やっぱり満タンだったインクを全部捨ててから「腹減った」とか抜かすし、カラーインクいらないからモノクロで刷れって言ってるのに「故障したら知らないから履歴残す」とか繰り返し。
Posted at 2016/12/26 00:54:22 | |
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