2016年12月29日
・「撃墜王列伝ー大空のエースたちの生涯」 鈴木五朗 著
興味がない人達にはほんと申し訳ない話が続くが、エーリッヒ・ハルトマンの項目で1943年頃に再びFW190への機種変換の打診が来たけれど、JG11(部隊番号)のエース達はBf109F及びGの継続を望んだという話が出てきた。この時のメンバーはバッツ・ラル・ハルトマン・バルクホルンなど世界的なエースだったので、当Bf109の継続が決まったという話である。先日書いたように、エースのこういう記録がメッサーを名機という事にしている重要な要素なのだろう。
が、さらに掘り下げてみるとどうも分からない事がある。それはFW190の方が鈴木氏の記述によると旋回性、上昇性も優れ、速度も中高度までは同等か勝っていたとされているからだ。これが性能が劣る機種であれば断る理由も分かるんだが、別に劣る訳ではないというか、ドイツ空軍のゲーリングにしたってそれぐらい分かるだろう。確かに日本海軍でも零戦が採用された直後は97式の方が旋回性能がいいからと機種転換に難色を示したパイロットが多かったという話しはあるし、鍾馗など「スペックはいいんだけど操縦性や視界がねえ・・・・」という欠点があったケースもある。ただ、最終的に言えば欠点があろうがなかろうが、空戦で敵を落とせる機体がいい機体であり、それはパイロットや空軍の戦術に沿っているかになる。
良く知られるように日本の戦闘機が最後の方まで格闘戦を重視したのに対し、アメリカをはじめ海外の戦闘機は馬力と重量を上げ一撃離脱タイプの戦い方を良しとしたと言われる。で、Bf109は割とその方向だったのだが、FW190が旋回性に優れたからと言って別に一撃離脱が不得意だった訳でもない。むしろパターンに持ち込めなければ弱いメッサーより柔軟かつ特定パターンでも強かったと読めるんだが、なんなんだろうね?
また高々度爆撃機の要撃に対してFW190は高々度性能が足りなかった、という事は考えられるが、日本のようにB29だけ相手にしていた訳ではないドイツではちょっと事情が異なる。確かに西部ではアメリカが参戦してからムスタングとかとも戦っているらしいのだが、東部ではソ連と戦っている。そしてエースが落としまくった敵というのはヤクだのラグだののソ連戦闘機もさることながらIL2シュトルモビクのような「対地攻撃機」がとても多かったとも書いてある。地上戦のサポートの意味合いが強く、IL2は低空を飛ぶ訳だから高々度性能は捨ててもかまわない。さらに言うとFW190は対爆撃機戦でもメッサー以上に活躍している。というのはメッサーは運動性能の代償として防弾性や強度が低く、被弾覚悟で突っ込むような戦い方には向いていなかったからだ。
驚くべき事だが、なんとドイツ空軍は爆撃機に対して体当たり撃墜方法を編み出していたりする。体当たりと言うとB29に五式とかで突っ込んだ話を連想するがそうではない。丈夫なFW190でB24とかの翼に覆い被さるようにぶつけてもぎ取っていたらしいのだ・・・それなんてスター無敵ですか?って感じ。もちろんFW190も無事では済まないのだけれど、正面衝突とかではないのでそっから脱出していたとあるが、ホントなんかイマイチ信じられないな。でもウィキにも突撃攻撃が推奨とか書いてある。まあ、そこまで強化した機体は鈍重なので空中戦性能は低かったみたいだが。
・エンジン換装後のミニキャブの初回燃費が出た。75km/4.6Lで16kmあたりと、前のエンジンの初期とほぼ同じ数字。チョーク系がダメという事は逆に始動時に捨ててるガスが少ない事にも繋がるし、好燃費だなというのが最初の感想。今の軽トラでもJC08で18,4~19,6あたりと20km越えてないので、8掛けでも16kmは出ないし。一方で、初期の燃料不足を加速ポンプでレーシングで補うというのは明らかに異常だし、今はスローをかなり濃くしている問題もある。
他には第一次大戦のレッドバロン事リヒトホーヘンだの面白い人が沢山出てくる。あ、この人ガンダムの元ネタかな?って人も出てくる。興味深かったのはフランスのルネ・ポール・フォンクというオッサン。第一次大戦だとフランスも一応頑張っていたみたいで、ギンヌメールとか言う人が人気らしいのだが、このフォンクというエースが使っていたスパッドS.XⅡとか言うのが面白い。なんと37㎜モーターカノンを搭載して戦果をあげまくっていたらしい。37㎜ってあんた・・・坂井三郎氏は20㎜ですら弾道が落ちまくるのでションベン弾と言って嫌っていたと言うのに。まあフォンクの得意戦術は宙返りやターンなどから水平飛行に戻る時を見越しての偏差射撃だったそうで、得意がって巴を見せつけた先に置き37㎜という非道な事やってたので人気がイマイチとかなんとか。またモーターカノンというのも結構アホな物なので勉強になった。
航空機も空戦だと低伸弾道の中口径までの銃の方が当てやすく、火力はアメリカなど数で補う方向になるのだけれど、爆撃機相手などだとどうしても炸裂弾が使える大口径が使いたい。ところが大口径銃を翼内に納めるとモーメントとか強度に問題が生じる。機首だと同調装置が万一とらぶると自爆装置と化す問題がある。解決策としては日本の月光のように斜め上に向けて取り付けて腹下から打ち上げるか(実際月光などは斜銃にしてる)、双発機にして機首の先にペラをなくすか(屠龍などはそういうタイプもある、奇しくも37㎜砲使ってる)、プッシャー機にするか(震電、あるいは秋水もこの流れに当てはまる、無論オリジナルのコメットも)もあるのだが、「双発機はそもそも格闘能力は低い」「プッシャー機はまだ開発途上、ジェットやロケットはさらに未発達」「斜銃は弾道が読みづらい」なんかの問題がある。で、出てきたのがプロペラシャフトを中空にして銃身にしちゃおうというトンデモ兵器。まあ戦闘機の一番のロール軸は多分ペラなので理想っちゃ理想だが・・・その理想を貫いて無理槍積んだ対空砲で戦闘機なんかもバカバカ落としてたんだからもう笑い話にしか聞こえない。まだ布張り木製機が実用の時代にどんなオーバーキルだよ。まあこういうロマン兵器が使える人なんて滅多にいないので、フォンク以外は戦果上げてないのもポイントが高い。こういう一発の超火力にステ全フリで毎回ワンパンってのは燃える。
ちなみに、Bf109もモーターカノンを採用しているタイプがある機種であるが、トラブルも多く積んでない機体もある。それでもプロペラのスピナーに穴だけは冷却用にあいているので「穴があるからモーターカノン積んでる」とは言えない。また、空冷のFW190は積んでいない、というのは星形空冷エンジンの場合、中心のクランクは分かる通り各気筒のコネクティングロッドが繋がって偏心運動している部分があるので、構造的にモーターカノンは詰めない。モーターカノンが詰め、なおかつメリットがあるのは、ほぼV型直列=水冷だけと言っていいかと思う。ところがFW190にはC型とD型という液冷エンジンを積んだタイプが試作されており、こいつらはモーターカノンを積んでいるからややこしい。ただし、ほとんど実戦投入や量産はされてないとの事。
・ソーラー充電、やっぱりおかしい。というか、電流計がこれどこの数字なのか分からない。入力側なのか出力(充電)側なのか、そもそも電圧をどこの数字で取っているのか。本当に充電量を知りたければ電流計(A)じゃなくて電力計(W)にして欲しい物だが、後付けが電流計が多いからかそういうのがない。
さて、計測してみるとへんな事が分かった。まずパネル側からの入力が27Vしかない。これは12V系を直列しているので普通なら36Vぐらいある物なので、負荷がついているとは言えこんな落ちるのかなぁ?というのが正直な感想。そして電流計は3Aと4Aを行き来しているので真っ昼間に4×27=108W程度しか仕事してない事になる・・・ん?この数字ってパネル1枚の数字にそっくりじゃないか?ちなみに天気は快晴で、ピーカンでもないがかなり明るい。
冬場は単位時間の充電量で見ると照射角が浅いのでパネル傾斜がもっと必要なのは分かる。21日が冬至だったが、この時の日射角は30度らへんだそうだ(緯度が36度として、日射角は90ー36=54度=春分秋分。自転軸の傾きが23.4度なので54-23.4=30.6度)。うちのパネルは30度程度の角度だと思われるが、本来は60度の傾斜が欲しい訳だから日射に対しては半分しか仕事してないのも当たり前・・・とも言えるが、普通のパネルはさっさと発電が飽和するので、そこまでシビアじゃない。平置きや屋根に直張りなんかでも傾斜が1かわっても発電量は数パーセントしか落ちないというデーターもある。まあ、少しでもと思って傾斜を強くしてみたがやっぱり数字は極端には良くならなかった。
一応念の為12V系に組み直してパネル別にテストしてみたが、発電量は3Aちょっとで同じ(先のは24V系での数字なので、半分にして12Vにしてその数字は正常。という事はパネルが両方壊れるとかでない限りこんな物なんだろう。思ったよりソーラーは飽和しないのか、初期の性能低下がかなり激しいのか(二流品なのかも)・・・ただ、バッテリー容量表示だとかなり高い数字になっていたし、12V系にした時にバッテリー一つを接続したら、電圧がやばいぐらい上がってあっさりストップするほど、すぐにシュワシュワ言い出したし、実際の充電量はあるのかも知れない。また24V系に組み直すのが結構面倒だ。
・レストランはランチに間に合わなかったのでデザートだけに行ったが、おいしかった。メニューも書き換わっており、こういう地味なアップデートが嬉しい。明日こそホホ肉の煮込みを食べに行くんだ(フラグ)。
・仕事はピオーネ剪定終わり、枝やいた所は土で盛っておいたが、まだ煙が出て陥没しだすのでユンボで掘って水をかけて消火、すっごい灰が飛んできた。火はなかったが、あれだけ雨が降ったり腐った葡萄でじめじめしていた土が綺麗にカラッカラに焼けていたのはびっくり。炭も結構あったし、枝の火力は馬鹿に出来ないな。爺さんの所でも少し話したが、願望と現実のギャップを感じる。
Posted at 2016/12/29 20:44:09 | |
トラックバック(0) | 日記