2017年04月24日
・ちょっと前、本能や遺伝の勉強で蛇に対する恐怖が遺伝するという話を読んだ。人間で「蛇を怖がる人」と「怖がらない人」は遺伝的な物であるという主旨の話だ。実際、蛇の気持ち悪さは、怖い人間にとっては説明不要な気味悪さである。例えば人間一般だと気持ち悪い絵とか、気持ち悪い音とか言うのは割と共通して持っていると思うが、蛇のそれもそんな感じ。しかし、全く平気な人達も居て、決して万人に共有される恐怖や不快感ではないのだろう。
改めて検索してみたら、上の話の下敷きになったであろう研究がいくつかあり(あるいは同じ研究者が類似の研究をした一部か)、サルや人では後天的に蛇に対する恐怖を親や周囲の反応から学ぶという結果だったが、じゃあ恐怖反応を抽出して別の物にパブロフの犬よろしく移植出来るのか(例えば花を親や周囲が蛇のように怖がって見せる)と言うと、無理だったらしい。また、画像から蛇の入った物を有意で他より早く見つける事などもわかり、「おそらく人間は蛇に対する恐怖や注意を本能的に持っており、親や周囲の反応がトリガーでそれが恐怖になる」と結論づけていた。という事で、最初の話に要約されている訳だが、当然この疑問は次の疑問を産む。
なぜ人は蛇だけ怖がるのか?それは生存競争やその手の問題なのだろうか?あるいは他の恐怖の対象も同じようなプロセスで学習し、本能化し、遺伝するのだろうか?という事である。危険な生き物で言えば、他にも熊だの蜂だのキリがないほどいる。もっとも2番目に危険なのは蚊、一番目に危険なのは人間という話もあって、それらに蛇に感じるような恐怖を私は感じない。大体、生存競争の上で生命の危機をもたらす場合、恐怖というのはあまり有効な手段ではないように思う。恐怖から咄嗟の回避行動を取る事もある反面、怖さですくんでしまう事もあるからだ。蛇から感じる恐怖はちょっと後ろ向きな気がする。そしえ、それらを踏まえた上でそもそも「感情が本能化して遺伝情報になるのか?」という疑問がある。饅頭怖いと言い続けていたら子供も饅頭が怖くなるのか?V6エンジンが好きなアメリカ人の子供はV6フリークになるのか?また親や周囲の恐怖がトリガーで伝播するというのも不思議である。人間には108の恐怖があって、それらは普段は隠れているがひょんな事から覚醒してしまうのだろうか。私も蛇が怖いとは言うものの、初めて蛇を見た時の事やその時の周囲の様子など全く覚えていない。人生にはまだまだ分からない事が沢山ある。
そうそう、これらの後続の研究はないのか?という事だが、ちょっとこの手の研究は今日は倫理的に問題がありそうなのが多く含まれていた(例えば恐怖の移植とか)。なにしろ1920年頃あたりから、本能や恐怖の研究で行われていたそうなので、今日ではより合理的な答えが導き出されている反面、臨床テストみたいなのは行われていないんじゃないかな。上のも一部はサルでの研究だったのは、多分そういう事だろうし。
・朝誘引、昼までマルチ張りとか片付けとか、お金関係とか。ちょっとこれもうそっとしておいた方がいいなみたいな案件だったので、前任者に特例確認して通した。なんか前の人が機嫌悪かったのが良く分からん。畑からはビニールの切れ端や壊れたコンテナなどがどんどん出てくるのが厄介。書類もまとめて出したが、自分の昨年の作付けが前々反映されてない書類が届いてたんだが、あれなんだったんだ?見たらパープルえらい量になってる気がすんだが。シャインの誘引は苗なので座屈対策するの忘れてて手間取った。改めて植える場所と支柱の重要性を思い出したりして。
今日も晴れ渡って雑草を枯らすには最適なのでトラクターでパープル園を中耕、めっちゃ石が多くて爪が折れるんじゃないかと心配になる。でも、一応大まかには耕せた。今年もマルチした方がいいか迷うな。うちは昨年稲作らなかったのでマルチの藁がないし。他に細々と雨よけの棚下線に衝突防止のリボンを付けたり、背負い噴霧機のテストをやったり(無事動いた)。雨よけをはじめデラよりパープルの方が発芽が早いので、明後日にはパープルの苗は消毒が必要だ。
・その後はハウス予定地の整地、なんとか平坦かな?というレベルになったのでとりあえず妥協、別にもうハウスが2度と作れなくなる訳じゃないし、密閉度合いがすごい高い必要もないし。試しにアーチパイプを置いて風あたりなどを確認したが、ハサ置き場の屋根からそれほど飛び出ない程度になっていた。まあ風の害は読めないので怖い所ではあるが。アーチのピッチだが、どうも直管が4.6mと5.5mと、合わせて10mな事から、50cmピッチで本来組むセットではないかと言う気がしてきた。50cmは一番広いピッチなので強度が低い問題はあるが、周囲のハウス見ても50cmピッチは結構普通だ。とりあえず雨よけなら降雪の事は考えないでいいんだし、10mにしようかと思う。それに10mにした所で、トラクターやユンボを全部入れられるかと言うと、多分半分以上が外に出てしまう。
・その後は農機引き取り、引き取り農機の修理。キャブだろうとアタリを付けて分解、サイドカバーがちゃんと分解出来て無駄にタンク外してしまったよ。キャブの取り付けはオーソドックスではないが、さりとて難しいというレベルでもなく、割とすんなり外せたのだが、汚れが思っていたより少ない。ブローバイ還元装置がついているのでてっきりもっとコテコテだと思ったのだが。なのでキャブ内部もかなり綺麗で、キャブが原因じゃないかという予想が揺らぐ。まあエア通路には驚くほど細い部分もあったので、きっと詰まりは生じていただろうが、逆にあんな細い場所ならそれほどは・・・って気がする。
他に不安になった要素としては、キャブの構造がちょっと変わっていた。フロート室の底の止めボルトがメインジェットホルダーを兼ねている物は時々あるが、こいつは底のボルトの下に電気制御のバルブがあってプランジャーを調整しており、こいつがメインジェットを調整するという電子制御可変メインジェットキャブだったのだ。私はこの手のは初めて見たのだが、これが壊れてガバガバだとやっぱりガスが濃くなってしまうだろうと思うが、どうなんだろう。故障して全閉にすればいいだけなら固定して使えばいいだけなんだが。というか、操作系にそれらを伺わせる表示が何も無いので困る。配線の色を探した限りだと、レギュレーターから出ているっぽいので、発電すると解除される仕組みかも。キャブにチョークレバーはあるが、増量回路ないし。
最後のプラグチェックすると、やっぱりガスとススがすごい事になっている。オイルも早速汚れている。そういえば若干ゲージより上に入っているので横置きだとそれでオイルが上がってしまうかも知れないので要注意だな。またプラグホール周辺がオイル混じりのゴミまみれになっていた。これじゃ冷却も出来ないだろうし、カバーを外して掃除しないといけないけれど、どこからこのオイルが出たのだろう?プラグが緩くてオイル混じりのガスが漏れ続けていたのか、どこか別の場所から出ているのか。
・水田の準備もしなければならないのだが、昨年は作付けしなかったのでアメリカセンダンが発生していたので、雑草対策が特に念入りに必要である。さて、乏しい経験ながら、水田の雑草対策は以下がある。
1:苗の植栽密度を上げる。疎植技術だと苗を慣行の半分にしても収量は変わらない事が分かっているが、出来るだけ苗を植えた方が被圧しやすい
2:苗の生育速度を速める。肥料や高水温で生育を早めるのも有効だが、肥料が多ければ雑草も育ちやすくなるし、次の点で高水温は雑草多発水田では使えない問題がある。
3:田面を出さない(重要) 水田で陸生の雑草が出るのは水位が低くて田面が出るからに他ならない。水位が低いのは畦が低い他、漏水が多いから、不陸があるからで、不陸は代掻きで調整出来るが、漏水や畦は根本対策が難しい分野である。
4:除草剤を効かせる(重要)これも田面と関係してくるが、除草剤は水が張ってないと効かないので、田面が出ると効果が著しく劣る。また漏水していると成分の流亡が激しく効果が劣る
5:物理除草 それでも出てしまった雑草は物理的に取り除くしかない。しかし、水田中央まで泥の中歩いて行って取るのは大変だし、足跡が高くなって雑草が出やすくなる。虫干しするまで放置すると、センダンは手で抜けないほど繁茂するし、ヒエは結実して見分けが付かないほどになる。
さて、5は「出てしまった時の対策」であり、残りの要素で特に重要な3,4及び2で共通するのは「漏水防止」と「水位維持」である。漏水防止は水田の周囲との位置関係にもよるが、畦が8、底が2ぐらいの割合だと言われている(例えば八郎潟みたいに真っ平らな所だと周囲から漏れても隣りも水田なので影響は著しく少ないし、水田が大きくなるほど畦は等比数列的に増えるのに対して面積は二乗で増えるので、底の影響割合が増える(はず))。で、畦の漏水の原因の主な物はモグラ穴であり、モグラが穴を開けられるのは水田の水位が低くて貫通しても水が漏れてこない場合だから、間接的にここも水位ファクターである。
じゃあ水位を常に一定にすればいいじゃないか(虫干しまで)となるのだが、これが難しい。良く「自動水位調整」と言ってオーバーフローパイプと組み合わせる方法があるのだが、これは下策である。下策が言い過ぎだとしたら、あんま良くない。というのはオーバーフローさせているので肥料成分を捨てているし、高水温の水を捨てて低水温の水を入れている事になる。また、水流が常に同じなら水口調整は不要だが、実際は取水量が変化しやすく、水が少ない時にオーバーフローギリギリにすると、水が多い時にガバガバか満水になってしまう事になる。
ではどうすればいいのか(主題)。望ましいのは自動で取水量を調整出来る仕組みである。そんなの分かってるわ!って言われそうだな。一応技術としてはトイレタンクのフロートバルブがそういう仕組みなのだが、高水圧低水量に対応しているため13Aしかない。13Aの水量で補充出来るんであれば誰も困ってないだろう(13Aの流量は水道圧ですら毎分10リットルとか15リットル、自然なら5リットルとかじゃないのか?時間で60リットル、24時間で1t程度の水だと減水深1㎜/反程度でしかない。そういう畑はそもそも水管理に苦労してない)。うちの水田は減水深10㎜/反・日はあるので、毎分40リットル程度は流せないと駄目だ。
で、水田用の自動給水装置は存在する。電池とセンサーとサーボを使ったタイプで、まあ原理的には自作も可能なぐらいの物だが、耐久性とかどうなんだろうね。コストはお察しで、多分3万程度は余裕ですると見た。そもそも導入事例が少ないのが色々表している。こんなん盗まれるヤン!もっと簡易的でいいからフロートバルブの大きいのはないのか?と思って調べたら、農研が公開している物があった。「なんだよ、あるんじゃん!」と思ったのだが、大変困った問題が分かった。これ製品化されてないわ。地下水位の調整用で全く同じ物を使っている写真を見た事があって、その時はえらく高そうだし関係ないな、でも既製品なんだろうなと思ったら違ったみたい。どうも、共同開発(能研は自分じゃ製品化出来ないので企業とタッグを組む)の会社がどう見ても能力が足りてない会社で自社製品の割高なのと食い合うので製品化してないんじゃないのかな?と邪推。
しかし構造的にはとても簡単だった。複雑な動力部に見えたのは全部フロートだったのだ。というか、これキャブのフロート室そのものだな、ヒンジ式じゃないのに同じのを見た事がある。ただ、高水圧に対応するためバルブにリンク式の倍力機構を入れたため、えらくメカニカルかつ複雑な形状になっている。実際多くの水田では水路脇から入れるので落差はせいぜい50cmとかのレベル、水頭が1メートル2メートル(0.1~0,2kg)ってレベルですらない。ちょっと気になるのは作動水圧を0.2~6としてある点で、あまり低いと作動しないの?とは心配になる。まあ、原理的にはないはずだが、ヒステリシスが大きいのかも知れない。ヒンジを作らないで済むなら構造は工作レベルですらないので、ちょっと作って見たい所。多少漏水しても、書いたように減水深がはるかに大きい水田だとあまり関係ないし。
また倍力リンクについても一つ改良案。これは面圧を上げたい訳だが、フロートの浮力を増やしても、パイプを細くしても対応出来るはずである。また、パイプ端部形状でなんとかなりそうな気もする。
・明日 キャブの組み付け直しでテスト、ハウスのアーチ組はじめる。消毒とか移植とか。
Posted at 2017/04/24 21:58:17 | |
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