2018年12月16日
・「おかえりブルゴーニュへ」 初日に見てしまった、しかも8時30分開演という遅さ。さらに次はグルジアが舞台の「葡萄畑におかえり」とか言う作品も上映するようで、ワインづくしだな。さて、冒頭で今回は館主さんから挨拶と軽い説明があり、原題は「拘束される物」みたいな話があった。そして見終わってから、やっぱりタイトルはそっちがふさわしかったかなと思う。内容は典型的なフランス映画、ストーリーラインが不明瞭でとりとめなく、なんとなーく始まってなんとなーく終わって、無駄っぽい場面をあちこちにちりばめて、あとラブロマンス描写が唐突にあって、コメディもあるかなと言った感じ。
そういう散漫な創作なので、部分部分には突っ込みたい所が沢山あって、都会派の監督が自然を求めてブルゴーニュに行ったという所も十分行かされているのか分からないが、それでも通年のロケによって葡萄畑の映像はバラエティーに富んでいる。富んでいるが、実は夏の作業風景が案外少ない。収穫の秋が多い印象。まあ、これは葡萄の四季みたいなドキュメンタリーではないのでいいんだけど、フランスの醸造葡萄だと夏期作業があんまり無いのかなぁとも思った。驚くほど枝を短く刈り込んでいるが暴れている様子はなく、キャノピーマネージメントもほどほどで、要は植物の生長が緩慢なのだ。なのでメインのイベントは収穫と剪定になってる印象。剪定風景はなかなか味わい深くて良かったが、収穫は人を使ってやるんだが、移民国家で低所得層が多いけど人権だけ発達していて、正直つきあいたくない人物が沢山出てくる。創作の都合とは言え、主要人物もフェアに見て見るととんでもないクソ野郎だったりするし(妻子をほったらかしてオヤジの葬式の後実家に居座り、相続問題をかき回して挙げ句、実は自分の財産を処分すれば問題が解決できるんだったという「え?お前何を悩ませていたの?」って言いたくなる)。演出やプロットとしては親の出せなかった手紙が遺品のコートに入っていて見て泣くとか、多分日本アニメで言えば転校生と食パン咥えて角でぶつかってパンチラみたいなのが入ってる。でもまあ、親子の関係の演出はなかなか良かったが。むしろ、劇中ではマスオさん状態で義両親に物が言えない軟弱な次男が一番親近感が沸いたし、えらいイケメンだった。フランス人が見たら彼はやっぱり軟弱男なんだろうか?
トータルとして、フランス映画が好きな人はまあ問題ないだろう。ワイン作りのヒントとしてもまあ面白いかも知れないが、ガチ勢は普通に留学して見れば分かる話かと思う。私は「フランス人面倒くさッ!」である。いやまあ日本の農村もそんな部分あるけど、時々日本に入ってきたフランス人醸造家がやりたい放題やって暴力ふるって総スカンなんて話を聞くと、ああいうメンタルだとそうだわなって思う。フランス映画で登場人物が悩んで「難しい状況だ」「複雑なんだ人生は」みたいな感じで困った状況になっているのって(この映画でも良く出てくるセリフ)、彼らの人生が複雑なんじゃなくて、行き当たりばったりで性愛をあちこちで発散させたり暴力をふるったりした当然の報いというか罰なんじゃないのかって。あとは異文化流入だよな、映画って「音楽」が果たす割合がかなり大きいのだが、私は見ていて一つもいい音楽が無かった。どこかアフロアメリカンか南米の血が入ったメロディーか、シャンソン崩れのそれっぽい曲。妹もなんであんな基地外季節労働者にのろけてんだってなるわ、まともそうな人物だったのに。
あとは相続税と家族経営問題について。相続税が50万ユーロで土地の評価というか売値が600万ユーロ、ワイナリー経営は土地の価値の1%でしかない、という話が出てきた。土地は家屋も含むし畑もプリミエクリュからアリゴテが植わってる畑まであるのでアレだが、農業国フランスの名門ブルゴーニュでもそんなんか?とびっくり。計算するとワイナリーの純益が甘く見ても800万円ぐらいで、相続税が6000万円、土地が7億2000万円?んなバカなと言いたいが、どうもブルゴーニュの地価が爆発していてドメーヌはいい迷惑みたいだった。面積だっておおざっぱに聞いていた限りでも2ヘクタールぐらいかな?って感じだったから、10アール3600万?どう考えても収益がそんな上がるはずないし転用出来ない土地の価格とは思えないな。でも日本で転用出来る土地だと1000平米3600万だと一坪12万でありうるか。
と文句はあるが、同人作家だと思えばいいし、フランスの風景はやっぱり綺麗だった。ドメーヌの中庭とか門とか、あざといルノーキャトルとか。すぐに変わってしまう日本の風景に比べて、100年前も100年先もこうなんだろうなーという安心感。あとワイナリー設備は結構充実していた。というか赤ワインのピジャーズ、お前ら足で踏むのかよ!って古典的な大樽なのに、ウォータージャケット付きステンタンクもあったりするし、統一感がない。白のムルソーはそっちでやんのかな?そして、家族経営の話を書き忘れたが、確かに家族は醸造は行うし、栽培も一応やっているが、雇われたアドバイザーというか杜氏というか家令というかで栽培醸造のコアを担っているとおぼしき人物が出てくる。ワイン作ってるのはあくまでこの人なんじゃないか?なぜ彼が中心じゃないんだ?と思ってしまう。そして、おそらく彼こそが解説で言われていた「ブルゴーニュのヴァニュロンでありながら俳優であるキャストが描写のアドバイスを行っている」という人物じゃないかと思ったりする。違ったらごめん。ちょっと文句も書いたけど、全体として異文化に触れられる良い機会でした。
・さて、次の上映作品で気になるのは「アラン デュカス 宮廷のレストラン」という作品。これはミシュランの18つもの星を取る天才シェフの密着ドキュメンタリーだそうなので、真実のフランスを知る手がかりになりそう。そして、もっといいなと思ったのは、作中メニュー再現の料理をタイアップレストランで提供するコラボがあるという事!これは常々思っている事だが、映像作品、漫画などの中の場所なら旅行でいけるが、食料に関しては食べるって事が出来ない。そりゃジブリ飯再現とかジャパンコラボとかやる人もいるけど、フレンチはお手上げだ。という事で、この作品見て夕食にレストランでディナー、くうううう、最高のイベントだとは思わんかね?12月22日から1月11日との事なので、結構短い期間だし、正月挟むぐらいなら年内に行きたい。
・久々に100円ショップのミーツーに行ったら、ヘッドライトが100円で売られていたので購入。私は車にもヘッドライトを積んでおくのだが、アストロの物は暗くてイマイチだった。我慢して積んでおいたが、LEDはどんどん進歩しているので新しい安物の方が古い高級品より良い。というかアストロがずば抜けてダメだっただけかも。レジに並んだら、そこに今度300円の7LEDの商品も置いてあった。こっちはヘッドバンドがちょっと良い以外は経験上良い商品に思えなかったが、安いし外れでも非常用みたいな物だからと思って購入。
どちらも単四3セルで100円のは素で入れる奴、300円のは今はもう古くさいランチャーに一度入れてから差し込むタイプ。LEDは100円のは当然1つ、300円のは1、3、7と点灯数が増やせるタイプ、最大は7。点灯時間は100円のは9時間、300円のは36時間とあるが、おそらく1つだけで使った場合だろう。皆同じとは書いてないが、ぱっと見同じなので最大で使えば1/7の5時間?
で、肝心の明るさだが、100円のが圧勝だった。やや中央過重照明ではあるが、1500円の愛用のヘッドライトに迫る明るさがある。軽いので2点ベルトでもさほどぶれない。唯一の欠点はスイッチのクリックが強く普通と逆面にある事ぐらい。300円のは1LEDだとキーホルダー以下、3LEDで並、7LEDでまぁまぁという感じ。均一背光でかなり広角であり、散ってしまって明るくないのだろうと思う。広角さで言えば結構あるしムラはないので、場合によっては便利かも知れないが・またLEDが増えると光源が散るので影ができずらく、コントラストが低く見えてしまうのもあるかも知れない。とは言え1LEDが実用外、3LEDで微妙だとどうかな。
・仕事は藁を軽く巻いたり、地主さんの所でハウスパーツさがしがてらあちこち相談。使ってない堆肥箱にウドを持って行ってくれないかとか、野良猫がまた子供を持ってきているとかそんなん。毎日寒くて嫌になる。
Posted at 2018/12/17 05:45:41 | |
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