2022年01月10日
・皆さん、最新の技術素材で日本刀を作ったらどうなるんか?ってのは興味があると思います。で、動画見て調べたらそういう日本刀はありました。軍刀です。良く軍刀って戦争の時に作られたのは粗悪だったから美術的価値もなく登録も出来ず廃棄されると思われてますが、実はそうでもなかったというお話。日本帝国軍も明治の頃はサーベル式の刀を装備してたんですが、やっぱり日本刀の方が使い勝手がいいってんで段々日本刀が使われるようにはなりましたが、絶対的には戦場での必要性は廃れていき儀礼用に士官が持つ物に変わってきました。しかし一部の兵科、騎兵や輜重兵なんかは本来装備として残されまして官給品もありました。また、自腹ですが買って装備する人もいました。って事で、軍刀の需要自体は実は結構あったらしいのです。
初期は古い日本刀をこしらえ直したりしましたが、それが減ってきて新規に作る時に粗悪な形だけの刀も作られたようですが、一方で超高性能で生産性が高かったり従来の日本刀にない性能を持った刀や近代機械化された生産方式など最新の科学で作ろう、という方向も出てきます。
有名なのは村田式銃で有名な村田少将が作らせた村田刀(ゾーリンゲンの鋼を混ぜて作った)、満鉄刀(満州産の鉄鉱石ベースで満州鉄道という植民地支配会社が作った。別に鉄道のレールは関係ない)、ステンレス刀(海軍が特に欲した錆びない刀、陸軍も耐久性が良いので使ってた)などある。その中でもびっくりしたのは振武刀という物。
これは近代冶金学の教授と東北帝国大学の研究機関、そして伝統的な日本刀職人の青山永十郎のタッグが作り出した刀で、ダハード鋼というニッケルクロムマンガン鋼を特殊な焼き入れ温度管理を用いて作ったそうで、成型方法は時期で違うそうだが低温脆性が少なく寒冷地での使用に適していたそうだ。つまりこの時期には合金化による焼き入れ特性の向上、耐腐食性の向上、靱性と切れ味の確保をやっていた訳で、最新ではないにせよかなり科学的な日本刀の実用的理想像に近づいていた事と思う。
ちなみに昭和期にはだんだん安来鋼にシフトしてきていたそうで、恐らく銀紙とか青紙に近い素材が使われ出したんじゃないかと思うが、金属資源は枯渇気味だったから分かっていても使えないという事もあったんではないかと思う。
・で、タハード鋼に似た素材が今もないかと調べていて、まあそれはあるんだけど、もっとびっくりしたのは日立金属がTS34、ZDP189などの生産をもうやめているって話である。安来鋼の伝統は日本の金属材料の誇るべき点だと思っていたのだが、日立金属に長年検査値改竄だか不正があったらしく、他にも業績悪化で投資会社に買収されたかなんだかで事業再編で不採算部門をやめたとかなんとか。一説には技術流出もあるんだそうで、勘弁してくれよと言いたくなる。
ただここ数年来、有名企業の不祥事が発覚してその根深さにはうんざりする。この分野だと神戸製鋼が大規模かつ常態化した改竄をやっていて、安倍のある所に改竄有り(多分直接関係はない)だなって思う。悪い事する奴が出世する嫌な世の中になったもんだよ。
Posted at 2022/01/10 22:36:14 | |
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