2012年04月12日
  
				
				 ・今年は自分ちのイナワラと知り合いの1反分ぐらいのイナワラがあったので、山羊の餌としてのイナワラは充分余った。実際にはさらに倍近い量が倉庫に入らなかったので倍でも持つだろう。ぎゃくに敷き藁を充分に交換出来てないとか、オカラを大量に使った事でセーブ出来てしまったという問題もある。またイナワラの保存倉庫が急造でかなり傷んだ藁が多かったのも課題。雨風が横から吹き込み雨漏りするので、藁が濡れてかびてしまった。また搬入も倉庫を造ってからだったので、田圃でかなり駄目になってしまったのもある。もっとも山羊は青いイナワラじゃなくて枯れて灰色になったのも喜んで食べているので、新鮮なイナワラがいいのかどうかは考える必要がある。まあ、新鮮なのをアルカリ処理というのが一番良いのだろうけどね。倉庫はほぼ半分があいたので、そこに山羊を繋げるようにしたい。まあ夏場は山羊は簡易的な雨よけがあれば畑に出しておいてもいいので、むしろ簡易小屋を造るべきかもしれない。テント式が軽くて楽なのだが、どうも山羊はそういうのが嫌いらしくて、構造物然としてないと入らないようだし、一方で構造物にするとロープが絡まるので収容は確実にしないといけない。となると、小屋を増設が一番か。
 ・山羊は小屋分けが結構問題だ。山羊同士の仲の悪さ、脱走癖、自然交配の可能性などだ。うちは現状自然交配しちゃう雄は1頭だが、すぐに子供も繁殖可能になるので子山羊を去勢しなければならない。しかし、子山羊は幸い有角だったので、血統が多少いびつになるけれど、それなりに優秀な雄山羊になる可能性がある。でも、そっちを種に格上げすると今度近親交配が問題になるし、今の種雄の扱いに困る。まあ今の種雄は大人しいので雄や去勢雄は混ぜても平気だろう。問題は雌で、1頭は脱走する癖があって困るし、雌同士は仲が非常に悪い。純粋ザーネンがお局化しているのだが、もう一匹を大事にするようになったので、その度合いが増した。子山羊の雌とは特に合わせてないが、今の所大きな反応はない。でも子山羊の雌もまた純ザーネンと雑種になるので、性質がにてくる可能性は高い。逆に数が増えれば攻撃が分散するかも知れないけど。
 ・最後にミルクの消費問題。今は子山羊に6リッター消費させても1リッターほど余剰が毎日出る。あと1月もすれば乳離れで毎日それだけ余る。ヨーグルトにして10リッターを1週間で消費しているが、1週間で60リッターにもなるとなると・・・
 ・穴焼き炭を作ってみた。無煙炭化器の元の原理なので煙がどうなるか興味があったが、安定燃焼にはいったらホントに無煙だった。つうか、燃焼がやばいぐらい強くて煙なんか出る余地が無いというか、枝の投入がボトルネックになるほどの処理速度だった。見えない高熱の上昇気流があって、かすったら髪の毛が一瞬でチリチリに。ただ初期の燃焼がカマが大きいほど不安定になるのが課題。多分500リッターぐらいは炭が焼けたので、堆肥などに混ぜて使ってやりたい。
				  Posted at 2012/04/12 22:29:56 |  | 
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				2012年04月11日
  
				
				 ・今日も強い風が吹いて色々大変だった。雨が降る前に用水路の点検もしたが、公共事業はほんと駄目だなーと実感。地下水路になる場所が砂利トラップになる設計でメンテホールもないってどうよ?私だったら設計した奴は永久出入り停止にする。で、ブドウ園は風が吹きすさび、前ほどではないが横殴りの雨にさらされた。最悪だ。ここは地形などから同じ方向から強い風が流れ込む構造になっているので、風上から離農者が出てドミノ倒しのように荒廃してきた過去がある。
 ・逆に言うなら風上に防風林を作ればその下は安全地帯になるという事である。ブドウは日本の果樹の中でもっとも葉が大きくて薄いので風に弱く、枝が折れる被害が多い。他にも防風林の下では地温が上がりやすいとかのメリットもあるみたい。風がどこから吹くか分からない地域では防風林で格子を作る必要があるが、ここは問題になる方角は一つだし、風に直交する農地をいろんな理由から管理出来る立場なので、ここに防風帯を作る事は可能だ。
 ・防風林として今考えているのはシラカシ。いろんな樹木があるのだが、潜在植生で常緑で耐寒性があり成長がはやく病害の原因にならず入手が楽である程度の高木となると、シラカシしか残らなかった。その農地は作付けはしていないが、全部防風林にしてOKという物でもないので、植えられるとしたら1列かな。最初2列で植て間引いてもいいけど。高さはブドウの棚の上の高さで考える必要があるので結構必要だ。高いほど効果範囲が長く伸びるのだが、日陰も大きくなるという問題がある。その効果範囲だが、いろんな資料がいろんな事を言っているので良く分からないのが本当の所。低い物だと樹高の20倍先では効果20%以下だし、高い資料だと80%を保っている。ネットのような均質な物でもやっぱり効果の評価にはばらつきが多い。ちょうど空力のような問題があるようだ。
 ・防風効果を高めようと遮蔽物を密にしたとすると、その直後は確かに無風になるのだが、その後ろは逆に巻き返しで風が強くなる。ビル風なんかと同じ。一方間隙率が40%ぐらいだと風は一定程度にしかさがらないが効果範囲は広がる。前者がスポイラーで後者がボルテックスジェネレーターのようだ。また下層林が意外と重要で、下から吹き込んでしまうと効果がかなり下がってしまっていた。下層林を別の樹種で作るか、横枝を充分残す必要がありそう。
 ・うちの園の一番の際と防風林との間は直線で100mぐらいある。効果範囲を20にすると高さ5mで良い事になる。実際には風当たりが強い場所は稜線上にあるので高さ自体は現状でも十二分に高いのだが、遮蔽物がなくなだらかな地形なので風は容赦なく押し寄せてくるので、ある程度高さは必要だろう。4m程度とすると、棚が2mだから6mまで伸ばす必要がある。それは結構厳しい高さにも思える。まずそこまで成長するのに5年ぐらいかかるし。その間はソルゴーでも使って短期的な防風を考えないといけないが、防風がもっとも必要な5月にソルゴーは使えない。あるいはソルゴーを栽培して収穫せずに一冬立ち枯れ状態で置いておけるなら可能か?まあ、それだったら、防風林を作らずすべての園の風上にソルゴーを数列配置する方が楽そうだけど。それだったら水田畦坂の防風とかにも使えそう。立ち枯れの放置は一度やった気がするが、茎は枯れたらかなり強いので持つのだが、葉っぱは雪などで落ちてしまっていたはず。
				  Posted at 2012/04/11 20:42:27 |  | 
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				2012年04月09日
  
				
				 ・先日トラクターの事書いてから過去の現代農業を読んだら、私が考えた事がそのまんま書かれていて笑った。自分の考えだとおもったのがコピーだったのか、必然的な結論だったのか・・・要は「浅く耕せば多少の凸凹は気にならないし、能力的に余裕がある」って話しだった。他に記事だとPTOが540回転になるようにPTOとアクセル開度を調整とあるが、荒起こしの場合は当てはまらない。というか私もPTO=540rpmという大まかな基準は分かるが、そういうアタッチメントを持ってないので良く分からないのが正直な所。多分畦塗り機とかライムソワーだと影響あるだろうけど、日本のトラクター=ロータリー専用機だからなぁ。これは世界的に見ればちょっと特殊で、世界ではアタッチメントはいろいろあるし、多分プラウの方が多いとは思う。逆にドライブハローは水田専用だから海外ではないはず。
 ・ロータリーの場合、PTOと車速が合わさってはじめて意味が出てくる。PTO2で速度2が畑でいいぐあいと買ったときに教わったのだが、水田でそんな速度でやったら練りアンになってしまう。ロータリーの回転速度を落として車速を上げてはじめてロータリーの刃が一回で耕す土の塊の大きさが変わってくる。PTO1で車速4だとおおよそ15cmの幅で切り取られた土になる。これが車速5になると20cm近くになり、車速2だと6cmぐらいかな?自然農法の木村さんが大規模農業ほど自然農法が合うという水田事例で「大型トラクターほど荒く耕すのが得意」と書いているのは、おそらくこういう事だろう。余剰馬力があればそれこそ40cmで切り取ったって出来る(深すぎない前提で)(多分土が勝手に折れるだろうけど)。
 ・あとロータリーの幅について、現代農業の記事だとメーカーは15cm深耕をする前提でトラクターにマッチングさせてあるとあり、30馬力以下が1.8となっている。うちのはさらに半分の馬力なので1.2mだ。ただ、幅がでっかくなると狭い畑での取り回しに苦労するから、今の幅でおおよそ満足。速度はいっくらでも上げられるので、余剰馬力を幅にするか速度にするかで選んで調整出来るとは思う。
 ・燃料はバイオディーゼルを試作すべく食品廃油をもらってきた。以前の不完全だが簡単な方法から、最近はよりクオリティーがあるが面倒なやり方になってきている。簡単な流れとしては「ゴミを濾過する」「水分を飛ばす」「一段階目の反応でグリセリンを大まかに除去する」「二段階目で完全に反応させる」「洗浄してグリセリンを完全に取り除く」で出来上がりだそうだ。濾過も温度が低いと駄目なので加温しているし、水分を飛ばすのも60度に15分と結構大変。ただこの程度の温度はソーラーで得られるので楽っちゃ楽。
  反応に関しては私もよく理解してないというか、資料が詳しかったり違ったりして比較しづらいのだが、二段階アルカリ法として紹介されているのが物によって違う。元サイトでは硫酸を使って1段階目をやってるが、楽そうなのは両方苛性ソーダを使う方法。どのみちメタノールを手配しなければいけないのが面倒。メタノールは実は石油化学製品で純バイオじゃないが、これは触媒であり燃やす訳ではない。
 ・ブドウの根本に食入した害虫に殺虫剤を注射、でも発見出来たのは2匹だけだった。ものすごい気持ち悪い生き物だったし、いつもならのたくって死ぬのが見えるのだけれど、今回は逃げていった。実際の所MEPに触れたら死ぬのは間違いないので、どこで死ぬかだけの違いだからそれはいいんだけど。ブドウではブドウトラカミキリが最大の加害害虫には違いないが、成長した木の中に入る奴も厄介と言えば厄介。防除方法がないのだ。基本的には株の周囲の草を払ってガットサイドのような予防薬を塗るしかないが、草生栽培だと草は必然的に増えるしガットサイドもラビキラー同様効かない事に定評がある。
 農協でハーブを株もとに植えて防除したという話しを聞いたので確かめたのだが、ブドウの日陰になってハーブは消失してしまって永続性がなかったという話しだった。どんなハーブだったのか分からないが・・・で、別の資料を調べて居てニンニクが穿孔虫の防除に使えると書いてあるのを発見。なんだ、あるじゃないか、情報。ただ問題はニンニクの場合、ちょうど害虫が活動する5月から9月の間は作付けの合間だと言う事。夏場はタマネギ同様枯れてしまうのだ(どうやって防除データーを取ったんだろう?)。まあ葉ニンニクという形で使えるようなので、それは試してみたい。
  またニンニク同様害虫に高い防除効果があるのがネギで、こっちは夏場も作付け出来るし苗で出ているので入手も楽。こっちは買ったので植えてみる。またニラもこの手の効果があるそうなので、掘り上げてみるかな。
				  Posted at 2012/04/09 22:07:35 |  | 
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				2012年04月07日
  
				
				 ・ミニキャブの荷台のコンパネバージョンアップを仮完了。今回は「色を白に」「歪みをなくす」「高さを伸ばす」「腐りづらい接合」「後ろが見えるカバー」ってな所が改良点。色は白が一番ですね、視認性が全然違います。てか、白いコンパネは見ていると眼が痛くなる。歪み関係は結局コンパネ周囲に板を張り付けてセミモノコック構造にして、今度その板同士を筋交い使って取り付け。以前は90cmの高さだったので、そうすると荷台上面が低くて使い勝手が悪かったのですが、110cm(ルーフと同じ高さ)にしたので、それほど不具合は感じませんし、長尺物も一応積めます。農機具も入りますが、ユンボとかだと筋交い外さないと無理ですね。ゲートはまだ取り付けてませんし、幌もまだですが、なかなか良さそう。重量バランスも戻ってトラクションがかかるように。
 ・ブドウ園は園内の湧水を塩ビパイプの水路で流すようにした。土地が浸食される事や作業時に水たまりに落っこちる事が嫌だったし、過剰な水分が色々影響する事もあったからだ。湧水部分からパイプに流しても最初は谷に水が流れていて「他の部分からの伏流水が多くて意味ないのかな?」と思ったが、やがて谷の水は枯れだした。多分上流部からの供給が止まって地下水位が下がってきたのだろうと思う。何しろとなりの園なんか足がズブズブ沈むほど湿地になってた場所もあったしな。ただ、ここは湧水しているだけ良く、もっと隠れた湿地になっている場所だと、横方向に水抜き管を打ち込む必要があり、簡単に対応はできそうにない。斜面だと重機も入れづらいし。まあ、園の上部を掘って暗渠を入れればいいのかも知れないが。
 ・田んぼも全部耕し終わりました。初めての田んぼというのはトラクターの走る順序で迷うのですが、テキトーに終わらせました。いや、本当は結構難しい問題です。とくに構造改善されてない変形した田んぼを綺麗に耕すのは至難の業です。変形だとロータリーの幅と合わない場所が出てくるので、蛇行するなり短く切り分けるなりする必要が出てきますが、実はこれが良くない。蛇行すると片方のタイヤは耕した場所に、もう片方はまだ耕してない場所に乗るので車体が斜めになります。そうするとうちのトラクターのように自動水平がついてないトラクターのローターも斜めになります。すると耕した側はより深く、そうでない場所は浅くなってしまいます。じゃあ、先に蛇行しておいて、残りを真っ直ぐ耕せばどうかと言うと、やっぱり車体がでこぼこに乗るたびにローターもでこぼこに動きます。
  多少凸凹するのは仕方ないと思われそうですが、水田だと地面の水平は実はかなり重要です。全部泥に思われる水田ですが、農作業で入る時は泥の下の耕してない層(耕盤とか呼ぶ)を農機具は走ります。言ってみればプールの底で、稲は底に沈殿した泥で育っている訳です。プールの底がでこぼこだと、田植えにしろ代掻きにしろぜんぶ農機具が基準となる面を出せないので不都合がおきます。例えば田植えなら車体が斜めになるので稲の植え付けの深さが変わりますし、下手すると蛇行します。代掻きだと不陸が出来て水深にバラツキが出ます(まあ、代掻きは何度かすれば泥が移動して水平になってくれますが)。
  今のトラクターはそういう事の対策として、左右方向には「自動水平」と言ってローターが重力に水平にあるようになっているそうです。また、オートデプスと言って深さを一定にする装置もあるようです。ただ、そういうトラクターを買う余裕もありませんし、電子制御は壊れやすく補修が出来ず、取り扱いにも慣れが必要という問題もあります。実際うちのシンプルなトラクターでも稲作は普通に出来ます。いろんな小技はあるのですが、一番重要だと思うのは「深耕しない」って事でしょうか。結局15cmも20cmもほじくり返そうとすると車体が沈むので上の問題が大きくなるのですが、10cm以下5cm以上ぐらいで耕す分にはあんまり関係ありませんし、燃料も使いません。PTO1の4速か5速で耕せば燃料は1反で1リッターぐらいじゃないかな?時間も30分ぐらいだし。
  起耕が浅いと植え付けも浅くなります。田んぼも歩きやすいです。養分は地表ほどあるし酸素も多いので稲の生育も良いのですが、虫干しとかには弱いはずなので、深水管理で肥料は控え目になります。深水管理だと除草の手間が省けますし、分けつが得られるので疎植になり、病気には強いし苗代が浮くというメリットもあります。うちは昨年は1、2株植えで7畝で14枚ぐらいでしたが、今年はもっと疎植にする予定です。肥料で分けつさせないので、苗の高さは低いですが、重量があって大粒の米になるので収量はまずまずで、倒伏の心配はありません。まあ、そういうのがすべてセットになって稲作がある訳です(もちろん私のやり方が全てでもないです。地質や環境や銘柄で違うでしょう)。
  
 ・他の田んぼを見ていて気がついた事ですが、秋起こしをしても乾土効果が出てない田んぼが多いように思います。またイナワラを還元しているのに腐ってない田んぼも多いです。うちはイナワラは畜産に使ったりして循環させてるのであんまり出ませんけど、腐ってないイナワラは浮いたり夏のガスわきの原因になったりして嫌われます。原因の一つは排水問題のようです。元々粘土質の田ですから、降雨があれば帯水してしまいます。そうすると乾かない。また荒く耕して出来るだけゴツゴツした状態が良いのですが、皆細かく耕してしまっています(とは言っても、湿っていればいずれくずれてしまいますが)。乾かすには荒い方が毛管水が切れていいんですが。藁が腐らないのは空気がないからのように思えます。ある程度水分があった方が腐るとは思いますが、濡れた藁は今度黄色いままだったり、下手すると青かったりしますし。
 ・ここらへんの水田では「溝切り」は行われません。畑作転作ではやってたりしますが、稲作の時にはやらない。理由として、「面倒だから」ってのが真っ先にあるとして、高地で水は豊富なので、あんまりシラタの原因となる猛暑の影響がないのだろうと想像します。排水はそんなシビアじゃないし、収穫時期にそれほど帯水もしませんし(地が深すぎない)。ただ、やった方が良いだろうとは思います。昨今重視されている暗渠とか地下灌漑とかも、溝切り作業だと大変なので代替技術として発達している部分があるかと思います。逆に元から溝切りがない地域だと、暗渠とか地下灌漑の重要性も理解されづらいんですね。
 ・えー、あと、今からの課題ははさかけです。米作で一番労働力が必要なのは収穫で、結構暑い時期に行う必要があります(ここらへんでは9月の第一週ぐらいから)。昔は6月に植えて10月に収穫しており、それが自然のサイクルでしたが、兼業農家がゴールデンウィークに田植えする関係ですべてが狂ってきています。ま、暑い時期に収穫が必要だと。籾が一反で9俵取れると、藁もおおよそ同じぐらいの重量になります。つまり合計1tぐらいの物をはさかけして乾燥させる必要があります。これがなかなか面倒なのでコンバインが発達しましたが、いろいろ計算するとはさかけの方がメリットが多いように感じます。
  コンバイン=脱穀まで一回で出来る・籾を人工乾燥させる必要がありコストがかかる・機材が高く自走して田んぼまで持っていけない・グレンタンクはもっと高いし輸送車が必要・養分の環流がなくおいしくない
  はさかけ=機材コストが安い・省エネである・イナワラが畜産で使え堆肥がタダで手に入る・おいしい・作業が2回になるので作業人員が必要
  以前は収穫となればどの田んぼでも家族総出ではさかけをするのが当たり前の風景でした。今は少数派です。専業で面積をふやすと特に難しいのでしょうけど、人を傭っても実の所機材費よりははるかに安いのではないかと。ただ、はさかけ棒などが近代化してないので、そこらへんの技術がないと段取りが面倒ではあります。
				  Posted at 2012/04/07 03:46:28 |  | 
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				2012年04月05日
  
				
				 ・今年はじめてトラクターを動かした。最近になってやっと借りられた水田があって、そこは秋起こしもやらずに放置されていたのだ。そもそも地主のおじいちゃんが死んでしまって息子の代が引き継いだのだけれど、兼業するだけの時間がなくて、一年やって無理だと悟ったけれど、いろんな事情で契約出来なかった。昨年など雑草は生え放題で稲も半分ぐらいしか刈り取ってなかったし、取れた量も当然少なかったのではないかと思う。区画整理を受けてない田んぼとしては大きい1反弱の水田だが、灌漑施設が貧弱な上に畦が痛んでいてとても手がかかる。
 ・ま、それでも作れるのはメリットがあるので、堆肥を軽トラ2杯1tぐらい運んで撒いた。手作業で大変だったが、スプレッダーが必用なほどでもないとは思う。まあ、かなりムラはあるのだが、ロータリー掛けちゃうし。そう、ここでトラクターの出番になったのだ。
 ・このトラクターはアワーメーターは500時間以下だったと思うが、寒い時期はなかなかエンジンの掛かりが悪く、バッテリーが上がらないかヒヤヒヤする物だった。まあディーゼル農具一般がそうなんだが、ディーゼルってのは圧縮熱を利用するので、安定燃焼するまでは不完全燃焼で黒鉛が出て不機嫌になる。昨年に灯油を軽油相当の潤滑性とセタン価にする添加剤、そしてクリーナーを買ったのでタンク1/4ぐらいで投入していた。その状態で自分の水田の田起こしをして冬眠していたはず。その時から始動性が良くなった気はしていたが、休眠開けでその効果を実感した。
 ・まず始動性がすごい良い。大抵、グロープラグを真っ赤にしてやっと始動していたのだが、かすかに赤いかな?って程度で回してすんなり始動(グロープラグは良し悪しで、これを余熱すれば始動は良くなるだろうが、バッテリーは当然疲弊してクランキングが辛くなる)。最初こそちょっと黒鉛とか白煙が出たような気がするが、すぐに安定した燃焼になって黒鉛も消えた。そう、黒鉛も非常に出づらくなった。またアイドル回転が安定した。
 ・トラクターのアクセルというのはハンドレバーで調整する(ペダルアクセルもあるが、普通は使わない)。このレバーをもっとも戻すと以前はエンストするか、しないでも酷く不安定な燃焼になっていた。そもそもアイドリングをさせる運転がトラクターではあまり無いので、ハンドレバーの戻し具合で調整していたのだが、それを戻していったら全戻しでもアイドリングをしてしまったと言った所。ただ、この時はチャージランプが付くので、バッテリーに充電はされない。
 ・エンジンの力もかなり出ているようだ。セタン価があがるとガソリンエンジンで言う点火時期を進めた状態になるし、燃焼効率も上がるので、当然トルクも増しているはず。トラクターというのはガバナーという装置が回転数を一定にする制御をするので、力のあるなしを直接的に感じるのは難しいのだが、「PTO1速の車速4速で10cmぐらいの湿った粘土質の水田を16馬力の120cmローターで秋起こし出来る」と言ったら分かるだろうか?分からないよな・・・実際は10cmも起こす必要はないので、調整して5cmぐらいにしてるけど、それだとロータリーが地面に下りてもあんまり変化を感じないぐらい余裕がある。まだエンジンオイルも良いのにしてないし、ミッションオイルやロータリーオイルも古いののままでだ。すごい。ただ、エンジンが強くなってロータリーの負担が増すので、チェーンケースのゴミ取りはこまめにやってる。そうそう、回転は1500rpmでやってる。16馬力というのは2000rpmの定格表示なので、単純計算だと定格12馬力でこんだけ使えるんだと言った所。
 ・ともかくディーゼルエンジンのセタンブースターの類の効能は想像通りというか、期待を裏切らない事が分かった。燃費的にも助かるだろうけど、機材的にも大きな仕事をさせられるので20馬力のトラクターに30馬力級の仕事をさせたいって時に役立つと思う。またクリーナーはエンジン一般で有効だけれど、その効果もかなりあると思う。実際ディーゼルエンジンばらすとインジェクターはすごい汚れているしね。
 ・あと現代農業のトラクター特集のネタに一言(飛んだな)。定格馬力を出す2000回転とかに上げなくても良いという記事は確かに良いのだが、ガバナーがあるトラクターのディーゼルだと回転数=消費エネルギーではない。フラットトルクだとして2000回転でトルク10kgでやってる仕事は、1500回転だとトルク13.3kgの仕事になるので、原理的にはどっちの仕事率も変わらない(パワーは不変)。回転数を下げて出来る仕事率に落として初めて省エネなり機材の負担軽減につながる。まあ、ただ、ディーゼルエンジンで2000回転は割と回ちゃってる感があるので、トルクがさがりだしている領域である機種もあるのかも知れない。
 ・で、セタン価が上がるとその部分が変わってくる。ディーゼルが高回転が回らないのは、一つはピストンなどが丈夫な分重いので慣性が大きいからだが、そもそもは着火遅れがあるので高回転化すると燃えないという限界があった。ガソリンなら点火時期をどんどん早くすればいいが、ディーゼルは燃料を早く入れても燃えないのだ。今のコモンレールにはプレミックス燃焼を分散させておいて燃焼速度を上げる物もあるらしいけれど、点火時期が早まる訳ではない。古い機械式ポンプだと、そこは如実に出てくる(が、噴射タイミングを変える機構があるメカポンもあるとかないとか)。実際このトラクターは回転レバーをMAX回しても2500回転以上は多分回らなかったと思う。しかし、今回始動時にフルスロットルで始動したら、タコを振り切る勢いで回ってしまった。暖気後なら4000は回りそう。
				  Posted at 2012/04/05 23:44:03 |  | 
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農業 | 日記