2013年01月31日
・以前から「バイク過剰性能過ぎ」と言う話しを書いてきたが、最近のホンダやカワサキのラインナップはそれなりに若者に受け入れられているようで、なかなか面白いと思っている。大雑把な国内バイク事情を書くと、90年ぐらいまでレプリカブームでバイクの性能はどんどん上がったが、ライディング理論やスクール、マナーが追いつかず、長野県では3ナイ運動などでバイクはカブ以外は本当に少なかった。多分全国的にもバイクにたいする風当たりが一番強かった時代だろう。個人的には尾崎豊がその最右翼というか、本当に死んでくれと思ったら死んでいたので、なんというかなんだが、バイク好きにとって不良少年のうさばらしで盗み正当化とか本当に腹が立った物だ。まあ、あれはあくまで歌であって、尾崎豊がそれを表現しただけで、彼の他の歌は好きです、すみません。まあ、でも、あの時代前後のアニメや漫画のバイクの扱いって酷いよねぇと今でも思う。バイクがファッションアイテムだったというか。それだけに時代性を帯びていて、それが面白かったのも否定しないし、どんどんニューモデルやニューメカニズムが登場して、いい時代でもあった。
・92年から98年ぐらいにかけて、バイクの馬力に規制がかかり、2ストレプリカで峠という峠族的な物から、ゼファーなどのネイキッドブームで、スタンダードバイクに戻る風潮が生まれる。バブルもはじけて、レースのフィードバックよりも通常の使い勝手やテイストを見直すようになり、規制後モデルでも足回りなどバランスの向上によって楽しく走れるというようになった。が、パイの縮小でモデルが揃えられなくなり、一社でフルラインナップ的な事が難しくなる。まー、でも、今考えてもバイクメーカーがそれぞれフルラインナップで国内モデルまで作っていたんだから、まだまだ活力があった。
・98年ぐらいに大型免許が外圧によって試験でなく教習で取れるようになった。それまでの日本の免許制度だと、大型免許が欲しければ警察が行う一発試験で合格しなければならず、そりゃー厳しかった。二輪免許は原付以外全部府中で取ったので、割とそこらへんは今となっては詳しい方になってしまったけれど、日曜の府中のコース開放になると、腕自慢が集まって自主練習をやらせてもらっていたものだ。NS400とかで一本橋とかすごい上手い人がいたなぁ・・・
試験の順番は「小型限定」「中型」「限定解除」の順番で、小型は取る人が少なく試験を受けるのが自分だけみたいな時もあったが、ちゃんと試験車両のCB125Tを試験管の人が暖気試走してから試験していた。自慢じゃないが、小型は6回も落っこち、これはかなり多い方だと思う(笑)。当時は50のハスラーに乗っていてたので、試験車両も全然難しい事は無かったのだが、今思うと警察の無言のプレッシャーであったのではないかと思う。一応落第すると何が悪かったか教えてはもらえるのだが、一発試験で安く取りたいというのは甘いというか、漠然とした指摘で具体的に急制動が悪かったとか一本橋でタイムが足りなかった、という訳じゃないのね。でも、私のスキルも相当低くて、まあ見れば分かったんだろう。これに受かってCBX125Fを買ったが、加速はNS1に置いてかれるほど遅かった。
中型は2,3回で取れてしまった気がするのであんまり覚えていない。試験車両もFZ400がやけにフロントフォークが弱かったのは覚えているが、あれだったっけなぁ?これでCBR250Rを買ったが、調子が悪くすぐに降りてしまった。今思うと東京の下道に向いたバイクじゃないよね、よくファンが回ってたし。黒いVガンマにちぎられたのが良い思い出だ。
大型はさすがに民間の練習場で練習しないと受からないだろうと、非公認の所に5回ぐらい通って、VFR750Kで練習した。当時は普通の教習場だと大型バイクは扱ってなかったので、大型バイク専門の教習場が非公認であったのだ。とは言え車両から見ても警察の息が掛かっている感じで、ここで練習すれば一発試験も通りやすいという目論みもあった。それに、当時の限定解除でクリアーする人は、本当に上手い人ばかりだった。今の教習所がどうこうという話しではなくて、一発試験での限定解除の合格率は7%ぐらいで、その日の試験で30人ぐらいが乗ると、2人受かるかな?3人だと多いな?ってぐらいだった。一応資格試験の形はしていたが、半分は合格数が決まった試験みたいなモンで、結果は即時発表なので合格者が出ると皆で拍手していた物だ。それに試験は何回も通うのが当たり前であり、自分が失格しても他の人の試験から何か掴もうという感じなので、皆顔見知りの連帯感が生まれてくる。試験は失格すると試験中止が言い渡されるので、最後の「坂道発進」まで進むと、最後の一周はウィニングランみたいなモンで、私も受かった時は晴れ晴れした気持ちでコースを一周した物だ。
昔話に脱線してしまったが、まあアメリカのハーレーの外圧で、大型免許は教習所でも取れるようになり、750cc以上のバイクも解禁になったがそこらへん。
・2000年代前半はそんな訳で、国内でもリッターバイクが堂々と売られる時代になり、そして性能がどんどん極端な物になった時だ。CBR900RRがリッタースポーツとして唯一の存在だった所にR1が出て、各社リッターSSを当たり前のように出してきたし、やがて600という中途半端な排気量が海外の中型クラスという形で入ってきた。そしてGP500が2ストの終焉でMOTOGPになって1000ccではじまった。あの時は「なんで1000ccなんだよ!」と思った物だ。というのは、いくら2ストが二倍の爆発数と言っても4ストの2倍も速い訳はなく、混走するにはあまりにフェアじゃなかったからだ。ただ、同じぐらいの性能で走らせると、750ccのスーパーバイクと並んでしまい、MOTOGPの権威が失われるという事、そしてコンストラクターチャンプであるホンダが1000cc化を強く主張した事で、「2スト最強のホンダが敢えて言うなら・・・」という形で1000ccになった。実際、あれでドカも入ってきたし、ホンダはムチャクチャな5気筒マシンという不利に挑戦して、それなりに面白かったのは事実だ。
ま、そんな訳で、かつて2スト250ccレプリカに乗る若者が牽引したバイク業界は、4ストリッターレプリカに乗る中年が牽引する時代になったんだが、そうすると入門バイクが無くなってしまうという問題がおきた。昔の250ccだって結構高かったから、若者が新車を自前でバンバン買っていた訳ではないが、バブルで親にもお金があったし、400ccぐらいまではサラリーマンでも普通に持っていたと思う。バイクブーム時代にある程度は乗ったライダーが順当にステップアップしてビッグバイクに乗る分には、そのブームは正常進化な部分もあったのだけれど、250ccだからと言って部品が極端に安くなる訳ではないので、対性能比で考えたら250ccや400ccはとても割高になってしまった。さらに円高で逆輸入車が相当安く買えたので、250と400冬の時代である。
この時代、唯一と言っていいぐらい売れたジャンルはTW200とビッグスクーターだった。あとはちょっとレトロブームもあったかな?速さを求めず、ストリートでの足として日常のバイクが出た事は決して否定されるべきではないが、ここらへんのブームはメディアが作ったファッション的な要素が強く、今でもバイク乗りはビグスクに嫌悪感を持つ人も少なくない。私は普通のスクーターであれば、全然嫌いじゃないけど・・・ただ、そのブームでバイクに乗った人はスカチューンは流行の終了で、ビグスクは車の方が楽だから降りてしまったと思う。業界に中年世代のようにライダーが残らなかったのだ。まあ絶対数が違うので、とっかかりとしてそれらが悪かったとも言えないし、峠族にならなかっただけ社会問題化は無かったけれど。実際若い子がスポーツバイクに乗ると、かなりの割合で致命的な事故を起こす物で、この時代の600あたりに最初に乗った子は・・・
もう一つフラッグシップあたりも語らねばならないのだろうが、300kmマシンに興味が無いので実は良く知らない。一応ZZR1100あたりが最高速マシンでもスポーツ指向でヒットして、CBR1100XXスーパーブラックバードがひっそりと出た。いや、ほんと、当時私の周辺でXXに興味を持った人間が誰もいなかったので、誰もXXが最速マシンと思わなかった。XXが最速と言われ出したのは皮肉にもスズキがハヤブサで300kmを堂々と言っちゃったあたりから、「ホンダは最高速バトルには加わらないの?」「いや、ブラックバードってのがあるよ」みたいな感じだった。つまり「ノーマル300km」というのは業界のタブーであって、おおっぴらに言っちゃいけない事だったらしいし、どのみち「最高速」という分野は反社会的な部分なので、ホンダは純粋に「超高性能フラッグシップ」としてXXを出していたからね。で、ハヤブサを挑戦と思ったのか、カワサキが12RだのZZR1400(ナマズ)だの出したのだけれど、ブサはまあハンドリングマシンとしても評価されたのだけれど、「そんなデカイの乗りまわせんわ」と、買ったけど降りる人続出。あと、法定速度プラスα程度だと快適すぎてつまらんという話しも良く耳にした。
・という事で2000年代後半になってくると、メーカーも車種整理やOEMをしつつも、最低限のスポーツバイクを出したのだが、スペック至上主義やかつてのそのジャンルの栄光を知る世代からは退化と受け止められさんざん叩かれた。実際メーカーもそんな売る気がなかったんだろうけど、SLとかCB223とかトリッカーとかTRとかグラトラとか、乗っても見てもそんな楽しい感じじゃなかったような・・・オーナーさん見てたらごめん。でも私も当時聞かれたら「中古でCBR買いなよ」と答えていたと思う。そう、新車がなくても10年落ちの250ccは沢山市場にあったのだ。リッターに乗り換えたオッサンのお下がりだけど。
リッターレプリカはさらに進化して、毎年新型が出るというかつてのバイクブームさながらになってきた。まあ、そこらへん乗ってないので分からないんだけど、俺だったらCBR900RRですら乗りこなしたとは永遠に思えないと思うのに、上手い人がおおいみたいだ。いや、実際世界の動画を見ているとムチャクチャ上手い人は多いとは感じるけど・・・あと、ここらへんから地元限定だとリッターマシンの事故死が増えた。毎シーズン美ヶ原でリッターSSで一人二人死んでたと思う(知り合いにはいないが)。久々に上がったりすると、ほんとバカみたいに飛ばしている人がいるからな。一方、GPZ900Rとか油冷マシンなんかはここらへんが最後の時代で、それまで魔改造して無理矢理現役だった人達も、さすがにスタリオンでGTRを追いかけまわすような事はやめた。
・で、2010年代になって日本の経済や産業の底が抜け、国内空洞化になってきた。スーパーカブですら熊本じゃなくて海外生産になってしまい、純国産だとチョイノリみたいなのじゃないと価格勝負出来なくなってしまった。スーパースポーツは元からワールドワイドクラスだからいいとして、スーパーカブの上、600クラスの下の入門スポーツがさすがに心許なくなってくる(というと、ホンダはVTRや骨を出していたので怒られるが)。中古も段々物がいい弾が減って、2ストは逆にプレミア状態、部品供給にも問題が出てくる。そんな中、CBR250R(MC41)やニンジャ250など、スポーツバイク然とした物が出てきて、それなりにかっこいいんじゃない?という人が増えてきた。実際2スト規制後などもタイでは売られていたので、NSR150だのは来ており、アジアバイクも国内モデルと同じ部品供給が望まれていたので、そこらへんは悪くないと思う。そしてホンダも400クラスにツインを投入するなど、カワサキやスズキ同様、国内専用モデルを事実上やめて、ワールドワイドなモデル展開に統一するようなのが最近発表された。長くなったので一旦終了。
Posted at 2013/01/31 21:12:50 | |
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2013年01月31日
・ブレーキシール交換後のブレーキタッチの劣化について、同じだというコメントも頂いて「でも新車も新品シールだけど、あんなスポンジーなタッチじゃないよな?」という事で、輸送時のブレーキレバーバンドがミソではないか?と想像しました。まあ、そうじゃなくても、ブレーキレバーバンドを一日やっておくとブレーキのタッチがソリッドになるというのはショップなんかの豆知識で知ってました。
・という事で、ブレーキレバーを握った状態でヒモで締めて、半日ほど放置してみたのですが、思った通りでした。レバータッチがOH前のようにガッチリした感じになってました。やっぱりエア抜き不良じゃなかったんだ。エア抜きって出来てなかったかどうかの検証をしようにも、ホースに最初は空気が入っているので、本当にそうなのか分からなかったんですよね。という事で、キャリパーOH後にタッチが復活しないでエア抜きをボトル一杯やっちゃった皆さん(昔の自分)、それはシールのせいです。レバー握って一晩放置しましょう。
・ところでキャリパーOHしてつくづく思ったんですが、ダストシールって良し悪しですね。確かに乗りっぱなしの場合は、ダストシールがあった方がいいとは思うんですよ。でも、ダストシールとオイルシールの間って何の潤滑剤や防錆剤も入らないので、ここが大変痛んでいます。車のようにピストンもカバーする形でダストシールが付くならいいのでしょうが、バイクの場合単に弱いシールがあるだけだし。そうそう、部品取って「そうなのか?」と思ったのは、ダストシールは最初からグリスが塗ってありました。多分メーカーが「ダストシールにはグリスアップすべし」と思っているのでしょう。一方オイルシールは何にも塗ってません。これは必要な場所はフルードが付くという判断があるからでしょうか。
・もう一つ豆というか思った事。キャリパーのオイルシールに粘着質な汚れが付着していました。ピストンの動きが悪くなるのは、これがシール溝に入り込んでスティックするという要素がありそうです。これが付いている場所は左右のキャリパーとも、下側ピストンの下側、つまりキャリパーの底の部分でした。当たり前な事ですが、ちょっとややこしい問題をはらんでいます。キャリパーのニップルは空気が抜けるようにキャリパーの一番高い場所についています。一方汚れは一番低い場所に溜まる。なのでフルードを交換しても汚れた成分はあまり抜け替わらないんじゃないかとも思います。まあ、そんな汚れが沈着するなんてのはよっぽどなのかも知れませんが、余裕があればピストンは抜いて組み直さないといけないのではないかと。またピストンを回す整備もありますが、根本的にはシールが回ってくれなきゃあんまり意味がないんじゃないかな?
・午後は天気も良かったので、いつもの練習場に行ってみたのですが、工事車両が出入りしている関係で泥が多くて危険なので、もっと狭い場所に行って練習してみました。とても小さい8の字だったのですが、地味に感動しました。もう自転車並に使いやすくなっている。足つき旋回も何の不安もなく、足を付く強さをコントロール出来るぐらい余裕(これが読めないバイクだと、足を付くのがバタンッとなって痛いです)。スロットルの遊びを取り、ツキが穏やかだけど確実なので、微速8の字のバンクでも思い通りの場所でスロットルがあけられるし、その量が自由自在。どうしてもマルチの大型のエンジンはここが苦手で、体のアクションでレスポンスを先読みして「大体このぐらいに倒しておけば多少ツキがおかしくてもどうにかなるだろ」みたいな所で落ち着きます。よく言えばメリハリが必要。
・じゃあダラダラ運転でバンク調整しやすいのがVTの美点かって?全く逆です。ゆっくり乗れるって事は、ライダーのモーションの把握がしやすく、「こんなツメていいのか?」ってレベルに簡単に入っていけるので、結果的にはかなりの旋回速度出せてしまいました。最初は私もメリハリ運転の積もりで乗っていたのですが、これの悪い点がVTだとはっきり見えてきて、アクセルが予想より強すぎても大丈夫なように腰が逃げて乗っているのが分かるのです。旋回中にシートに荷重出来ずにいるし、リーンアウトで外足をかなり使っています。VTはそんな小細工はいらず、リーンウィズのまま垂直荷重をどんどんかけてフルロックで走らせても、全然怖くない。改めてリーンウィズで乗れるという事の大切さを学んだ気がします。
・ブレーキは握り込んでタッチ回復をさせる前になりますが、コントロール性は上々です。キックバックやローターのでこぼこ感は何故か減ったように感じられます。まあ、そこまで握り込んでないだけかも知れませんが、ともかくタッチの始まりがとても細かい。これまでのレバータッチが全制動を100として、10単位でしかコントロール出来なかったとすると、今は2とか3という単位でコントロール出来そう。フロントフォークの調整がすごいやりやすい。全制動だと関係ないだろうけど、これまで二本掛けだとなんか心配があったのが、二本でも通常はいいような気がしてきた。
・とは言えローターは終わっているので、結局MC17のFホイールさら手配して、まずはローター移植でフロント16インチを使い切り、そっから17インチ化するか検討する事に。あとリアショックも動きがさすがに怪しいので、走行距離が少ないのを手配した。リアメンテの際に交換して、外したのでOHを試みる予定。ぱっと見、こいつは複筒式っぽいけど、どうなっているんだろうか?
Posted at 2013/01/31 19:27:22 | |
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2013年01月30日
・今日は行政機関でセミナー、簿記関係なんだけど、すごい面倒というのは分かる。なのに、実際に使っている試験問題ですら、簡素化されているので、実地でこれをやるのは考えるだけで気が重いわ。あと会計ソフト高杉。一応次回からはパソコン使った実習なんだけど、ソフトは教室だけで使えるテスト版を貸してくれるそうだが、製品版は6万ぐらいするそうな。まあ、実際にソフトの価値はそのぐらいあるのかも知れないけど、今はもっと複雑なソフトだってもっと安く出ているし、会計ソフトの中身はエクセルでも作れるような物らしいので、実際フリーで公開している人もいる。6万かかるならゼロからエクセルで組んだってペイするって人も多いだろう。あと、講座でノートパソコンを持ってないのが私ともう一人だったのに驚いた。みんなノートって持っている物なの?私も仕事で使ったりもしたが、遅くて重くて全く良く無かったんだが(不実な富士通だけどさ)。仕事専用で一台持ってもいいと思いつつ、全然買ってないんだよな。
・VTは日没までのつかの間にキャリパーを片側OH.シール交換や内部の清掃、ピンやブッシュ交換で単体で見ればかなり性能を回復したと思うが、エア抜きしてもタッチは柔らかいまま。まあ、そうなんだよな、全バラすると、ブレーキって中々エアが抜けなくて性能が戻らないというのはある。でも、それに加えてシールを交換すると本当にタッチは悪くなる、とも思う。シールが新しいとロールバックって増えるんじゃないかね?あと、古いフルードをリザーブタンクから抜こうと注射器で吸引したら、フルードが沸騰したみたいに気泡が出てくるのにはびっくりしました。気圧が低くて低温沸騰するような物だから、逆に温度があがればどうなっちゃってたのでしょう。改めてフルードの定期交換の重要性を感じますね。正直、見た所でそれほど酷い状態にも見えなかったですしけど。フルードは交換したからいいとして、あとはこのタッチの柔らかさは数日使っているといつのまにか良くなる気もします。ホース内部のエアがマスター側に上がってくるのも多少はあるでしょうけど、シールの馴染みなんじゃないかと。
Posted at 2013/01/30 20:54:11 | |
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2013年01月29日
・VTの整備も終わりバッテリーも充電出来たので始動を確認、キャブいじったのでアイドル調整にやや手間取ったけれど無事復活、外装も組み直しLLCも入れて走ってきた。正直、タペットの事やキャブの事など不安要素もあったので、走って分かるか少し心配もしたが、結果から言うとバリッと良くなって誰にでも分かるぐらい調子が良くなった。エンジン音は低回転ではより澄んで、整った燃焼音がしており、発進でのクラッチのすべりかと思っていたのが軽いストールであった事が分かった。アクセルへのツキ、レスポンスも素手でガソリンを掴んでいるようなリニアリティー。ただVTはちょっとハイスロ気味な事が分かったので、ダラダラ乗るとちょっと過敏かも知れない。、
そこからの加速は「え、これが250cc?」と思うほど強烈。これまでのVTも久々に乗る身としては決して悪くはなかった。意識がついてかないという事もないし、エンジンが回って力が出て・・・というのを感じられる。だからツアラーチックなバイクとしてVTは出来ているんだろうと思う余裕があった。しかし、整備後の感想としては「これはまったりツーリングのバイクじゃねえ!」となった。冗談かと思ったSUPER SPORTSのステッカーは伊達じゃないと。以前がトルク型だとすれば、今は回転型というか、トルクを味わっている余裕がなく速度が上がってしまう。
しかし高回転は相対的にふんづまり感が非常に強くなった。以前は全域フラットトルクに思っていたのだが、今乗ると8000前後から回転の伸びが弱まり少しアクセルを開けないと加速が悪くなる。そっから1万回転まではまあまあだが、13500のレッドにかけては高いギアだと明確にトルクの頭打ちが感じられる。
原因だが、まずタペットは揃えて広げた事になるので、カムやバルタイは低速寄りになっているのが一つ。また中速のトルクが増えたので相対的に遅く感じるのもある。ただ、エンジン本体は全然苦しそうではなくて、吸気や排気が絞られているような感じを受ける。でも中期型のトルクカーブを見る限り、VTはそこで二段階的なトルクピークを描くので、ちょっと良く分からない部分だ。私は吸気リストラクターによってわざとフラットトルクになるようになっているのではないかとも想像するので、後でこれは確かめてみたい。クルーズ速度は笑っちゃうぐらい速くて6速70kmでもアクセルは軽く当ててるだけだ。これ、ほんと4ストクオーターかよ。
パワーが出てくると当然他とのバランスも崩れてきて、まずは不具合があるブレーキは当然として、リアショックのグレードの低さがかなり気になった。ダンピングが突っ張る感じがあって、ガツンガツンと衝撃が入ってくるし、エンジンの吹け上がりにあった沈み込みをしてくれない。コーナーでこれまでと同じタイミングで当てると、リアが適度にアンチスクワットで面圧をかけつつリアが回り込むように曲がっていたのだが、リアが押し出すようになってプッシュアンダーになる。フロントが軽くなってしまうのもある。これは明らかに以前の方が操作している感が高かった。今は寒いのでダンパーオイルの粘度も高いだろうし、リア回りの整備は全くしてないので、リンケージ関係でも多少は良くなるだろうけど。まあ定速走行でもギャップの入力がリアがきつい感じはするのだが・・・イニシャルで調整も多少出来るかも知れないが、これまでのバランスの良さからするとあまり触りたくはないなぁー。
・ディーゼルエンジンの方はさくっとヘッドまでばらす。ヘッドカバーまでは何度かばらしているので割合楽だった。ヘッドは17㎜が恐ろしいトルクで締まっていたので大変だったが、メガネをショックレスハンマーで叩いて外す。シリンダーを見ると全然問題ないですね、ピストンヘッドも綺麗です・・・というかシリンダー外れないじゃん!!!!そう、うすうす気がついていたんだけど、このエンジン、単気筒だけどシリンダーブロックは本体一体なんだよぉ。という事は、クランクケースのどこかが分解出来るようになっているはずで、普通に考えるなら「横割り」か「縦割り」になっていると考えられる。が、そういうパーティションラインは見つからないし、それっぽいボルトもない。これだけのクランク組んでるんだから、よほど大きい物があるかと思うのだが・・・それに本体の横は上はタンク、手前は燃料ポンプ、奥はフライホイールでふさがっていて、よく見えないしばらしたくもない。
で、ネットで似た形式の画像を参照して分かったのだが、この手のエンジンはケツが開く構造らしい。ま、割るとしたらそこしかないわな。セルモーターを外してタンクステーを外すと底のカバーが割と簡単に外れました。中には何故かオイルの残りの上に氷がありました。え?氷?それはひとまずおき、ネットの映像と違いこのエンジンはなんと二次バランサーシャフトがついてました。すごい凝ってるんだけど、クランクへのアクセスはかなり悪いです。まあ、ちゃんとクランクキャップボルトにアクセス出来るような切り欠きはバランサーにありますし、上手く回しながら外します。ここはとても重要なボルトだそうなので、強く締めてあるのかと思いましたが、あっけないぐらい簡単に緩みますね。そうするとコンロッドキャップが外れ、なんとかキャップを取り出すとピストンが抜ける・・・・抜けない!?
普通ピストンはリング類が抵抗になっているだけのはずで、圧縮がなければ割とスムースに動くかと思ったのですが、これでもかと言うぐらいキツイ。仕方ないのでキャップボルトを取り付けて、延長ソケットをハンマーで殴ってピストンを出そうとしますがショックレスだとびくともない。しょうがないので、壊すの覚悟で2ポンド鉄ハンマーで殴ったら、さすがに外れました・・・・スリーブがな!いや、外した本人もあっけにとられてしまいましたよ、ピストンが落ちたと思ったらへんな円筒がついてて一瞬頭が真っ白です。
気を取り直してヘッド側からピストンを叩くとスリーブからピストンが抜けましたが、ピストンに大きな割れとかはありません。シリンダーも大きな傷などは見あたりません。なんで抜けなかったのかと不思議に思いますが、ピストンスカートをよーく見ると、クロスハッチだと思っていたのはどうやらカジリのようです。スカートがまんべん無くかじってます。そう見るとシリンダーにも細かい傷は沢山ついてますが、それは浅くて吹き抜けや抵抗になる傷ではないと思ってました。あと、ピストンはディーゼルなので重くて、気筒内直噴なのでくぼみがあります。またコンプレッションリングがなんと3セットもあり、オイルリングも見たいことがない立体的に一体で形成されたような物がついてました。でも、これがノック音の原因とは思えない。
外した他の部品を見るとやっと分かったのですが、コンロッドのビッグエンドがダラダラに流れてました。普通なら「メタルが流れていました」と言う所ですが、何故かこのエンジンにはメタルが使われていませんでした。そんなバカな!?メタルをひっかえる切り欠きはあるのですが、全部流れたって破片になって落ちてないかと探しました無し。当然クランクのピンも痛んでいます。しかし、このエンジン、どうやってクランクを組み込んだのか分かりません。えー、中で組み立てて精度が出るとも思えないし、どうなってんだろ?
さて、壊れた原因の分析ですが、ニワトリと卵の関係になってしまいますが、少なくとも入ってはいけない冷却水がエンジン内部に進入したのは間違いなく、入るとするとシリンダースリーブぐらいしか見あたらないので、おそらくそこのシールがダメになったか凍結なんかで変形して入った。そのまま運転していたらエンジンオイルの潤滑が出来なくなって焼き付いたのではないか?と考えられます。もちろん、順番が逆でメタルがダメになって摩擦が増えたり爆発時期がおかしくなって異常燃焼して温度が上がりオーバーヒートでシリンダーが歪んで冷却水混入とかね。あとはオイルラインおよび冷却系統のチェックも必要でしょう。
修理方法ですが、とりあえず農協でヤンマーからパーツリストとってもらっていますが、最低必要なのはコンロッドとあるならメタル、スリーブのシールパッキン、恐らくダメなのがピストンでしょうか。ピストンはサイドがどのぐらい焼き付いているのかイマイチ分からないので、案外修正でいける気もしますが・・・
・VTのブレーキも修理途中です。ピストンを青棒で磨いたら滑って滑って仕方ないほどに。でも、それで何が良くなる物でもないのがブレーキピストン。ピンブッシュが抜いてみたら1.2倍ぐらいに膨らんでいて笑った。
・先日雑誌読んでいて「自分はこんな事も知らなかったのかぁ」と思ったのがバイクのラジアルタイヤについて。自動車のラジアルタイヤってそもそもバイアスないけど、バイクのラジアルタイヤってすごい高いです。あと、理論的にバイクのラジアルってベルトがゼロのはずですが、実際にはゼロじゃないのも沢山あります。なんでかなー?と思っていたら「こんな訳だったのか!」という事実が。
・ラジアルタイヤはベルトの周方向のトレッドにカーカスが走ってますよね。これ、トレッドが車のように平面であれば一枚の幅広のベルトを巻けば話しは終わりです。しかしバイクのトレッドは平面ではありません。つまり最初から織ったベルトを張るとトレッドの中央と端の直径差が吸収出来ないのです。なので、ベルトを細く斜めにしてクロスさせて貼り合わせてあるのが初期のラジアルだったみたい。現在では完全な0度ラジアルも出来ていますが、それらはラジアル方向のカーカスでタイヤを一度作ってから、もう一度ボビンのようにカーカスを巻き付ける事で作っています。こうすればトレッドの位置によってカーカスの密度も変えられて、より高度なバランスも出せますが、当然製造コストは2度手間かつ時間がかかるので、さらに高価になりますね。
・で、この技術ってどっかで見たなーと思ったらFRPのソレとそっくりです。簡単に言うなら出来上がったカーカスを組みあわせるのは単純な積層かハンドレイアップで、その場で編むのはフィラメントワインディング法です。タイヤだとモールド法はないけど、それはゴムの部分がそうなんかな。きっと住友ゴムとかブリジストンは中身では東レなど繊維メーカーとも組んでいるんだろうな。しかし、逆に言うと、タイヤってすごい高度な技術を使い捨てにしているんですね。確かに一部の超高性能なタイヤは使用条件からしてもリトレッドなんかしちゃマズイのは分かりますが、普通のバイクタイヤだったら再生とかできんものですかね。
Posted at 2013/01/29 20:49:07 | |
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2013年01月28日
・VTの整備日記、今日は一日キャブで終わり、そして結果は失敗だった。昨日外れなかったスロースクリューを外すべく、ポンチだのマイクロドリルだのでマイナス溝を直しては、ショックハンマーにアダプターかまして小さいマイナスを付けられるようにし、ガストーチで焙ってはオイルを入れ焙ってはオイルを入れて、考えうるすべての行為をしたけれど、結局ショックハンマーでスクリューと一緒にキャブボディーの一部が欠けてしまい、スクリューのとっかかりが無い部分まで吹き飛んでしまい終了・・・いや、こんな手強いボルトははじめてだわ。あとはエキストラクター打ち込んで抜く手もあったのだけれど、もういい加減嫌になったので、このキャブはそのまま使って新しいのを引っ張ってくる事にした。私のモットーは去る者は追わず、抵抗するなら壊してでも奪い取るだから。でも、キャブのパーツがこういう形でぶっ壊れてどうしようもなくなったのは初めてで、ちょっとケイヒンに不信感。いや、瞬間接着剤で止めてあるんじゃないのかと本気で疑ったよ。どんな腐ったキャブでもこんな事ははじめてだ。
・で、キャブとインナーパーツ全てを清掃して組み直し、こっちは普通に見えたが、クリーナー吹くと結構汚い汁が出てきた。で、キャブの同調作業に入るのだが、スロースクリュー取るためにどついてたらキャブ同士の連結が緩くなってしまっていた。先日書いた通り、本来の外し方はアルミのボックスの一部さら外す事になっている。これは連結ステーを兼ねているので、これに取り付ければ同調も正確に取れる。取り外しにも苦労したが、取り付けもかなりやりづらくて、とくにファンネルが固定されてないのでやりづらい。なんとか組み直して同調を取り直して(ちょっと曲がっていたので、狂っていたか狂ったのかは不明)、さあエンジンに取り付けようとしたら問題発生。連結がしっかりしていると、当然2個のマニホールドに角度があるので入ってくれない。プレートを外せば簡単に取り外し出来るのに・・・まあ無理矢理押し込んで入ったけど、本田宗一郎だったらこういう設計を許容しただろうか?なんかVTは宗一郎の良心の墓場みたいだよ。そうそう、マニホバンドはカクダイのステンレスのバンドにしてみた。実はここのバンドはインマニ側に一つ、キャブ側に一つの二つなのだが、そういう特殊に細いのは無かったので、幅広のを一個で共締めする形にした。厳密には良くは無いだろうけど、直四みたいにキャブが振動で落ちるとかは無い構造なので、ついてりゃいいんじゃないかな(適当)。
・あとはエアクリボックスを組み直して、例の豚鼻の穴を取ってから塞ぎ、後で取り外して比較出来るようにする。プラグもモリブデングリスを塗って取り付け直したが、ラジエターを外さないとやっぱりこれ取り付け出来無くない?まあ、ラジエターをずらすのは楽なんだけど、そういう場所が多すぎる。そうそう、VTはエアクリの吸気口がフレームのヘッドボックスから吸っていて、かなり窮屈そうな所から吸う形になっている。多分吸気騒音低減とかゴミを吸わないとかあるのだろうけど・・・タンクは外して分かったが、バランスというか座りが悪い形だった。普通タンクフレームに座りがいいようにしない?またタンクコックの負圧ホースが劣化していて、切って繋いでもまた割れるので、後で交換だな。
・ここで取りあえずエンジンが掛かるかチェックしようとセルを回そうとしたらバッテリーが上がっていて充電中。電圧がレッドゾーンなので、やっぱり一度カラカラになった影響でそれほど長くは使えなさそうだな。あとはタペット調整で圧縮がもれなくなったので、セルが重そうとい印象もある。以前なら同じランプの点灯具合でもクルルルって掛かったのだが、圧縮が上がっているのではないだろうか?それにしても下らんトラブルさえなければ毎度簡単に終わる整備の仕事が、毎度ビス一本ボルト一個で一日仕事になるのは嫌になるな。新車買ったら一度メンテして、あとはガレージ保管とかが夢だわ。
・あと、今日はクローラーダンプのディーゼルエンジンを軽トラに載せてもってきた。以前は腰が痛くて、持って乗せるのが辛かったのだが、今日は「いけるかな?」と思ってやったら無事乗せられた。こいつはキンキンというノック音が出ていたので、その原因究明だな。ピストンが割れてるとか、そういう程度なら嬉しいんだが、クランクまでダメだったらどうしようかと。こういう時、分かりやすい所に問題があってくれると嬉しい反面、それを直して組んだら、もっと重大な場所が壊れてたってのも嫌なパタンだな。キンキン音だから金属的な衝突にも思えるが、あるいはノック音がそう聞こえているだけかも知れず、そうすると燃焼が悪くてディーゼルノックが発生しているのか?とも思える。
Posted at 2013/01/28 19:56:37 | |
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