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暇人ぶぅのブログ一覧

2014年12月19日 イイね!

暗渠の本

 ・農文協の「農家にできる暗渠排水」てな本を借りてきたのだが、基本は水田で、応用として転換畑(大豆とか小麦)がちょっと出てくるだけで、果樹はわずか半ページだった。200ページの中そんだけかい!って感じだが、それでも面白い事書いてあった。普通の暗渠は平地で水を抜く設計だが、傾斜地が多い果樹だとそもそも排水はいらないであろうと。しかし土壌改良材を入れるとそこが水たまりになって分解が悪くなるから、山側の崖の下に横に暗渠を掘れと。そして、傾斜の下に向かって補助暗渠なり土壌改良なりを行え、本暗渠は別に水を抜くような凝った配管はいらない、ただの石を入れるだけでもいい、みたいな感じだった。ただ、そうすると傾斜の下側は当然本管より高くなければならないわけで、本管の深さがえらい深くなってしまうんだけどね・・・誰だよコレ書いたの。他にも図や実験データーは豊富だが、ともかく見づらく農家が自分でやる時にこれ参考にならんだろって気がした。大体、傾斜地だから水が出ないと思っている時点でなんというかだが。

 ・土壌診断も届いたのだが、圃場名が間違っているのがあって少し困った。予定作物がプリセットの物しかないらしく、混ざっちゃってる。幸い、どっちも同じような数値をはじき出したので間違えててもかまわいのだが、今度から混同されないように補助記号振っとく必要があるな・・・と思ったら、完全に数字が一緒。つまり一つのサンプルを無くして同じデーターを作物名前だけかえて2枚寄越した。おいおいおいおい、農協さんよぉ。結果だが、全般的に燐酸多目、苦土が標準でカルシウムが過剰、カリは普通って感じだった。よく燐酸は鶏ふんのやりすぎと言われるのだが、PHが低いと鉄やアルミと結びついて利用されない傾向があるから、あんまりアテにはならない。他は大抵の所はPHが高く、ECは低くCECは標準って数字が出た。でもカリや燐酸が多いので、窒素の残存量は低いであろうというのがお見立て。
  個別園から。巨峰園は水田転換園で圃場整備前のザル田という事もあり基質土壌がシルト系の砂っぽい所である。なので腐食も3,3%と低くCECも低め、要はお腹がすきやすい土壌という事が分かる。PHが7.2と中性付近なのも日本の土壌としてはやや珍しいというか、この地区は全体的にPH高い気がする。それがブドウにいいのかも。カリも少ないので硫酸カリで酸度補正とカリ補充がキーかな?苦土も若干少ないので、光合成のために入れた方が良いかもしれないし、もっと草生栽培や堆肥で腐食の増加を図る必要がありそう。
  雨よけデラ園は見た目すごいゴージャスだったのに、数字で見ると痩せている土地だった。ほとんど全ての数字が標準の値で、燐酸のみ妙に多いくカンストである。巨峰園は燐酸が多いと言っても標準が40の所140ぐらいだから3,4倍程度なんだけど、ここは450と11倍もある。おかしいい。カリも若干過剰なのでマグネシウムに吸収生涯が懸念される。堆肥を沢山入れたと聞いているが、CECは適性なのにECが低い。腐食は4.4と元から畑土だった効果が感じられるから、もう少し肥料を入れればバランスは取れる。でも昨年もかなり枝が伸びて苦労した土地なので、果たして分析結果通りにやっていいものやら。むしろ巨峰園の感じからすると、多少痩せている方が良い感じなんだが。
  今年全滅したデラ園は私が一番長くやってる園で腐植も多く入れてきたのだが、山土だからか3,8とやっぱり5%に届かなかった。ここもECが低く養分が足らんと言う結果が出ている。まあまあバランスが取れていて、一応苦土をもう少し入れるかと言う程度。燐酸だけはやっぱり多い。
  最後に山羊園、ここは今はパープル育苗中だが開いている土地で、一番最初に借りた土地である。腐植はやっと5%を超えて雑草多かった効果が出ている、あんま嬉しくないが。全滅デラ園と同じ山土なのにたいした物だ。お陰でCEC,ECも高い数字があり、PHが唯一5を切って極端にPHが低い。苦土が少なくカリ過剰でカルシウム的にも中和されてるのか?って気もするが。同じような土地だと思っていたのに全然違ったのは驚き。

 ・ニュースでアキアカネなどトンボの減少とある農薬の相関関係が指摘されていた。それはフィプロニルという神経阻害系農薬で水田の稲の苗の殺虫に使われている(商品面はプリンスって名前がどっかについているシリーズ)。確かに以前はアキアカネって道路に車のタイヤの跡が分かるぐらい大発生していたのに、最近見ないなぁ。こいつとイミダクロプリドというネオニコチノイド系の一つが原因物質じゃないかと言われている。イミダクロプリドの方は果樹で使うアドマイヤーの成分で、こっちはミツバチに影響があるのではないかと言われている。どっちも遅効性でジワジワと効くと言われている。フィプロニル以前はカルタップという食害に作用する速効性の農薬が使われていたのだそうだが、面白い事に最近果樹でカルタップはパダンSGという農薬になって許可された。食入する蛾の幼虫に対する農薬としてなのだが、今年からの防除暦だとアドマイアーは特別散布(その病害虫の発生が懸念される場合に選択的に散布する枠)になって、パダンSGが標準になった。農協の説明としては特別散布と通常散布両方がアドマイアーだと抵抗性誘導の危険があるからと言う話だったが、パダンSGの方が環境にローインパクトという判断があったのかも知れない。ただし、パダンSGは結構高い。アドマイアーは相当高いが、濃度が1万分の1と低濃度で効くのでなんとかなった。パダンSGは1500倍と並の濃度なので、300リットルだと200g=1500円ぐらいである。アドマイヤーは300リットルだと30gなので400円とかそんなんだと思う。環境のためにはパダンSGってのは分かるんだけどさ・・・ちなみに、どっちも指定劇物だったかな?
  パダンSGの使用上の注意としては、入られないようにしっかり付着させる必要があり、幹など入られる部分だけ選択的に散布してきた。回数も割とある。ただ果実に付けるような使い方はしてこなかったし、そこらへんどうなるのか(安全性は我々には計り知れないが、果粉要脱とかそっち)が不確定要素かも。短梢だと多少の食入は怖くないので、スポット散布の方がいいんだが、他のと混ぜての散布だとそうはいかないか。

 ・仕事は午前中に農協青年部が管理している小学校のブドウ園の剪定と講習会で、11時すぎまで残ってやってたら天気が悪くなって山羊の世話したら強い雨が降ったので仕事無し。昼寝したら、時雨(艦娘)がケーキ屋で10段ぐらいの巨大なケーキ(結婚ケーキじゃないが)を買うのを手伝う夢を見た。おまえ、よくこんなの食うな。

 ・高所作業車の「古いセルシオ」、オークションでウォッチしてたら25万開始の55万即決ぐらいで、ずっと35万ぐらいで最低落札価格割りで最出品されていたが、やっと落ちた。45万だった。高いナー、やっぱり人気なんだなー。

 ・ヴィラデストからまた案内が来た。結構買ったからか、前の見学でなんか残したっけ?一度レストランで食事したいが、飲むためには電車で2時間タクシー10分、交通費だけで4000円はかかる。またワインだけ買うかな。
Posted at 2014/12/21 11:45:09 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月18日 イイね!

今日の仕事

 ・先日来読んでいた乙部ワインの本が読み終わり、改めて検索して富岡農場が倒産していた事が分かった。醸造部門だけ別会社に譲っていたが、農場が倒産って事はブドウの栽培もやめてしまうのだろうか、そんなのってあんまりだよなぁ、と思う。多くの中小企業もそうだろうが、苦労して設立しても30年もすると個人の力量に依存している所は廃業してしまう事が多い。まだ手に入るうちにハーダムかうかなぁ。
  
 ・それとは別に、起業した人達の性質というか性格が皆良くも悪くも真面目で譲れない人達な事に気がついた。結局さ、自分でロマンを追いかけちゃうような人って、器用に自分の気持ちや信じる物を諦めたり、不正義や怠慢から目を背けられないんだよね。もちろん、そうじゃない人も沢山起業しているけど、農産加工品分野に限れば単純に利潤を得るなら別の手段があって、それをヨシとしないから時流に乗れない訳で・・・端から見ると理屈っぽくて大資本に否定的でうざいんだろうけど、そういう強烈な個性の持ち主を「犠牲」にして世の中進んできたと思うのね。あんまり自己陶酔的なこだわりは肯定しないけどさ。

 ・ビニールハウスのビニールを割と大きく切り取ったので、なんかに使えないかなー。一つは軽トラの荷台のカバーで、キャビンの高さまで上げると後ろが見えないって問題は透明ビニールなら無さそう。あとは、ちょっとした待機所の屋根って手も考えられる。幸いパイプも一本切ってあるし。他に出来そうなのはSSの簡易キャビンかな。まあワイパーと内部の換気が出来ないから多分無理だろうけど。固定は以前はビニペットしか実用性を考えられなかったけれど、パッカーも使い方次第だなと思っている所。

 ・SSの部品調達が終わって配達したいって事なので、一応工場に見に行ったらまだ全然手をつけてなくて、やっと噴射テストでゴミ取ったら今度ポンプクラッチが止まった。ボンネットバーンってあけたから配線が吹っ飛んだ気がするんだが、ほんと農協の農機の扱いって雑な事が多い。私も整備時にハンマーとかグラインダーで適当にやっちゃうので人の物だったら見せられないなと思ったりもするけど、商売としてやってる人としてどうなんかと。故障が潜在的な物なら出てきて嬉しいと言えるけど、またクラッチ交換とかとんでもない事言い出しそうで怖いのは秘密だ。あと、「いい出物がありますよ、3輪で30万ぐらいでどうですか?」って話もあったが、先日書いた通り三輪SSは引き取り手がいないゴミだろと。平地のリンゴならいいんだろうけど、傾斜地のブドウで使う人はいない。横転するし小回りが効いても全長長いし、片手万円でいいですよって1桁の方かと思った。5万は高いかなぁ、とか思った私。てか、これ直している時にそういう話されると、色々疑うよねぇ。

 ・仕事は剪定続き、巨峰園で今年縮果症が出た所の枝が根本からダメになっているのが多数あった。縮果症が原因なのか、結果なのか分からない感じになったが、じゃあ果実下げなかったらどうなったんだろうか?どのみち園の際での栽培はろくでもない事が分かって来たので全部切った。また太い枝単位で腐っていたのも切った。幸いほとんどの場所では予備枝がすぐに棚下を埋める長さがあったが、足りない場所もちょこちょことある。デラ・ナイア・パープル園ではもっと中途半端な感じもする。デラがすごいごっそり枝を抜いたのでスカスカになるのが気持ちいいような怖いような。いくら黒枝が減るって言ってもなぁ。

 ・他にはネットで新たな地元の不動産物件が出ていたので見に行った。まあ、値段がちょっとそれ無いだろ(笑)って価格だったので、下見では全然ないんだけど、どのぐらいの物にどのぐらいの値段かと思って見ただけ。古民家は割と目立つからめぼしいのは見つけた気でいたけれど、完全に見落としていた。道路からかなりの段差の上にあったので、崖しか見えなかったのだ。倉庫なんかもあって良さそうだったけど、ありゃ無理。でも明らかに宅地じゃなくて農地含んだ面積で売られているのはアレなんなんだろうな?実際はまあその家以外アクセス出来ない死に地だし、崖の際なので農地として見ても価値が低いランクではあるが。
Posted at 2014/12/19 22:06:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月18日 イイね!

今日の仕事

 ・今日はデラ・ナイア園と巨峰園の剪定をした。巨峰園はインジケータープランツとしてアイスバーグというツルバラを植えているので、そいつの剪定なんかも。ツルバラも同じツル植物なので、以前より大分剪定のコツみたいなのが分かって来た。要は懐枝を多くすると、その方が根に近いからそこでホウキになって終わる。もっと伸ばしてやるとシュートも綺麗に出る。あと、アイスバーグはシュートが良く出るので、初期の古い枝は根本から落として3本程度に整理する予定。巨峰は夏期管理がそこそこ上手く行ったと思ったのだが、それでも遅く伸びてる。それでも以前より太くて短い枝に仕上がっている。一方ナイアガラ・デラは遅く伸びてほんと酷いな、これ。着果負荷が軽かった、鳥害が酷くてあんまり収穫出来なかった、他色々。棚下線張っていずれ改植であり、すでにパープルと干渉してたりするので、伐採したり棚下線に誘引して平行整枝にしてみたり。ナイアガラはすでに棚下短梢で2年目で割と安定してきている。不発とかの問題も今の所そんなにない。ネットにかかってた害鳥は今日にはもう綺麗さっぱり消えてた、猫がいい仕事してるわ。

 
Posted at 2014/12/18 23:27:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月17日 イイね!

図説 世界の「最悪」クルマ大全

 ・クレイグ・チータム著「図説 世界最悪クルマ大全」を図書館で借りて読んでいるが、よくもまあこんなクソクルマばっかり集まったもんだと・・・・作者がイギリス人なのか、特にイギリスのクルマが多いのだが、実際問題70年代~90年代のイギリスのクルマは酷かったんだと分かる内容だ。でも、批判内容はクルマを愛している感に溢れているので、読んでいてそんな不快ではない。むしろ「こんな馬鹿クルマ乗ってたんだぜ、アハハハ」みたいな乾いた笑いを感じる。あと、デザインに関してはちょっとこの人の好みも極端な気はする。車高上がるとすぐデザイン劣化とか言うもんな。
  さて、批判の大部分を占めるのは「サビ」「信頼性」「デザイン」「ドライバビリティー」って所だ。特にサビの話が多い。よくアルファ(とくにスッド)は例に出されるが、見るとイギリスのクルマもアメリカのクルマもダメクルマの大半はそんなもんである。で、次の信頼性やドライバビリティーで批判されるクルマの多くが「サビを嫌ってFRPかステンレスを構造材に使った」クルマであるのが面白い。最近でこそ高性能スポーツカーなどで複合材の多様は話題になっているのだが、実は60年代以降には多くのFRPカーがあった。私も知っている有名なのはロータスエランだが、こいつはまだ内部に鉄のシャーシがあった(そして錆びる)。チャップマンはさらに進めてオールFRP構造のロータス・エリートというGTカーを作っている。でもほとんどの人は知らないと思う、やっぱり構造が弱くて性能は低かったから。別にこういう超高性能カーを目指してないクルマでも、FRPを多用する考えはあった訳だ。むしろF1でカーボンモノコックが復活して大きくイメージを上げるまでFRPはダメ素材って感じだったんじゃなかろか。実際FRPではないが複合材をクルマのボディーに使うというのは廉価版のクルマでは実は成功(?)例もある。有名なのは東ドイツのトラバントで、こいつのボディーは綿の繊維を使った複合材(まあ、CottonFRPとでも呼ぶべきか)であった。
  FRPが何故ダメだったか解析する前に、もう一つの当時のイギリスのメーカーが没落した原因について割きたい。1つ目は「労働争議の多発」であり、もう一つは「政府系会社の無責任経営」であった。英国病と呼ばれたこれらの現象はサッチャーが辣腕を振るってやっと解決に道筋がついたが、その弊害から鉄の女を悪く言う声は絶えない。先日も亡くなったときにラジオ局のリクエストがオズの魔法使いの挿入歌「悪い魔女は死んだ」ばかりになったと言われている。その気持ちは分かるが、サッチャーがいなけりゃ未だイギリスは英国病におかされつづけていただろう事も事実だ。「ろくでもない設計」→「低い製造クオリティー」→「ダメクルマ」→「消費者離れ」→「メーカー倒産」→「政府の救済の合弁会社」→「無責任経営」→「ダメ技術者ばかり」→「ろくでもない設計」というネガティブスパイラルから抜け出せなかったのだ。
  このネガティブスパイラルの中でFRPが果たした役割がなんだったかと言うと、低い製造クオリティーで、まだ未完成のFRPという新素材技術を使ってクルマを作ると、設計よりはるかに低い信頼性しか無く、設計がそれを嫌って鉄に戻ったという所だと思う。もちろん、FRPには他にも問題があった。プレス打ち抜きのような迅速な大量生産にはまだ向かなかったのだ。とは言え複雑な構造を一度に作り出せ、強度調整も楽で錆や漏電の恐れが少ないんだから、先見性は良かったと思う。ま、アース配線じゃなくてもイギリスアメリカの電子機器の信頼性は酷かった訳だが・・
  こうして見てくると、私が憧れて育った欧州の名車ってのは、ごく一部の高級車に限った話で、すべてが素晴らしい自動車先進国であったとは到底言えない事に気がつく。まず「日本に持ってくる価値があるクルマ」って大きなフィルタリングを通過した車だけなんだから、そりゃ先進国に見えますわな。これは現在でも洋ゲーと和ゲーなんかで言われる現象ですが。

 ・「西岡常一と語る木の家は三百年」
  昭和の大頭領と言われ、法隆寺の改築で名高い西岡さんだが、彼に民家を語って貰おうという本。実際は事例集を現地で集めて西岡さんにコメントもらったという程度で、西岡さんの話はほとんどないし、晩年に亡くなる前後の編集なのでどうだったんかなぁ?って部分もある。西岡さん本人が民家の話をすればいいじゃん?と思う向きもあるだろうが、本人が別の本で書いているように彼は「宮大工」というジャンルである。伝統工法の最右翼でありそっちの造形は深いのだが、宮大工になると一般注文建築は「やらない」というのが普通だったそうだ。曰く格式が下がるとか神仏に対して穢れるとか、そんなんがあったらしい。西岡さんの時代も宮大工の仕事が減って一般建築にシフトした大工の話が出てきたし、西岡さんご本人は別に一般建築が軽いとは思ってなかったような節もあるが、ともかく伝統が一番の世界だから宮大工として民家は手がけられなかった。
  んで、事例集で古い家屋の話が出て、新しい建築基準法での家をくさしまくる訳ですな、在来工法やったら300年持つとかなんとか。いや、実際今でも家を建てようとすると西岡さんの昭和の改築で分かった事を一般住宅でも同じように宣伝する所たくさんありますよ。有名なのは「ヒノキ信奉」「古いほど強い」って所ですな。法隆寺が1000年持ったのは1000年のヒノキを使ったからで、ヒノキは強度が500年ぐらいどんどん上がるとかそういう話です。でもね、調べると古民家でもヒノキの50年生あたりで作った江戸時代の物は出てくる訳ですよ。切ってからの方が6倍ぐらい長い。育った時間と同等以上は木を使いましょうって意味だと思いますけどね。
  さて、問題はこの人は宮大工なので建物の骨格が残る事には非常に強い関心があります。建物がダメになる要因はずばり「腐り」と「地震」です、なんか上の話とかぶってきたな。で、腐りに関しては布基礎に土台である木を寝かして直で置く現在の建築に非常に批判的です。またコンクリ土台もお嫌いで、「土台をよいとまけで締めた所に天然石を置いて、柱をひかり付けして作る束基礎のが一番、という話をされます・・・まあ乾燥はするでしょうけど、そもそもの地盤が強い場所、風水的に優れた土地でしか出来ない工法ではあります。あとは屋根ですが、割と茅葺きの話が出てきます。仏閣はもちろん瓦なんですけど、今茅葺きは多分防火の観点で許可されんじゃないかなぁ。確かに古民家はそういうのが多い訳ですが、それで300年持つ家を造っても寒さや住みづらさ、中の薄暗さとか考えると済んでる人間の寿命は決して長くはならんのではないですかね。もっと折衷的な物を肯定していっても良かったのではないかと思いますし、全部ワンオフの無垢材って大工の自己満足ですよ。
  地震対策はこれあちこちで出ている話なのですが、昔の建築は筋交いがありませんでした。柱が太かったし、上に乗ってる屋根や柱が重いので、揺れを逃がして揺れるけど倒れなかったと。一方筋交いや壁工法は強度が高すぎるので揺れないけど材が先に壊れるようになりました。あと、貫だけで君であると筋交い入れると押すモーメントで抜けちゃうって問題があり、金具を使うのもどうなの?って話なんですね。これはまあ宮大工さんが言ってる話ですし、確かに古い仏閣は残っているのが多いので本当だと思います。でも、在来工法しかなかった江戸時代に地震で家が倒れなかったのか?と言うともちろんそんな訳ありませんよね。今でも時々神社が先にぶっつぶれているニュースを聞きます。むしろ屋根に重い材料を使う事のデメリットの方が大きいようにも思うのです。屋根が重かったのは瓦の水仕舞いが悪かったからで、だから傾斜をきつくせざるを得なくなり、小屋が無駄に大きくなった訳です(古民家の茅葺きや板葺きも基本同じです、一応二階として使っている例もあるけど)。
  ただ、筋交い無い方が寿命が長いかも知れないな?って例はあります。昨日、地元の民芸博物館に行ってきたのですが、そこには100年200年物の椅子が置いてあります。一応座れますが、どの椅子もユーラユーラときしむので文化財としての価値もあり安心して座れません。多分出来た時は嵌め込みがもっときつかっただろうとは思いますが、時代を経て穴が緩くなっても一応生きてると言えます。一方筋交い入れて金具使って止めた椅子ってのは案外ポッキリダメになるんですな。祖父がボストンから買ってきたアーリーアメリカンの椅子なんかも、マイナスビスとかも使って組まれていてカッチリしていたんですが、填め合い部分で部材が折れました。使っていた部材の目とかの問題も感じますが、動く事で力を逃がしていたってのはあるんだと思います。

 ・やっとPS1用のメモリーカードを手に入れてパトレイバー ゲームエディションをプレー。最初はかなり込み入ったストーリー物をプレーするのかと思っていたのですが、実際はアドベンチャーパートは存在せずプレーヤーが介入出来るのはアクションパートのみでした。その結果も特にアドベンチャーパートに反映される訳でもなく、基本はアクションゲー。アクションとしてはPS1なのでともかく絵が粗く操作製が悪い(アナログスティック未対応)のでイライラしますし、コンボが目押しランダムで、強いコンボを見つけられると与ダメージが増える仕組みですね。どこに何が出るかは一度そのコンボのルートに入ると固定なので、「そういえばこんなだったかな?」ってのをやっていくと面白いフィニッシュが出ます。びっくりしたのが「投降勧告」というのがあり、有人レイバーをある程度痛めるか回数やると残HPあっても降参させられます。他にはフィニッシュで倒してから電磁警棒でトドメとか、リボルバーカノンでゼロ距離射撃とか。まあまあ楽しめるかと思いますが、ともかく解説が下手なので最初戸惑いますし、敵キャラとの接触に関しては納得いかない部分もあります、ゲームバランス的に仕方ないんでしょうけど。
  ストーリー全体としては、良く出来たパラレルワールドって感じでしょうか。結構前座ドラマが長いんですが、信士・ひろみ、第一小隊、おやっさんなどはいません。そのかわりシゲさんが大活躍って感じですかね。敵にまさかの若本さんが出てきますが、普通の演技の頃なので安心して見ていられます。ストーリーの下敷きにはTVアニメのが良く使われているので、知っているとより楽しめるかな?ただ、途中から「強敵」を出さざるを得なくなる宿命で、ちょっとこいつらがいたらマズイだろ?って感じにはなりますし、その割りに弱かったりしてなおさらアカン気持ちになります。後藤さんが相変わらずキレすぎですが、言い回しとかそっくりでいいです。広げられるけれど、そんな深読みしないで見るべきかと。ただ、今頃気がついたのですが、よく「押井監督は警察や軍隊嫌いなくせに、そういうアニメばっかり作っている」って批判があるんですが、あれって当たってなかったんだなと分かりました。つまりですね、押井さんは軍隊とか警察組織を「末端の警備部や前線部隊」と「公安や高級将校など司令部」に分けて考えているんですね。で、自分達を心情的に前者にオーバーラップさせて、後者を共通の敵として描いている節がある。ストーリーでそれを割とハッキリと感じさせる部分があって突然ハッキリ分かりました。
  オリキャラはPLの分身の「ななしのごんべい」である3号機フォワードと、同じ新人の3号機指揮の「空谷みどり」が出てきます。PLキャラはセリフも姿もないので、まあ男である事ぐらいで特に可もなく不可もなくって感じですが、ちゃんと姿とセリフがあるキャラってゲームで出すと色々難しいはずですが、みどりは割と好感が持てるというか、いいキャラしてます。既存キャラとの関係も上手いし、かと言ってキャラが立ってない訳でもなく、媚びてもないけど嫌われもしない。ただ、以前から不思議だったんですが、特車二課の採用人事ってレイバーに乗れる事になっているんですが、フォワードとバックアップは固定なので、バックアップがレイバーで格闘や射撃出来るという事は必要なんだろうかとは思います。後藤さんが着任でどっちがフォワードか発表していたように、現場でより適性が高いのを選ぶって仕組みなのかなぁ?でもそれ以前に何か比較された様子はないし。遊馬は家業的に乗れて当然なんで特例ですが、2号機に関してはむしろ太田にバックアップはさせられないからって理由でよりスペックが高い熊耳がバックアップ、それ以前の信士は中途採用でレイバーに乗る描写はありませんが、キャリアーのひろみちゃんが乗れる。バックアップに専門技能が無いとは言え、ちょっと採用方法に問題があるような。

Posted at 2014/12/18 00:02:17 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2014年12月15日 イイね!

今日の仕事

 ・家の出がけにMonotaROからスクリーンフィルターが届いた。25㎜で本体のサイズがどのぐらいかな?と不安があったが、割と大きくて多分40㎜のはまんまSSで使っている奴だろうな(サイズだけは)。以前から不思議だった「なぜこの手のフィルターはパイプが斜めに走っているのか?は正直分かったような分からないような。構造としてはトップフィードで濾過筒に入れて、内部の筒を通った物が上から出て行くので、横入れ上出しでも機能すると想う。でも配管をその分段差付けて作らなければならないし、強度も必要。製造はどっちも形で作るから同じような物だろうけど。斜めになっていると直線パイプにそのまま刺せるのが最大のメリットかな。良く聞く螺旋渦を作ってフィルター全面に水流を回すような構造は見られなかったが、当然流せば螺旋流は生じるだろうと想う。直で吸水がフィルターに当たらないためにガードがあるぐらいで、中はほんとシンプル。MonotaROは以前は個人向けはIHCとか言う別サイトで割高だったし、農家だと登録が面倒(法人相手のみ)みたいな感じだったが、今は大分楽になったのかな。

 ・ペダルカーの出品見てたら、子供の頃乗っていたのと全く同じ物が出ていて懐かしかった。全く同じと言ってもほとんど覚えてなくて「赤いブリキ」「ポルシェみたいなデザイン」「ギコギコ車と呼んでいた」ぐらいだったが、出品写真見たらホーンの形とか「ああそういえば」ってのがあったのだ。あの当時だから小学校3年ぐらいですでに乗るのが相当窮屈になって仕舞われてしまい、多分人にくれたか処分したと思われるのだが、ちょっと残念。まあ、今もペダルカーってのはおもちゃとして存在しているようなので、別に高い価値はないだろうけど。

 ・プリウスの屋根を見たら中央が凹んでいる形状だった。他のもエコカーは割とこの手のが多い。新車紹介雑誌とかだと室内で凹んでいて気になるとかクレームも聞かれたが、あれって空気抵抗減らす効果があるんだろうなぁと思った次第。まあ、仮にへこみがない状態を想像すると、全面投影面積は若干増えます。しかしルーフ表面積は減り、部材加工がいらなくなり軽くなるなどメリットが多く、その程度のためにわざわざ凹ます物でもないでしょう。いや、それこそキャビンが二つに分かれるぐらい小さくするなら別ですが。今考えているのは、あそこで気流を確保して流速が高いまま背面に流れる流れを作っているのではないかと。正面からだけ見るなら気流は全部流して外に捨てた方がいいと思うのですが(正圧の抵抗の減少)、実際は背面でのドラッグを考えたら、空気を導いてドラッグを打ち消す働きをさせるメリットもあるんじゃないかなと。あるいはエネルギーを与えて気流を剥離させないためかも知れませんが。
  ただ、それで思ったのですが「気流が他に逃げるのが嫌なら、もっとシンプルに翼端板のような物をルーフに立てて気流を後ろに流したらいいんじゃないか?」と思うんですね。翼端板ってのは翼形状で揚力を生じている圧力が低い翼上面に相対的に圧力が高い下面の空気が回り込まないための板で、翼端渦を減らす事で旅客機なんかだと燃費向上効果があります。ルーフと別パーツになるので良し悪しあると思いますが、複雑なルーフの絞りをやるより楽でしょうから、低価格なコンセプトカーだと行っている例もあるのでは?と思ったのですが、残念ながら実用性度外視のコンセプトカーはフロントガラスを丸く曲げたりキャビンを滅茶苦茶絞り込んだりしていて全然参考になりませんでした。こう考えるとスペックで見劣りしてもプリウスの実用性重視の姿勢はいいですね。

 ・みぞれ混じりの雨だったので仕事は諦めてのんびり趣味に時間を使った。まずSSのパーツ届いたってんで修理とか見に行ったが、工場がSSだらけになっていた。皆この時期にメンテに出すんだろうねぇ。まだ3輪のが結構現役で、鉄板外装のもアルヨーとか言われる。まあ、ありますね。3輪のは「横転しやすいので傾斜地では使えないが小回りがしやすい」と言われてますが、見て見ると全体的に全長がすごい長いですね。4輪のに比べると1mちょっとは長いですし、その一番先にタイヤが付いてます。恐らく安定のためだと思いますが、唯一のアドバンテージを進んで捨てているような気も・・・ただ、人間のスペースは余るほどあるので、足が伸ばせる乗車姿勢のが多いです。ちょっといいなと思ったのは500リットルなのにもの凄くコンパクトなのがありました。エンジンが二機掛けのガソリンなので駆動系がシンプルなんでしょうが、あれ見ると「棚用はあれでいいよな、むしろあれからファン外したら完璧じゃん」と思います。
  ノズルの粒子サイズについて先日書いた疑問(殺菌剤は細かく、殺虫剤は粗く」って話をしたら「うん、農家によってはノズルの穴径を1.2と1.5で組み替えて使っている人いるよ、年配の人はそうだね」とか言われました。なんだよ、そういう重要な情報をおくれよ、機械はまあトントンだからさ。
  あとはあずみアップル(スイス村ワイナリー)行ってソーベニヨンブラン2014を買ってきました。雪降ってる中、作業の人は大変そう。2013もかなり良い出来でしたがパワフル系だったので2014は本当にオススメです。値段も税抜きだと1500円ぐらいあから、ほんと頑張ってる。他に面白いアイテムとしてはブラッククイーンのマセラシオン・カルボニックというのがありました。ブラッククイーンというのは川上善兵衛の作出した、ベリーAとかの兄弟にあたります。善兵衛は結構沢山のワイン用品種を作ったイメージがあるのですが、赤の醸造専用品種で後代まで栽培が続いているのは少なく、トップがベリーA(最近までは赤玉の着色用だった)で次がこのブラッククイーンです。単体だとやっぱりライトボディーで、ベリーAより黒っぽいですね。色は黒いけどシャバイというか飲みやすい系でベリーA同様酸が綺麗、アルプスのが手に入りやすく美味しいと思います(てか、岩の原だとブラックベリーはあんまり聞かないんだよな)。ところが、あずみアップルのは妙な色(ロゼや貴腐ワインみたいな茶色)で、しかし飲むと酸があり別に甘くもない。マセラシオンカルボニックというのは果実の破砕を行わずタンクに投げ込むと自然に破けた皮から発酵が始まり、それで生じる二酸化炭素で破れてない果実の皮も内部発酵がはじまり二酸化炭素で皮から成分が抽出される(書いててよく分からないが)ってやり方で、要は「ボジョレヌーボーの作り方」らしいです。先日のワイン会でボジョレヌーボーが出て「こんだけ高品質で重いならビラージュじゃないですか?」と聞いた答えの「作り方が違います」ってのがコレだったのね。これも高品質のボジョレヌーボーみたいな感じではあります。
  ただラインナップがホントにヌーボー系偏重なんだな、って気もしますね。先日買ったコンコナイアピノソーベニヨンブラン4種類のにごり新酒も美味しかったですし、レギュラーのソーベニヨンブランは書いたようにわざわざ金出して買いに行くレベルですが、樽熟成の高い価格レンジのを「作る実力はある」のに「ラインナップの中心には置かない」って印象があります。棲み分け、キャッシュフローなど色々あって、しっかりワイナリーのコンセプトが出来ている事はいいと思いますが、どうしてもワイナリーの評価って「超高品質ので国産ワインコンクール出して入賞して格を上げたい」ってのがあるので、もっとこういうメーカーが評価されて欲しいなって思います。たとえば日本酒も最近は大吟醸とかじゃない純米酒でのコンクールとかやってますし、日常での美味しさとかコストをかけないで美味しくする方法とかの工夫を評価してやりたいですね。
  あとは島内の図書館に行きました。ここは農業文庫という東大だかの教授の寄贈遺品をベースにした蔵書があるのでなかなかあなどれないラインナップがあります。ただ、ちょっと古い本が多いかな?って気はしますね。中央図書館でも書庫には同じようなのあるんでしょうが、やっぱり開架になってないと手に取れないのは辛い。
  地元ワイナリーはレストランが暇だろうなぁと思って行ってきましたが、毎度思うんだけど「野菜が美味い」。どうしても肉の料理に目が行きがちで、実際煮込み肉は絶品なんですが、付け合わせに出てくる野菜が本当にそれぞれの個性を思いっきり引き出してもらっているのが分かる。サツマイモはサツマイモの味がし、茄子は茄子の味が、白菜は白菜以上に白菜っぽい。以前はカレーなんか頼むと夏野菜が勝っていてカレーなのに野菜が硬くてゴロゴロしている事に違和感もあったんですが、目指していた方向は地物野菜をそれぞれ最高の状態で出そうという事だったんだなぁと今頃気がつきました。ま、白菜は甘さ引き出すと妙な風味が出るので好き好きだろうと思いますけど、ソースも本格的だし実はここのシェフ、すごい人なんじゃない?あるいは本格フレンチがこんな価格で食べられていいの?って思ったりする訳です。あー、この人の料理に合うワインが思いつかんわ、逆に理想のリースリングのハーフトロッケンに合う料理作って欲しいわ。
  リースリングの理想型については、知れば知るほど分からなくもなってくる。以前よりは辛口ワインが好きになってきてはいるけれど、何故かリースリングは辛口になるほど香りが閉じてしまっているような印象を受けるようになってきた。辛口、という書き方は本当は好きではない。残糖が少なくなる理由が元からの糖度の低さなのか、発酵を最後まで進めたからか、糖度が低いとしたらそれは早期収穫なのか寒冷地なのかで全然違う。ま、それをラフにプロットすると
         
          早期収穫           寒冷地
不完全発酵    カッツとか         モーゼル

完全発酵    アルザス           フランケン

 別にカッツとかも悪いとは思わないけど、どうも甘ったるく感じるのは事実。でも残糖があってもしっかり酸味が残っていて完熟した感じがあればミネラリーという例がモーゼル、一応今の目標。一方完全発酵だが、元がそれほど重くなければアルザスもそんなしつこくないが、少し舌に渋みが残る(のもある)。フランケンのように工業用アルコールでも造る気か!ってのもあるけど、あれまた香りがそんなないような。理想としては全部の中間ぐらいなのかなぁ、良く分からないけど。                  

 ・最後に宮田大さんという若いチェリストのコンサートに行ってきました。才能教育の本部があるだかなんだかで、そこに関係する人は割と田舎なのに来てコンサートしてくれます。サイトウ記念もあるんだけど、俺小澤嫌いなのでなんとも。曲はマルチェッロのオーボエ協奏曲・ベートーベンの魔笛の変奏曲、ベートーベンのチェロソナタ5番、フランクのチェロソナタ、アンコールでラベルの亡き女王のためのパヴァーヌ、シチリエンヌ(よく知らない作曲家の、フォーレやレスピーギじゃない)、ロシアのジャズ系の。
  詳しく知らないし、久々の生音だったのでおそるおそるだったのだけれど、はまった曲はかなり楽しめた。私の印象としてはロマン派を感情豊かに演奏する、ちょっと古いトレンドが得意で、まさに私の好みにドンピシャって感じがする。音も応答性が高い弦(多分金属)を綺麗に使って純音に近い高音と倍音バイーンって感じの低音、様々なビブラートを多様って感じ。最近は個楽器に戻るブームがあって、チェロもピッチ低めのナイロン・ガット弦ってのが多くて、それはそれで好きなんだけど、音が直接耳や心に刺さるような感覚はモダン楽器ならではという気もする。
  一方で自分は改めてベートーベンは交響曲と一部のピアノ曲以外は嫌いだという事を痛感した。いわゆる古典ジャンルなんだけど、ベートーベンの使う和音ってなんでああ泥臭いんかね?料理で喩えるとスープというジャンルがあったとして、ベートーベンのは色々ごった煮にした味噌汁なんだよ、もう煮込んで素材の味が分からなくなってグジャグジャになったのをお玉で取ってよこされる。うわ、餅の切れ端とニンジンが入ってる、しかもニンジン生煮えじゃん!どうしてベース和音を安定させて主旋律でバランス取らないのかね?って。どういう事かと言うとベートーベン君はかなり音階の束縛を強く受けているので、主旋律で半音進行とか苦手です。それ以前に味音痴で良い旋律が作れませんけどね。なのでスープベースをいじるんですよ、分散和音の組み方かえて主旋律が動いているかのように見せる。でも聞いてるとスープベースが味噌だったり醤油だったり海鮮スープだったりして、具が楽しめません。あ、具がスープに溶けた・・・って感じ。ずっとピアノもチェロも音刻みっぱなしで、実は途中から目覚まし時計のアラームが空耳出来るほどでした。別に演奏家の責任じゃなくて、ベートーベンをそう感じるって話です。例外的にスープを売り物にして具を伴奏にすると名曲が産まれたりするんですけどね(月光とか)。交響曲は・・・多分管楽器使ってるからかな?室内楽の楽器使わせると最低なベートーベンも、大編成交響曲だと下手しませんワ。
  その点フランクは半音上等で演奏は難しそうですが、とても繊細な味わいがします。チェロはチェロの良さが生きてるし、ピアノはピアノの良さが出ている。少しブラームス的なまごつきを感じないでもないですが、まっこと良かった。で、私はアンコールやるならラベルとか合うんだろうナァと思っていたら、案の定亡き女王のためのパヴァーヌで嬉しくなりました。ピアノとの旋律の分け方はあまりに律儀というか、多分これ編曲だと思うのだけれど、忠実すぎて私でも思いつきそうな感じはあるのですが、チェロは和音なんかの工夫があって楽しめました。さすがに、最後らへんになると演奏者も疲れているのか音が所々怪しくはなりましたが、比較対象がケラスとか心臓に毛が生えてるような連中だからでしょう。
  ちょっと気になったのは使っていたチェロ、今はストラドを貸与されているらしいのですが、見た感じ新しいモデルに思えましたが、さらに少し小さく薄く見えました。ハイスピード系なんでしょうし、音も出ていたように思いますが、何故か時々音が飛んでないような印象を受けました。また伴奏のピアノの方も蓋あけているけれど加減はしたのでしょうが、スタインウェイのゴージャスなキラキラ音に聞こえなかった。私の耳がちょっとおかしい気がしますけど、ホールのあの席は直接音と反射音でデッドスペース的な場所なんかなと思っている所です。俺、なんでこんな長い日記書いてるんだろ?


Posted at 2014/12/16 23:25:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

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