2015年01月13日
・仕事はデラ園(遠方)の剪定、いや車の整理とかゴミ捨てとか、いろいろやらなならん仕事は分かっていたんだけど、天気がいいので久々に山羊つれてきて草たべさせながら仕事。でも、相変わらず勝手に帰ろうとしたり奴らは脳みそ入ってないわ。デラの剪定は自然樹形なので難しいはずだが、自分で何度かやってある程度勝手が分かっている場合、樹形は出来上がっていてそれほど手を入れないのであれば、現状維持で剪定すればいいだけなのでかなり簡単だった。昨年薄くしたしね。
・夜は農協の会合で青年部と農協組織との懇談会があり、いろんな話をするという事であったが、結局農協改革を軸にした議題に突如なってしまい、何度も聞かされているお題目の読み上げだけで貴重な時間を浪費し、質疑応答(青年部はあんまり農協の経営の事情は分からないので、本当におしえてもらう立場)で大半の時間が終わった。確かにそういう議論をあちこちでやる事は意味はあるとは思うが、農協の改革に関してここで話しても結局具体的にどういう成果や方針や行動に繋がるのか分からないという意見が一番的確だったろう。これは国家主義や法治主義の行きすぎた所でよくある事だが、専門にそれをやってる人は様々な事を裏を含めてわかっており、付け焼き刃で現状維持を望んで話しても全然分からない。それが将来自分達のためになるかどうかすら分からん。結局、組織の上層部が示してくれた方針が正しいと信じるしかないわけで、今更こんな事言われてもなぁって感じがした。
一方、もっと足元の所での意見交換はほとんど行われず。これだったら出席しないでもと思ってしまってもしょうがない。大体、青年部の出席者は少ないし、農協も窓口職員まで来て貰ったけど、そんなん話す事ないがなって顔してる。それでも、2点ほどあった収穫・
1:農協の金融信用事業は自分での資金運用は2割、残り8割は農林中金とかなんちゃら共済だったか、別の金融機関に預けて運用益をもらっているのだそうだ。そういう貸付残高が1000億ほどあるらしく、ぶっちゃけ農協の利用者である農家が家を建てるとか言って預金したってスケールメリットが全然ないと。改めて言われるとショックだけど、つまりそういう事である。JAバンクは農家のために特例を得ているが、農家がらみで実際に資金を運用している訳ではない。ただ、運用益は農家のために色々使ってくれているので、農家サイドとしてはメリットは大きい。ただ、窓口で20万とか30万の定期を組んでも、そんなはした金って思われているのは事実なんだろうと思う。
2:課長から出された重い課題なのだが「農協が大事と言いつつも農協への系統出荷の割合が落ち込んでいるように思われる(出荷資材の割合などから)。何故農協に出さないのか答えろ」という、まあ取りようによってはかなりアレな質問である。もちろん、「農協として努力の足りない所を教えてくれ」みたいなオブラートに包んだ言い方であったが、要は系統出荷割合が低い人はどうなのよと言う訳だ。これは、特定の人のつるし上げになりかねない
ので、他の人の意見として当たり障りがない部分でフォローを入れといたが、課長はどうも全く違う事を考えていたらしくてイマイチ通じなかったので整理したい。
系統出荷が増えると農協は取り扱い手数料が増え利益が増える。また、宣伝活動や技術指導は具体的には金を取らずに行っているので(大きく見れば出荷手数料に入ってくるが)、そういうメリットだけただ乗りしている奴は恥を知れって言いたいのだろうとも思う。一方農家サイドで直売している人は私は2種類あると思う。一つは意識が低く従来はもっと低品質で高く売れていたから、競争原理で品質チェックが厳しい農協に出したくないというグループ、そこには善意で「この程度の物を出したくない」って人も含まれるだろうが、老人にはそういう人も結構いる。ただ、農協は品質が低ければ低いなりの値段で取ってはくれるので、農協がどうこう出来る事はあんまない。
もう一つのグループで課長の頭にあるのは、大農家生産者ほど直売割合が増えるという方。直売の方が利益率が高いとか言いたいのかも知れないが、ぶっちゃけると並のグレードであれば市場の方が安くて良い物が手に入るので、「超高品質(千疋屋に並ぶレベル)で農協の評価基準に収まらないほど良い物」を作る人以外は、それほどメリットはない物だろうと思っている。じゃ、なんで系統に出さないかと言えば、農協にはある程度方針って物があるので、ロザリオビアンコ(たとえば)を出すって言ってる農協にシャインマスカットを出すと嫌な顔される訳だ。そのロザリオを農協の金使って主幹品種としておしといて、結局露地栽培に向かなくて植えた半分がダメになり、シャインをメインにしようってなあなあで決まったら?そりゃ大口農家さんとしては面白くないよな、特にロザリオ推しだった別の大口農家の政治的働きかけや利益独占があらわなんだから。
もっとぶっちゃえると、農協の公平性には大きな疑問があるわけだ。総代会の議決権は誰でも一票だが、多くの決定は密室で豪農とその子弟で職員とか取り巻きとかでなあなあで決まっている。あるいは農協が農家をそそのかしてへんな方針を出す事もある。そういうので嫌な目にあった農家は、「農協は○○さんの私的組織だから関わりたくない」って思ったりするのも仕方ないだろう。というか、農協自体は大きな組織なので、それ全体を否定は出来なくても「あいつがいる間は出したくない」ってなったりする。
そう、結局の所、系統に出す出さないは価格インセンティブでもシステムでもなくて、農協の中の個人を信用出来るのか?この人達の働く場を維持するために農家も協力しようと思えるか?という簡単な事なのだ。それを頭ごなしに「系統に出さなきゃ村八分」みたいな事を言ってたら、さらに求心力は低下する。今の農協は個々の農家に滅多に顔を出さないし、それだけ愛着が薄い。まず、指導員が個々の畑に収穫期に来るぐらいに農家と密接な関係を構築し、一方で様々な決定をオープンにして公平性に疑問が持たれないぐらいにして系統出荷が増えるのだが、こんな話はできっこないし、課長がこれを分からないようだと色々問題だと思った(敢えてつるし上げているとしたら別だけどさ)。
・一時期ソーセージ道楽をしたのだが、一番のお気に入りだったチーズ入りソーセージは結局シリーズでもっとも先になくなり、残りのもかなり割高になってしかも店頭に並ばなくなってしまった、リクエストしたのに。他のもまあ美味しいんですが、ハムソーセージで中橋義雄シリーズがかなり美味しかったのでソーセージも買ったら、こっちもかなり美味しくてファンになりました。農協直販、頑張ってるナァ。自分でボイルするソーセージに限り無く近い味がします。それにしてもソーセージは自分で作ろうにもケーシングが高くてうんざりします。本当にあの値段だったら普通のソーセージもかなり高くなってしまいそうですが、あるいは工場生産だと生の腸とか使えるから安かったりするんでしょうか?
今日は寒かったのでストーブ焚いて、またマッシュドポテトと鍋料理を作って幸せです。マッシュドポテトは大分味作りにも慣れてきました。少しもったいないですが、茹でる段階から塩味tをつけておいた方が好みですねぇ。また牛乳よりクリームの方がやっぱり滑らかな舌触りになりますし、植物性ホイップより生クリームのほうが・・・まあホイップでも充分ですけど。林檎を入れるとボール一杯が1日もたなくて自分でもびっくりします。
・日本の製造業(中小企業の)がぶちあたっている壁についてちょっと考えて見ました。一言で言うなら商圏が狭いのが問題なんかなと。電子機器の進歩に対してモデルチェンジのサイクルが上げられないので、中国など新興国からの追い上げに対応出来ておらず、さらに販売力が低下するという悪いスパイラルに陥っているのではないかと。もちろん、大手の下請なら開発能力はなくても製品自体は作る事が出来るのでしょうが、価格決定力がありませんし。それにしたって、大手が伸びている時は大阪の町工場なんかでも「こういう物が欲しい」ってメーカーが探して、それに対応できる工場が大きく伸びたなんてザラだったそうです。たとえばスーパーカブのレッグシールドなんかそうですよね、これまで鉄板の絞りでしか作れないと思われていた物をポリプロピレン素材で大きく形成して安く錆びず軽いって物を量産した。大手ザマァって思ってますが、日本全体が落ち込んでいる。よく人件費の話が出ますが、工場の場合、単純労働賃だけじゃなくて諸経費もかかってますし、遊んでいる時間も生きていかなければならないので、仕事がないとさらに悪循環に陥る。その時間をコマ作ったりして技術や発想の進歩に使ったり、工場の生産の合理化に使って生き残っている所も沢山ありますが、職人技術だけだと早晩行き詰まります。ここらへんはまあ知られたマクラみたいな話です。
問題は日本はこの問題解消を補助金事業や政府購買、労働力だけ外から持ってきてコストダウンしたり、増税で内需をどんどん冷やしている政策を取っている事ですね。上で商圏が狭いと書きましたが、私は商圏を広くして新興国需要で戦う事には基本的には反対、とは言わないまでも、日本の製造業に対してはあんまりメリットがないのではないかと思います。国際企業さんは逆にそうしないと生きていけないので、そうやってアフリカでも南極でも進出して白熊にでもエアコン売りゃいいんだろうけどさ。
本来は日本はGDP世界二位で、内需も決して小さかった訳ではないんです。そのGDPが世界との貿易不均衡でもたらされていたとしても、そのお金を上手く国内で回せば市場も購買力もあり、内需で魅力的な商品開発に回せる事が出来て、さらに市場の活性化がはかれたのではないかと。貿易での利益拡大は常に簡単にひっくり返ってきた歴史がありますから。
世界史を見返してみると、近代以降での大繁栄は一つのパターンと、そのパターンが終わった時に衰退と権力の変化が見られています。まず世界を手に入れたのはブリカス、英国でした。繊維工業ではじまった近代化は、布製品をアフリカ、アジアに売り込み、そこで取れた紅茶・コーヒーや鉱物資源をヨーロッパや新大陸に売り込み、そのお金で拡大再生産しとりました。古くはまあ大航海時代にも三角貿易はあったので、その延長の悪い奴ですね。
しかし、二度の大戦で勝利したにも関わらずイギリスはどんどん没落していきます。いや、アメリカがもっと合理的に発展したというべきかも。アメリカは内需が強い国ですが、もちろん輸出をかまけていた訳ではありません。今でも様々な分野でトップクラスの実力はありますし、ベンチャー企業も優遇され新しい血を入れてます。しかし、内需に関して言うと製造業は不法移民などでも積極的に入れて労働価格を安くしてなりたっています。モンドヴィーノでもメキシコ人がオーパスワンなどで働いているのが描かれています。ま、これはフランスだって同じ事で、労働力は言葉もあやしいアルジェリア系移民だったりして、こいつらはイスラム教徒だったりする訳です。つまり「内需に対して国内産のみでバランスを取ろうとすると価格を高くするか保護貿易をするか移民政策を取るか」って三択を迫られる。で、移民政策は全ての国で経済的に成功、社会的には失敗したと言えます。つまり、人件費を安くするためには安い生産コストの国から単純労働の人間をもってきて、労働できる期間を区切って追い返すという非人道的単純労働を狙っていた訳ですが、資本家は正規の労働者じゃなくて違法でも安いのを使いつぶした方が短期収益があがるので密入国や違法労働者が減らず、それらが国内にコミュニティーを得る事で内需に穴あけるような○○タウンみたいな植民街が形成されたのではと。オバマは違法移民を合法化して内需拡大とかやりだしましたが、それは彼が別にアメリカ本国の人間ではないからですね、メンタリティーが。それを言えばアメリカ人はインディオで、かれらが絶滅させられているので、アメリカは特殊ケースではあります。でも、世界の大半の国はそうではありません、ちゃんと土着国民がいて文化伝統があるんです。それに、同じ入植国家でもカナダは最近中国からの移民を制限(ほぼ禁止)しました。
アメリカの次に覇権を握ったのは日本で、大雑把に言うと第一次大戦から80年代ぐらいがアメリカの時代で、85年代から00年代が日本が一番輝いていた時代でしょうか。皆、景気低下を一時的な株価の不況と捉えていましたが、根本的には権限委譲の時代だったにすぎなかった。その後は一瞬NIESや中国の時代が来ましたが、恐らくそれらが長く続く事はないでしょう。すでに翳りが見えていて、大雑把05~15年あたりが中国のピークかなぁと。パクスアメリカーナがまあ15年から85年の60年、パクスジャポニカが85~05の20年、パクスチャイナが05~15の10年だとすると、権限は委譲されるにつれ目減りし、工業化や重商主義の持続時間が短くなっているのが分かります。インドあたりに行き着いたら覇権なんて5年以下で、実質意味なくなってるでしょうし、改めて自由貿易主義の限界について話し合われる事でしょう、地球がまだ人が住める星だったら。
Posted at 2015/01/13 23:06:01 | |
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2015年01月12日
・昨晩から寒かったですが、祝日なので遅くまで寝てました。仕事は山羊園のコンクリ柱片付け、巨峰園剪定終了です。間柱の素材はいくつかあります。今は35㎜前後らしき鉄パイプを使ったポニー支柱というのが主流です。ドブ漬けメッキで耐久性が高く、下にプレートを組み合わせると沈下にも強く、上にガイドキャップをはめると棚線を上手く抱え込んで外れません。折れる事はまず無く、軽く、価格も一本1500円ぐらいじゃないかなぁ?
コンクリはそれ以前の、半分自作系で見る素材で、周囲はしらクラスだと耐久性が高いのでまだ使われているのを見る。一本200kg超えるような奴は50年程度の耐久性が余裕であるが、さすがに新規でそういうの使う人はまずいない。その延長で間柱をコンクリで作った物も多かったのだが、これが問題だらけなのだ。まず折れやすい。鉄筋入れて多少は圧縮力に変換しても、所詮ほそいのですぐ折れる。また細いサイズに流し込むために強い骨材が使えない。コン柱と呼ぶけれど、実際は小さいのはモルタルである。また鉄筋は浅い所にいれるので中で錆びている事が多い。それで切れる事はまずないが、コンクリとの間にすきまが出来る。また、支線を固定するために露出している鉄筋部分はまず間違いなく折れてる。もっとも、固定すると棚が浮いた時に抜けるので嫌う人も覆い。沈下防止の装置はないので、処理が甘いと沈む。自重があるのでなおさら沈む。
他の素材はどうか?以前は杭柱を使っている家が多かったが、杭柱は価格が結構高い。やっぱり1500円ぐらいする。打ち込み固定なら楽だが、木材なので腐りやすい。また皮を剝いてないとさらに腐りやすい。強度は充分で軽くて、最後は薪にしちゃえばいいので、エコでいい素材だ。入手性とコストがもう少し良くなって欲しい。
製材した荒柱もある。丸太より安いし、サイズが揃っている。耐久性は太さにもよるが、丸太が15年ぐらいだとすると10年ぐらいでもせる事もある。でも、軽いし皮もないから、実は一番コスパはいいと思う。
竹は流通素材ではないが、簡単に手に入り強度もある。ただ、耐久性が結構無い。切った時期やサイズにもよるが、5年ぐらいでバリバリ割れたりダメになってしまう事が多い事が分かった。強度や重さ、加工性などはほんといいんだけどね。横に力がかかってなければ割と長持ちなんだけれど、古くなると横からの力で根本からぽっきり逝きやすいし、鋼線がくい込んで割れてしまう事もある。
巨峰は「そろった房が沢山出来た」周辺では、枝の長さが結構短くて剪定も楽だった。改めて枝が短いほど果実は充実するなぁと実感。棚線が低い場所もあるから、間柱あげなきゃいけないな。SS通行用に周囲だけ変則的な柱配置なので面倒。
・ヤマト2199を見てる。モンダビーノ借りる時にセットで割り引きになるので借りているのだが、さすが出淵さんが監督やってるだけあって、メカデザとかSF設定とかは面白いわ。ネットだとハーレム状態のような印象があったけれど、普通に軍人やってて評価。声優は超豪華なオリジナルのベテランと、若手(っても定評がある中堅)のバランスがなかなか良い。基本的にベテランは安心して見てられるのだけれど、あえて真田副長(大塚芳忠さん)を安パイにしない回もあって最高。
さて、リメイクするにあたり、オリジナルだと「どうしてそれやらなかったの?」って部分を補完しているのが面白い。と言ってもヤマトのオリジナルなんて私もリアルタイムじゃ見ていないし、DVDなんかもなく、劇場版は本編と関係ないので、間違いかも知れないけど。なぜコスモクリーナー(コスモリバースD)を持ってこなかったのか?とか、ジャンプで一気に飛べないの?とか。それらを抜かしても、結構イイ話がおおいんだよねぇ、単純に善悪とか敵味方ではなかったりして。子供がこれを見て分かるかと言うと分からないかも知れない。でも、すごい大まかには、このドラマに込められたメッセージみたいなのは分かる、と信じたい。今、多くのアニメのリメイクは往年のファンを満足させる事に重きを置いている。ヤマトなんてまさにそれに適したタイトルだ(し、一番裏切り続けていた作品でもある)。設定等ではまさにそういう部分が強いのだが、私は割と新鮮な気持ちで制作者のメッセージみたいなのを感じる事が出来た。ヤマトは決して使い古されたモチーフではなく、古くて新しい古典なのだと。
ちょっとだけ苦言を呈すと、JAMプロジェクト関係はちょっと作風があってない気がした。BGMはOPから劇中まで初代を使い続けている(多分、多少アレンジはしてるだろうけど)ので、なんか浮いてしまうのだ。KOKIAのはまだ良かったけど、もう少し癖がなくしっとりとした曲が欲しかった。
Posted at 2015/01/13 01:11:26 | |
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2015年01月11日
・あんまりにも部屋の温度の低下具合が具体的な数字として分からないので、データーロガーないかなぁと思って調べてみた。データーをログする機能に関してはGPSなんかのは今や4000円ぐらいからある。温度計なんてもっとずっと簡単な構造だろうから安いかと思ったら国産品は2,3万円平気でする。3000円ぐらいの使い捨て(5年ぐらい)の簡易タイプもあるが、接続ケーブルとか特殊でセットで買うとなんだかんだで3万円。秋月のような電子工作ショップでUSBのメモリーカードのようなのもあったが、記録ポイントが少ない上に精度が低く6000円。3000円ぐらいであるかと思っていただけに、なんでこんな高いのだろうかと訝った。結構需要あるんじゃない?実際20年以上前から使われているという製品もあったし。不思議な事に通常はショッピングですぐに出てくるアマゾンがこの検索に出て来ないのもおかしかった。
で、アマゾンに直ではいって検索するとちゃんと3000円ちょっとでログポイントも多く精度も高い製品が売られている事が分かった。なんだよそれ!思うに、この分野はちょっと寡占かなんかで圧力かかる製品なのかも知れない。実際、公的機関とかにも納入しているみたいだし。でも、またしても日本の製品のコスパの悪さ、改良の遅さ、寡占での独善みたいなのを感じてしまった。
・さて、高断熱住宅は10年ぐらい前から話題になってきていたと思う。うちらのあたりだと、北海道から高断熱住宅が外断熱をひっさげて参入、見栄えばっかりで寒い家だった在来工務店は全滅、メーカー系工務店ばかりになった。もちろん、在来工務店はそのメーカーの下請で生き残ってるけどね。で、それらのハウスで以前から不思議だったのは、あれだけ断熱性能の高さをうたいながら、実際のデーターを載せている所がない!唯一乗せていた中堅メーカーのも、正直言って「この程度で高断熱なの?」ってぐらいのしょぼいデーターだった。これは実家が新築した時も同じで、元々技術なんて無い設計士に現在のトレンドの下あたりを作らせた家だったけれど、確かに古い家よりは暖かいが無暖房で耐えられるほどでもないという感じ。確かに外気温や日射条件、風や住人の生活熱などは規格的な測定が出来るほど制御しづらいのは分かるが、個別のアピールで終わっていたと思う。
しかし、今検索したら、次世代省エネ基準の家やパッシブソーラーハウスなどのデーターが大分出てきていた(温度計が欲しいのも、それを測定するのに便利だからだ)。それによると、無暖房時で温度がマイナス5度からプラス5度ぐらいの環境でもトップランナー基準の省エネハウスでは最低12度とかなり高い数字を記録していたし、パッシブソーラーだと20度超えてるデーターもあった。
・さて、非接触温度計が届いたのであちこち測定してみて驚愕の事実が発覚・・・こいつの温度アテにならねぇ。というか原理が全く違うので校正のしようがないというか。それでも、ちゃんと赤外線放射は計測しているので、相対温度は分かる。アルコール式温度計はそれはそれで計っている物が違うしな。それはともかく、もっとも驚愕したのはもう一つあって、床面の冷たさだった。うちは家の中の水道などが凍る事は余程寒い時、一年に一度か二度程度しかなかったので、室温計の3度だの4度という数字を信用していた。これは外部センサーをストーブ裏に置き、本体は目線の高さにおいたタイプでも同じ。ところが、放射温度計で床の表面温度を計測してみた所・・・・マイナス4度とかマイナス5度とかたたき出した!最初「あれ?床の方が温度高いの?」と思ったらマイナス付いてたって言うね。室温が低い場所から冷えていく現象をはっっきり教えられた格好だ(ただ、放射温度計はほんといい加減で、時々思い出したように低い温度をたたき出したりする。本体温度の影響を受けている気配もある)。
もう一つ計測して分かったのは玄関の寒さだ。これまた温度計だと0度付近からはなかなか下がらないので放置していたし、ツインカーボ(ポリカのプラダン)で覆ってからは大分マシになったので見て見ないふりをしていたのだが、放射温度計はマイナス7度とか言い出した。最低気温より低いのはおかしいので、測定不良だろうが、同条件での床よりさらに玄関が寒いというのは紛れもない事実。玄関は熱的には暖房は入れてないし、光も入らない。だから寒いのはある程度はしょうがないのだが、床に物が置いて無いからだろうか?でも壁はドア面以外は内壁なのにこの寒さというのは・・・・家の移動では結局この通路はいつも通る事になるので、これはほんと困った。
じゃあ薪ストーブの温度はどのぐらいか(非接触温度計の面目躍如たる対象だ)だが、天板は放置すると300度近辺まで上がる。側面は燃焼が近ければ250度ぐらい。煙突は室内のシングル部分では100度らへんになっていた。改めて鉄板ストーブの暖まりレスポンスの高さが部材温度の上昇そのものになってしまっているのが分かる。燃焼エネルギーの伝達が早い分、熱負荷が高い訳だ。ここにサーキュレーターをあてると全部250度らへんに出来るので、大分熱負荷が下がるしその分空気への伝熱も早くなる。
ストーブの型式としては時計型は輻射型、一部の高い奴は対流型というのがある。燃焼室と外板の間に空間を設けて上昇気流で空気を暖めるタイプである。放置すれば時計型でも対流は起きているが、積極的にはそういう構造は取られていない。しかし、温度が超あがって加熱空気層がまとわりついてしまっている場合、空気への伝熱が劣る。その分部材の温度があがり輻射熱で発散されているのだろうが、ここは積極的に対流やそれに近い工夫をする方がエネルギー効率が高い。
・仕事は巨峰園の剪定、ちょっとした太い枝の運びだし。雪が吹き付けて寒かったが、短時間だったのでそれほど苦にならず。荒剪定はほぼ終わった。年度末に除草剤を散布した所はほぼ枯れたが、土がモグラなのかやけに暴れている。なんだろう?また、ドレンの配管に関して、メンテの事を考えると長辺の方がいいような話もちらほら。まあ、そういう土地の人はそういう方がいいんだろうけど。
・床材っていくらぐらいかなーと思って調べたら結構高かった。毎日端材燃やしてると、なんで原料はこんな安いのに加工したらこんな高いんかと思うわ。昔だったら自分で木(というか山単位)で買って切り出して製材してたらから当たり前のように無垢材だったんだろうけど、今はそんなん関係ないもんな。製材でちょっと問題になりそうな乾燥に関して、ビニールハウスでの乾燥のデーターが出ていた。製材した後なので、丸太とか薪は当てはまらないとは思うけれど、ビニールハウスだと初期にガクーンと下がって一月で20%ぐらいに下がっていた。
建材と薪は含水率の考え方が違っていて、建材の含水率は「完全乾燥重量」に対して「どんだけ水分が含まれているか」で表すので、水分が8割、乾燥重量が2割なら含水率が400%になる。一方、薪は普通に現在重量に対する水分の比率になる。それぞれドライベース・ウェットベースと言うそうな。建材はドライベースで15%ぐらいが良いそうで、それをウェットベースで表すと13%ぐらいになる。まあ、低い時は若干建材の方が甘いって程度の認識でいいと思うし、実用的には電気抵抗測定を機械でやるので測定者はそこらへん意識してないと思うけど。で、薪の測定でも割ってあれば割と簡単に低くはなってるのね。余ったビニールで薪倉庫でも覆って見るかな。
床材は厚さ15㎜で長さ2m、幅150ぐらいでやってるので、製材難易度は割と低そう。実加工が問題だが、昔の家ってどうやってとめてたんだろ?釘は貴重品だったしひっかかるし、実加工は面倒だったし。
Posted at 2015/01/12 01:46:54 | |
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2015年01月10日
・カール・エルベス「ヴァルツガルデン ファインヘルプ QbA 2011」
もらいもののワインだが、猪骨鍋があんまりに美味しく出来たので、あけてしまった。そして、期待値のはるか上でびっくりした。毎度感動的なドイツのリースリングに当たる度に思うのだが、ドイツワインに関してはワインというジャンルに収まらず、飲み物や食べ物という尺度、ヘタすると生活の中での感動した物というジャンルで上位にランクインさせなくては計れないような偉大さを感じる。偉大って言うとちょっと違うかな、そういう一種の使い古された権威ではなく、いつもドイツワインは新鮮な驚きやはじめての発見のような感動だ。
香りは教科書にあるようなリースリングで、とても心地よいレモンの香りがする。安物の香水のソレではなく、ライチやスイーティオのような長く続く爽やかさ。かすかに鉱物のようなニュアンスも感じる。飲んで見ると、これがワインなのか!と驚くぐらい最初からフレッシュな酸味の塊である。他のワインが「酸味」が従属的であるとしたら、ドイツのリースリングは酸味があってその従属物がワインと言った感じだ。全然酸っぱくないけど酸味がある。後味もクリーン、わずかにアルコールの太さも感じるが、これだけ辛口に仕上げれば度数も当然上がるだろう。でも、アルザスのソレとは全然違う。舌をしびれさせたりしない酸味だ。
秋田のリースリングもまだあるので飲み比べてみた。香りはコレに比べると失礼ながら全く感じられなかったのだが、飲んで見ると秋田のリースリング単体で飲んだ時とは比べものにならないぐらい、味のニュアンスがくっきりと感じられ、間違いなく両者は同じブドウ品種から出来ているんだなぁと思う。カール・エルベスが図太い線で「これがリースリングの輪郭だ」って物を見せてくれたので、秋田のリースリングもとっても分かりやすくなったのだ。
驚くべきは、このワインはQbAという1ランク下のワインである事だ。いや、前書いたように、このランク付けは様々な法的な要件による物なので、必ずしも品質的にそうだとは言い切れないのだが、すくなくとも値段は調べた範囲では1600円以下、QmPなら2200円は超えている。ま、超えていてもクオリティーからするとバーゲンだ、マジで。別の所の情報だが、カールエルベスのQbAは補糖やジュースリザーブはやってないという話なので、リースリングを早摘みしてフレッシュネスや酸度を最優先に作ったのではないかと思う。そして、それはQmPとは別の世界を作っているのではないか。おぼろげな記憶だが、QmPのヴァルツガルデンはここまでの物でもなかったような気もするし。ともかく、他の素晴らしいドイツワインとは別の路線で、しかし基本には忠実以上に忠実に、現代的だけと親しみやすさももった作りのこのワインは3000円、4000円でも欲しい人は欲しいんじゃないだろうか。
敢えて作り方に関して言うと、スクリューキャップで軽く発泡しているのは、ドイツワインのお約束。ステンタンクだろう、樽の要素は皆無。あまりにクリーンで透き通っているので、細かいニュアンスがもう少しあってもいいんじゃないかと単体では思うかも知れない。濾過の程度を下げるとか、自然酵母を使って複雑味を出したらどんな感じのワインになるのだろうか。
ところで、モンダヴィーノではロンドンの人も出てくる(飛んだな)。フランスのワインがこれだけ国際的になったのは、世界の覇者だったイギリスがボルドーから大量にワインを買い付けてランク付けして世界に持っていったからであり、自国ではワインは作らないくせにイギリスのワインへの影響力は大きい。そして、戦争中もドイツにフランスからワインを輸出していたそうだ。で、その人が面白い事を言っていたのだが、「カトリック世界では金儲けは悪だった」「プロテスタントはお金を正当化した」「よってプロテスタントの世界ではユダヤ人が受け入れられた」という話をしていた。すごい端折って書くと「拝金主義」「商業主義」「グローバリゼーション」「マスメディア」らへんが全部ユダヤ人的価値観を軸にグルグル回ってるのね。戦争とかあっても、基本的にそこは変わらない訳だけれど、ヒトラーは諸悪の根源を個別の現象に求めず民族問題として扱った訳で、そこは卓見というかなんというかだと思う(正当化はしないけど)。そうすると、実はイギリスの対独戦争も別に民主主義とか自習主義なんて物は後付けで、ユダヤ人が商業を通じて富を溜めまくっていたのがイギリスなので、自らの身の危険を感じたって所があったんじゃないかと勘ぐってしまう。たとえばオランダなんかアンネの日記にあるようにユダヤ人の迫害があったが、そもそもオランダに棲み着いているのはオランダがかつて通商で成長していたからだと思うのね。さらに言えば通商そのものの他に保険分野でユダヤ資本は成長したのだけれど、これは通商で難破などリスクがあったからだそうだ。
たとえば最近のイスラム原理主義者のテロも大半の連中は暴力で自分の欲求を通そうとする、一辺の同情の余地もないクズなので空爆で蒸発させてしまえばいいと思うが、欧米内部で時々発生する同調者は多分グローバリゼーションと拝金主義とユダヤ人を憎んでいると思うのね。実際はユダヤ人だから全員ロスチャイルドな訳はなくて、それは全てのイスラム教徒がテロリストでないのと同等程度の割合だと思うけど、今回もユダヤ人食料品店に立てこもったのはそういう意図があるのだと思う。ただ、共産主義者もそうなんだが、彼らの革命家としての本質は「持っている物からひっぺがして自分が貧しいのを解消しよう」って所があるのは忌むべき点だ、自戒を含めて。マルクスやレーニンの頃の共産主義は資本主義サイドから提案された過当競争回避と労働者保護の提案だった訳だが、同じ事を貧乏人が言うと「努力しないで生産資材を分配せよ」となる訳だ。極端に言えば、その努力を資本主義社会の中で行って蓄財して功を成して、それを分配する事は立派な共産革命の一歩なはずだが(いわゆる資本主義革命ルート)、どうもそういう努力をしてない人が多い印象がある。いや、末端の共産党員の人は人助けで自分の事もままならない善人が多いみたいだけどね(筆坂さんという元国会議員によると)。
・断熱が怪しかった場所に端材でちょっと補強、でも、改めて断熱の性能向上って具体的にどのぐらいでどの程度の暖かさなのかってのは分かりづらいなぁと思う。たとえば昨日は室温が10度、台所はストーブ焚いて12度→6度(3時間ぐらい)、玄関はずっと2度か1度である。典型的な部分暖房だが、自室は断熱強化をしてあるので、コタツと生活熱だけでそこまで暖房になってるはずもないと思っていたのだが、よく見たら内窓があいていた。断熱穴があいていた訳で、一体なんだったんだろうかと。
・買ったカナテコには「曲げ強度5倍!耐摩耗性5倍」って書いてあって、そんなすごいのか?と思って調べたら、確かにとんでもない素材だった。メーカー系HPで見たらSUP9というバネ鋼で、引っ張り強度が1000Mpa超えてる。超超高張力鋼クラスだ。硬度もブリネル硬度で350~430HBWぐらいで、調べたらSCM440とかSK4より硬い。さすがにハイス鋼ほどはなかったが、クロモリ鋼より硬いってコレなんぞ。クローム・マンガン鋼ってなってるが、シリコン比率もそこそこあるから、耐摩耗性も高いんじゃないかな。
以前消防で水利点検で使っていたカナテコはコックもあけられるタイプだったが鋼材が弱くて、テコで蓋をあけているとそこが曲がったり、下手すると疲労破断してしまっていた。一個半分もげたのがうちにあるが、消防関係はザルだと言ってもほんと酷い。一方本職はこれと同じの使っていたので、なるほどなぁと。しかし無垢素材なので3kg近くあって、持ち運びは大変。よく日本刀なんか峰で叩いても鉄棒で殴る訳だから不殺とか言ってる奴はおかしいって話も聞くが、日本刀は1.5kgぐらいなので2倍はある。つまり、これで殴られれば・・・あとは分かるな。
・ネットでキーシリンダーを番号からおこしてくれるサービスみつけた。なかなかよさげ。
・仕事はちょっと剪定、結構長い枝が枯れている時もあって焦るが、基本別の枝で埋まってるのなんとか。
Posted at 2015/01/10 22:37:47 | |
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2015年01月09日
・モンドビーノ見る。うーん、事前に持っていた情報と見た時の印象がかなり違った。形としてはドキュメンタリーなのだが、制作側はフランスの地ワイン、文化的に伝統を重んじるサイドに立っていて、その反対にアメリカナイズされたグローバリゼーションのテクニカルなワインを置き、両者を対立する物として描いている。巨大資本でブルトーザーで全てを商売にしていくアメリカやそれに与する人達は悪で、伝統的に家族経営でやってる小さいワイナリーは素朴な善人という形になる。様々な側面や階層で見るとそういう点もあろうかと思うが、一方で家族経営の人達の迷走や不和、技術をおざなりにしている可能性、グローバリゼーションへの意固地な嫉妬などを軽く扱いすぎている気もする。あえてそう言わなければならないほど、モンダビやロランを批判的に表現する手法が露骨だからだ。ドキュメンタリーの風を装いながら、ロランを悪役に仕立てているのを見ると、こいつらマスコミだなぁと思う。そして、無理矢理その意図をドキュメンタリータッチに馴染ませるために下手で素人っぽいカメラワークを多用するので、全然みたい所が見えない。私は反グローバリズムの立場は取るが、こういう誘導的なテクニックは逆に信頼を欠く物であると思うのでオススメしない。
まあ、でもシャトー・ムートン・ロートシルトへの取材は興味深かった。フランスは言うに及ばずカルフォルニアでも系列に手をだし、最近では中国にも大規模なワイナリーを立ち上げているユダヤ資本のグローバリゼーションの手先は、ブランドを最大限使った結果本国フランスでは信頼が失墜したとまで言われている。レクサスって名前が出来てトップレンジがあったとしても、その下のクラスの名前負けしているようなのを公道で沢山見て、そいつらがマナー悪ければ「結局ロールスロイス以外は成金だな」って事になってしまう。ま、ベンツクラスと成金にアピールを競う事は出来るからいいんだろうけどさ(念のため、私はレクサスもベンツも変えない貧乏人だし、あくまでムートンの喩えで本当がどうかは知らない。本国のベンツはもっと質実剛健なイメージもあったし(古いディーゼルとか)、SLのようなスポーツカーのイメージもある)。
フランスのテロワール重視も逆に言えば味による信頼を勝ち得ない事で最後の砦になってしまっている感もある。特にボルドーは伝説のパリ試飲事件以降、テロワールを重視しない方向に舵を切らざるを得なかったし、それ以前からクリーンな経営方針だった訳でもない。フランス人がスパリエにした公道など見ても、結局反米中華思想と自分の利益の最大化が第一にあって、ここらへんはその手段って感もするんだ。大体、ボルドーのどんだけがビオディナミだよ。
むしろ、もっと怖いと思うのは「マスメディア(インターネットを含む)による意識操作やマーケティングが行われて、人々は無批判にそれに飛びついている」「結局金という評価基準はグローバリゼーションと言われる前から国境を越えている」って所で、「既得権益の保守も文化的侵略者も仲良くすりゃいいのに」と思う。何故なら、そこに飲み手の姿が見えないからだ。そりゃ「企業は客に仕えるべき」ってのも絶対正義ではないけれど、飲み手は別に批評家のようにワインをジャッジしている訳ではないし、そうであってはならない(ソムリエ試験を受けるとか、プロを目指している人は別だが)。サステイナビリティーに問題がある栽培方法の物がトップにくるとか、健康に悪いワインがもてはやされてしまうとさすがに問題だが、伝統が物を言うならそれと同様に新しい世界で新規にはじめたというのもストーリーになるし、それぞれの生産者が同時代に生きるお互いをなぜ褒め称えられないのか。
・肩がものすごく痛くなったので少し休んで作業、煙突断熱終了。色々コツを掴んだ、まずスパイラルダクトだが、曲げると片側が伸びるのを利用して細かくやっていけば一人でもまあまあの長さに出来る。で、断熱材は煙突にしっかり巻き付けておかないとずり落ちる。先をテープで止めておくのが良い。そしたらスパイラルダクトをネジのように回転させながら押し込むと割と綺麗に押し込める。まっすぐにやろうとするとずりおちてえらい事になる。燃焼効率は多分さらに上がっているかとは思うが、空気を引きすぎて逆に排気ロスが増えてしまっている感じもある。煙も天気が良かったからか逆に目立って見えた。しかし匂いは減っているので、薪の当たり外れな気もする。点火はいっそう楽になった。あとコールドドラフトが無くなった。
薪ストーブは煙突を外に開放して持つため、運転時には煙突効果で排気する反面、外が冷えてくると逆にダウンドラフトが煙突内部を落ちてストーブ側にふきかえる現象が起きる・・・というか起きていると思う。ストーブから外の冷たい空気が逆流してしまうのだ。高いストーブは煙突にダンパーがついているので、これをとじればある程度おさえられるだろうし、気密が高いから全部閉じればどのみち止まると思うが、時計型は気密も低ければダンパーもないので完全には止められない物だった。しかし、グラスウールで断熱するとダクトが長くても充分に気流が止まる感じなのか、気にならなくなった。どのみち気にするほどではなかったが、余録である。
そこらへんの変化や断熱性能のチェックのために非接触式温度計も注文した。やっぱり分からないと対策たたらないってのがある。特に室温は外部センサーを積んだタイプを使っていて分かるのだが、床に置いてるセンサーが5度で本体のセンサーが20度なんてザラで、いかに空気を媒介に物を暖めるのが大変か分かる。その割りに冷える時はすぐ冷えちゃうが。
・プラダンの断熱性能について。自作二重窓で有名なプラダンだが、具体的な断熱性能がイマイチわからない。感覚としては暖かいんだろうけど、かと言ってYKKあたりが作ってる二重窓とは違うだろうし。まずプラダンの断熱性能だが、素材のポリプロピレンの熱伝導率は0,17~0.19程度、ダンボールは0.062程度、ガラスは0.5~0.75程度、空気が0.024、グラスウールが0.05程度、紙は0.06ぐらいです。プラダンは紙よりは素材の断熱性は劣りますが、形状的に見ると恐らくダンボールと素のPP素材の間、0.1前後じゃないかと想像します。次、厚さですが、プラダンはメジャーなので2.5㎜、4㎜、6㎜のがあります。一般のガラス窓は3㎜ぐらいの厚さなので、熱貫流率(K値)は200です。実はアルミサッシだとアルミ部分がもっと凶悪なんですが、面倒なので計算しません。一方プラダン4㎜だとK値は25になります。8倍ほどマシな計算になりますが、一方でグラスウールの100㎜厚だと0.5あたりですんで、壁はさらに50倍も熱を伝えない事になるので、いかに開口部の熱損失が大きいのかと・・・では、最新のサッシはどうかと言うと、YKKAPのAPW430というトリプルガラスの製品シリーズでK値は0.91でした。厚さは41㎜との事なので、ほぼグラスウール並の熱伝導率という事になります恐るべし。
じゃあ、自作系素材で高断熱窓は出来ないのか?プラダンの6㎜が単純に性能1.5倍にはならないでしょうが、厚さや枚数を増すのは割と簡単にできる対策です。また、APW430はかなり究極な所があり、普通のペアガラスの断熱性は単板の4倍とか書いてあるので、実はプラダンの方がペアガラスよりは高性能って事も言えるのかも。
・エースコンバットゼロというゲームで、ベルカ式国防術というのがある。これは自国領土内に敵軍が攻め込んだタイミングで核爆弾を起爆させて損害を与えようとしたもの、と説明されている。ネット界隈だと「アホな戦術」として焦土作戦の一種に思われている。ゲーム中では核爆発に伴う強力なEMP(電磁気パルス)によって自機のHUDの表示がグラングランと乱れるという演出がある。まあ、演出なんだからどうでもいいんだが、果たして本当に核爆弾が使われるとEMPパルスがあんな形で影響を与えるのだろうか?というのが今回のお話。
まず戦闘機がEMPパルスの影響を受けるかと言えば受け得るというのが結論のようだ。劇中、それで他の動作がおかしくなったり、無線が完全にダメになったりはしないが。私はあれ「ずっとパルスが発生している」のか「機材がEMPの影響で故障してああなったのか」が分からなかったが、EMPパルスの持続時間は10ナノセカンド程度と超短時間な事から考えると「故障」の線が濃厚。
しかし、あの創作には大きな矛盾があった。EMPが発生するメカニズムは核爆発を超高々度で行った場合、熱など爆風でエネルギーが浪費されないので放射電子線という形で放出され、それが希薄な空気分子にぶつかって電子を叩きだし、それが地球の磁場に引かれて降り注ぐんだそうな。アメリカはいろんな核実験やった中でティークと呼ばれるテストで高々度核爆発をやったが、予想外に電子機器や通信環境にダメージが出て大問題になったとある。一方、ベルカ式国防術は国境付近の7つの街で行われたとされ、クレーターが明確にのこっている場所もあるが、その規模はそれほど大きくはない。思うに地下埋設型か地表付近で、kt級の核を使ったのではないかと思う。威力の定義ではないのだが、戦術核兵器を使ったという表記もあるのでた、短射程弾頭=小型核という一般的な予想は成り立つ。そうすると、改めてクレーターが出来るのは地表付近での爆発だったからであろうと。
じゃあ、地上で爆発させてEMPは出るのか?という話になる。核爆発自体はどのみち大量のガンマ線などを放出するので、大気密度が濃い地表であってもコンプトン効果でEMPは発生するであろう。しかし、「熱で放出されるエネルギーが大きい」「空気密度が高いのでガンマ線が飛び散らない」事から、影響範囲も威力も格段に小さくなる。またウィキによると周波数が高々度核爆発のそれより限定的とあるので、シールドを効率的に行える事だろうと思う。少なくとも、ゲームの中ぐらい離れた場所にいてあそこまで影響が及ぶ事は考えづらい。
もっとも、ベルカが自国領土内であれ核を使った事がなんか正当化ではないが因果応報って形でうやむやにされ全面核戦争になってない事、他のエスコンのミッションでは核ミサイルの迎撃ミッションがあり、明らかにダーティーボム程度じゃすまない爆発をしている時もあり、あの世界の物理法則や様々な点が現実世界とは異なる可能性があるので(そもそも対空対地両用の誘導ミサイルが100発以上積める戦闘機なんて無い)、ゲームはゲーム、現実は現実ではある。
Posted at 2015/01/09 23:35:04 | |
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