2015年01月08日
・MonotaROで届いたフレキダクトだが、伸ばしてみたらレビューにあった通り2.4m程度で止まってしまった。強く引っ張ると握った所が潰れてしまうし、そもそも3mともなると握りようがない。二人いて優しく引っ張り合えば出来ると思うけどあいにくニトリ・・・じゃなくて一人だ。しゃあないのでバイスレンチで掴んでそれを固定して引っ張ったらダクトが千切れだした。あれってスパイラルダクトみたいに平板を螺旋状に巻いて貼り付けていたのね。その固定が蛇腹加工より弱いのは問題。上手く伸ばすと確かに3m近くにはなったが、千切れた分短くなってしまった。ただ、真っ直ぐにはるのは良い。あとはこれを差し込んで固定だな。
断熱材は当初下だけ塞いでパーライトを流し込む予定だったが、パーライトが品切れ中でストックも全然足りなかった。で、下を塞ぐのに使う予定だったグラスウールの50㎜がちょうど具合が良かったので、全部これで塞ぐことにした。この買いだしに行ったので全部はカバー出来てないが、途中まで二重管にしたがいい感じだ。
ばらすついでに煙突の内部も掃除した。ホンマの掃除用のブラシを水道掃除ワイヤーの先に固定してやったのだが、曲がってしまって上手く通らないので、本物だともう少し硬いのかも知れない。まあパイプで押し込んでしまえば汚れを取る動作は出来る。汚れは立ち上がりから先は案外少なくて、むしろ室内側から外に出る横引きが多かった。またストーブの底の灰もかきだしたり、中子を外して裏側の灰も掻き出したり。
ストーブでは昨日猟師さんにイノシシのあばら骨らへんを頂いたので、そいつで豚骨スープを取る事にした。骨を出刃で叩き折って10分ほど下茹でして血や肉を落とし、圧力鍋に入れてネギ・タマネギ・ニンニク・リンゴあたりで煮込む。イノシシの脂は豚のよりべったりしている。これを高温で煮込むとコラーゲンが溶け出して、脂肪球を包むようにコロイド拡散するのが白い豚骨スープなのだそうだ。だったら鶏ガラスープでも高温で長時間煮込めば白くなったり、牛でも同じ事が出来そうだと思って調べたら、鶏の場合は白湯スープがそれにあたる。牛の場合は牛骨スープというジャンルはラーメン業界だとBSE問題でイメージ悪化もあり絶滅状態だそうだが、フレンチのフォンドボーは子牛のスープなのだそうだ。しかし、作り方は高温で煮立てる訳ではなく、こまめに中火で煮込んでアクを取るので、多分そんな白くはしないだろうと思う。多分というのは、フォンドボーのスープ段階の映像が見あたらなかったから。牛骨スープ(ラーメン)では多少白くはなってますが、豚よりは脂が少ないのかそこまでではなかった。
追記:引きは「いい感じ」と書いたが、薪を取りに行って煙突を触ったら片側だけ暖かく反対側が温い。あれ?と思ってみたら、煙突掃除の時に外した底の蓋が外れていて外気を大分吸い込んでいた。これを閉じたら煙突全部が高温になりムチャクチャ引くようになった。薪を投げ込んだ瞬間に燃え上がるのは嬉しいのだが、明らかに火力が強すぎて圧力鍋が甲高い音を立てるので絞らざるを得なくなった。その時でも以前と違い青っぽい燃え方をしていた。
もう一つ、二次燃焼のテストとしてステンパイプを突っ込んであちこちに当ててみているが、燃焼となると難しいのを感じる。薪などに先っぽを当てると、明らかにそこまで高温で燃え出すので高温の新規酸素の導入そのものは機能するし、圧力かけなくてもドリフトとか上昇気流とかで空気は吸えてる。しかし火炎の先に持っていっても二次燃焼のようなガス燃焼は見られなかった。一応置くならあそこか?って場所はあるんだけど、どのみちパイプ用の通路の穴をあける勇気がまだない。うちのストーブは3シーズン目だが、あと2年は余裕で使えそうだからな。
・他に用事で塩尻の方に行ったのだが、同窓会に来なかった同窓生の実家のカレー屋に行ったら、看板も下ろして閉店していた。自宅だったと思ったんだが、確かに流行ってはなかったもんなぁ。同級生の家にご両親は引っ越したりしたのかも知れない。カレーが食べられなくなったので、以前陵駕があった所に行ってみた。記憶が正しければあそこが人気ラーメングループのはじまりだったと思ったが、途中からは他のに大きく見劣りして閉店になっていた。別のテナントが入っていたので入って見たが、語るも憚られるような所で二度と行くまいと思った。結局あそこは系統が違うんだろうか?まだ麺の箱とか系統の使ってるみたいだったけど。
それ以前に私は最近ラーメン熱が全くなくなってしまったし、周囲でもラーメン人気が一段落したのを感じる。情報の氾濫、味の画一化、コンセプトの画一化などで最低限の味のレベルは確保されたが、その中でさらに差別化するために味があまりに濃くなり刺激を求めすぎている。健康的でなくなっているし、何よりデフレ時代にコストが上がりすぎた。そもそもラーメンが市民権を得ていたのは、デフレ時代にレストランとか食堂に行けない層のB級グルメの受け皿という面があったと思うが、価格競争がいい意味で業界の利益の方に働き、安かろう不味かろうって店は潰れたし、一定以上の店は結構いい値段をつけてくるようになった。でも、外食産業として800円なり1000円というのは結構強気だと思うのね、特にラーメンという物はそこまで手が混んでいる訳ではないから。いや、むしろC1ランナーであったように、価格は800円が現界で、その中でより美味しい店って感じになるだろうし、そうは言っても立地での棲み分けも出来て、一段落じゃないのかな。
・新型アルトをお店で見てきた。一見さんに対応してもらってもうしわけねえ。試乗は野良仕事のついでのような格好だったので敢えてしなかったし、しようとも思わなかった。スズキのデザインは写真より実物がいい事が結構あるのだけれど、アルトに関しては写真写りが良すぎると言わざるを得ない。サイドから見るとフロンテクーペとかのようだという印象もあるが、本当に写真のように真横から二面的に見ないとそれが出て来ない。つまり、デザインが平板というか二次元的なのだ。むしろ印象としてはダイハツのネイキッドあたりに近い。またグリル高さも微妙、ホイールアーチスカスカ、安く薄くというのを真正直にやった感じで、プレスラインも強度だすためだけに仕方なく入れましたって感じがある。もし強度関係なければプレス部分すらないカッコになってただろう。あ、別に私はこれはこれでいいと思ってますけどね。ただ、どんどん小さくなるブレーキディスク、細くなるアーム、小さくなるダンパーとかは技術進歩とかあるにせよちょい怖い。いずれRSが出たら乗ってはみたいが。
ターボモデルは見開き1枚のリーフレットもらった。案の定ライトは違って、HIDのプロジェクターっぽい。フォグ・アシストランプが付き、タコメーターが付き、写真ではインパネシフト。ボディーカラーは赤か黒か白で、それぞれお互いの色のボディーラインが入る。白に赤いラインは往年のスポーツカーっぽくてちょっといいな。ただ、ギョロ目なのにあちこちメッキ入れるとちょっときつい。あと、個人的にハンドルにいろんなボタンが付いているのは嫌いだ。今の車ってそこまでハンドルにつけるか?ってのが多くない?ハンドルの一番の目的はしっかり握って回せる事で、オーディオとかのボタンなんかいらないんだが(メーカーオーディオ縛りとかに役立つからやってるんだろうけどさ)。
・少し早いが牛伏寺にも行ってきた。ここは密教系(多分真言)の古刹で厄除け縁日が毎年11,12日とあってかなり賑わう。1kmほど下の駐車場から歩く事になるので、天気がよく空いている時に登ったのだが、今年は雪が少なくいつもはツルツルで怖い所もぬかるんでいた。とは言えほとんどの場所はスケートリンクなので老人は転倒注意というか、行かない方がいい。本殿は立派な銅葺き屋根で柱は六角形の大きいのを使い、貫を通しクサビで止め、石の上に並べてある。石は誰かが手入れするのか、周囲が結構掘られている。水だろうか?高い場所までシロアリが入っている所もあったので、結局どんな立て方してもある程度は仕方ない物なんだろうな。
ものすごいびっくりしたのは、仁王門の下の階段の横の石垣に「徳大寺有恒」さんの名前があったこと。ここは石垣に名前残せるかわりにお金を集めるシステムで、今も別の場所の石垣を建てているが、一番目立つ場所にある。登って左手3段目ぐらいなので是非見て欲しい。
Posted at 2015/01/08 20:22:23 | |
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2015年01月07日
・今日は雨で出来なかったアンカーの埋め込みを再び行った。もうコンクリ出てたからそれほど大変ではなかったのだけれど、やっぱり肩が痛くはなった。案の定親線も切れてギリギリでまき直したりね。半鋼線って普通は弾性が強くて下手に軍手はさむともってかれるほどなんだけど、折れる頃には全体的に弾性がなくなってて曲げが付きやすい。それにしても、アンカーが抜けたとは言え、引っ張ってみるとダルンダルンに伸びるのは不思議だ。いくら劣化してもこんな伸びる素材じゃないんだが・・・
これ掘っていても思ったが、バールが欲しい。ツルハシは振り回す長さがないと使えないし、スコップはあちこち引っかかるので大きな石をかきだすのは苦手だ。調べたら防災なんかでも使えるそうだし、以前家屋の床解体した時も短い釘抜きでも大活躍で、本来はカナテコでやるのだそうだ。今は中空のが主流で軽いそうで、お店で持つと「そこそこの軽さ」であったがやけに高い。消防隊が持っていたようなのどれかな?と思って別の店行ったらバールではなく本当のカナテコがあったが、手に持ってびっくりな重さだった。よくニュースなんかで「バールのような物で殴られ・・・」って表現が聞かれたが、本当にコレで殴られでもしたら一撃死間違いないわ。
あと、ウィキによるとバールには他に大きな特徴があって、これを必要なく持ち歩いていると警察なんかに職質をしてもらえるそうだ。フルサイズのを持ち歩いてたら警察じゃなくても不審に思うはずだが、バールが防災の救出に使える事から分かるように、こいつはドアなんかを鍵があってもベリベリと破壊してあけてしまえるので、以前は乱暴な泥棒さん達が使っていたのだろう。さすがに今の住宅のドアは結構頑丈なので、開く頃には盛大な破壊音たてる事になると思うが・・・
・あとは改良普及所の人が来たので巨峰園の剪定続けるが、結局果樹担当でも具体的になんか参考になる話は持ってなかった。別に彼が果樹の勉強をサボっているという訳ではなくて、農家は圃場全体の管理から販売まで含めた作業が必要なのに対し、役所や学校の技術課は細分化された専門に特化しているので、「暗渠排水入れたいんやけど、深さと間隔をどのぐらいにしてPFどのぐらいで地下水位どこどこで潅水すりゃええのん?」って聞いても「それ土木の分野だから分かりません」って話になる。そんでも、最近の動向とかは多少は分かったからいいとするか。
役所的な重要な課題はまず防除で使える農薬の登録がラベル主義から随時認定優先になった事。以前ミクロデナポンがディアナに切り替わった話を書いたが、農協的な説明としては「毒性に対して検査方法がかわりメーカーが適応更新を見送った」って話だったが、今日の話だと「農薬を農水省の管轄だけでなく厚生労働省の食品添加物の検査で調べて、必要があれば即刻登録を消せる仕組みにしたので、農薬の登録期間を無視してすぐに使用を禁止できる。極論を言えば栽培中に使った農薬が禁止されて出荷出来なくなる可能性もあったが、一応そこはなあなあ」って話だった。どっちにしろ我々農家は農協の防除暦に従っているので、直接悩む訳じゃないけどね。
剪定ハサミについては、実家がナシ農家で電動のを20年ぐらい前から使っているとの事。5年サイクルぐらいで使っているそうな。またナガノパープルに関して県育成品種の栽培制限がもう切れるそうだが、シナノスイート(リンゴ)は公開したけどパープルに関しては貴重なので現場(全農)が待ったをかけているそうな。きっと、これ出たら、またこいつを親にしたとか枝変わりとかを育苗家()が登録して売り出して名前の制限もなくなり、さらに市場が混乱するんだぜ・・・他にも県の機関は結局国側なので農協とは別のルートで売る農家を模索している印象を受けた。サポートも生坂とかの農協が弱い所の新規就農者で輸出だの新品種だのやってるからな(それが悪いとか言う訳じゃない)。特に赤品種について聞かれたのは、個人売りで三色パックの贈答ってのを強く意識した物だそうだ。確かに三色パックは魅力的だが、白ブドウ(緑ブドウ)はシャインマスカットがあり、黒はパープルなり巨峰系がある中、赤は決定品種がないのね。仮に赤の決定品種がシャインの交配で出てきたとしても(実際今の育苗トレンドはそれ)、今度は熟期のズレの問題が出てくる。ブドウは比較的貯蔵しやすい(暑い時期でもリンゴみたいにすぐにはぼけない)とは言え、出荷能力的にも同時期に棚上にある事が望ましい。特に需要がある早出しの9月中旬ぐらいに揃ってないと困るし、赤は着色が不安定で色だけの問題で出せないとか困るわ。
将来計画については、あっちの圃場がそろそろ町会内部でやばい事になっているので、多少遅れても地元に軸足うつしたいって話をした。あんまりもう関わりたくないわ。
・以前からちょくちょく見出していたリポのモバイルバッテリーが普通のお店でも並んでいるのを見るようになった。USB出力があるので、USB電源で動いたり充電出来る器具のオプション扱いらしい。具体的にはスマホですね。空調服もリポ電池を正規に買うとおっそろしく高いんですが、この値段だったら入れてもいいかなと思います。問題はDCコネクターとUSBの変換ケーブルで、以前はついているのあったんだけど今は見つかりませんでした。中国製の奴は容量詐欺が横行していたらしく、派手な色した奴はすっかりなくなりましたけど、DCジャック欲しいなぁ。あるいは全ての機材がUSB端子にして欲しい(なりそう)。
・エクストラマジックアワーの元曲に拍手が入って無くて、なんか残念。昔のアニメってOP曲にSEが入っているのが普通で、逆にあれがいいパンチだったんですよね。ビームライフルの音とかタイトルが出てシャキーンとSEが出て光ったり、ああいうのをセットで覚えているので、元曲聞くとなんか塩がきいてない料理食ったような違和感があります・・・ってフルでも入ってる感じもあるし、あの拍手はSEじゃないのか?
Posted at 2015/01/07 23:54:54 | |
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2015年01月05日
・ミニキャブが10万キロを本日突破しました・・・てか給油しててODDをメモしてて超えている事に気がつきました。私は6万キロほど乗った事になります。買った時は色々問題ありましたが、未だ元気に走ってくれているので、しばらくは手放させそうもありません(フラグ)。
・仕事は朝から横殴りの強風と雨だったので引きこもり、午後からちょっとだけ外に出て図書館に行ったり用事すませたり。図書館で「本の福袋」という中身が分からない貸し出しという面白い企画をやっていた。図書館職員のお薦めコーナーみたいなのもあって面白い。ただ駐車場が狭くて入り口で待つ訳だが、マナーが悪いイストが無理矢理追い越してはいって中で渋滞してたりと、困った物だ。
・MonotaROで頼んだパーツが届く。ポリベストコートはてっきり油性だと思ってたら水性だった。なんか面白いなこれ。アクリルシリコンだし超速乾だし水性だし、ちゃんと塗れるならかなり良さそう。アルミパイプは確かに伸びる、ぐにゅぐにゅと3mぐらいまで伸びる。しかしアルミが弱いので引っ張ってると手の部分が変形する。アルミが柔らかくなるように温度上げてから引っ張るべきかも。
・ストーブのクリーンバーンだが、時計型でもやれそうな気がしてきた。自作系でパイプを突っ込んで中で暖かい空気を入れて二次燃焼をさせている人はちょくちょくおる。まあ、時計型の場合、中子で仕切られた先はすぐに煙突なので、まさか煙突内部に入れちゃう訳にはいかないのが問題か。仕切も左右に分かれているから下手な事出来ないし、かと言って燃焼室のど真ん中は時計型の場合薪も入ればヤカンも置くから下手な事出来ない。
・フレンチレストランの開拓、酒屋で知り合ったシェフのやっている店に行ってきたが、入り口が2間ちょいと狭いのだが、奥行きが長くて厨房も見られる完結した空間で気持ちいい。内装も手作り感があり、フレンチとビストロの間って感じかな。ランチという事もあってちょっと甘い系のソースの豚だったので、ワインよりサイダーの方があいそうな感じだったが、信州サーモンでディナーとかやってみたいな。あと、びっくりしたのはマルゴー・ムートン・ラトゥールがあった事。すごいの置いてあるんですねーって言ったら、お客さんから無いの?って言われたから置いたけど出ないってお話。笑っておっしゃっていたが、セカンドワインも揃ってるし、案外好きなんじゃね?って思った。でもボルドーだとカベルネ・フランが好き、ブルゴーニュはもっと好きとおっしゃってたので、繊細でシャープな味覚があってるんだろうな、料理もそんな感じだったし。問題はボトルなので、一人で入っても無理って事かな。
・「白バイ ライテク大百科 2015」もはや存在感ゼロのヤングマシンだが、白バイ関係は別冊で良く出しているので、はたして面白いのかと思って買ってみたが、本の方はあまり見る価値を感じなかった。白バイの大会内容は妙に凝っているというか細かい羅列や隊員の情報が多くて、「これは業界で見て楽しむ本なんだろうな」と言った感じ。きっと本物の白バイ隊員がこういうの喜びそう。まあ多少は参考にはなったが・・・テクニック編もこれ白バイ隊員から特別習う事なのだろうかというのが多かった。でもDVDで動画が沢山見られるので、結局そっちがメインディッシュかも知れない。個人的にはオフ系の競技を見たかったが、やっぱり白バイは普通はロードタイプで任務にあたっているため、そっちの方が華みたい。でも、ポイントはトライアルもモトクロスも含めて成績を競うので、満遍なく出来る方が強い・・・というより、モトクロスやトライアルをかじってて白バイ隊員になった人が強かったみたい。これはロード系で競技をやっていた人のテクニックが今は完全に公道に向かない物になっている事なんかも関係しているように感じる。その点、オフ技能は白バイを公道で使う技術とも割と近いんではないか。
新型白バイはFJR1300Pになるそうで特集されていたが、ライトがLED化されより流線型のトータルデザインされた形になった一方、さらにドデカくなりバンパーは小型化され、一体なにを取り締まるんだろう?って感じになった。警視庁のセロー250Pも載っていた。警視庁がセローを配備して、もっと悪路が多い地方にないのはなんなんだろうね。
さて、気になったのは長野県の白バイがどのレベルかである。昨年新聞で個人が上位入賞したような記事を読んだと思ったのだが、リザルトに全然ない。女性もない!皇室警護の部隊すら載ってるのに!と思ったら「山形、青森、長野は不参加」って書いてあった。調べたら、長野県は御嶽山の噴火で辞退したそうで、練習を積んできていた隊員の方々は無念だろうが、より重要な任務に当たられていた事に敬意を表し来年以降のご活躍を祈ろう・・・いや、取り締まりしてほしい訳じゃないですけどね。
・先日もらったワインを眺めていて「あそこって、こんなダサいラベルのあったっけ?」と思ってビンテージみたら、2001年だった。なんてこった、安曇野ワイナリーじゃなくて安曇野ワインじゃないか!ある意味貴重である。安曇野ワイナリーは樫山工業が出資して資本増強して国産ワインコンクールでも上位入賞した有力なワイナリーだが、その前身である安曇野ワインは2008年頃には経営破綻して民事再生中だった。それを樫山が買い取ってリニューアルしているので、2001年はその前の経営体制なのだ。確かに、それ以前は存在すら知らなかったし、今でも当時のイメージで安曇野ワイナリーを低く見ている地元の話もソムリエがしていたし。
あと、大森リースリング、あれ国産ワインコンクールで銀賞取ったのね、かなり上位にランクインしていた。ここらへんなら、間違いなくボトルにラベルを貼るのだけれど、メルシャン何で貼らないのだろう?かなり上位を独占していて、それだけに国産ワインコンクールのアピールをしてくれると思っていたのだが・・・本数はかなり多くて1万本の在庫とある。500mlのボトルだとしても、ずば抜けて多い本数であり、生産規模の大きさが伺える。普通コンクールに出すのは高額レンジの自社畑が多いから、どうしても本数も1000本以下のロットが多い訳だが、1万本クラスはナイアガラとかだ。生産者が余程多いのだろうかと思って調べたら、もっと面白いことが分かった。
大森リースリングは2010年ビンテージは「国際ワインコンクール」で金賞を受賞しているのだそうだ。すごい。葡萄栽培は1982年からで現在は10戸の農家が3ヘクタールを栽培していると言う。この時の本数は1800本と書いてあるが、おそらく売り切れているのだろうと思われるので3ヘクタールで1800本って事はないと思うが・・・横手市(大森地区がある)のビデオでさらに詳しい情報が出ているが、2006年までは秋田限定発売だったので我々は存在すら知らなかった訳だ。
1万本という数字を逆算すると原料は大体20tであり、一反だと700kg程度と結構少ないかな?と思う。ただ、受賞前に販売されてしまった分もあるし、瓶詰めをしてない所もあると思うので、実際は一反1t程度ではないだろうか。栽培者のインタビューもあったが、10アール1.2tの収量制限を行い、雨よけや笠掛をおこなって完熟させる工夫をしているそうだ。雨よけは棚なので全部、またシルバーシートで反射もやっているそうで、これであの値段は異常じゃないかと。シルバーシートは香りの向上のためと言っていたので、おそらく果皮が日光を浴びるメリットがあると思われる。根域への水分はどうなんだろうな?露地栽培なら暗渠排水を検討するが、雨よけ栽培だと設計次第だろうし・・・
んで、玉村さんの主張するワインツーリズムとはちょっとずれてしまうのだけれど、グーグルアースで大森地区を見て見たのだが、ブドウ畑はなかなか見つけられなかった。3ヘクタールを10戸で作っていれば一戸は3反程度。3町歩は小さくはないが、分散していると航空ビューでの判別は難しいはず。でもストリートビューなら・・・と思ったのだが全然分からない。地形的には平野部と小高い丘があちこちに点在していると言った感じで、平野は構造改善が進んでいて正方形の水田が広がっている。一方丘の部分でも構造改善前の変形水田も多く見られるので、どっちにあるのだろうか?って探してやっと見つけた。ゴルフ場の先、大森の北側の山中に大きなブドウ園が広がっていた。かなりしっかりとした棚、周囲に余裕をもった設計、ゆるやかな傾斜、かまぼこ型雨よけも若干見える。その周囲にはリンゴ畑らしき物も見えるが、そっちは立ち木栽培で空白も目立つ。面積も大体3600㎡ぐらいだから合致するし、他に見あたらないので生食用でもないだろう。標高は70mらへんだ。他に印象的なのは、冬の航空ビューだときっちり柱が入っているのが分かる。ストビューでも木か柱か分からないが、ともかく間柱の密度と太さがここらへんの2倍ぐらいある。
勝手な想像だが、生産者インタビューで「雪が2mも降って棚にダメージが酷くてやめようかと思った」って話があるので、降雪に耐えるためにかなり間はしらをしっかりさせているのではないか?と想像する。また柱は恐らく木の丸太だ。太いし林業で手に入りやすいのではないだろうか。ここらへんだと垂木に使うような3cm角程度ので全然平気なんだけど、直径10cmぐらいありそう。まあ、うちにも電柱の廃材の柱とかあるけど、沈まないよね。
・西岡さんの本を読み直していてなるほどと思った事。以前書いたように、私は在来建築の構造偏重な所は疑問視しているが、木材そのものを良く知って使っている所は尊敬している。んで、在来建築は柱を立てて使い、基礎は天然石の上に束基礎で乗せてあるだけである。西岡さんは「木は垂直に移管導管が走っているから水分はその方向には移動するので、建てておくと乾燥しやすいが、横にするといつまでも湿っている」というのはなるほど。またコンクリートはかためるために大量に水分を入れるので、内部が乾燥しないというのも、まあそういう側面もあるだろうね。昔の家は乾燥を非常に重視している事が分かるし、木の性質を良く知っていたのだろう。今の外材のプレハブ系は結構生っぽい木使う事になるし、成長が速い木を植栽するから強度がないとも。
じゃあ在来工法で横に木を使わないのか?そんなはずはないのだが、現在のように床を木で組むという考え方が当初はなかったみたいだ。古民家もそうだが、最初は土間だけの家で、人間のスペースだけに床を作っていた。だから大引きは別に柱とがっちり組み合わさってなくて、家の中に独立した構造物として床を設置していた感じ。とは言え壁部分はあるじゃないかと言うと、ここは2種類あって、地面からの立ち上がり部分は狭間石を置いて横に木を置いて、そこに板張りにしてある。つまり批判されていた横に木を置くスタイルだが、基礎が布に出来ないから割石で詰めてある訳。その上は貫と言って柱を横に貫通しているパーツがあるので、そいつに壁を取り付けていくようだ。現在は貫は使われず、基礎に寝かせる土台がそれを兼ねていると言える。西岡さんが言うように、確かにコンクリと密着して土台を作るのは色々問題がある訳だが、伝統工法の貫を使うためには柱の太さがかなりないと、ほぞ穴あけて強度を確保するのが難しいように感じる。というか、どう考えてもそのしぐちで強度ダダ下がりですがな。ただ、ここはクサビなんかで固定するので、木の変形に対してある程度の追随性があるそうだ。一方在来工法の筋交いなどは、圧縮方向は木の座屈の可能性があるし、強度が出せる引っ張り方向は今度良い仕口がないので外れてしまうのだそうだ。今は金具で固定してますけど、当時はそういうのなかったから。
木の強度の話もちょっとだけ書いておこう。杉で例を取ると、圧縮強度は350kgf/cm2、引っ張りはその3倍の900kgfもあり、コンクリ系と真逆である。曲げ強度も650kgもあり、金属系素材が嫌う印象が強い曲げに対してもかなり強い事が分かる(金属は形状的に曲げに抗力を出しているが)。ヒノキや赤松は引っ張り強度が更に高く1400kg程度もあるが、圧縮側は400kgちょい。また、土台に使われる栗も強度的にはむしろ弱く、ケヤキぐらいでやっと圧縮500kgになるが、これも西岡さんは強度があるが耐久性がないから構造材としてはあまり評価していない。一般に「硬い」と思われている広葉樹が、案外構造材としての強度は低かったのは意外。硬度と強度は違うって所だろうか。
最近の家は土台と基礎の間に通気パッキンなどを置いて、両者を最低限切り離す試みも見られるようになった。また基礎とのホールダウン金具もがっちり固定するのではなく免震構造のようにフローティングさせる事も伝統工法に習った改良のように感じる。一方、伝統建築でも筋交いは外見的に入れられないのだが(神社とか)、仕口に免震ダンパーを入れて変形をおさえる試みもされており、どちらもお互いの良い所を取り入れていると言った所だろうか。でも基礎の免震構造はまだ耐久性が50年60年程度で今後が分からないし、逆に伝統工法は断熱に関してはお寒い状況ではある。まあ、昔の家は全館暖房なんて考えなかったし、茅葺き屋根はある意味縄文の縦穴式住居をちょっとだけ上に上げたような物なので、屋根で守られていたのかも知れない。てか、調べるほど、竪穴式住居が結構理想的な構造に見えてくる。壁は作らず土で構造材にして、屋根だけ乗せてるから、あれ半地下住居なんだよな。アイヌのように寒い地域で暮らしている人は土を深くし、そっち方向で進歩させ、夏はべつの集落に住むというスタイルだったそうだ。
実はこの建物構造はこの地区でも見られる。三九朗がそれだ。どんど焼きとも言われる行事で、古く平安時代に宮中の祝賀行事として木で三角形に組んだ櫓に藁などを横に取り付けたスタイルで、以前は子供達のみで作り夜間は中で泊まり込んだのだそうだ。その理由の一つは近隣の子供同士で放火しあうのが伝統だったので、防衛部隊を常駐させておかなければならなかったって老人が言っていたが、同時に「あれは暖かかった」と言っていたので、やはり形状的・素材的に冬の住み処としては理想的だったのではないだろうか。
Posted at 2015/01/07 00:01:34 | |
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2015年01月04日
・新年で仕事を軽くしつつ、雪が降って足元がぬかるむので山の上の方の空き家探しをちょろちょろと。改めて私が引っ越してきた頃は営業していた店とかが軒並み廃墟になってた。じゃあ、空き家があるかと言うと、結構多くの廃屋同然な所で注連飾りがされていて車もあって、ちゃんと住んでいるのが分かる。別にそれを見越して見に行った訳ではないし、新築して古い家にもかざりだけかざっているケースもあるとは思ったけど、ガスボンベとかもついてると使っているんだろうなぁと。それでも中途半端に古い家は明らかに空き家ってのもそこそこある。あと、公民館が妙に多いのは気になった。
玉村さんも本で触れていたが、長野県の公民館率は全国でも高いのだそうで、理由として「議論好きの県民性がああいう集会場を作りたがった」と半分冗談で書いてらした。むしろうるさい人がいるのが嫌で小さい地区で集会場つくって分けたんじゃないかと思うけどねぇ。玉村さんは多少ロマン主義的な田舎を作って見せているので、オープンで隣りづきあいが良い昔の街が、住宅の密閉化で失われていると考察していて、ああいう公民館や縁側で復活させようと提言されているが、田舎の人にとってはむしろ迷惑な人と接触しないですんで清々しているって所もあるんじゃないかと。あとは、モータリゼーションと勤め人化で、都市部で買い物をするってのは大きいでしょうね。
商店が潰れ経済的に都市に対して直接各々がやるようになって潰れた商店ですが、逆に新規でたたっているのが多いと思ったのはまたしても多目的集会所。半分は役所の予算があるからで、半分は地権者が売りたいからなんでしょうが、この距離で建てるのかぁってのがたたってました。ああいう老人施設まがいを3,4個無条件に建てるコストをなんで若い人のビジネスチャンスにつながる商業系の物にかけられないのかなぁと思いますが、箱物はうまみがあるんでしょうな。
・近所のおばさんの畑のアンカー交換、ここは隣地園との境界問題とかあるし、大きな畑でもないので、ちょっと強引にねじこんで交換作業をしてきた。そうしないと、アンカーが二個連続で抜けてる(トータルでは3個だけだから、致命的ってほどじゃないが)ので、棚が下がってしょうがない。下がるの見越して今は高いから、なおさら。で、普通はユンボで掘りたい所だが、隣地に穴を絶対あけたくないのと、念入りに周囲を石で組んであるので雑にやるとクレーターになる、裏庭でユンボの通路の物を色々ぶっこわす事になるので、人力で掘った。久々に人力で石山掘ったけど、ほんと疲れた。埋め込みアンカーは抗抜力が低いんで、かなり深く入れてある事もあって、単品だと「こんな穴掘れるんかな?」と不安になるぐらい長い(深い)。それでもなんとか一個いけて、二個目もコンクリが見えるまで掘ったので、明日には交換が終わる予定。以前は私はこの手のアンカーと柱の間を張ってテンションかけた事もあったが、基本棚の欲しい高さは同じなので、そっちは手をつけず棚線の方をほどいて張っている。で、解いたら案の定古い棚線の一部が折れた。幸い引っ張ったらかなりダルダルだったので長さが稼げて無事に修理出来たけど。それにしてもガッシャ(ウィンチ)の扱いが難しい。ある程度周囲線が強ければ周囲線に引っかけて起こしてもいいんだけど、ダルダルだと滑ってしまうので柱にもくくりつけるから、棚線張り直す時に線を上手く通せなくて困る。
これは日頃の感謝とか色々なしがらみでタダでやってる作業なのだが、気持ちでワインを何本か貰った。というか、消費出来ないワインだからって事で気兼ねなくもらったのだが、面白い物が何本か。2本が10年超えたコンコード、1本がリンゴワインというイロモノというかそれほど価値はないと思うのだが、1本は四賀ワイナリーのソーベニヨンブラン(美ヶ原ワイン)という白物。あそこソーベニヨンブランなんてやってたんだ?てか原料国産か?って感じである。四賀ワイナリーは大和酒造の系列で現在は醸造は休眠中、原料は大和酒造で醸造しててシャルドネとメルローだけだったと思った。もう一つは掃き溜めに鶴、ドイツの名門、カール・エルベスのヴァルツガルデン、リースリングQbAファインヘルプ2011である! いや、価格で見れば1500円前後で売られているんだけど、稲葉(ドイツワインの輸入代理店)扱いのしっかりした本物のドイツワインである。あー、これだけでも手伝った甲斐があったわ。これあけて食事したいな。ファインヘルプというのは「やや辛口」という意味だそうで、それだったらハーフトロッケンというジャンルがあった訳だが、あっちは酸度規定とかあったのでやや画一的なのと、語感の差みたいな感じらしい。ザールだと他にもこのジャンルがある。むしろ、より重要なのは、QmPは糖を基準に作られているので、敢えてQbAにしてバランスが良いのにしたかも知れないって所かな。
・先日からあけているワインといえばスイス村ワイナリー(あずみアップル)のソーベニヨンブラン2014である。試飲であまりの美味しさに惚れて買いに行ったのだが、無駄足踏んだ時に2013も買って飲んだので、ビンテージの違いもひしひしと感じた。試飲はソムリエがあけて下さったので分からなかったのだが、2013も2014も酒石酸がともかくすごい!コルクからガラスが生えてんじゃないか!ってぐらい結晶化したのが出ているし、瓶の底もキラキラである。じゃ酸っぱいかと言うと決して気持ち悪いほどではなく、ナチュラルな葡萄の酸味が心地よい。むしろ山辺ワイナリーの熟成前のピノグリの方がきっつかった。香りがまた気持ちよくて、嗅いでしまうとすぐに飲みたくなってしまうほど魅力的。ボディーは暑かった2013が丸く少し強いのに対し、2014は適度にスレンダーで、少しだけ最後に膨らみを感じる。やっぱり2014のスイス村ワイナリーのソーベニヨンブランは傑作だわ。
マンズの日本の地ワイン・秋田リースリングは少し空気に触れてまろやかになってきたが、食事とのマッチングが非常に良い。おせちの残りだのちょっとした飯と一緒に飲むと、例の苦みが全く気にならず、甘く酸味も適度で気持ちよく飲める。マンズは他のワインもボディーが強いあまり少し苦みを感じるのが多くて苦手意識があったのだが、食事と合わせるとこれいいなぁ。こう書くと私が飲んべえみたいに見えるけれど、最近改めて弱いと思った。同窓会では軽くビール半分だったのだが、その後2,3日体調が悪かった。というかあれビールは美味しかったけど、正月の飲み屋で出る食事の質は最悪で、あんな時に外食した方が悪いと私は思う。一次会はホテルの立食だが時間がなくてほとんど残ってたし、二次会は書いたように酸化しきった油の揚げ物とそこらへんで売ってそうなおやつが袋毎出てきたもんな。
・現代農業2月号、相変わらず冬なのでちょっと誌面が淋しいというか、自分と関係ない作物は色々難しいよねぇ。新品種紹介も「またか」って感じがする。確かにシャインマスカットが出来て、その子供品種が沢山出ている事は分かるが、シャインマスカットですら供給量は一般レベルでは充分ではない。同窓会でも「シャインは美味いけど高い!」ってお叱りを受けた。それは東京のその人がいくスーパーが高級なんでしょうけど、供給量が増えて巨峰レベルの価格と入手性になって当然な品種なので。
・びおソーラー覚え書き
ダクトはグラスウールダクトを使っていた。まあ熱容量の内側だから多少熱が漏れてもいいような気もするが、吸音とか結露とかも考えたのかも知れない。直径は150か200㎜で、風量は小型タイプが350、大型が700立法メートルぐらい。小ならほんと150㎜用の小さいタイプで指定の性能が出るように思う。ガラス集熱エリアはあれが実は結構重要だそうで、確かに見た目より面積が大きかった。片流れの屋根なので小さく見えていたが、一枚で3㎡前後、それを4個もまとめればそりゃ巨大な熱ボックスで屋根の加熱性能なんて小さい物かも知れない(たとえばソーラー温水器なんか、実質的には2㎡とか3㎡で200リットルを湧かしているはず)。
Posted at 2015/01/05 20:35:46 | |
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2015年01月04日
・玉村豊男著「千曲川ワインバレー 新しい農業への視点」
玉村さんはKURAとかの写真が多い雑誌の紀行文や、ご自身も絵を描くので、大判カラーという印象がある一方、真面目な本は最初から新書版で出してくれるので嬉しい。これは前の「里山ビジネス」をさらにワイナリーに特化して書いた本で、まさにここで書いてあった事が翌年にARCとして結果している事にヴィラデスト周辺で本気で千曲川ワインバレーを作ろうと思っている事が分かる。また、前著がどちらかと言うと行政などへの不満が多く出ていた感じなのに対し、こちらはワインや観光を楽しんでもらい、あわよくば定年退職世代や若者にワインなどの新しい農業スタイルで就農してもらいたいという気持ちが出ていて、内と外を上手く使い分けている感じがする。内容の方は文化的側面や現状把握などは正確だが、ワイナリーの将来像に関しては夢というか希望を多分に含んでいて、私はそういう所に賛同というか深い意図を感じる。
ワイナリーの設立やコスト収支が難しい点はご自身がハッキリと書かれているが、それ以上に難しいケースが多いのが大半だろうと思う。醸造品種の苗なんて植栽密度は10倍だし、棚より垣根が楽って言っても垣根は垣根の難しさもあるだろうし、って事を言えばワイナリー設立なんて元からペイする事業ではない。でも、上手くすればシナジー効果で多少は利益も出るし、ワイン特区で収益が基準以下でもワインは作れる。以前なら「そういうマイクロワイナリーを作る事は人生あやまらせるから止めた方がいいんじゃないか」という気持ちもあったのだが、玉村さんのお考えとしては「むしろガレージでもなんでも、ワイン産地として多くの人が集まる事による集積化メリットが出てくるから、あんまり難しく考えずやってみようぜ」って所があるらしい。
たとえば、ワイナリーが一個だと醸造から販売から全てを備えた施設が必要になり、高い既製品のメカを海外から入れる事になる。しかし集積化していれば委託醸造も出来るしボトリングだけ委託ってケースも出来るし(これは海外でもやってる。ボトリング施設の方をワイナリーに巡回させて作る)、機材だって融通出来るし、需要がある機材なら地元の機械設備屋さんに安価で量産してもらう事も出来るし・・・って感じだ。もちろん、一番大事なのは、その地にワインを軸として人が集まる事で知恵も技術も観光も発展する事だが。
また日本ワインは土着品種なのか国際品種なのかという部分も、善光寺や甲州をあげつつも、国際品種でも日本で作ると和食にあうようにテロワールの可能性としてそっちでいいじゃないかというスタンスだし、具体的な楽しみ方も書かれている。大変希望が持てる内容だ。ワインも本家フランスでは消費量は減っているが、それは身近だからこそのありふれた物という問題や、かつてのように水代わりではなくなったので、ある程度のクオリティーの2000円前後のをコミニケーションの酒として使うようになったからであり、これは逆に日本でも今後そうなるのではないかとも考えておられていて、賛成だ。彼のやろうとしている事はワインのハード面だけではなくソフト面での発信なんだろうと思う。また、ワインがシンプルな醸造であるだけに農業的(土地に根ざした)産業であるから、その農地を見たいという欲求に対して日本ワインならそれが比較的簡単に可能であるという点は、日本ワインの肯定として面白い視点だ。実際、そうそうワイナリー巡りは出来ないかも知れないが、ボルドーやチリに行くよりは現実的だ。
・でも、実際には先日倒産したと知った乙部ワインにしても、地元に根ざして地元の雇用もすれば観光展開やお祭りなどもしていた訳で、決して新しい視点ではない。ネタバレしちゃうのも嫌だけど、結局こういうのは常に発信しつづけてアピールする営業努力も必要なのだ。今は長野ワインは県が力を入れてやってくれているのだけれど、それに頼り切ってはダメで、自分達で生き残る努力をしなければダメだ。極端に言えば、お隣のワイナリーとウチのワイナリーは違うんですよって言わなければならない。そういう意味だと地元に一つしかワイナリーがないというのは決して良くはない。
・観光展開は地元ワイナリーもやっているというか、温泉組合が毎年イベントをやっているし、電車もやっている。それは興味を持ってもらうにはいいのだが、もっと地元に根ざしているというアイデンティティーが欲しい。まあ、うちの地元はそもそもブドウがアイデンティティーでワインやってるという逆転現象があるので、必然的にワインそのものにガチで取り組んでしまうという事になってしまうんだけどさ。
・断熱の本でグラスウールの16kgの高性能品(繊維が細い)が標準のように語られているので、「あれ、うちの使ったのなんだっけ?」と思ったら10kgの普通品だった。高性能の16kgタイプと比べると3割も性能低かったよ・・・ただ、コスト計算すると普通の10kg品が設計価格で㎡850円、普通の16kgが1400円、高性能16kgが2000円とコスパで言えば同じグラスウールでも相当違いが出ていた。グラスウールは発泡樹脂系に対してコストの安さをアピールする事が多いのだけれど、実際はグラスウール内でもかなり差があるので「高性能16kgの性能」と「10kgの安さ」を混同するとえらい事になる。性能を勘案しても1.8倍も耐性能比では高くなってしまっているじゃないの。ま、実売はまた違うかも知れないが、HG16を入れる必要がある壁はこれを使えばいいし、小屋裏なら10kgでも大量に入れた方がマシ。ちなみに、DIYで入れたのの実コストは300円/㎡ぐらいだった。あと、高性能グラスウールを使った時に忘れてはならないのは「圧縮出来ない」「重い」という事だ。これは施工上の問題ではなくむしろメリットなのだが、運搬で送料が高くつくのだ。10kgで5坪送ってもらえる梱包が16kgだと3.7坪しか入ってないって事になる。まあ、もちろん小屋裏なんかに300㎜敷こうとかすると、強度問題になるかもだけど。
・計画換気によるパッシブソーラーの床下蓄熱ってどのぐらいの風力があればいいんだろうと思って、同じ本を見たが、今の計画換気はかなりファンの消費電力低いのね。私は200Wぐらいと聞かされていたのだけれど、DCモーターの超省エネ品だと17W程度のシロッコファンで行けるそうなので、ソーラーでも余裕すぎる。ただ、配管は100㎜が多くて150㎜のは少なかった。その方が取り回しがいいからだが、75㎜というのも良く使われているとの事。ただ、忘れていたんだが、古い布基礎は床下蓄熱と言っても立ち上がりが低く換気が上手く行ってない事が多いので、床下である程度熱をちらしてやらないと部分的に暖かいみたいな事になるかも知れない。
・同窓会で会えなかった、ちょっと早く天国に行ってしまった歴史の先生がかつていっていた「社会体制より構成人員個人の方が社会への影響に支配的である」みたいな結論について考えて見た・・・というかググってみた。いや、別に私は全然それは疑ってなかったのだが、今日まで「共産主義が失敗した本当の理由」は明らかになってないからだ。他にも絶対王政とか元始キリスト教社会主義とか小邑割拠とかいろーんな体制が考えられるが、今のところ大きな例としては社会主義VS資本主義だろうし。一応日本共産党の本だと社会主義という共産主義の前段階が失敗したのは、「そもそも資本主義が成熟腐敗した結果としての社会主義が出てくるので、そこまでの生産力だのがないロシアで社会主義革命は出来なかった(今の日本共産党は民主主義革命というのを前段階においてる)」と言っている。てか不破哲三は「そもそもソ連は社会主義じゃなかった」とか言い出しているが、革命出来なかったってんだから社会主義だろ、ってのが離反転向した人の考え。そもそもロシアの崩壊と中国なり東ドイツなりの崩壊(希望)は原因が同じではないかも知れないし、アメリカなど資本主義国家との違いもある。ここらへんも共産党的にはグローバルな(原理主義的な)講座派と民族主義的な違いを認める労農派で違ったりするそうだけど。
そこらへんを言葉で考えても分からないので、単純に統一ドイツでもって「サイコロを振って貰い、その数字を記録して合計数字が高い人がゲームで勝って商品をもらう」という実験を行ったそうだ。詳しくはここらへん
>http://gigazine.net/news/20140802-socialism-worse-behave/
ここで「事前にサイコロの表が裏を宣言してもらい、出た数字を記すが、宣言のチェックを行わなかった」という事から、ズルをすれば勝ちやすいという状況を作ったのね。サイコロなのは統計的に期待値を求めやすいため。表と裏が逆さになったとしてもサイコロの目の統計的平均値は変化しないため、本来は皆平均3あたりをウロウロするはずである(ゲーム的要素はないという事)。この実験で旧東ドイツ出身者は西ドイツの人の2倍、ごまかしを行っていたという事が分かったという事から、社会主義国家ではズルをする人が増えると結論づけているが、因果関係がダイレクトなのかは分からない。
この実験の考察を書いたサイトなどを見たが、ズルと利益の最大化を体制で考えた人の日記が参考になった。私の日記のように長々と書いているが、要点は悪平等になるとズル以外に利益の増大が出来ないから、ズルをするので、社会の効率が落ちてまたズルをするという悪循環になるという説。なんか「真実」のように語っているので、そういう人なんだろうなと思って読みましたが、まあ参考にはなる。別の日記では「正直者が馬鹿を見るのは何故か」という分析があって、正直者が増えるほどズルによって得られる利益が増大する(他の人はフェアだからね)という、逆張りの理屈ですな。これは体制論ではありませんが、性善説的と性悪説の体制の違いとしては興味深い。よく共産主義は人間の根源的な欲望を認めない聖人向けの体制だからダメだ、みたいな批判は良く聞くのですが、ズルとしては分かりやすい。では逆説的に「ズルを働いてルールの逸脱者を出さないためにはどうすべきか?」と考えている所は素晴らしい。皆がフェアなら社会主義体制でも上手く行くはずですからね。
この人は、二つの可能性を考えました。まず一つはズルをするグループとズルをしないグループを想定します。一時的にはズルをするグループの方が得をしますが、このグループはメジャーになるとお互いズルを働くので社会を混乱停滞させてしまいます。一方正直者グループは勢力は小さい訳ですが、ゲーム理論で見るように個々の利益の最大化よりグループの最大化が結果として大きな利益をもたらす事が見えますから、他人をだますという戦術を採らず、結果としてマジョリティーになるのではないか?そう言える訳です。「ゲーム・選択理論」とでも名付けましょうか。選択というのはダーウィン的な適者生存の自然選択的意味です。しかし、この人が指摘するように、「人間は常に同じような善人でもなければ常に悪人という訳でもない」「正直者が増えるとズルする者のメリットも増えるから、完全隔離でもなければ無理」と言えます。でもちょびひげ親父は「金貸しで不労所得で太ったユダヤ人は隔離しましょう」とかやったけどね。あれもある意味大きな社会実験と言えます。
もう一つの可能性は全体主義、だそうです。自明の事のように書かれているのでちょっと「ルール逸脱者が全体主義でなくなる」ってのが訳分からないんですが、日記だったのでヨシとしましょう。全体主義の日本帝国で財閥が品行方正だったなんて聞いた覚えがありませんが、庶民レベルで見ると悪平等的な方向では正直者ばっかりだったような気もします。というか、全体主義が経済や行政でいきすぎたのが社会主義だと思われるので、社会主義が正直者を減らし、一方正直者にメリットがないから社会主義が立ちゆかないというのは自家撞着おこしちゃう。またファシズム=全体主義という言い方をしており、私もそう思っていたのですが、全体主義は「権威でもって国民が一つの方向に指導される事」であり、通常幸福のためにそれはなされるはずなので、最初で示された「ゲーム・選択理論」でズルするマイノリティーが淘汰された形と部分的に同じという見方も出来ます。
まあ、全体主義はウィキを見れば分かりますが、今は否定的な意味合いで使われちゃってますが、正直者が馬鹿を見ない社会=理論上ちゃんと上手く行く共産主義の手法としてはまさに合理的なんですよ。ルール逸脱者を出さない方法をシンプルに見れば「違反者にルール違反で見られる以上のペナルティーを課す」というのがごくごく一般的な発想で、資本主義の自由競争でも実はコレが大原則にあります(だから証券取引法の違反とか財務内容のちょろまかし、リコール隠しはものすごいペナルティーがかかる訳です。)全体主義で見れば、それはスターリングが行った恐怖政治で、腐敗した幹部をどんどん粛正した、表向きはね。ちょびひげ親父は反ユダヤで、これは民族浄化とか選民思想とかもあるんですが、上で書いたように「ルール逸脱者を追い出して純粋アーリア人の互助国家を作る」って事でもあります。なにしろ、ナチス政権は「国家社会主義」を標榜してましたしね。社会主義国と資本主義国はイデオロギーで対立したと私らの世代は冷戦を見て習う訳ですが、実際はどうでしょう?非正直者同士の足の引っ張り合いのように見えます。むしろ、戦争さえしなければ、ドイツの国家社会主義はヒトラーを中心にした全体主義で、理想の社会主義だったのではとも思います。そのヒトラーが中心になれば要因は第一次大戦敗戦によるドイツの貧困であり、その互助と考えると合理的であり、ドイツは今も理性的合理的なんて言われてますが、その判断は当時から大きくは間違えていなかったとさえ言えます。ただ「戦争」って手段を肯定したのと、ちょびひげ親父と国民との間の約束が果たされてなかったかも知れないってだけで。
大脱線になりましたが、こうやって見ると「共産主義」「恐怖政治」「ファシズム」「全体主義」「権威主義」「衆愚主義」など制度そのもので見れば良く言っても悪く言ってもどっかしら共通点があって、同じ物の裏表だったりする訳です。それでも上手く行く国と悪い国がある、経済的な意味だけじゃなくてね。それを突き詰めていくと結局国民一人一人に帰結するしかないんじゃない?ってのも一つの答えだとは改めて思います。あるいは、そう考えて自分に政治的な責任を持つという事なのかも知れません。
それでも強引に言うなら、「戦争を外交手段として活用する」国が永続的に栄えた試しはありませんし、逆に戦争を考えなかった名君もいません。よく「独裁政治は君主次第」と言いますが、ヒトラーは現代の皇帝で部分的に見ればドイツを良くしたと言えます。あいつが無駄な戦争をしなければ(あるいはロシアに負けなければ)、ヨーロッパや世界はずっと良い国なっていたって可能性は充分にあります(ユダヤ人?知らんな)。確かにヨセフおじさんは猜疑心や侵略をやりかねないので、軍備ぐらいは必要だったでしょうが、放置すれば逆にもっと早く内部崩壊していたはずです。目的は手段を正当化しないのかも知れませんが。
Posted at 2015/01/04 20:38:24 | |
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