2017年03月01日
・昨日のブドウ園の火事では(確定情報じゃありませんが)高齢の園主さんが遺体で見つかったそうです。体力はあったけれど耳が遠かったという話なので、消そうとして煙吸ったとか火がついたとか後ろから燃えてたとかなんでしょうか。とても残念です。また水田も大面積経営されていたそうで、そっちは集落営農が請けるかも知れませんが、事故があったブドウ園はいろんな意味で借り手が見つからないんじゃないかな。家族が農業ならまだマシなんですが、そうでもないようですし。改めて野焼きの危険性を認識しました。一応私が気をつけている点は
1:風が強い日や時間帯にはやらない
2:周囲に延焼する物をおかない
3:時間に余裕を持って離れる時には消火
4:化繊の服では作業しない
5:消防に揚煙届けを出す
6:消火水を用意し、用水路の場合はタンクに最低200リットルは汲んでおく
7:乾燥注意報の時にはさらに注意
6は夏場は太い用水ならまず平気ですが、冬場は太い用水でも良く止まります。乾燥注意報はたき火しないに越した事ないですが、枝も焼きやすいし時期的にも乾燥するのでしょうがないね。化繊はホントにダメです。特にナイロン>ポリエステル>混紡の順で。実際は「化繊」に「パラ系アラミド」とか含まれるので全部ダメって事では無論ないんですが。手袋は軍手、服は綿のツナギがベストですが、さすがに真冬にそのカッコは辛い。時間帯は洗濯とかもあるので朝一で焚くのがベストだと言われていますが、どうせ火を焚くと風を呼ぶし登下校とかも絡むので、私はそこまで気にしてません。というか昼でも凪いでいる時に焚きます。消防のはどっちかと言うと社会的な要素ですね。どうしても順位を付けるとしたら
服>風>水かな。万一延焼した時に水で止めるというのは非常に困難ですんで、全部灰になっても大丈夫なぐらいでやっとかないといけない。その燃える範囲は風が一番怖い。また燃やす場合にも風があると投入や消火が困難になります。理想は穴焼きですが、大きな穴は地下水位があるので燃焼のエネルギーの大半が乾燥に使われて燃えが悪いって問題があります。盛り土の穴や斜面が一番燃やしやすいかな。
・化繊についてはもう少し詳しく見ると、ナイロン>アクリル>ポリエステルという感じらしい。ポリエステルの方が溶融しやすいのだが、とろけやすいために「溶けて延焼しなくなる」みたいだ。むしろアクリル混ぜると、本来燃えづらい木綿なんかは芯になって良く燃えてしまう。ポリと木綿の混紡は意外な事に木綿100%と燃え広がる時間は変わらなかった。木綿の方が着火しづらく、ポリは格段も燃えやすいという正反対の物質なのだが、混ぜると両者のいい所が生きるみたい。と言っても本質的に衣服に延焼するような状況自体が大間違いであり、火は弱くコンスタントに燃えてくれる事が望ましい。
・仕事は午前中に巨峰園の枝拾い終了、膝や腰の具合でかなり手間取ってしまった。午後はシャイン園の草焼いてトラクターかけた。管理出来なかった苗は軒並み全滅、生きていてもどうしようもない。マルチかけるだけが出来なかったのだが、ホント雑草って悪魔の手先にしか見えないわ。草焼きは風下からチマチマ焼いたのでかなり手間と時間がかかった。これが延焼関係なければ風上で火を付けたら面白いぐらい一気に燃えてくれるとは思うのだが、おそらく洒落にならん燃え方してヘタすりゃ事件であろう。ま、そんな燃えるほど枯れ草がある事自体問題だった訳だが。明日はシャイン苗のマルチごとロータリーかけたので、マルチ回収して堆肥表面に施肥してから再びマルチかな。今は1mでやっているが、2m幅のでやってみたい気もする。雨だか雪の影響がなければ巨峰園の下草少し焼いてからトラクターそっちでもかける。あとは水路補修とタンク埋設かな。堆肥も注文したので来るはず。
・仕事の後は会議、内容的には今年私が前半へたばっていて関係できなかった農薬関連と、生理障害各種についての実験結果を行政の研究機関の人が来てくれて話した。農薬などはまあ予備的に調べておく必要があるので良いが、植調剤は結果が出てないのは事実。ただ、メーカーの人がちょろっと「カルフォルニアではこの系統のが散布で使われている」と言っていたので後で確認したら、やっぱり「レッドクローブの種無し」などは中国産のフルメットみたいなの(ホルクロルフェニル)を使っているらしいとの事。「あー、やっぱり」と合点がいった。最近も種無しレッドクローブを買ったのだがぶっちゃけ不味いんだよね、あれ。無核化をジベレリンで行えば味は落ちないのだが、フルメットで行うと果粒肥大が進むので大玉になって味が乗らなくなる(国産の場合、その分着果量を調整するのでそこまでは落ちない)(色はやけに良かったりする)。しかしジベレリンは散布するとブドウの樹体自体に悪影響がある。トプソンシードレスのような元から無核ならいいし、ストマイなどで無核化するのなら問題ないんだが。あとは中国産のフルメットの出所と値段と危険性が気になるかな。
行政の調査は2つあって、一つ目はほぼ無関係、二つめがまあマルチ栽培だったんだけど、PFメーターの数字をログしてくれてあったので大変参考にはなったが、本質的には自動潅水ありきの話だと思った。乱暴に言うとブドウの要求水分量はPF2.4~2.6ぐらいの間になる(生育ステージで厳密には異なる)。そして1.8以上は重力で下に逃げてしまう過剰な水になる。傾斜地でマルチにすると表面水が全部外に落ちるので被覆栽培に準じる状態になり、過剰水が発生しないのだけれど、今度乾燥しすぎるのでPFメーター読んで潅水する必要がある。つまり「捨てて」「与えて」る訳。土壌の水分は飽和状態で1.5は超えない(超えてても重力で抜ける)圃場の場合、自然降雨で1.5を超えていても7月だとおよそ一週間で危険水域の2.6まで乾いてしまう。実際は1.5まで与えるのも2.6まで乾かすのも良くはないので、2.0あたりでコンスタントに水を与えるのが良いのだが、2.0を自然状態で維持出来るのは1日あるかないかである。つまり自動潅水必須で、それがあれば高品質なブドウが出来る。マルチはそれに比べると大分大雑把なシステムな訳だ。
また私は今年はパープルを大分乾燥させてしまったのだが、水を与えても回復しなかった事から分かるように、人工潅水はかなりの量を与えないと意味がない。今回マルチ栽培では一本の木に300リットルを二回、手で与えたという事例もあったが、本当に乾燥するとSSで500リットル与えても焼け石に水だという意見があった。1度ブドウが防衛モードになると水があっても吸えなくなるという可能性が一つあるし、例のPF1.5以上は無駄になる問題もある。データーの取り方や土壌によるが、今回のグラフだと降水3㎜が3日あってやっとPF1.7が1.5に上がっている所があり、他の所でもおおよそだが10㎜で0.5改善ぐらいに見える。ただし、これは全部平均しての話だ。1000㎡で10tでPF0,5という事ね。ブドウの株の回り半径3mにすると、27㎡であり、「270リットルでPF0,5改善」と言う事になる(根域の集中による蒸散とかはこの際考えない)。等比関係があるか全く不明だが、仮に2.8あたりのギリギリの乾燥状態になっている物を1.5にするには1.3ほど必要になるので、700リットルほど?という予想は一応出来る。あくまで「一応」だが。700リットルが一週間で無くなるとすると、一日に与えるべき量は100リットルという計算にもなる。1反10本の植栽密度だと、毎日1tの潅水という事になるか。結局の所、pFメーター買って刺しておく事ほど確実な結果を予想出来る物はないって事になるのだが、あれ高いんだよね、耐久性もないし。電気抵抗のタイプと併用して信用出来る相関関係が導き出せれば計算でいけるはずだが、そもそもプロの産業用にそういう物がないという事から色々察せそうではある。
・草焼きやトラクターは綿のツナギでやっていたので大分冷えており、その後の会議もさほど暖かい場所ではなかったので、帰宅後かなり冷えており、さっそくソーラーのお風呂に入って復活、一日で二回入ったわ。やっぱり体が冷えていると免疫力や体調が落ちるので、お風呂というのは素晴らしく効能がある。晩ご飯はトマトスープ鍋、同時にシチューも煮込んで薪ストーブのお陰で部屋も暖かくなった。トマトスープは甘いタイプで、子供向けのような印象(実際そう書いてある)。確かにトマトは濃縮するとかなり甘くなるので最近「理想のトマト」という濃縮系トマトジュースはお気に入りなのだが、鍋にすると甘ったるいし、濃縮したトマトのコッテリ感がなくて、普通のトマトジュースを甘くしたような感じもする。まあ、「トマト煮込みが食べたいなら、普通にトマト缶で煮ればいい」という事になるんだと今頃気がついたので、あれはあれで正解なんだろう。塩を足したが、やっぱり元の酸味も薄いので、ちょっとバランスが悪くなってしまった。うーん、トマト缶とニンニク入れたらちょうどいいかも。
Posted at 2017/03/01 23:06:43 | |
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2017年03月01日
・今日は枝拾い、体力がほんと落ちてるなと実感する。一山運ぶたびに息切れだ。それでもほぼ終わった。途中休憩で家に戻った時に100mほど先のブドウ園で野焼きをしているのを見たが、休憩上がりに自転車で走ってたら消防車の音が聞こえる。なんかと思いつつブドウ園に戻ろうとすると、消防車が農道に入ってくるのが見えた。まさかと思ったら先ほどのブドウ園から黒い煙が出ていた。という事で野焼きの火の不始末で藁山とかに延焼、タイヤとか廃油とかの野積み物資に引火らしい。所有者の車はあったが、あれ大丈夫だったかなぁ・・・・下手に消そうとして火傷とかあるから。
・という事で野焼きがまたやりづらくなったよママン。土手とか枯れ枝とかの野焼きは一応認められているんだけど、周辺への影響は考慮する事になっているし、もちろん延焼なんかにも最大限注意を払う必要がある。通報されないように揚煙届けも出して消火方法も準備して行う訳だが、それでもああいう事故があると野焼き全般に対する世間の目が厳しくなり、なかなか焼きづらくなる。焼かないで済むんならそれに越した事はないが、今年も枝だけで4立米ぐらい(薪にするのは別に4立米ぐらいたまってる)ある。あれ全部シュレッダーとかやったら一日仕事だし、最近部会で持ってるシュレッダーも老朽化で故障が目立つというのが問題になっていた。個人的にそんなの予算10万載っけてあるんなら、主要部分はOH出来ると思うんだが、そもそも小型シュレッダーというのが無理がある機械ではあるんだよね。その予算を部会でかなり持ってるので、利用しない人には不公平だし。燃やすスペースをどこかに決めて、安全にそこで燃やすというのも考えられるが、今度周辺住民から迷惑だとも思われるだろう。また堆肥化するには病害虫の発生を止めるために破砕が前提になってしまう(まあ、シュレッダーほど細かくしないで良いとは思うが)。地中埋設は昔からある方法で、排水性改良にもなって良い手段だが、穴を掘るのが大変かつ、枝の腐敗での沈下が大きすぎて畑の不陸が大きくなる問題がある。また、枝の分解で活躍する菌がそのまま生体にも悪影響を及ぼす問題もある。また夏場であれば堆肥化に必要な温度があるため比較的容易だが、剪定枝が発生するのは冬場のため、堆肥化までの時間・場所的余裕が必要である。その点黒炭にしてしまう方法は、窒素分こそ飛んでしまうが、炭素分が残るし投入エネルギーが少ない割に使いやすい性状に一瞬でなってくれて病害虫の心配がないというメリットがある。窒素や堆肥なんだが、これプラントで製造しているのを買った方が安くて早いって問題があるんだよねぇ。以前は私も手作りしたり地元の畜産業者のを買ったりしていたし、炭には混ぜたりもしていたんだけど、養鶏業者が作った物の方が良かったので、今は積極的には作ってない。これに炭にして混ぜるレシピでいいと思っている。何しろ2t車1台(4立米ぐらい)で1万円ぐらいなので、自分で原料買って混ぜるのより安くて物はいい(プラントは攪拌とかオートだし水分調整とかもやれるから)。また堆肥を野積みするとカブトムシやコガネ虫が大量に出る。袋掛ける大粒種はカブトムシによる害は無視出来るが、コガネ虫は大型の物は葉っぱを食害するし、小型の物は幼果の頃から食害してしまうので、極力圃場にそれらはいない事が望ましい(まあマメコガネの寄生親はギシギシなどなので、堆肥にそんな関係あるのかと言われるとそうでもないけど)。個別農家はシュレッダーでかけた枝をどうしているかと言うと、表層マルチである。窒素成分が多いし、マルチによる保水効果もあり、カブトムシが発生するほどの密度や温度にはならない。まあ半分は畑の表面にそのまま捨てていると表現した方がいいかも知れない。特に株元に寄せている訳でもなさそうだしね。
Posted at 2017/03/01 03:14:34 | |
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