2018年09月23日

< ベストカー Web ニュース記事 以下抜粋 >
悲劇 の ヒロイン か !? 隠れた 名車 か !?
三菱 RVR は なぜ 生き続けるのか?
【 ベストカー Web : 2018年 9月23日 】
「 あっ まだ 作っていたんだ 」 と いう クルマ に 時折 出くわすこと が ある。
しかし 販売台数 など を 見ていると そこまで 大ヒット しているわけでもない。
今回 取り上げる 三菱 RVR も その 一例 だ。
三菱 は デリカ D:5 を 筆頭 に 魅力的 な SUV を 輩出 しているが
この RVR の 販売台数 は さほど 多くない。
しかし 3代目 の 現行型 は 2010年 の 発売 以降
小規模改良 や マイナーチェンジ を 繰り返し いま も 現役。
なぜ 三菱 は RVR を 進化 させ続けるのだろうか?

■ 画期的 だった 初代 と 制約 の あった 3代目
失礼 ながら 「 今でも まだ 作っていたのね 」 と 思ってしまうのが 三菱 RVR だ。
2017年 ( 暦年 ) の 国内登録台数 は 2,072 台。
1ヶ月 当たり に 換算 すれば 173 台 に とどまる。
この 台数 は 一般的 な 市販車 の 中 では かなり 少なく
販売 が 終了 しても 不思議 の ない 状態 だ。

初代 RVR を 見たときは この ルックス だけ で ワクワク したものだった。
カンガルーパー で パジェロ の ような 強さ も 感じさせ そして 使い勝手 の いい ミニバン の よさ も 持ち合わせていた。
同じ 三菱 の アウトランダー は PHEV を 含めると 1ヶ月 平均 で 633 台 だから
( これも 少ないが ) RVR の 売れ行き は 約 27% に なる。
過去 を 振り返ると 初代 RVR は
SUV と ハッチバック の 中間的 な 車種 と して 1991年 に 発売 された。
背 の 高い ボディ で 後席側 に スライドドア を 備え SUV の カッコ良さ と
2列シート ながらも ミニバン風 の 使い勝手 を 両立 させた。
今でも 通用 する 優れた コンセプト で あった。

2代目 も キープコンセプト で 登場。
若干 マイルド な キャラクター に なった とは いえ 他には ない スタイリング が RVR らしさ だったのだが ……
1997年 に 発売 された 2代目 は 初代 の 発展型 で 2000年代 の 初頭 に 生産 を 終えた。
そして 2010年 に 3代目 の 現行 RVR が 復活 している。

ただし ボディスタイル は 大幅 に 変わり 普通 の SUV に なった。
現行 RVR は 本来 ならば 2 ℓ エンジン を 積みたいところだったが
当時 の エコカー減税 の 対応 で 1.8 ℓ に 抑えており 動力性能 が 物足りない 印象 だった。

プラットフォーム は アウトランダー と 共通 で
ホイールベース ( 前輪 と 後輪 の 間隔 ) は 2,670 mm と 長い。
エクリプス クロス を 含めて 三菱 の 主力 SUV は
3車種 ともに プラットフォーム が 共通 で ホイールベース も 2,670 mm に 統一 される。
RVR は ホイールベース が 長いのに 全長 は 4,365 mm に 収まるから
オーバーハング ( ボディ が ホイール から 前後 に 張り出した 部分 ) が 短い。

カーブ を 曲がる時 に 慣性 の 悪影響 を 受けにくく 設計 が 古い割 に
今でも 走行安定性 は 満足 できる。
また クルマ の 居住空間 は 前後輪 の 間 に 位置 するため
ホイールベース の 長い RVR は 全長 が 短い割 に 後席 の 足元 が 広い。

現行型 の RVR。
2代目 まで の RVR らしさ は 消えて 普通 の SUV に なった。
エクリプスクロス とも 絶妙 に かぶりそうな 存在 だ。
運転 の しやすい サイズ の ボディ で 4名 乗車 も 快適 に 楽しめる。
こういった 優れた 実用性 と 相まって RVR は
北米 や インドネシア など では アウトランダー スポーツ
欧州 や 中国 では ASX の 名称 で 売られている。






意外 に 知られていないが 現行 RVR は シトロエンC4 エアクロス や プジョー 4008 の ベース車両 と なった。
海外 での 評価 は 高い。
■ 不祥事 で 現行型 は 不遇 の 存在 に。
それでも 進化 は すごい
もっとも 大きく 影響 しているのは 2000年代 の 中盤 までに 次々 に 発生 した
リコール隠し など の 不祥事 だ。
一連 の イメージダウン により 2010年 に 発売 された 現行 RVR の アピール も
十分 に 行なわれなかった。
この後 2012年 に 現行 アウトランダー の ノーマルエンジン車
2013年 に アウトランダー PHEV と eK ワゴン
2014年 には eK スペース が 発売 され 国内販売 が 上向くか と 期待 された。

2012年 に アウトランダー が 登場 し 三菱 の ラインアップ の 中 で 関係性 が 少しずつ 変わってくる。
それなのに 2016年 に eK ワゴン と eK スペース
日産 の デイズ と デイズ ルークス に 燃費 数値 の 偽装 が あったこと が 発覚 する。
三菱車 全体 の 売れ行き が 再び 伸び悩んだ。
紆余曲折 の 結果 今の 国内 では すべて の 三菱車 が 売れていない。
2017年 ( 暦年 ) に おける 三菱車 の 国内販売総数 は 9万 1,620 台 で
1ヶ月 平均 に 換算 すると 7,635 台 だ。
この 台数 は 同じ 時期 の フィット や シエンタ 1車分 と 同程度 に なる。
そうなれば RVR の 販売 が 低調だ と いっても 三菱 に とっては 大切 な 商品 だ。
販売会社 と セールスマン の 尽力 により RVR を 何台 も 乗り継ぐ ユーザー も いるから
安易 に 廃止 など できない。
そこで RVR は 定期的 に マイナーチェンジ や 改良 を 行ない
2018年 9月6日 にも 緊急自動ブレーキ を 作動 できる 安全装備 を
全車 に 標準装着 した ( 以前 は 一部 が オプション だった )。
ドライバー の 死角 に 入る 後方 の 並走車両 を 検知 する 機能 も
新たに オプション 設定 している。
このように 定期的 に 進化 を 図り 現行 RVR の ユーザー も
新車 へ 乗り替えやすくしている。


RVR は 安全装備 の 充実 ・ アクティブギア の 設定 など 進化 に 抜かり は ない。
開発費用 の 回収 には 長く 売ること も 大事 な こと。
決して 大ヒット作品 では ないかもしれないが 開発現場 の 涙ぐましい 努力 が 伝わる。
RVR の 売れ行き が 下がったのに 生産 と 販売 を 維持 する 理由 として
国内 の 販売店舗数 が 以前 に 比べて 減ったこと も 挙げられる。
現在の 三菱 の 店舗数 は 600 拠点 少々 だから
460 拠点 前後 の スバル に 次いで 少ない。
トヨタ は 4系列 を 合計 すると 4,900 拠点
ホンダ は 2,200 拠点 ・ 日産 は 2,000 拠点 と されるから
トヨタ と 比較 すれば 10% 以下 だ。
そうなると RVR の 登録台数 が 1ヶ月 当たり 173 台 でも
「 1店舗 の 割り当て 台数 」 と いう 見方 を すれば
トヨタ の 1,400 台 ・ 日産 の 580 台 くらい には 相当 する。
それぞれ の 販売店 に とっては 手堅い 収益源 だ。
特に 今の 三菱 では 販売総数 の 55% を 軽自動車 が 占める。
1台 当たり の 粗利 が 限られるから 小型 / 普通車 の RVR は
売り上げ を 伸ばす上 で 効率 の 優れた 商品 でも ある。
このほか アウトランダー や エクリプス クロス との 相乗効果 も ねらえる。
販売店 で この 2車種 の 商談 を している時 に
顧客 から 「 ボディ が 大きすぎる 」 「 価格 が 高い 」 と いった 問題点 が 提示 された 場合
「 RVR で あれば ボディ が コンパクト で 価格 も 安いですよ 」 と 解決案 を 示せるからだ。



RVR の 需要 が アウトランダー や エクリプス クロス に 奪われること も あるが
その逆 も あり得る。
メーカー の 損得勘定 と しては 基本的 に 長く 造るほど トク を すること も ある。
車両 の 開発 には エンジン に 加えて プラットフォーム を 共通化 した 場合 でも
80 ~ 100億円 は 必要 だ と いわれる。
販売 しながら この 開発費用 を 償却 していくわけだが
予想外 に 売れ行き が 伸び悩むと 収支 を 合わせるまで の 販売期間 が 長引く。
RVR の ように 長く 売り続ける クルマ の 中 には 一定 の 台数 に 満たないため
販売期間 が 伸ばされている 車種 も ある。


そうそう 過去 には 「 ローデスト 」 に なったこと も あったっけ。 現行 RVR の 頑張りよう に 涙 が 出そうです ……
このように いろいろな 事情 で RVR は 販売 を 続けている。
新型車 が 次々と 発売 されれば 好ましいが そうもいかない場合
設計 の 古い 売れ行き の 下がった 車種 が 重要 に なること も ある。
とりわけ 三菱 は SUV を 主力商品 と して ブランド の 再構築 を 図っているため
RVR は 絶対 に 省けない。
三菱 の 悲喜 こもごも を 背負いながら
今日 も RVR は 大切な 三菱ファン の 元 に 届けられている。


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Posted at 2018/09/23 09:47:57 | |
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