あん

ドリアン助川の小説「あん」の映画化。
河瀨直美監督・脚本作品、あんまりフランス映画っぽくなかった。
日・仏・独合作の素晴らしい日本映画。

縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)。そのお店の常連である中学生のワカナ（内田伽羅）。ある日、その店の求人募集の貼り紙をみて、そこで働くことを懇願する一人の老女、徳江（樹木希林）が現れ、どらやきの粒あん作りを任せることに。徳江の作った粒あんはあまりに美味しく、みるみるうちに店は繁盛。しかし心ない噂が、彼らの運命を大きく変えていく…

重いテーマを静かに描いた秀作。
生きる辛さを感じ、生きる意味を前向きにとらえて、進んでいこうとする力強いエール。
この映画の永瀬正敏の演技は圧倒的に素晴らしい。
樹木希林は言わずもがなで、その実の孫娘の内田伽羅も瑞々しくて良かった。
原作はぜひ読もうと思ってるけど、文庫化されてから。
89点。日本アカデミーには箸にも棒にもかからないだろうけど、日本でもヒットを狙った大衆向けの作品かな。