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巨匠ヴィム・ヴェンダース最新作(ヴェンダース作品だと、ベルリン・天使の詩が好き)。

登場人物の気持ち・心模様の深さを描くために、3Dで撮ったそうな。

雪道を運転している売れない作家トマス。
突然、道端の斜面から滑り降りる子供のソリ。
起きた不幸の事故。
運転していた作家、弟に注意が足りなかった兄クリストファー、子供達にもっと早く家に帰るように言わなかった母親。
誰のせいでもない事故の登場人物の心模様。
それから十数年、作家として成功したトマスのもとにクリストファーから手紙が届く。

原題はEVERY THING WILL BE FINE.
邦題だとちょっと内省的過ぎるかな。
サスペンスじゃないけど、登場人物の気持ちの動きがスリリングに描かれる。
3Dをで美しい映像に仕立ててあったけど、必ずしも3Dじゃなくても良かったかな。
74点。母親役の、シャルロット・ゲンズブールが良かったな。

人生の中でのマイベスト映画を選べと言われたら、1本にはなかなか絞り込めないけど、マイベスト10に入る映画なら限られてくる。
ダンサー・イン・ザ・ダーク。
ビョーク主演のミュージカル映画。衝撃的なこの名作映画を撮ったのが、ラース・フォン・トリアー監督。

そのラース・フォン・トリアー監督の甥にあたる、ヨアキム・トリアー監督の作品。
なんだかハードル上げられてる気がするけど、先入観なしで観た。

事故とも自殺とも取れない亡くなり方をした写真家の母親と、残された作品三人の家族。
家族のために俳優業をやめた父親、早くから秀才で誰もがうらやむ成功を勝ち取ったはずの長男、繊細で傷つきやすい次男。
事故から3年。母親の回顧展を機に、それぞれが妻・母親の死に改めて向き合う。
男たちが、葛藤と向き合いながら、あがき、前に進む、一家の物語。

心的描写の表現がうまかったな。
役者がうまかったなのもあるけど、脚本(監督が書いてる)がしっかりしてるんだと思う。
おじさんよりもコンサバで、比較的わかりやすい。
78点。劇中で次男が書いたエッセイというか、自叙伝を読んでみたい。