
あーだこーだと分かったような分かんないような・・・
燃費を取りまく、技術・政治経済・現在の状況
そんなことを、ここまで書き連ねて参りましたが
本日ここに、大団円を迎える運びとなりました。
お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。
いよいよまとめの最終章なのですが・・・
まとめきれる自信は、全くありません(汗)
また、これを書くには力不足だったかと反省中。
呆れずに、今しばらくお付き合いをお願いします。
日本の、そして世界の政治経済、あるいは環境問題に端を発した空前のエコブーム。
その中で、自動車の燃費は飛躍的な向上を遂げてきました。
その反面、加熱する競争により、あるいは先鋭化しすぎた技術の進歩により
現在のエコカーは、まるでかつてのGr.Bモンスターを彷彿とさせるような
超高性能で、ある意味特殊な車になってきています。
コンピューターでの制御により、誰にでも普通に運転できる製品にはなっていますが
高性能なものほど、その性能を全て発揮させるのが難しいのも事実。
そして、そのためには適切なメンテが重要なことも忘れるべきではありません。
そして、プロフェッショナルな技術で操らないと、本来の性能は発揮できない・・・
それが日本のエコカーと呼ばれるものの現状です。
その上で最初に戻ります。

最初の疑問。
「エコから杯」で、何故10.15モードの車両が強いのか?
ドライバーの技量はもとよりなんですが、その燃費性能、その突き詰め具合。
ここに行き着いてしまいますね。
JC08モードの車両は、エコブーム真っ只中に生産されています。
一番大きな命題は「低燃費」、そしてそのための競争。
そのために先鋭化した高性能と、高度なエコドライブ技術によってカタログ値が
出されているため、
ゆとりが全くない。
なので、ちょっとでもロスをすれば燃費の急降下ってことになります。
逆に
10.15モードの場合、言い方は悪いですが
「ま、このクラスの車なら、これくらい出てれば良かろ!」
そのくらいの
ゆとりがあったものと思われます。
つまりは、基準も甘かったが、突き詰め方も甘かった。
世の中もそれを求めてはいませんでしたからね。
ここに伸び代があったと推測されます。
鷹揚であったが故に、人間のファジーさや状況の変化を許容してしまう。
うーん、作られた時代の社会情勢とそっくりな気がする・・・(汗)
では、排気量による差は?
これはもう、
絶対的なトルクの違い。ここに尽きるでしょう。
燃費試験の項目には、坂道の想定がありません。
実際の道路には存在する坂道で、速度を保つためには・・・・
そう言うことだと思います。
余裕があるって素晴らしい!!(爆)
じゃ、ハイブリッド車の逆転現象は?
こちらは恐らく
開発期間。
それぞれの車種って言うのではなく、ハイブリッドっていうものの。
なんせ、ハイブリッド車が登場して
まだ20年。
進歩する余地はまだまだ十分にあるのかも。
なので、
新しい車種ほど熟成が進み、性能を発揮しやすくなってるのでは?
また、
バッテリーの経年劣化も作用してると想像できますね。
そうして対戦表を見直してみると、JC08基準のメンバーでは
プリプレさんは、ほとんど神!どこかのテストドライバーに推薦したいくらい。
pri-graceさん、たけちゃんさん、くまとっどさん(バモス)、isaom555さん、karonさんは
テストドライバークラス!そう言っても過言ではない気がします。
あっ、いや、10.15モードの方が劣ってるなんて思ってませんよ。
JC08モードと10.15モードの基準による差を考えても、同等かそれ以上。
下位の人だって、相当高いレベルですからね。
自信を持ってイイと思います。
考えて努力をすれば出来るってことの証拠ですな。
ちなみに、モード差による補正は、今後も考えてませんので御了承を。
だって面倒くさいんだもの・・・(笑)
さて、「エコから」のような特殊な世界(爆)ではなく、一般的に見た場合
この燃費ってヤツにどう向き合っていけばいいのかも考えてみます。
燃費には、
カタログ燃費と実燃費という、似て非なる深い溝がありますね。
これって実際どのくらいのものなのか?
e-燃費による、ある年次の調査の表(雑誌に掲載されたもの)を見てみましょう。


あからさまに間違いと思われるデータもありますが、参考にはなるでしょう。
良くても80%前半。悪いものだと50%以下のものも。
ことに、
燃費を競ってる車種には乖離する傾向が顕著です。
そう、憤ったり嘆いてみても始まりません。これが今の現実。
まずは一度、この現実を受け入れて下さい。
で、現在施行中のエコカー減税の基準を見てみます。
このように、車重によって基準となる燃費が定められ、それに基づいて減税額が
定められる仕組みになってます。
これだけ見てると、なんのこっちゃ?ですが、使用方法の一例を挙げてみます。
あなたは今、車を購入しようと考えています。
迷ってるのはA車とB車。ライバル車で、どちらも車重は1500Kgとします。
A車は200万円、B車は195万円です。
カタログ上、A車の燃費は30.0Km/㍑。B車は25.0Km/㍑。
あなたは、このどちらかを10万㎞使用するつもり。
できれば、購入から維持まで含め、トータル的にお得な方にしたいと考えています。
ってことは、燃費が良い方が良いですね。
カタログ値の良いA車の方かなあ、なんて思い始めてます。
んで、まず減税によるメリットを比べてみます。
上の表の車重区分を見ると、1500Kgですから8番に該当。
カタログ燃費上、A車は+50%達成、B車は40%達成となります。
これを減税率に当てはめると、どちらも満額回答。
減税率による差はないことになりますね。
決め手は、最初に出したユーザーのカタログ燃費達成率の表です。
これを見たところ、A車は70%、B車が80%だったとしてみます。
これをカタログ燃費にかけて、平均の実燃費として考えます。
さて、どちらがお得になるのか?ガソリンを130円として試算してみました。
あら?カタログ燃費が低いB車の方がお得!!
これ、カタログ燃費からの乖離が生む笑えない結果ですな。
ここでは車体価格と燃料費のみで考えましたので、維持費として完全ではありませんし
車を選ぶ基準は、燃費ばかりではありませんので、あくまで参考と捉えて下さい。
こんな考え方も出来ますよってことのご紹介です。
結論:カタログの値だけにとらわれてちゃダメ!
実使用までよく考えよう。
そこのところも考えないと、心底がっかりすることにもなりますよ!
もしくは、それを逆手にとって
絶対性能発揮にチャレンジしてみるとか!
「エコから」メンバーみたいにね(笑)ゲームとしても意外に楽しいっすよ、エコドライブ。
スピードを追求するようなリスクもありませんし、何よりお財布に優しい(爆)
カタログ通りの性能が出ないって文句を言いたくなる気持ちも分からなくはありませんが
自らが出す努力をすることも重要だと思います。
実際、「エコから」を始めて、自分の運転にどれほど無駄があったかよく分かりましたから。
出来ることををやり尽くした上でなら、文句の一つや二つ問題ないっしょ!
オイラですか・・・
まだ理想は遙か彼方です(涙)
修行の道は始まったばかりだなあ。
初の国産ガソリン車が開発されて110年。
関係諸氏のたゆまぬ努力により、日本の自動車技術は驚異的な発展を遂げました。
その性能や品質は、世界でも評価を受けていることは御承知の通り。
その点については感謝を申し上げるとともに、今後への希望を少し。
2018年10月から、国際的な燃費基準WLTPに切り替わります。良い機会ですから、
日本の自動車はカタログのデータを誰にでも発揮できる!
そう言われるよう、実使用から大きく外れないような性能表記を目指して頂きたい。
それこそが本当の意味での競争力になると信じるから。
もう一つ。
今回は燃費を中心にして書いていますが、車の魅力は燃費性能だけでないことも
十分に承知しています。求められる性能や能力も様々でしょう。
そういったユーザーの要求を、全て満たすのは非常に困難だと分かった上でのお願い。
極限まで突き詰めた性能ばかりではなく、
誰が乗っても安全で楽しい車。
車の
スタンダードとして、
誰にでも勧められるような車作りを目指して欲しいと思います。
現にそう呼べる車は存在しますが、そのさらに上。
老若男女問わず、「ああ、これに乗りたい」と思わせるような車があってもイイなぁ。
あ、これもユーザーからのわがままな要求かな・・・(滝汗)
期待してますよ!
