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2016年07月03日

日産 V12エンジン なぜ GRXは「3」なの?

日産 V12エンジン なぜ GRXは「3」なの? 日産R382

1969年日本グランプリの優勝車。

日本のモータースポーツ第1期の頂点を極めた車です。

この後、アメリカ Can-Am進出も目論んでいた様ですが、排ガス問題の高い壁に阻まれ・・・

搭載していたエンジンは、これです。



日産 GRX-3

V型12気筒 5954cc

580psのスペックを誇っていました。


で、ちょっと気になったのは、このエンジン名称。

GRX-3です。

なぜ「3」なのでしょう?

ということは、「1」と「2」があるのでしょうか?


確かにこのエンジンには、ここに至るまで2種類ありました。

まずは、GRX-1

これは、R381に搭載して69年の日本グランプリ参戦用に計画されていました。



ここで1つ疑問が・・・

R381は、68年の日本グランプリ参戦用です。
(結果、優勝もしました)

なのに、なぜターゲットが69年?


R381には、V12エンジンの他に、革新的な技術を盛り込んでいます。



エアロスタビライザー

可変式2分割リアウィングです。

それまで使われていた空力パーツは、これでした。



ダックテール

後端についている、壁の様な部品です。

ここに走行風を当てて、後輪にダウンフォースを発生させます。

コーナーでは有効な、このダックテール。

ストレートでは、ただの抵抗になってしまいます。

何ぶん、壁ですから。

理想は、コーナーリングで必要な時だけ効果が出る、空力パーツです。


そこで誕生したのが、このエアロスタビライザー。

サスペンションのストローク量に応じて、角度が変わります。

ストレートでは、抵抗にならない程度に寝かせて、

コーナーでは、ダウンフォースを出す為に立てているのです。

しかも、このパーツの凄さは、ウイングが2分割になっていること。


コーナリング時、車はロールするので、内側のタイヤが浮きます。

エアロスタビライザーは2分割なので、イン側のウィングをより立ててタイヤの浮きを抑えているのです。

最初のR381の写真を見ると、左右別々動きをしているのが、よくわかります。

しかも、このエアロスタビライザー。

ブレーキング時には立てて、空気抵抗を利用したエアロブレーキにもなるのです。


R381はこちらの開発に重点を置いた為、エンジンは既成品を購入となったのです。



なので、68年優勝車は、シボレー(ムーンチューニング)のV8エンジンが使われました。

エアファンネルが8本になっています。


68年グランプリ後、GRX-1が完成。



V型12気筒 4963cc

520ps

ドライバー後ろのエアファンネルが、12本になりました。


翌69年、フジスピードカップでは優勝。

しかしNETスピードカップでは、新型V8 5000ccのトヨタ7に敗れました。

この頃、大きなレギュレーション変更があったのです。



FIAによる可変ウィングの禁止です。

F1では、一足早く1967年頃から使われ始めていました、可変ウィング。

ですが可変式故に、強固に固定出来ない為、走行中に破損するトラブルが多発しました。

その為、1969年よりFIAにて可変ウィングは禁止されました。

JAFもそれに倣い、可変ウィング禁止となったのです。


元々、可変ウィングありきで設計されたR381。

それを外してしまえば、ダウンフォースが不足するのは必至です。

また、新型トヨタ7は、排気量が同じ5000cc。

車体をウイングなしの新型にしても、もう少しアドバンテージがほしいところです。

そこで誕生したのが、GRX-2

GRX-1の5000ccをベースに6000ccにしています。



このGRX-2をベースに、各部品を6000cc用専用設計にしたものが、GRX-3です。

余談ですが、写真は日産のエンジンミュージアムにあるものだそうです。

これの説明板には「GRX-2」と記載されています。

資料によっては、GRX-2は開発過渡モデルの為、テスト終了後は廃却されており、現存していないとありました。

これは、あるいは「GRX−3」?

メーカー自身が間違えるとも思えないですし・・・

機会を見つけて、確認したいと思います。


今回調査するまで、R381にはシボレーV8しかないと思っていました。

ですが、2012年、劇場以外では公開しないとされていた「栄光への5000km」がテレビ放送されまして。

そこに映し出されたR381を見て、驚愕しました。



ファンネルが12本ある!

すなわち、12気筒のR381が存在する、ということを初めて知ったのでした。

石原プロの意向で、テレビ放送もDVDもしないと言われていた「栄光への5000km」。

まさかテレビの無料放送で見られるとは・・・

感動でしたねぇ。
ブログ一覧 | 歴史 | 日記
Posted at 2016/07/03 08:55:49

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この記事へのコメント

2016年7月4日 7:01
ブログ読みながら381はエンジンが未完でシボレーV8だよ~って思ってたらそうだったんですね。流石によくみていらっしゃる。「栄光への5000km」もハードにはいったままいつか見ようです。
コメントへの返答
2018年6月16日 7:51
おはようございます。
コメントありがとうございます。

当初の予定では・・・

68年 R381+シボレーV8
69年 R381+日産GRX V12

・・・だった様です。

ですが、可変ウィング禁止、開催月が5月から10月になったことから、69年はR382が間に合ったそうです。

「栄光への5000km」ですが、サファリの映画だと思っていました。

ブル510の勇姿に感激していましたが、テストコース(追浜かな?)のシーンで、まさかのR381 12気筒の姿が・・・

このR381 12気筒仕様、実戦投入されていたのも知りませんでした。

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「@中島乗り さん ありがとうございます。雨天時は乗らない、前オーナーから課せられた購入条件だったもので。すみません、文明の利器満載のクルマで向かっています。」
何シテル?   04/20 10:50
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