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2017年02月04日

DOHCでは日本初なんですが・・・

DOHCでは日本初なんですが・・・ 日本初の4輪DOHC車は、この車でした。



ホンダ T360

1963年発表。

日本初の4輪DOHC車は、ホンダ初の4輪市販車でした。

しかもトラックです。

水冷直列4気筒DOHC, 354cc

30ps/8500rpmという、とてもトラックには似合わない、高回転高出力エンジン。

この車、なんでこんなエンジンを積んでいるのだろう?

それは、市販されなかったスポーツ360(通称S360)とエンジンが共用だったから、と思っていました。

でも厳密には、違うそうです。



正しくは、スポーツ360のエンジンは、T360をチューンして流用している、のだそうです。

つまり、元々トラックには、DOHCを搭載する計画だったのです。


T360の設計要件に「最高速100km/h」というのがあったそうです。

その為に必要な馬力が、30ps。

その30psを出す為に必要なエンジンが水冷DOHC4気筒だ、となったのだそうです。


ちなみに、日本初の2輪DOHC車は、これです。



ホンダ CB450

実は2輪もホンダなんです。

1965年発表。

4輪のT360よりも後だったのですね。

しかも、こちらは日本初というよりは、世界初の量産DOHC車でした。


そんなホンダですから、その後も怒涛のDOHCオンパレードなんだろうなぁ って思いますよね。

それが、そうでもないのです。

いや、むしろ積極的には選んでいない、そんな印象があります。

そんな事例を、ご紹介します。



時は1980年代後半。

そろそろバブル期が見えてきたかな、そんな時代です。

トヨタ、ホンダのベーシックカーは、これらの車でした。




カローラ 1500 (AE91)

このカローラ、よく街中で見かけましたね。

先代に比べて、かなり高級感が増しました。

こういう車を作ると、トヨタは見事ですね。


片やホンダは、これでした。



シビック 1500(EF2)

このグランドシビックでは、まだ3ドアのイメージが強いですね。

写真の4ドアは、ちょっと地味でした。


この2台のエンジンは、当時の流行を反映して、共通の設計コンセプトがありました。


4バルブ(バルブ面積を大きくして、吸排気効率を上げたい)
センタープラグ(素早く均一に、混合気を燃やしたい)


この目標に向かって、それぞれが得意な技術を使って取り組んでいます。

まずは、トヨタ。



5A-FE

1500ccのベーシックエンジンで、85ps(シングルキャブ)でした。

これには、今までスポーツエンジン用で使われていた、DOHC(ツインカム)を採用。

既存のスポーツエンジン用と識別する為に「ハイメカツインカム」と呼ばれていました。



センタープラグにする為には、燃焼室中心の上部に何もない方が、プラグの配置がしやすくなります。

DOHCにすると、カムシャフトが吸気、排気、それぞれのバルブの上に来るので、中心部に空間が出来ますね。

構造がシンプルなので、制約の少ない設計しやすいエンジンです。

ただデメリットもあります。

カムシャフトが2本必要なので、その回転抵抗が2倍になってしまうこと。

重量のあるカムシャフトが、エンジンの一番上に来るので、重心が上がってしまいます。


片や、ホンダ。



D15B

こちらも同じ1500ccで、91ps(シングルキャブ)でした。

これは、SOHCで設計されています。



SOHCの場合、通常カムシャフトは燃焼室中心の上部に来ます。

ですが、そこにはプラグが・・・

なので、カムシャフトを排気側にずらしています。

そこから4本のバルブに向けて、ロッカーアームを渡します。

しかも右側(吸気側)のロッカーアームは、プラグを避ける為に大きく湾曲させているのです。




重量では、カムシャフトが1本少ないので、軽量です。

しかし、こんな複雑なロッカーアームを16個も使っているので、実はトヨタハイメカツインカムと大差ないらしいです。

ホンダは、ここまでしてカムシャフトの回転抵抗を嫌っていたのでしょうか?

なんだか「意地でもDOHCにはしないぞ」という気概の表れの様でもあります。

もし私が設計者だったら・・・こんな複雑なことはしません。



この様に、日本初のDOHC車販売のホンダですが、SOHCに対する拘りが尋常ではありません。

彼等にとってDOHCかどうかは、手段であって目的ではないのですね。

SOHCで目標性能が達成出来れば、それでいいのです。

この頃は、こういったエンジン屋ホンダの意気込みが感じられる車が、多くあったのですがね。


最近のはねぇ・・・

電気が忙しいのかな?

「エンジンなら絶対負けない」と言っていた頃のホンダに、戻ってもらいたいですね。
ブログ一覧 | ホンダ | 日記
Posted at 2017/02/04 07:58:28

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この記事へのコメント

2017年2月4日 8:38
おはようございます。

昔はDOHCというだけでスポーツカー認定されましたからね。
トヨタの全車DOHC化で有難味は一気に薄れてしまいました。

最近のホンダは、全てに一歩遅れを取っている感じです。
軽の燃費競争に参戦しなかったのは結果的に良かったんですが、実際はしなかったのではなく出来なかったんじゃないかと感じています。

「シビックタイプR、FF車ニュル最速タイム樹立」なんてやっている時代じゃないと思います(既に過去の話題)
コメントへの返答
2017年2月4日 9:46
おはようございます。
コメントありがとうございます。

80年代初めに「DOHC vs TURBO」バトルがあった頃、ポン付けのターボよりヘッド専用設計のDOHCの方に憧れがありました。

トヨタは長きにわたりDOHCの生産経験があったので、ハイメカツインカムも大量生産出来たのでしょうね。


最近のホンダがパッとしないのは、私も同感です。

軽の燃費競争は、出来ない部分もありました。
当時は、とにかくハイブリッドとFCVに、相当な資源を費やしていましたから。

「エンジンなら負けない」というおごりもあったのでしょう。
結局「軽の販売は、燃費の数字で決まる」というのが分かってから「Earth Dream Technology」を立ち上げ、現在挽回中です。

シビック タイプR、私は肯定的に見ています。
ニュル最速はどっちでもいいです。
WTCC参戦中のホンダが、そのイメージを市販車に繋いでいく為に、この車は必要だと思ってます。

今まで築いた「レースのホンダ」のイメージは、今後も継承してもらいたいものですから。

ただ今のWTCCを、どうやって往年のグループAの様にしていくかが、課題なんでしょうかねぇ。
2017年2月4日 9:57
おはようございます!
いつもお付き合いいただきありがとうございます。

一般の顧客層の方々からすれば、「ハイメカツインカム搭載!」と聞けば、「なんだかよくわからないけど、すごそう!」と思われるのでしょうね。やはり「販売のトヨタ」顧客心理をつかむのが巧みです。

機械屋のこだわりのホンダよもう一度は私も思います。
コメントへの返答
2017年2月4日 10:33
おはようございます。
コメントありがとうございます。

そうなんです!
そこは結構言われてました。

今までのトヨタの功績なんですが「ツインカムはすごい!」なんです。
だから「ハイメカツインカムもすごい!」となるんですね。

片やホンダ。
手が込んでいるとはいえ、SOHC。
スペックで負けていると見られて、販売では厳しかったという意見もあった様です。

時々ホンダがやる「あえての○○」。
初期のハイブリッドでも、「あえてEVモードがない」というのが理解されず、結局トヨタの後追いに・・・

こだわりのある独創のホンダでないと、つまらないと思うのですがね。
2017年2月4日 10:46
おはようございます。

イイじゃないですか、乗用車メーカーとして生き残っているから。あの排ガス規制をDOHCでクリアしたいすゞなんて…(涙)
独創性でコアなファンを魅了するのもいいけど、メーカーとして生き残れなきゃ、すなわち負けですから仕方ないかと思ってます。

そういや岐阜に、さらに希少なT500トラックを隠し持ってる方がみえますよ。その道では有名人らしいです。
コメントへの返答
2017年2月4日 12:14
こんにちは。
コメントありがとうございます。

でもホンダには、多少乗用車で赤字を出しても、なんとかしてくれる商用車がありませんから。
あっ、でも2輪があるから大丈夫?
(そんなことはありませんが)

T500、イベントでもあまり見ないです。
幅は同じで、ちょっと長いだけだと、他のトラックを選ぶのでしょうかねぇ。
2017年2月4日 11:55
こんにちは。

左輪側にエンジン・右輪側にトランスミッションを配置する横置きエンジンでは、エンジン自体を縦置きエンジンと共用するために正回転させようとすると三菱みたいにミッション内で3軸必要となりますが、ホンダは2軸のままとしてエンジン自体を逆回転させてたんですよね。

トヨタのハイメカツインカムは、結果的にDOHC、もしくはツインカムという響きへの憧れを壊してしまったと思っています。

コメントへの返答
2017年2月4日 12:19
こんにちは。
コメントありがとうございます。

私、ホンダエンジンしか見ていなかったもので、「逆転エンジン」の意味が、しばらくわかりませんでした。
あっ、なるほど、ホンダには縦横共用のエンジンがないので、これでもよかったのですね。

ハイメカツインカムは、トヨタ2000GT、セリカGT等のイメージにもあやかれて、評判が良かった様です。

そのあたりの売り方が、やっぱり上手ですね。
2017年2月4日 12:57
DOHCは高回転になるとミュージックを奏でます。そんなことを望まないファミリーカーには必要無いのです。ましてや今、静粛性をもとめる時代ですから低回転でトルクのあるエンジンの方が一般には必要なんだと思いますよ。
コメントへの返答
2017年2月4日 17:19
こんにちは。
コメントありがとうございます。

現行フィットやN BOXから、ホンダもベーシックエンジンにDOHCを採用しています。

SOHCの1カム4バルブでは、吸気側に2段切り替えのVTECを付けるまででした。

しかし、現在は吸気側の制御をより緻密にしています。
その為、可変を2段階から連続的にしています。
連続可変となると、1本のカムでは制御出来ません。
そこでDOHC化して、吸気/排気のカムを分けて、吸気側を連続可変としています。

これで、燃費とパワーが両立出来る様な、エンジンを狙っています。

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「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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