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2019年08月06日

日本初のリトラクタブルヘッドライト

日本初のリトラクタブルヘッドライト みんカラのみなさんはご存知かと思います。





トヨタ 2000GT




1967年に発売された、トヨタを、いや日本を代表するスポーツカーです。

当時の価格で238万円。

トヨタの量販最高級車、クラウンの2倍です。

超高級スポーツカーであれば、構造が複雑でコストが掛かっても、リトラクタブル ヘッドライトの採用が出来たのでしょうね。

でも、あえて批判覚悟で言わせて頂けば・・・

リトラクタブル ヘッドライトに対して、あのフォグランプ、妙に大きくないですか?

普通、フォグランプといえば、ヘッドライトよりは小さいですよね。






実際、後期型では小さくなっていますし。

なぜ前期型には、あんな大きなフォグランプを採用していたのでしょう?


それは、元々あれがヘッドライトだったのです。


ヘッドライトには、最低高さが法規で決められています。

おそらく日本は、リトラなしでOKだったのでしょう。

ですがメインマーケットとされるアメリカでは、ライト高さがNGとなった様です。

アメリカでは、1984年まで使えたヘッドライトは、SAE規格による、丸型か角型、2灯か4灯かの、計4種類のみ。

現在であればプロジェクター等、小さくても性能の良いヘッドライトがあります。

ですが、当時はそんな高性能なヘッドライトは当然なく。

ボンネットの高さが低い2000GTは、高い位置にヘッドライトを設置するのが、難しいのでした。

そこで考案されたのが、リトラクタブル式。

ヘッドライト高さは、使用時に最低高さをクリアしていればOK、という解釈がされています。

なので使用していない昼間のヘッドライトは、この限りではないのです。

その為、使用する時だけ最低高さをクリア出来る、リトラクタブル式が採用されたのでした。


市販車では必要となった、リトラクタブルライト。

公道以外で使用された2000GTは、どの様なライトになっていたのでしょうか?





市販される前年の1966年。

2000GTは、速度世界記録に挑戦し、13の新記録を樹立しています。

このスピードトライアル車は、市販車でフォグライトの部分にヘッドライト。

グリル前に補助灯を付けています。

市販車の様にリトラクタブルライトを使ってしまうと、大幅に空気抵抗が増大します。

つまり、リトラクタブルライトは法規対応であって、実際の機能上はやっぱり必要なかったのでしょうね。






このクルマは、後年製作されたレプリカです。

リトラクタブルライトの部分は、開かない様に固定されています。

考えてみれば、発売前のクルマで機能上必要ないのであれば、フタを固定するのではなく、最初からフタなしで製作すれば良かったのではないでしょうか。

でもこれ、わざわざフタを固定しているのには、訳があります。

実はこのクルマ、トライアル専用に作られたクルマではありません。

試作1号車を転用しているのです。

ちなみに、このリトラクタブルのフタ形状。

市販仕様と異なっています。






この試作1号車は、1965年のモーターショーに出展されました。

他にも出展車両として使われた後は、レース仕様に改造され練習車となりました。

ですが、富士スピードウェイにて練習走行中に炎上。

その後、スピードトライアル車として再生されました。







こちらは、1966年の日本グランプリ参戦車 コード名311Sです。

ボディはアルミに変更された、レース専用ボディです。

専用で新作されたボディなので、最初からリトラクタブルライトはなく、そこにはエアインテークが付いています。



発売後、市販車でもリトラクタブルライトに変わるスタイルを、検討していた様です。





固定ライト仕様の2000GT コード名390Aです。

廉価版として検討されていた様です。






この位置まで上げれば、リトラクタブルライトでなくても法規OKとなるのでしょう。

なんだか、よりカエルっぽくなって、見慣れてくれば可愛らしく見えるかもしれません。



驚いたことに、このクルマ、現存しているそうです。

もちろん、このデザインのままではありません。






四国の博物館に、赤い2000GTがあります。

このクルマは、後期型の左ハンドル。

記録上、後期型は全て国内仕様だったそうです。

しかし、車体ナンバーを調べると前期型なのだとか。

つまり、前期型のシャーシに後期型のボディが搭載されている様です。

しかもこの車体ナンバー、トヨタに確認すると「特殊用途車」だとか。


どうやら、これが元固定ライト検討用車両ではないか、と言われています。

前期型の車両を使って、固定ライトボディへ換装。

これをなんらかの理由で、市場へ出すこととなり。

ノーマル車へ変更させるも、既にボディは後期型へ。

そこで、その時期に入手出来た後期ボディへ乗せ変えたものでは?

そんな逸話があるそうです。


名車トヨタ2000GT。

デザイン検討車だったり、SOHC 2300ccだったり、今だと考えられない様なクルマが出てきますね。
ブログ一覧 | トヨタ | 日記
Posted at 2019/08/06 10:19:07

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この記事へのコメント

2019年8月6日 12:52
こんにちは
またまたすごいのが出てきましたね。固定仕様、出さなくてよかったかも。結局北米には行かないのだから、フォグの位置でもよかったとは思いますが、売りたかったんでしょうね。
それちゃいますが、昔からの疑問で、ワイパーの位置が国内車としたら変です。輸出メインでその位置かと思ってました。(RX7のハンドブレーキレバーの様に)でも2300GT、ちゃんと逆に付いてますね。その付き方がドライバーにはよかったのかな。
コメントへの返答
2019年8月6日 17:13
こんにちは。
コメントありがとうございます。

トヨタ2000GTですが、総生産台数337台のうち、輸出用は102台でした。
これは全て前期型とのことです。

開発初期から輸出は決まっていたそうですが、デザインを優先させてしまったのでしょうね。
デザインスケッチも、早い時期からリトラが付いていました。

固定ライト、美しいかと言えば、リトラには劣ります。
廉価版とは言っても、もうあれだけの高級車ですから、安くなったから売れるものでもないと思います。

ワイパーの向き、初めて知りました。
そういえば、ずっと逆ですね。
固定ライト仕様(ちなみにあれは2000ccのDOHCです)は、通常の右ハンドル仕様になっているので、1種類だけではなかったみたいですね。

確かに、意図的に逆にしているみたいですね。
あれだと運転席側の拭き残しが大きいと思うのですが。

今までこれ、知りませんでした。
なぜなんでしょう?
2019年8月6日 18:17
こんにちは~
今日はネタがかぶりましたね

ワイパーは私の911も逆ですよー💚
その謎ときはこちらです
https://minkara.carview.co.jp/userid/2537399/blog/37858597/
コメントへの返答
2019年8月7日 9:00
おはようございます。
そういえば、911も逆だったのですね。
ワイパーブレードが短かった頃は、今と逆の方が拭き取り面積が大きかったのですね。

あと、911のワイパーで気になっているのですが。
2本の取り付け位置の間隔が、狭くないですか?
あれだと2本重なって拭いている範囲が多くて、全体の拭き取り面積が小さくなっている気がするのですが・・・。
2019年8月6日 19:58
こんばんは。

2000GTのワイパー、初めて見たときから何で向きが違うんだろうと不思議に思ってました。

ちなみにトライアルのベースになった試作1号車はジャガーEタイプみたいにワイパーが3本になってますよね。ドアノブも40系クラウンのものだったり、試行錯誤のあとがうかがえますね。
コメントへの返答
2019年8月7日 9:06
おはようございます。
コメントありがとうございます。

私も今回指摘されるまで、気付きませんでした。
左右ハンドルに関係なく同じ向きではなく、あえて逆にしているのですね。

上のカエル好きさんのブログに、ポルシェ流のワイパー解釈の説明がありました。
60年代のワイパーブレードが短い頃には、今とは逆というのもあったみたいです。

ワイパー3本って、そういえばありました。
MG-Bもオープンカー故にウィンドウの高さが幅に対して短い為、長いブレードが使えず3本だった時期があったかと思います。

あれ? リトラのブログだったのですが、なぜかワイパーの話題に・・・。
2019年8月7日 22:46
2000GTとトヨタS800は大好物です。

2000GTはとても手が出るクルマではありませんが、ラジコンのボディで作ったことがあります。
日本車離れした抑揚のあるラインがきれいで惚れ惚れします。

あの大きなフォグは、そういう事情だったんですね。

自分は Honda Sports EV Concept を見た時、かっこいいなと思ったと同時に、これってホンダか?と。
なんとなくフォルムが2000GTっぽいなと。特にフロントフェンダーの抑揚がノーズに向かってスラントしつつ最後で反り返る感じが。
あとリトラクタブルにしたらまんまじゃないかと。

このブログを読んで、本来フォグ部分がヘッドライトだったと聞くと益々そう思えてきました。

自分、初めて見る写真ですが、廉価版の顔、好きです。
こっちの方が愛嬌があって後々愛着がわきそうです。
(四国の博物館には30年以上前に訪れたことがありますが、バイクの記憶しか残っていません)

あと、ヘッドライトの高さ法規といえば、SSMが思い出されます。
久々のSの再来にドキドキワクワクしましたが、創50年の式典で登場した時には、バンパー前面ではなく現状の位置に収まっていました。
コメントへの返答
2019年8月8日 8:35
おはようございます。
コメントありがとうございます。

トヨタ2000GT、実はあんまり興味がなかったんですよ。
絶対に買えることはないですし。
なんだか遠い世界のクルマ、そんな印象でした。

ですが、いろいろとドラマが多いんですよ。
日産とヤマハがケンカ別れしていなければ・・・
トヨタとヤマハが協力しなければ・・・
いくつかのチャンスがあっての、トヨタ2000GTなんですよね。

ホンダ Sports EV Concept、かなり違和感がありました。
今まで気付きませんでしたが、フロントフェンダーの盛り上がりは2000GTの様ですね。
斜め後ろは、S30 フェアレディZの様にも見えます。

あれが未来のEVなんだろうか?
ロングノーズ+ショートデッキで、往年のスポーツカーの様ですし。

ホンダが最近よくやる、EVで出してからのガソリン車で市販化。
それにしても、あのパッケージは、どう見てもFR。
ホンダって、FR好きではないと思うのですが。

一体、どうなってこれが出てきたのか。
今でも不思議なクルマです。

ヘッドライト高さ、SSMでは変わりましたね。
ちなみに、ビード、初代トゥデイ、アメリカではNGです。
もっとも、輸出を想定して設計していませんけれど。

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クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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