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2017年09月14日

NBOX ビックリものの大変革! <エンジン編>

NBOX ビックリものの大変革! <エンジン編> HP等を見ると、さらっと書いてあるだけなんですよね、技術面は。

前回のレーザー溶接ボディも驚きでしたが、エンジンにも飛び道具がありました。




電制ウェイストゲートバルブ付きターボ


「ウェイストゲートバルブ」って、何ぞや?

昭和の男の子には、「ウエストゲートバルブ」の方が、お馴染みかと。

でも「west」だと「西」になってしまいますよね。

これ、正しくは「waste」という綴りで、「余剰」とか「無駄」という意味なんです。

このバルブは、過給圧の制御をしています。

もしこれがなかったら、エンジン回転の上昇と共に、どんどんターボの過給圧も上がり続けて。

そして、最後にはタービンかエンジンが壊れてしまい、The Endとなってしまうのです。

つまり、余剰となった過給圧を逃がして、エンジン、ターボが壊れない様にしているバルブなんですね。




ウェイストゲートバルブは、昔からありました。

ただ制御の方法は、いたってシンプルです。

「あっ、そろそろ壊れそうかな?」というところまで過給圧が上がると、パッと開いて過給圧を下げて。

制御と言っても、設定過給圧でのオン/オフくらいなんです。

これを電制にしたら、どんなメリットがあるのでしょうか?

事細かく、そして素早く、過給圧を変更出来るんです。

例えば、あんまりパワーがいらない時は、バルブを開いて過給圧を下げる。

ここ一番の時は、バルブを閉じて過給圧を上げるとかね。

それがすぐに出来るので、出力コントロールは自由自在です。


「でもそれは、スロットルですることでしょ?」

おっ、鋭い! そうなんです。

普通は、スロットルバルブの開閉で、出力をコントロールしています。

電制ウェイストゲートバルブのお仕事は、それと似ているんです。

なんで、そんな似た様なものが、もう1つ要るのでしょうか?

キーワードは、これです。



ポンピングロス



・・・って、なに?




これは、4サイクルエンジンの工程です。

左から、吸入→圧縮→爆発→排気 です。

注目するのは、「吸入工程」。

ポンピングロスとは、吸入工程で混合気を吸い込むのに使う力の損失です。

吸入工程では、混合気を吸い込みます。

混合気って、吸気バルブを開けても勝手に入ってこないんです。

ピストンが下がって発生する負圧で、吸い込むんですね。

この吸い込む力って言うのは、結構要るんです。

じゃあ、この力って、なにを使っているんでしょうか?

それは、エンジンで発生させたパワーです。

吸入で使う力を少なくすれば、エンジンはもっと効率よく使えるのです。

つまりは、燃費も良くなるんですよ。




例えば、ストローを使って、ジュースを飲むとします。

楽に吸えるのは、細いストロー? 太いストロー?

これは、太いストローですね。

断面積の大きい方が、小さな力で吸えるのです。


今度はエンジンで考えてみましょう。



ここでストローに相当するのは、インテークパイプとインテークマニホールド。

太いストローと同じ効果を得るためには、どうすれば良いでしょう?

断面積を大きくすることですね。

インテーク系は、部品としてついているので、変えられません。

っていう事は、断面積を大きくするには・・・・スロットルバルブを全開にする!


そうなんです! スロットルをいつも全開で使えば、ポンピングロスが小さくなり、燃費が向上するんです。

わかったよ、アクセルは常時全開にすればいいんだね!

・・・・って、それはいくらなんでも無理です。

スロットルは全開なのに、エンジン出力を下げるには、どうすれば・・・?

そうだ! 過給圧を下げればいいんだ!





はい! 話が戻ってきました。

これが、電制ウェイストゲートバルブを使う理由です。

アクセルはなるべく開けて、出力調整は過給圧で行う。

そうする事で、ポンピングロスを減らして、燃費を向上させる事が出来るのです。




これで、ダウンサイジングターボ with 電制ウェイストゲートバルブのコラボ誕生です。

「乾いた雑巾」とさえ言われていた、レシプロエンジン。

まだまだEVの前で、屈したりはしませんよ。

それにしても、これだけの事を、軽自動車のNBOXでやるのですから・・・

ホンダの本気度が、よ〜くわかります。
ブログ一覧 | ホンダ | 日記
Posted at 2017/09/14 11:47:39

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この記事へのコメント

2017年9月14日 12:27
こんにちわ!

ウエストゲートの電制化…
なるほどねえ!
ポンピングロスの削減って、エコランの辿り着く最後の関門ですね。分かっていても、どうすれば良いのか、その糸口すら見つかりません。
それを電制( ̄□ ̄;)!!
参りました…(汗)

幕張のゼロヨンに行くと、プッシャアァア、バッシューウウウといろんな音が聞けました。かっこよく思ったもんです(笑)イヤー、若かったなあ。
そういや、プッシュン・バルブなんて商品もありましたね(爆)
コメントへの返答
2017年9月14日 13:38
こんにちは。
コメントありがとうございます。

今後は、ターボこそエコランには必須アイテムになるかも、ですね。
過給により充填効率も高く、ポンピングロスも少ない。
なんだか、NAより燃費が上がるのでは?って、思えます。

新NBOXは、まだターボの方が燃費悪いです。
でも、ひょっとしてもっと過給圧を下げたら、逆転するのでは? って思えます。

やっぱり、ターボなのにNA並みのパワーじゃ、売れないですよね。
2017年9月14日 12:55
技術面って結構面白いものなんですね!
NBOXのターボに試乗したくなってきましたわ^ ^
コメントへの返答
2017年9月14日 13:45
こんにちは。
コメントありがとうございます。

ターボも時代と共に、大きく変わってきました。
同じ技術でも、使い方が全然違います。

例えば、ホンダ第2期F1時代の燃焼技術は、基本的にCVCCからの延長です。

「1滴のガソリンを、いかに無駄なく使うか?」という基本原理は、同じなんですよ。

そういえば、日本初の乗用ターボ車、セドリック/グロリア(430型)も、「省資源ターボ」というコピーでしたね。
2017年9月14日 12:56
こんにちは
メカに詳しくないですが
ワクワクしながら拝読しました
ありがとうございます
コメントへの返答
2017年9月14日 13:50
こんにちは。
コメントありがとうございます。

楽しんで頂けた様で、良かったです。
「技術的な内容を、いかに柔らかく表現するか?」思案した甲斐がありました。

ブログの感想で「ワクワク」という言葉を頂けたことに、大変嬉しくなりました。

ありがとうございました。
2017年9月14日 18:20
こんばんは~
図解入りでよくわかりました。ありがとうございます。
ダウンサイジングターボは電子制御のたまものなんですね。

たしか、国産車にターボをつけるにあたって、当時の運輸省が難色を示したので、「ターボは燃費改善の技術です」とごり押ししたと聞いています。
でも、実際にはパワーは出たけど燃費は良くなかった。
今こうして、本当に燃費が良くなるターボが出てきたことは、当時の技術者は喜んでいることでしょうね。
コメントへの返答
2017年9月14日 19:22
こんばんは。
コメントありがとうございます。

とかく日本では「ハイブリッドにあらずんば、エコカーにあらず」みたいなところがあります。
他にもダウンサイジングターボ、ディーゼルとか色々あるんですがねぇ。
まだまだ内燃機関にも伸び代がありますので、期待したいです(特にマツダの新エンジン)。

日産ターボも、セドグロから始まり、終わり間際でスカイラインとフェアレディZと。
当時はまだ、ハイパワーに対して風当たりが強かったですね。
2017年9月15日 9:51
おはようございます
逆訪問でございます( ^∀^)
一瞬、独逸の某F1PUメーカーネタかと思いました
電子ウエストゲートとか、たまに流れてくるワードだったので
読み解くのに、大変参考になります
で、ネタがホンダってのも、なかなかいいっすね
この辺が、市場還元技術の一つなら、嬉しいですが
まだまだF1も捨てたもんではないと思えますので
コメントへの返答
2017年9月15日 12:46
こんにちは。
いらっしゃいませ。
milky_takeさんの様な緻密な文章は書けていませんが・・・

ホンダF1でターボといえば、第2期のイメージが強いです。
ですが、そこでは燃焼についてのフィードバックはあったかもしれませんが、こういうターボの使い方というのは、そもそもなかったかと。

ということは、現在の第4期で開発し始めた技術の転用なのかなと、思っています。

F1の面白さでいうと、いろいろと課題のある現行PUですが、エンジン技術の未来を見せる意味では、十分に機能しているものかと思います。
2017年9月15日 12:33
こんにちは。
よく理解できませんが、スロットルを全開にするということはパワーを要する時。その時点でブースト圧を下げるということは単に過給圧を一定にして負圧に頼らない吸入をするということなのでしょうか。であれば、スロットルバルブ後に過給圧が常に掛かるようにすれば、直噴にして、インレットバルブなしでシリンダ孔を開け吸入できるような2STのようなのができないでしょかね。私が思いつくようなことなので、もうあるんでしょうけどね。
コメントへの返答
2017年9月15日 12:54
こんにちは。
コメントありがとうございます。
なかなか上手く説明出来ておらず、すみません。

ポンピングロス発生の原因が、実はスロットルバルブにあるのです。
ここで吸気経路を絞っているので、負圧が大きくなって、吸い込む力が大きくなってしまいます。

なので、理想はスロットルバルブレス。
それが出来なければ、常時全開にしておきたいのです。

スロットルが常時全開だったら、そもそもスロットルの機能を果たせなくなります。

そこでパワーのコントロールを過給圧で決めよう、という考え方です。
パワーの上げ下げ=過給圧の上げ下げでコントロールするのですね。

目指すところは、スロットルバルブレス、直噴で、パワー制御は過給圧(ターボならば)と燃料噴射量。

これって、実はディーゼルエンジンなんですよね。

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「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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