• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2021年08月27日

日本初のGT

日本初のGT 私は、この名前に憧れていました。

最初のクルマは、スカイライン ジャパンの4気筒モデル、TI。

通称「スカT」です。

スカイラインだったら、6気筒の方がカッコいいですよね、やっぱり。

スカG・・・なんともいい響きです。

そんなGT、その意味はGrand Touring carの略。

そのまんま直訳すると、長距離旅行車です。

遥か遠くまで、より速く快適に移動出来るハイパフォーマンスカー。

そんなイメージですね。

高性能なGTであれば、場所をサーキットに移しても、高いパフォーマンスを発揮出来ます。

レースカテゴリーでは、一般車ベースは「ツーリングカー」、ハイパフォーマンスカーは「GTカー」と分類されます。

現状のGTは、元々の長距離ツーリングカーと言うより、レーシングカーに近い高性能のクルマ。

そんな意味合いで解釈されています。


それでは、日本で初めてGTの名を冠したクルマは、なんだったのでしょう?

なんかむかし、この話はちょっとややこしいところがあって、実は2台あると聞いた事があります。

それはこの2台です。





スカイライン GT


この時、車名にはまだ「2000」の文字がありません。

第2回日本グランプリ参戦を目指し、100台限定のホモロゲモデルとして誕生したクルマです。

レース参戦に間に合わせる為、各部を急造して対応させています。

元々1500cc用だったボディを200mm延長し、無理やり6気筒を搭載。

当然、ボディは大幅変更を受ける事になります。

本来ならば金型を製作し、プレスして部品製作なんですが。

このクルマ、フェンダー等は2枚を切り貼りして、部品製作をしているのです。

タコメーターもメーターパネルは1500を流用(ただしスケールだけ変更)したので、インパネ上に別体で装備。

S54の代名詞ウェーバーキャブも、標準では1機、トリプルウェーバーはオプションです。

その為だからでしょうか、型式名は「S54A-1」となります。

そして、もう1台。





ベレット 1600GT


ベレット誕生の2年目に追加されたモデルです。

デビューの時から、ラックアンドピニオンのステアリング、4輪独立懸架と、他社より走りの性能を意識したクルマづくりをされた、ベレットセダン。

それらの機構はそのまま生かしつつ、さらにSUツインキャブでパワーアップ。

ボディもよりスポーティなクーペスタイルを纏ってきました。



さてこの日本初のGT、発表と発売で解釈が異なります。

日本で初めて発売されたGTは、ベレット。

日本で初めて発表されたGTは、スカイライン。

その様に言われています。

実際はどうなんでしょう?



まずは発売から。


ベレット 1964年4月28日

スカイライン 1964年5月1日


確かにベレットが3日早く発売されているので、ベレットが日本初で間違いないです。


続いて発表。


ベレット 1964年4月6日

スカイライン 1964年3月14日


これはスカイラインの方が、半月以上早くなっています。

その理由は、第2回日本グランプリ。

エントリーの締め切りが、3月15日だったそうです。

その為、そこまでには100台生産し、ホモロゲ取得が必須。

それらが無事クリアになり参戦が確定になったところで、発表となった様です。

なるほど、日本で初めて名を冠したのはスカイライン、そういう根拠だったのですね。


やっぱり言われている通りなんだなぁと、思っていた時、見つけた1枚の写真。





ベレット 1600GT誕生の前年、1968年の東京モーターショーのものです。

そこで参考出品されていた1台、それがこのベレット。

ナンバーを見ると「1500GT」とあります。

市販型では1600ccにスケールアップされましたが、試作時は1500ccでした。

排気量は違えど「GT」の名前は、既に使われているのが分かります。

この年のモーターショーは、1963年10月28日からの開催。

という事は、スカイライン GT発表の5ヶ月前に、いすゞは「GT」の名を冠したクルマを発表していたのです。

つまりは、発表もベレットの方が先だった、となります。

発表、発売もベレットの方が先なので、「日本初のGT」はベレット、という結論になりますね。



ところで「日本初」の判定に、なぜ発表と発売を別にして考えたのでしょうか?

この2台、「ベレG」「スカG」という愛称があります。

知名度が高いのは・・・スカGではないでしょうか。

ひょっとするとベレGの愛称は、スカGの名を受けて、後から名付けられたものかもしれません。

GTの代名詞的な存在のスカイラインが、日本で初めて発売されたGTではない。

それはちょっとどうなんだろう? と思う方がいたのかもしれません。

そこで先に発表されたスカイラインにも、もう1つの「日本初」を与えた、そんな背景があったのかな、と思います。


日本初のGT、いすゞでも賛否両論あったそうです。

「この名前では、どんなクルマかわからない」それも仕方ないかもしれません。

なんせ初めてなんですから。

GT=高性能車 このイメージを強烈に印象付けた立役者は、やっぱりスカイラインだったのでしょう。

第2回日本グランプリ、レースには敗れたのですが、賞賛されたのはスカイラインだったのですから。
ブログ一覧 | いすゞ | 日記
Posted at 2021/08/27 11:52:48

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

皆さん〜こんばんは🙋🏻今日は、 ...
PHEV好きさん

契約したモンスター796の件で準備 ...
エイジングさん

創業50周年!! 30%OFF!! ...
倉地塗装さん

体調管理を徹底しても勝てなかった・ ...
ナリタブラリアンさん

おはようございます!
takeshi.oさん

おせち超超早割
ベイサさん

この記事へのコメント

2021年8月27日 12:44
こにゃにゃちわわにゃ♪

オイラ的には圧倒的な知名度で「ベレG」にゃ。

何故かと言うと、流用カスタムパーツとして
ベレGミラー
ベレGアンテナ
が溢れていたからにゃwww

ベレットと言う車は見たこと無くてもミラーとアンテナはベレットGTから流用した物として中学生の頃から見慣れていた。
認知の仕方が変と言えば変なのですが、「最初のスカG」S54の存在を知ったのは成人してからだったにゃwww

だからスカGよりも1世代前の様な認識を持ってたベレGの発売日が僅か3日しか違わない事に驚きを隠せないカロンさんでした!(爆)

コメントへの返答
2021年8月28日 1:08
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ベレG、パーツ名から入っているんですね。
タルボ型ミラー、センターアンテナの名称に「ベレG」が付くと言う事は、ひょっといてベレットがそれらの元祖だったのかもしれませんね。
当時のいすゞが、他社とはちょっと違うクルマ作りをしていたからなのでしょうか。

そういえば、知名度では勝る(と思う)スカイラインには、「スカG○○」と言う部品はありませんね。
しいて言えば、特徴的なあの丸型テール。
あれはでも「ケンメリテール」であって、スカGテールとは呼ばれません。

当時いすゞが、独創的なクルマを作っていたから、こう言う部品名が付く事になったんでしょうね。
2021年8月27日 12:53
こんにちは。
また読み応えのあるブログでした。そもそも、なんでGTがスポーツ、レース向きなのか、世界初のGTは何なのか、そこが根拠?という疑問が生じました。自分で調べろよ、というよりくまさんの方が正確でしょうからいつかブログにしてください(笑)。まっ、いすゞ好きの自分としては日本初はベレGと信じてましたから。
ところで先日も出しましたが、Tiは自分の中ではGTの様な呼称だったのですが、くまさんに刺し殺されるかもしれませんが、(笑)スカイラインがその名を・・・あとは言えません。
コメントへの返答
2021年8月28日 1:25
こんばんは。
コメントありがとうございます。

前回のブログで、ベレットについて色々調べておりました。
すると、このGT起源の話が出てきまして。
そう言えば、ベレットとスカイライン、実際はどうなんだろう? と調べてみた結果が、今回のブログにありました。

なぜ、スポーツカーがGTと呼ばれるのか?
一番影響しているのは、FIAカテゴリーなんだと思います。
60年代当時、Gr 6, Gr7のプロトモデルは、スポーツカー。
それ以外の市販車ベースはGTカーと言った分類でした。
そこに合致させる為の少量生産したフェラーリのホモロゲ用市販車「GTO」なんてクルマもありますし。

世界初のGT、フェラーリなのかなぁと思っていましたが、違ってました。
GTの始祖、本来とは違う解釈のGTカー、調べ甲斐がありそうですね。

スカT、悪い車ではないんですよね。
当時はGTより回答性の優れた車だと、自分に言い聞かせていました。
フェラーリ流で言えば「スカイラインSWB」なんだと。

TIの名称で私が怒る様な事、何かありましたっけ?
2021年8月27日 14:28
流石、文系ゆーちゅーばー❗
今回も分かりやすく、為になる記事でありました。😄


コメントへの返答
2021年8月28日 1:35
こんばんは。
コメントありがとうございます。

残念ながら、動画配信はしていないのですが・・・

でも私のブログ、動画にしたらどうかなぁ?と思った事はあります。
はい、広告収入狙いで。
こんな私ですが、Youtubeのチャンネルがあります。
フォロワーさんも8000人ほど、いらっしゃるんです。
ですがアップ動画が古いCMという、いわゆる著作権侵害モノなので、収益は全くありません。
2021年8月27日 20:40
こんばんわ!
ブログを拝見しながら、そういや最近、GTってグレードが減ったなあと感じました。
オイラが免許を取ったころは、猫も杓子も状態だったのに。
ちょっと寂しい気もします。

その代わりに?近年よく見かけるのがRS。
この「RS]、最初につけたのは、1974年のシビックRSじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう?
世界的には、通称73カレラ、いわゆる911カレラRSが有名ですが、これは最初のRSじゃないんですね。
1970年のフォード・エスコートMark1RSなる車の存在は確認してます。
それ以前についても調べてみましたが不明。

さて、ここに登場した「RS」、その意味がすべて違うんですね。
恥ずかしながら、今日の今日まで知りませんでした(汗)
そこらの事も含め、文系カーマニアのくまとっどさんにつまびらかにして欲しいなあ、なんておねだりしちゃいけませんかねえ(笑)

ちなみに、オイラにとって一番印象に残ってる「GT]は、セリカ1600GTです。
コメントへの返答
2021年8月28日 1:45
こんばんは。
コメントありがとうございます。

昔は、GT、GL、DXとか、メーカーが違えどどんなクルマかは大体同じだったので、分かりやすかったですよね。
でも最近のグレード名は、由来がなんなのか?難解なものが多いです。
ヒエラルキーが分かりにくなる様にしているらしいです。

日本のRS、思いついたのはスカイラインですが、ありましたね、シビックにも。
ポルシェは有名ですが、最初はエスコートなんですね。
1960年代にRSグレードがあったのか? 
その頃はGTばかりだった様に思えます。

なるほど、RSの由来は三車三様ですね。
どれが正解とかはないのですが、流石にクラウンのRSは如何なものかと。
確かに略称はRSになるんですよね。

各社のグレード名、なんか調べると面白そうですね。
ネタになりそうな予感です。
2021年9月2日 8:17
なるほどな…

いすゞはあまり「初」にはこだわっていなかったのかもしれませんね

ますます自動車部門がなくなったのは残念

失礼いたしました
コメントへの返答
2021年9月2日 12:59
こんにちは。
コメントありがとうございます。

記録にはこだわらず、記憶に残る様なクルマ作り。
いすゞの乗用車って、そんな感じだった様に思います。

なくなってからわかる、あのいすゞの独自性。
私の知り合いで40代の方がいるのですが、いすゞの乗用車を知らなくて驚きました。
2022年5月14日 23:14
お疲れ様です。
古いブログに今さらなコメント すみませんm(_ _)m

やはりスカイラインは車好きにとって特別なのでしょうね!
ダートお馬鹿な私から スカイラインに纏わる蘊蓄をひとつf(^_^;
ジャパン(C210)Tiだからと卑屈になる必要はありませんよ!
箱スカの4気筒モデルは510ブルと同じ4気筒L型エンジンでしたから チューンすればそれなりの馬力を出しますし、長くて重い6気筒より 軽く短い4気筒の方がラリーストには好まれました。
実際 日本アルペンラリーには4気筒箱スカがエントリーしてますし、ジャパン時代にもラリーに出てたという話も聞きました。

話変わって・・・
RSですか?
私にとってRSといったら・・・VR-4RSが真っ先に浮かびます(爆)
VR-4RSのRSはラリースポーツの意味です。
以来 ランサーエボリューションもずっと競技ベースのRSはラインナップされてましたね!

またしても長々のコメント すみませんでしたf(^_^;
コメントへの返答
2022年5月15日 10:00
こんにちは。
わざわざ古いブログを読み返して頂き、コメントまでして頂けるとは、嬉しい限りです。
ありがとうございます。

うちのジャパンは、L18 NAPS車だったので、ほんと強烈でした。
これが後期のZエンジンだったら、かなり印象が変わっていたと思います。

スカイライン、ケンメリ前期あたりまではラリー参戦歴があります。
ケンメリは北海道のラリーで、優勝した事もあります。
当時のラリーは、ケモノ道か?の様な林道主体。
そこではショートノーズが効いてくるんでしょうね。
R30以降はボディが6気筒と共通になったので、RSでの参戦はありましたが、思う様な結果は出せなかったと思います。

箱スカからケンメリ前期まで活躍した理由。
実は4気筒エンジンなんです。
当時1800ccエンジンは、ブルーバード搭載のL18の他、スカイライン、ローレルに搭載されていたプリンス系G18がありました。
このエンジンが非常にパワフルだったんです。
ケンメリ後期からエンジン統合でプリンス系もL18となり、そのアドバンテージはなくなってしまいました。

三菱のRS。
コンペティションモデルの証ですね。
白いボディと黒いミラー、勝負の臨むストイックさを感じます。
そう言えば、同時期スバルもスポーツモデが「RS」でした。
あの会社「RX」と言う名前を使うのですが、なぜかレガシィ初期は「RS」。
なんでだろう?

プロフィール

「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

エコからオフ in 呉 追加情報 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/10/06 17:02:28
【告知】令和5年、那須合同ミーティング開催日決定♪  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/27 12:42:29
ダァ〜イアトーン♬ ポップスベスト10っ♪ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/03/14 12:53:29

愛車一覧

ホンダ N-ONE ホンダ N-ONE
2019年購入 インサイトが追突事故により修理不能となり、代替えしました。 購入候補 ...
ヤマハ YSR50/80 ヤマハ YSR50/80
1999年購入 当時RZ250Rに乗ってましたが、ビビリィな私、とても性能を使い切って ...
スバル スバル360 スバル スバル360
2019年購入。 ヘッドランプリングの黒塗装、大型のテールライトから、1968年の52 ...
スズキ ジェンマ スズキ ジェンマ
2017年購入 「購入」と言っても、物々交換で入手しています、スバル最中と。 友人がお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation