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イイね!
2021年05月13日

80年前の未来

80年前の未来 「こんな年は二度とないんだろうなぁ」 そう思っていた2020年。

まさか今年も同じ様なことになるとは、予想だにしていませんでした。

移動自粛で明け暮れた、2021年の5月。

そんな訳でこの連休は、ライブディオの公道復帰とネット三昧の日々でした。

出掛けられない不満もあったものの、珍しくうちでのんびり出来たのは、それはそれで良かったかも。

そんなある日、時々見ているピンタレストで、1枚の写真が目に留まりました。






えっ? なんだこれ?

クルマなんだけど、バスかな?

いや、窓が一切ないからトラック?

それにしても、今まで見た事がない様な、この斬新さ。

写真には、こう記されています。


Futurliner


確かに未来的な佇まいです。

それにしても、これってなんでしょう?






フューチャーライナーで検索すると、この名前が出てきました。


Parade of Progress


パレード オブ プログレスって?

ゼネラル モータースが1934年(なんと戦前!)から行っていた、技術展示会の事です。

そこでは、最新の自動車技術のみならず、電子レンジからジェットエンジンまで、多岐に渡る未来が紹介していたのでした。

それらの展示に、なくてはならない存在だったのが、このフューチャーライナー。

12台あったフューチャーライナーには、それぞれ技術テーマがありました。

科学、エネルギー、農業、都市構造・・・

フューチャーライナーは、言わば、走るパビリオン。

それらの未来像を紹介すべく、アメリカ全土、カナダを巡回していたのです。

パレード オブ プログレス、これはGM版 万国博覧会、そんな感じだった様です。






1936年から1940年まで、初代のイベント車は、この「ストリームライナー」。

なんと85年も前に、こんなクルマが10台近く連なり、全米でイベントやってたんですよ。

アメリカって国は、こんな凄い事をしていたのか!

そんな驚きを禁じ得ません。

そして1940年、2代目イベント車として誕生したのが、フューチャーライナーです。






ストリームライナーは、なんとなく理解が出来ます。

既存のトラックに対して、荷台部分を装飾し一体化したデザインなので。

ですがフューチャーライナー、過去の自動車からの繋がりを、あまり感じさせません。

当時の流行だった流線形をモチーフに、かなり自動車感にとらわれていないデザインをされています。

そのサイズは、全長10m、全幅2.4m、全高3.5m。

クルマ離れした大きな存在感が、鉄道車両の様にも見えます。

何と言っても、通常のクルマにある様なドアが見当たりません。

その車体構成は、一体どうなっていたのでしょう?






フューチャーライナーにも、当然ドアがあります。

ただそれは、見事にボディと同化しているのです。

ドアを開けると、そこには現れたのは、階段。

運転席へは、更に上がっていくのです。

しかもセンターコクピットで。

前期型はキャノピーになっていたので、より自動車感がありません。

ですが、さすがにこれでは暑過ぎたみたいで、後期型では写真の様に前面の曲面ガラスは残し、ルーフ部は鉄製の屋根に変更されました。

それにしても、こんなクルマが80年前に誕生していたなんて。

21世紀の現代より、余程未来的なデザインです。






現代のクルマは、単純なカタチだけでなく、それに技術的な裏付けを持たせてデザインされています。

ただ見た目がカッコいいだけではなくて、それによって性能面でもメリットが見出せる様にしなければならないのです。

例えば、空気抵抗係数を低減し、性能、燃費に寄与させるとか。

そういえばカウンタック、前面投影面積は小さいのですが、空気抵抗係数は決して小さくはなかったそうです(Cd 4.7とか)

しかも揚力も大きく、車速が上がるとフロント側に浮き上がってきたらしいです。

フューチャーライナーには、そういう縛りがなかった時代だったので、今より純粋に未来館の強いデザインが施されたのでしょうね。



このパレード オブ プログレス、1956年を最後に終了しています。

その後驚いた事に、フューチャーライナーは一般に払下げられたのです。

総製作台数12台、うちパレード中に事故で1台廃車になったりで、現在は9台が残っていると言われています。

そんな超希少な1台が、2006年、オークションに出展されました。

その時の動画が、こちら。






開始価格が50万ドル(約5500万円)。

それがみるみる上昇し、とんでもない価格で落札されます。

10万ドル単位で、どんどんせり上がっていきます。

庶民の私から見ると、その現実離れした金銭感覚が、逆に面白く感じます。

お金って、あるところにはあるんですね。






当時のパレードを紹介する動画もありました。

全体はちょっと長いのですが、これはフューチャーライナーを抜粋しています。

この映像に登場するのは、珍しいキャノピー仕様の前期型です。

こんなぶっ飛んだデザインのクルマ、一度は本物を見てみたいものですね。


80年前に生まれた未来のクルマは、現代のクルマと似ていないのは、なぜなんでしょう。
ブログ一覧 | よもやま話 | 日記
Posted at 2021/05/13 11:00:19

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この記事へのコメント

2021年5月13日 16:09
こんにちわ〜♫

流線型に激しく反応してしまいました。。。😎

「ストリームライナー」、美しい響きにかっこいいボディワーク。。。
これGMと関わりの深いフィッシャー(Fisher Body)製のボディを換装していたと記憶しています。。。
確か今ではGMに吸収されて一部門になっているようです。。。

その昔唯一GMが自社製造の飛行機P75を作った時、同じくGM傘下のアリソン社にエンジン(W型24気筒2600PS!)を作らせ、機体はフィッシャー製という組み合わせでした。。。結果は失敗作でしたが。。。💦

まぁ、そういう意味で空力に対応する流線型車体などは、グループ内で内製できたようですね。。。😎


コメントへの返答
2021年5月13日 17:42
こんにちは。
コメントありがとうございます。

言葉足らずで、すみません。
「ストリームライナー」はブログ中央付近にある、モノクロ写真のクルマです。
これはグリル、ライト付近に自動車感があります。
それ以外のカラー写真のクルマは「フューチャーライナー」です。

GMで飛行機を作っていたとは、知りませんでした。
P75、検索しました。
細くて長い、カッコいいデザインです。
登場が1943年と、正にフューチャーライナーと同時期。

なるほど、このフューチャーライナーと同じデザイン部門が、手掛けていたのですね。

飛行機から繋がる流線形ボディ。
未来感のあるデザインなのにも、納得がいきます。
2021年5月13日 17:38
こんにちわ!

ストリームライナーを見た瞬間、何故だか「トムとジェリー」を思い出しました。
そのトムとジェリーも最初の作品は1940年!
WWⅡ真っ只中でも、娯楽作品を作っていられるゆとりがあったんですねえ(汗)
まさしくドリーム!!

が、時は流れ・・・
世の中が、生産性や安全性、効率、マーケティングなどに支配されるようになると「夢」が切り捨てられていったように感じます。
製品としては文句のつけようがないほど良くなっているのに、ドキドキ感・ワクワク感が無いっていうのかな。
昨今の若者の車離れも、そのへんが多少影響してるのかも。

にしても、すっげーデザインとゆとりですなあ。
コメントへの返答
2021年5月13日 17:53
こんにちは。
コメントありがとうございます。

すみません、誤解を招く表現で。
カラー写真のスッゴイクルマ、「フューチャーライナー」って言います。

このデザインもそうですが、誕生時期もビックリの、1940年。
かなり不穏な空気が、漂っていた頃ではないでしょうか。

そんな時期に、新技術展示と流線形のフューチャーライナー。
しかもハリウッドでは映画も撮っているなんて、とても勝負してどうにかなる国じゃないですよね。

ディノ246、フェラーリP3の様な、美しい曲面デザインの1960年代。
スーパーカーブームがあった、1970年代。
この頃までは、もっとデザインが純粋だったと思います。

それが1980年代になって、「cd値」なんて言葉が出だした頃から、美しさの他に理論武装する様になったのではないでしょうか。

今はどちらかと言うと、感覚よりも理論なのかと。
ルマン3連覇を成し遂げたトヨタ TS050って、速いんだけど美しいか?となると、ちょっと・・・なんですよね。
2021年5月13日 17:55
アメリカ人のやることは規模が違いますね。

広大な土地に点在する街でいろんなものを宣伝するのに、いちいち会場を設営するよりパビリオン自体を移動式にして、かつ移動時も宣伝に使うとは。。。

流線型が流行った頃のデザインって好きです。
まんまロケットみたいなデザインもありました。
コメントへの返答
2021年5月14日 8:24
おはようございます。
コメントありがとうございます。

このパレード オブ プログレス、20分くらいの紹介動画があります。
ただクルマで出掛けて展示する、それだけじゃないんですね。

フューチャーライナーが数台入る様な大型テントを、大した設備もない中で設営しています。
ツアー中は、これを数日毎にやっていたんでしょうね。

このイベントが終了したのは、テレビが普及したから、なんだそうです。
やっぱり凄い労力がひつようだったのでしょうね。

上のavot-kunさんから頂いたコメントで、同時期にGMが飛行機(戦闘機)を開発していた事を知りました。
同じ部署が担当されていた様なので、フューチャーライナーはその影響を受けているんでしょうね。
2021年5月15日 12:46
こんにちは
「ストリームライナー」って何故かアメリカのトレーラーハウスだと思ってました。こんなんだったんですね。にしてもフューチャーライナーなんて夢のある車ですね。イベントもさぞ楽しめたことでしょう。そして、これらが極端な話竹やりで飛行機を落とそうとしてた国があった時代からの話なのは驚きです。アメリカでは、戦争をしてた事(WWⅡ)を知らなかった人たちがいたって聞いたことがありますが、強かった時代のアメリカを物語ってるような気がします。
 
コメントへの返答
2021年5月15日 22:56
こんばんは。
コメントありがとうございます。

そうなんです、この話が戦前だっていうのが、ほんと驚きです。
一企業のGMが技術博をやったり、ハリウッドでは普通に映画撮影していたり。
なんなんだ? アメリカって? そんな気持ちです。

なるほど、アメリカ人が戦争を知らないっていうのは、昔すぎるからではなくて、そもそも日常に戦争感が薄かったから、そういう事なんですね。

モーターショーでもトラックのコンセプトモデルがありますが、斬新とか美しいとかではなく、イカツイのが多いのはなぜなんでしょう?

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「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
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