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2021年08月19日

いすゞプラザ企画展  チャレンジング スピリッツ

いすゞプラザ企画展  チャレンジング スピリッツ 先月まん延防止処置の中、細心の注意を払って行きました、いすゞプラザ。

もう1つの目的は、この企画展でした。






ISUZU challenging spirits


いすゞが今まで数多あった技術的局面を、いかに克服してきたのか。
その数々を紹介しています。

今回の注目点、それはいすゞプラザで初出展されるものがあったのです。

その存在は知っていましたが、やはり実物を見ておきたいと足を運んだのでした。






いすゞ P799WE


1990年完成、3493cc V型12気筒エンジンです。

このスペックを見て、お気付きになる方もいらっしゃるでしょう。

これは、当時のF1エンジンレギュレーションに合致させたものです。

いすゞがF1参戦を画策していたのか?

残念ながらそうではありません。


いすゞと言う会社。

117クーペでは、当時は希少な1600cc DOHCエンジンの搭載。

また日本初になる電子制御式インジェクションも、同じく117クーペで採用していました。

いすゞは自動車用エンジンは言うに及ばず、古くから建機、発電機等の産業用エンジンの開発、販売も手掛けています。

エンジンに関しては、並々ならぬ自信があったのです。

そんなエンジン技術を集大成させたら、自社の技術はどのレベルにあるのか?

それを証明すべく、わずか4人でスタートさせたのが、このV12エンジンプロジェクトです。

スペックは以下の通り。






3492cc 75度V12
765ps/13500rpm
158kg


当時のホンダF1 V12エンジン、RA121Eと比較をしてみます。

馬力では、実に30psもホンダを上回っています。

重量は僅かに4kg増です。

実は高いポテンシャルが秘められているのではないか。

そんな期待が持てるエンジンです。

このP799WE、初めて本物を見ました。

さすがはV12、結構デカいです。

バルブ挟み角も、ストレートポートの理念が反映されてか、小さくなっています。

ですが現代のエンジンと比べると、まだヘッド周りは大きいですね。

それ故に、非常に存在感があります。

1991年当時のF1は、ピークパワー狙いのV12から中低速重視で軽量なV10へ、移行し始めています。

でもやっぱりエンジニアの夢は、イーブンファイアリングで澄んだエキゾーストサウンドのV12が良いんでしょうね。

このエンジンについては、以前プログで紹介しましたので、そちらもご参照のほど。

そちらには、ロータス / イスズの走行動画もリンクしてあります。

これほどの完成度を誇っていたならば、1度は実戦で見たかったですね。






ベレット GTX

ベレット GTRの元になったモデルです。
搭載されたエンジンは、117クーペ用の1600cc DOHC G161W。
ノーマル120psだったものを、160psまでチューンされていました。
レースデビューは、1968年。
1969年の鈴鹿12時間耐久では、総合優勝しています。
当時のライバルは、この2台。






トヨタ 1600GT

「コロナ」ではありません。

「トヨタ」の1600GTです。

ベレットと同じ、1600cc DOHCの9Rを搭載。

ノーマル110ps、レース仕様では150psと、まさにベレットとはガチのライバルです。

そういえばトヨタ1600GTも、最初は「トヨタ RTX」の名で参戦していました。

プロトで実戦投入し、熟成後は市販車へ。

その辺りもベレットと似ています。






スカイラインGT


プリンス時代に製作された、元祖「スカG」です。
4気筒1500ccのエンジンルームを切断、延長し、6気筒2000ccを押し込んでいます。
2000cc 6気筒のG7は、ノーマルで125ps(S54B)、レース仕様は150ps。

この3台、ほんと性能が拮抗していたのです。

レースで鍛えられた、ベレット GTX。

満を持して1969年、ベレット GTRと名を変えて市販されます。

プロトクラスから市販車クラスに変更となった、GTR。

実はいすゞワークスは、GTRで参戦していないのです。

それは何故か?






スカイラインが、S54 2000GT-BからC10 GT-Rへ進化してしまったからです。

相手は2000cc DOHC。

ノーマルでも160psを誇ります。

ベレット GTRの1600CCでは、もう太刀打ち出来なくなっていたのでした。




ところで、ベレット GTX。

私の印象と、なんか違います。






初めて見たのは、ドライバー 1980年 1-20号。

この本で特集されていた、いすゞ DOHCパワーの記事です。






ここでベレット GTXが紹介されていました。

特徴的なのは、リアフェンダーに設けられたエアダクト。

リアデフ冷却用に取り付けられたそうです。

これが最初の写真にはありません。

もしかすると、この青いモデル、最終進化型なのかもしれません。






今回の展示車両です。

グリルが後期型なので、GTXではありません。

正確には「GTR」表記ではなくなった 「GT type R」がベースの様です。

さすがにGTXは現存しないのかぁ・・・

でもGTX、実はレース参戦終了後にも現存していました。

ドライバーに掲載された、青いモデル。

記事によると、栃木いすゞでレストアされた、とあります。

という事は1980年には存在していた事がわかります。



さらに調べていくと、驚愕の事実が!

しかもそれは、みんカラのブログにありました。

ベレットGTXが走行可能状態で存在している、という記事です。

写真を見ると、ヘッドライトの有無や、ステッカー等が、栃木いすゞ車とは違います。

ですがリアフェンダーに貼られた、年代の合っていない2代目いすゞエンブレムは同じです。

このブログの作成は2012年。

8年だったら、GTXは今も現存しているのではないか? と期待が持てます。

もしもGTXが現存していたならば、このクルマはいすゞにとって歴史的遺産級。

個人でコレクションする範疇を、もはや超えている様な気がします。

今はいすゞプラザもあるので、公の場所で展示されるに値するクルマだと思いますが、今はどうなっているんでしょうね。
ブログ一覧 | いすゞ | 日記
Posted at 2021/08/19 10:56:13

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この記事へのコメント

2021年8月19日 12:51
こんにちは
 P799WE は何故かTAMIYAにあるって雑誌にあったような。コンセプトカーのCOMOもこれでなかったかな?4200Rと違ってとても市販しようとしてるものには見えなかったけれどね。
 GT-RとかTipeR、GTーXの呼称が他メーカーの車が脳裏に浮かぶ人が多いんでしょうね。因みにZZ/Rなんか川崎のバイクの方を思い浮かべる方が多いかと。
コメントへの返答
2021年8月19日 13:00
こんにちは。
コメントありがとうございます。

P799WE、タミヤにありますよね。
年1回だかタミヤ本社を公開するイベントがあるので、その時に見られた様です。
このエンジン、もしかしてタミヤのものなのでしょうか?
エンジンの製作は複数機あったそうなので、ひょっとしていすゞ保管分?

グレード名は、商標で押さえたりはしないんですね。
日産では恐れ多くてなかなか付けられなかった「GT-R」も、トヨタでは普通に使っていたりしてましたし。

ベレット GTXが、もし現存していたら凄くないでしょうか?
ネットで検索すると「いすゞワークスベレット」と書かれていても、なんか怪しいクルマも多数ありますし。
本物のGTX、是非見てみたいものです。
2021年8月19日 20:44
いすゞの作ったF-1エンジンがバワーでホンダに勝っていたなんて知りませんでした。

ホンダ参戦の最後の年。
勇姿を観たかったですが、大方の雰囲気で何となく察してはいましたが、開催が流れました。。。
先月のミニバイクレースでさえ、えんとらんとには事前の2回の体温測定と自己診断チェックなど導入し、さまざまに対策を練ってたんでしょうが、非常に残念です。

8耐までも。。。
コメントへの返答
2021年8月20日 1:07
こんばんは。
コメントありがとうございます。

いすゞエンジン、これだけ作り込んでおきながら参戦予定なしで終了。
ちょっともったいない気がします。
パワーで勝るいすゞでしたが、「速さ」と「強さ」は別物。
いかに強くしていくか、そこは実戦を重ねていくしかないのでしょう。

今年の中止は、本当に残念でした。
無観客はどうだったんだろう?
それよりも海外からの参戦メンバーを、どう管理するのか?
それが難しかったのでしょうかね。
2021年8月26日 7:59
こんな歴史があるとは知りませんでした!

ベレット恰好いいですよね!(当時うちはトヨタでしたが…)

自分の友達のお父さんがいすゞマンだったので、

117とかも乗ってましたね…

失礼いたしました
コメントへの返答
2021年8月26日 14:21
こんにちは。
コメントありがとうございます。

今の若い人(40代くらいでも)は、いすゞが乗用車生産していた事を知らない人が大半です。
大ヒット作はあまり多くないですが、クルマにこだわり持つ人が選ぶブランド、そんな印象がありました。

117クーペと言えば、初期のハンドメイドモデルは言うの及ばず、量産型でも高級車の部類に入るクルマかと思います。
さすが、いすゞマン。
やはり良いものを選ばれるのですね。

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「@中島乗り さん このクルマ、車名が変ったり記号になったりで、詳細が覚えきれません。」
何シテル?   05/13 12:53
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

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