
私がバイクの免許を取ったのは、19歳の時。
免許取得後、最初にこれを買いました。
RZ250RRです。
とは言っても、見ての通り、かなり曰くつきのものです。
友人が解体屋から買ってきて乗っていたものを、安く譲ってもらいました。
元々が事故車なもので、カウルはなし。
若干インナーフォークも曲がっていました。
仲間うちでは「ショートホイールベースのハンドリングマシン」なんて呼ばれていたりも。
でも普通のRZ-Rと違い、フレームマウントのライトが、ちょっとカッコいいかなと思っていました。
これが人生1台目の中型バイクですが、その前にもバイクに乗っています。
「教習所」という限られた空間で。
いわば0台目のバイクですね。
教習所へ行ったのは、1986年。
最初の教習で、これに乗りました。
CB125Tです。
125cc 空冷2気筒。
コムスターホイールを履いた、最終型でした。
それまで、私はRX50に乗っていました。
なので、クラッチ、ギアの変速などの基本操作は出来ています。
排気量は大きくなったとはいえでも、基本操作は同じなのでなんとかなるだろう。
そんな思いで、CB125Tに跨ってみました。
エンジンを始動し、クラッチを握り1速へ。
アクセルを開けると、うわぁ!凄いレスポンス。
無事エンストせず発進出来たものの、定速時はずっとギクシャク。
僅かな右手の動きに、空冷2気筒が過敏に反応します。
細かい加速、減速を繰り返していて、ずっと前後に揺れているんです。
2ストのRXは、こんなにギクシャクしません。
4ストって、こんなにも乗りにくいんだ、そう思いました。
どうにかこうにか、小型での体験教習を終え、いよいよ次は中型。
400ccのバイクです。
125でこんなに苦労したから、400なんていったら、とんでもないシロモノなんじゃないか。
乗る前から、不安に駆られていました。
そして対面した、400ccの教習車。
CBX400Fです。
今やとんでもない高値がついた、名車中の名車。
教習車は市販車と全く同じだと思っていました。
ですが、僅かながらアップハンドルだったみたいですね。
早速跨ってみると、やはり空冷4気筒はデカい。
確かに重いのですが、重心が低い感じで、それほど気になりません。
足つきも悪くはなかったです。
CB125T同様、エンジンを始動し1速へ。
そろりとスタートします。
排気量が大きくトルクがある為か、楽に発進が出来ました。
アクセルを開けた時の加速も、スムーズです。
さすがはホンダの4気筒。
定速時も、あまりギクシャクしません。
スロットルレスポンスが、穏やかです。
決して鈍いのではなく、過敏でもないのです。
CB125Tはキャンキャン吠える小型犬だったのに対して、CBX400Fは穏やかな性格の大型犬みたいかな。
そんなCBXで外周路を周回。
パワーがあるのに穏やかな乗り味です。
あのCB125Tは、なんだったんだ?
CBX400Fって凄いバイクなんだなぁと思わされました。
コーナーも楽々です。
アプローチでアクセルを戻し、バイクなりに傾けた後、立ち上がりでアクセルを開けるだけ。
実にスムーズで、気難しいところがありません。
好印象を決定付ける事が、次にありました。
8の字旋回。
教官はかなりのハイスピードで、手本を見せてくれます。
これを私にやれと?
またまた不安に駆られながら、1速に入れてスタート。
2速にシフトアップしてから、旋回が始まります。
体をコーナーに合わせて傾けると、あれ? すんなり曲がる。
曲げながら、妙な修正がほとんどありません。
だんだん慣れてくると、体重移動とスロットルの開閉できれいに旋回します。
もっと言ってしまえば、視線を向けた方向に、CBXは何事もなく進んで行ってくれるのです。
ひょっとして、私って天才?
そう勘違いさせるほど、CBXは非常に乗りやすいバイクでした。
そんなCBXで教習を続け半分を過ぎた頃、新しい車両へ変更となりました。
CBR400Fです。
空冷4気筒なのは、CBXと同じ。
これにはバルブ数の可変機構「REV」が搭載され、10psもパワーアップ。
もっとも、教習車では作動しないらしいのですが。
でもパワーアップしていた様には、感じました。
加速はCBXより速かったと思います。
その後臨んだ、一本橋。
あれ? フラフラして全然上手くいきません。
パワーがあり過ぎて、トルク変動が大きい?
スロットルレスポンスが過敏?
どちらでもないみたいです。
果たして・・・?
走らせているうちに、段々違和感が出てきました。
この教習者仕様、ハンドルが変更されています。
かなり高くなっているのです。
これが原因かな?
ハンドルが高くなることで、前傾量が減少。
その影響で、前輪の接地荷重が少なくなったのかな?
それに、よく見ると前輪もCBXとは違います。
CBXの18インチに対して、CBRは16インチです。
回頭性が良くなる小径ホイールですが、逆に安定感は減少します。
このあたりが、フラフラの原因なのかもしれませんね。
別の日に、教習車がCBXに戻りました。
久しぶりに挑む、CBXでの一本橋。
あっ、フラフラしません。
やっぱり、この前輪とポジションの違いが、影響している様です。
免許のない小僧でも楽しく旋回させられるCBX。
この乗りやすさは、さすがに名車と言われるだけの事はあるなぁと、感心しました。
有り余るパワーを御して乗るのも、バイクの魅力のひとつです。
ですが、息をするかの如く無意識に扱えるのも、魅力のひとつでしょうね。
もうCBX400Fは手の届かないところに行ってしまいました。
後継のCB400SFには現役の教習車でもあるので、あのCBXの様な乗り味が再現されているのではないかと、予想されます。
もし、私が最後のバイクを選ぶのであれば、CB400SFはその候補の1台になっています。
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Posted at
2020/10/30 10:24:52