• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2022年07月15日

初代ブルーバード

初代ブルーバード なんだか、まただいぶ開いてしまいました。

異例な短さで開けた梅雨、そして連日の酷暑。

エアコン使用もままならない赤貧のわが家において、熱帯夜のブログ作成は苦行以外の何物でもなく。

そうして惰眠をむさぼる内に、書かない事が日常化。

このままでは、貴重な試乗体験も忘却の彼方となりかねない。

ここは一念発起、記憶を反芻しつつ、書き記していきます。

ちょうど涼しくもなった事ですし。




先月の名古屋遠征、2つ目の目的地は、岐阜県可児市。

こちらのみん友さんとも、2年振りの再会です。

ここでも貴重なクルマに試乗させて頂きました。






初代ブルーバードです。

それまでは、商用車も乗用車も同じブランドの「ダットサン」。

ですが、よりキャラクターを明確化すべく、乗用車には「ブルーバード」という名を冠し、別の道を歩ませる事になるのです。

(そうはいっても、それ以降もかなり近い関係ではあるのですが)






このモデルは2度のマイナーチェンジを経た、312型。

そのテールライトの形状から「タケノコ」の愛称を持つモデルです。

年式は1961年と、私よりも少し先輩。

近々手放されてしまうそうなので、その前にと試乗させて頂きました。






車内に車体番号のプレートがあり、生産工場が記されています。

そこに刻まれた工場名は、吉原工場。

静岡県富士市にあったのですが、現在は日産の工場ではありません。

完成車工場の後に、日産のAT工場となり、現在はミッションメーカー、ジャトコとなっています。






足元にある、このスイッチ。

この当時のクルマには、少なからずありました。

名称は、ディマー スイッチ。

ヘッドライトのハイロー切替を、レバーではなく足で操作していたんです。






シンプルなインパネ周り。

今とは衝突基準が異なるので、クラッシュパッドなしの鉄板剥き出しです。

そして当時は一般的な装備、コラムシフト。

前進3速とちょっと寂しい感じもしますが、当時はこちらの方がスマートだと言われていました。






エンジンは、1200cc 4気筒 OHV 55ps。

コストに優れたカウンターフロー式です。

さすがにサイドバルブではありません。






それでは、試乗に出発です。

まずはエンジン始動。

インパネ下にあるキーを捻り、セルを回します。

今のクルマと同じです(最近はスターボタンの方が多いかも)

ですがこのブルーバード、セル以外の方法でもエンジン始動出来ます。

それが、このナンバープレート上にある穴。

ここからクランク棒を入れて、手動でエンジンを回せば始動出来ます。

このクランク棒の穴、なんだか旧日産のマークみたいですね。



アクセル、クラッチのべダル類は、ちょっと重め。

これは、すぐに慣れます。

ちょっと困惑したのは、ステアリング。

ヒューマンパワーステアリングなのは重々承知していたのですが、大径ステアリングとスローなギアレシオには、ちょっと面食らいました。

交差点を曲がる時には、かなり多めのハンドル操作を要します。

ちょっと忙しいかも?と思えど、これもすぐに慣れました。






走り出して、気付いた事。

シフトチェンジ時に、一切の引っ掛かりがありません。

旧いクルマはとかく、シンクロ劣化によるギヤ鳴りや引っ掛かりは、つきもの。

でも、このブルーバードにはありません。

最近ミッションオーバーホールをしたという訳でも、ないようですし。

という事はこのミッション、かなりシンクロ容量が大きいのかも。

初代ブルーバードと言えば、日本初のフルシンクロミッション。

グリルにはエンブレムが、誇らしげに光っています。

なにぶん日本初の技術なのだからと、とにかく良いものを。

そんな気概が現れたミッションなのかもしれません。






もう一つ気になった事。

タイヤは轍を拾って小刻みにブレている様なんですが、それがハンドルに伝わってきません。

路面の状況が、ハンドルからは分かりにくいのです。

そう言えばこの時代、ステアリングギアはボールナット式が主流。

この機構はギヤ比を大きくして操舵力を小さくし、また路面からのキックバックを伝えにくい特徴があります。

このキックバックを伝えない、昭和30年代当時は非常に大事な意味を持っていたのです。

当時は国道とは言っても、未舗装が一般的で穴ぼこだらけ。

そんな道を現代の様なラック&ピニオン車で走ると、強烈なキックバックに襲われ、直進もままならない状況になりかねません。

そこで当時はボールナット式を使って、ハンドルが取られにくくしていました。






このクルマ、アンテナは左前のフェンダーに収納されています。

ラジオを聴こうとアンテナ先端を掴んで引っ張っても、アンテナは出て来ません。






実はアンテナ、ロックがされているのです。

根元のスリットにキーを差し込むと、ピョコっと出て来ます。

これは当時、アンテナを引き出されては折られる、そんなイタズラが横行していたそうで。

それを予防する為に、ロックが掛かっているのだそうです。



初代ブルーバード、試乗後の感想は「普通のクルマ」でした。

街中では必要にして十分なパワー。

それに驚かされた、強力なフルシンクロ。

3速までしかないミッションとか、エアコンがなくて暑いとか、言い出せばキリががありませんが、60年以上前のクルマなのに、普通に乗れます。

一般道だったら300km離れた群馬まで帰れるかも、そんな気もしました。

ブルーバードにおける「技術の日産」と言えば、やはり510型。

それ以前のブルーバードはまだ過渡モデルなのかな、そんな印象でした。

いやいやブルーバード、初代から「技術の日産」してましたね。

そういった技術で築き上げて来たのが、ビフォーゴーンの日産自動車。

あれから20年余り・・・。

もう戻れる事は、ないんでしょうね。

旧い日産車と接して、なんだか寂しくなってしまいました。
ブログ一覧 | 日産 | 日記
Posted at 2022/07/15 10:41:58

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

今日のまゆげ😺いつまでこんなに暑 ...
天の川の天使さん

ラーメン!
レガッテムさん

いつもの夏バテダウン(⁠*⁠_⁠* ...
M2さん

創業50周年!! 30%OFF!! ...
倉地塗装さん

最近思うこと
ゆぃの助NDさん

今日は成田に宿泊
空のジュウザさん

この記事へのコメント

2022年7月15日 12:54
こにゃにゃちわ♪

オイラの1つ上のお兄ちゃん車www
61歳とは思えない綺麗な個体ですね?
1200ccのエンジンと画像を見て思わず
?A型??と思ってしまいましたがA型は
1966〜、WikiってみたらE1型とありました。
E??E型と言えばA型の後継としてFF様に開発されたE13,15型しか知らなかったにゃwww
しかもエンジン画像見るとどう見てもオルタネータ(交流発電機)ではなくダイナモ(直流発電機)ですよね?
更に、A型ではオルタとオイルフィルターの間に
立つデスビが無い!
デスビは何処だ〜〜!!(爆)

画像1枚で楽しめましたにゃ♪
コメントへの返答
2022年7月15日 16:00
こんにちは。
コメントありがとうございます。

時代的に発電機はダイナモでしょうね。
スバル360もダイナモです。

点火プラグ、まさか全気筒同時点火?
旧い2スト2気筒バイクだとありましたが、クルマではないだろうなぁと。
他の写真を見たら、オイルフィルターの後ろにありました。

E型エンジン、私もPSEエンジンと呼ばれたパルサーを思い出しました。

この前、ぽんぽこさんに聞いたのですが、初期型パルサー、前期A型搭載車は、エンジン、ミッション2階建てのイシゴニス型、後期E型搭載車は、横並びのジアコーサ式と、全く違う方式なんだそうです。
外観は同じなのに全然違うとは、驚きです。
2022年7月15日 20:25
こんばんは〜

ハイロー切り替えのフットスイッチ
キー式アンテナポップアップ
どれも懐かしいです。

我が家に初めてやってきたクルマがこのブルーバードでした。
しかもこれより前の正真正銘の柿の種テールでした。
マスクもウインカー独立のダットサングリルでした。
フロントバンパーのナンバープレート上あたりにクランクハンドルの挿入用の穴が開いてましたよね

もちろん新車で買えないので中古車でした。

一枚くらい写真があったような覚えがあります。
見つかればアップしますね
コメントへの返答
2022年7月16日 9:45
こんにちは。
コメントありがとうございます。

お家のクルマがブルーバードだったんですね。
ブルーバードの記憶と言えば、生後3ヶ月で乗せられた初自動車が、410バンだったそうで(記憶になし)。
510は、うっすら記憶にあるレベルです。
足踏みディマー、クランク棒装備の312は、ひと世代前の印象です。

先ほど確認したら、310と312はグリルが違うんですね。
テールライト以外に識別点があるとは、知りませんでした。

そう言えば、うちの近所にありました。
ずっとダットサン トラックだと思っていたのですが、あの金文字の「full」エンブレムに見覚えがあるので、実はブルーバードだったのかもしれません。
2022年7月16日 10:47
今日は。

暑さに耐えながらの移動の日々。最近、少しだけ気温下がり、ホッとしております。

”竹の子”愛称のフォルム。
なにやらプレス工程の暖かさが伝わってくる”ふくよかさ”。
惹かれる訳、にじみでていらっしゃいます。

通りすがり。田んぼの中の地域ダイハツ販売店さん。
建替えられたショールームの一等地に”オート三輪”鎮座されています。やはり、丸み帯びた造形、惹かれてしまいます。

ポーターキャブの三角窓とベンチレーション懐かしくなる季節。
酷暑時でも、早朝や夕方以降の自然風、心地よかったこと思い出させてくれます。

”暑さ”、お気をつけてお過ごしください。
コメントへの返答
2022年7月17日 3:22
こんばんは。
コメントありがとうございます。

昭和30年代のクルマは、現代の生産手法で考えると、不思議な形状が多いです。
例えばこのブルーバード、左右フェンダーとフロントパネル(グリル周り)が一体です。
おそらく3つのプレス部品を溶接で繋ぎ、その接合部を仕上げて消しているのでしょう。
今、こんなデザインをしたら、間違いなく怒られるでしょう。
デザインが個性的なのは、それを達成する為に、手間暇を惜しんでいないからなのかと思います。

ミゼット、ポーターキャブ etc
昭和のクルマは穏やかな顔をしています。
なぜ今のクルマは、威嚇する様なデザインばかりになってしまったのでしょうか?
残念でなりません。

プロフィール

「@中島乗り さん 片山さんって、渡米前から有名人だったんですね。」
何シテル?   08/21 21:22
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

エコからオフ in 呉 追加情報 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/10/06 17:02:28
【告知】令和5年、那須合同ミーティング開催日決定♪  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/27 12:42:29
ダァ〜イアトーン♬ ポップスベスト10っ♪ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/03/14 12:53:29

愛車一覧

ホンダ N-ONE ホンダ N-ONE
2019年購入 インサイトが追突事故により修理不能となり、代替えしました。 購入候補 ...
ヤマハ YSR50/80 ヤマハ YSR50/80
1999年購入 当時RZ250Rに乗ってましたが、ビビリィな私、とても性能を使い切って ...
スバル スバル360 スバル スバル360
2019年購入。 ヘッドランプリングの黒塗装、大型のテールライトから、1968年の52 ...
スズキ ジェンマ スズキ ジェンマ
2017年購入 「購入」と言っても、物々交換で入手しています、スバル最中と。 友人がお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation