• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2025年01月15日

モータースポーツ専用のZ

モータースポーツ専用のZ 2024年の桐生に出展されていました。

初代フェアレディZ S30です。

やっぱりスポーツカーは、華がありますよね。

このZには珍しい事に、モンテバンパーが付いています。





このバンパー、S30がモンテカルロラリー参戦時、4連補助灯を装着する為に作られたものです。

ワークスラリーカーの装備ですが、当時は大森(現ニスモ)でも販売されていたそうです。





エンジンはS20、という事はZ432ですね。

当時日産最強エンジンのS20ですから、それをZに搭載するのも当然かなと。






あれ? このZ、窓にキズがあります。

普通はガラスなので、キズは付かないのですが・・・





えっ! このボンネット、FRPだ。

まさか・・・このクルマって・・・






タダのZ432じゃない! Z432Rだ。

Z432Rは、一応カタログに掲載されている市販車でした。

ですがカタログにはレース、ラリー専用車の為、スペック等は記載は一切なし。

謎多きクルマでした。

そんな特殊用途車両なので、こんな逸話が・・・

購入時にサーキットライセンスの提示を求められるとか・・

車両登録をしない(ナンバーを付けない)前提で販売とか・・

そんな訳で、Z432Rはほぼ現存車両がない、幻のクルマと言われていたのです。


Z432Rですが、30年くらい前、雑誌で現存車しかもナンバー付きがあるらしい? との記事が出まして。

調査の結果、栃木で発見されたというのを覚えています。

とは言え、まさか他にも現存車があったなんて、驚きです。


Z432とZ432Rが、決定的に違うところ。






それが、このエアインテークとコラムカバーのキー穴です。

エアインテークは、レースでは使用しないとの事で、穴が空いていません。

コラム横のキーシリンダー穴も、レース仕様車にハンドルロックは不要なので、ここにも穴が空いていません。

もしレプリカを作るにしても、ここまでは普通やらないでしょう。

と言うか、これは量産時に工程抜きをして作るので、後からは出来ません。

なのでこれは、Z432Rだと思います。






Z432Rは軽量化の為、外板が薄板へ変更しています。

この肉抜き穴は後から加工したものでしょう。

それにしても、凄まじい努力の跡です。






どうやらこのZ、実際にレース参戦していた432Rを、公道仕様にしたクルマの様です。






という事は、このフロントウィンドウの前にある穴、キルスイッチの跡ですね。


S30Zのレースデビューは、このZ432Rでした。

当時最強と言われたC10 GT-Rと同じS20搭載ですから、このZ432Rも快進撃が期待されます。

デビューから3戦目にして、僚友スカイラインGT-Rを破り初優勝。

今後、熟成が進めば、さらなる活躍も出来るでしょう。

ですが3ヶ月後、なぜか別の新たなレーシングZがサーキットに現れます。






ダットサン スポーツ 240Z

当時アメリカ仕様にあったL24を換装した、後に240Zとして市販されるクルマです。

参戦当初はZ432Rと同じボディ。

これがデビューウィンを果たします。

次戦からは、皆さんお馴染みのGノーズを装備した、後の240ZGに代わりました。


それにしても、ほぼ同時期になぜ2台のレーシングZが存在するのでしょうか?

Z432R、開発時からの問題が解決出来ずにデビューしています。

それは、振動。

C10スカイラインでは問題にならなかったのですが、Z432Rではかなり酷いものだったそうです。

ハンドルに伝わる振動で、レース後には手の皮が剥けてしまう程だったとか。

GT-RとZ432R、エンジンはどちらも同じなので、エンジン単体からの振動は同じ。

GT-Rは車体とエンジンを同時開発しているので、振動問題はその開発過程で対策済みだったのでしょう。

ですがZ432Rは、エンジン、車体が別々に開発されたものを合体させたクルマ。

エンジンマウント方法、ボディ形状、重量、固有振動等が原因で、問題が露呈したのかも知れません。

最もそれらも熟成しながら参戦を続ければ、解決の糸口はあったはず。

でもそれをやらずにL24に換装したのは、合併から5年も経っていない、日産、プリンスの確執があったのでは、と思われます。


そもそもZ432Rのレース車開発、追浜ではあまり乗り気ではなかった様です。

彼等には「技術の日産」という自負があります。

いくら合併後とはいえ、村山のエンジンは使いたくない。

グループ7は村山に牛耳られていたので、市販車ベースのハコ車レースまで同じ事をやられる訳にはいかない。

そんな思いもあったのだと思います。


それでもなんとか使って見たものの、振動で問題発生。

それ見たことかと、すぐさま日産製L24に換装。

3ヶ月でレース参戦できたという事は、おそらくZ432Rと240Zは同時開発ですね。


そんないろいろな歴史を背負ったZ432R。

幻と言われるクルマの実車が見られて、良い体験が出来ました。
ブログ一覧 | 日産 | 日記
Posted at 2025/01/15 11:18:09

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

関連記事

JCCA TSUKUBA MEET ...
minminpapaさん

本気のスポーツ仕様「GTS-R」と ...
固形ワックス命さん

軽チャレ 内【165CUP】レギュ ...
Fdori S@FドリSさん

WECを見習うべきなのか?
ヤリ=マティ・バラバラさん

GTワールドチャレンジアジア 20 ...
Mekさん

ニスモ40周年記念(日産グローバル ...
minminpapaさん

この記事へのコメント

2025年1月15日 12:19
こんにちは☀
432Rとは珍しい!
アクリルウィンドウや軽量ボディは知ってましたが、キーホールやヒーター吹き出し口のことは知らなかったなあ。
車体も気になるんだけど、元レースカーを公道復帰、更にはモンテバンパー付けたオーナーさんって…
なんかそっちのほうが興味深かったりします(笑)
コメントへの返答
2025年1月15日 19:05
こんばんは。
コメントありがとうございます。

Z432R、存在は知っていましたが、初めて見ました。

レース専用車ではあるものの、ナンバー付き車両もあった様です。
最終的には売れ残りが発生。
それはナンバー付きで販売されたそうです。
おそらく240Zに車両変更したので余ったのでしょうね。

レース車両の公道復帰、時々聞きますよね。
輸入車は出来なくはないと聞いた事があります。
日本車の場合、どういう方法があるのか? ちょっと謎です。
2025年1月15日 21:18
こんばんは

どうやらこちらの個体の様ですね
相当な執念で、ここまで仕上げた様です。
https://motor-fan.jp/mf/article/94388/

DOHCのS20はSOHCのL24に比べ補機類を含めると20-30kgは重く、且つS20は9500回転くらいまで回るがL24は7500回転程度。
振動的には明らかにS20の方が厳しそうです。
日産vsプリンスの確執もあるでしょうが、Zの設計思想には高回転ギンギンよりもトルクフルなエンジン特性の方が適していたという事なんでしょうね。
コメントへの返答
2025年1月15日 21:34
こんばんは。
コメントありがとうございます。

サイト拝見しました。
正にこのZ432Rですね。

インパネは後から探したとは、驚きです。
Zのインパネではなく、Z432Rのインパネ単体なんて、よく探せましたよね。

S30Zは、開発当初から北米メインのクルマ。
いくらハイパワーだとは言え、キャラクターと合わないS20搭載には、納得していなかったんじゃないかと思います。

L24搭載は、ピーキーなS20より乗りやすく、速さは同等。
構造が簡単でメンテもしやすい等で、レースユーザーからも歓迎されていた様です。

最後はクロスフローのLY28まで進化したのですから、L型エンジンも侮り難いです。
2025年1月26日 14:35
こんにちは
とても興味深く、楽しく拝見させていただきました。
実は432Rって知りませんでした。S20を搭載したZが432Zくらいの認識しかありませんでした。タミヤのサファリZのせいかアルトーネンのモンテZのバンパーに付いた4連ドライビングランプもなんかスマートじゃないなとかそんな小学生でしたので(笑)
ところで、レース車両の公道復帰させたのではなく一度登録してからレース仕様にしたんじゃないでしょうか。詳しくはわかりませんが、でないと国内では難しいと思います。国内登録無いとしたら一度海外で登録してまた日本で登録するとかじゃないでしょうか。それにしても貴重な車両ですね。でも当時ってフロント以外ガラスじゃなくてもよかったんでしょうか?以前アクリルに変えようかって思ってたら、ガラス認証マークがないと車検取れないって解ったので止めたんです。
 実は最近このたぐいのイベントも同じ方の車両が集まるばかりでちょっとな~って思ってましたがこんなことがあるので行ってしまいますよね。
 それと去年あたりからFFのFTOをよく見かけます。しかも2台!おまけにこの2台、スタッドレス履いて雪道も走ってました。この狭い田舎で変わった人もいるもんだなぁって(人のことは・・・笑)

 
 
コメントへの返答
2025年1月26日 19:41
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ラリーのZ、私もサファリ派でした。
ボンネット埋め込みなんて、もう戻れない程の大改造ですよね。
あれのレプリカなんて、見た事ありません。

Z432Rの公道復帰、私も方法が疑問です。
完成検査修了証なんて、レース前提で購入した車のを保管しますかね?
仮に国内登録実績ありだとしても、抹消証明を保管しますかね?
そうなると仰る通り、一度輸出して現地登録させられれば国内登録も可能ですが、相当な費用と時間が掛かると聞いています。
ちなみに、車体にはZ432での形式打刻がありました。

ガラスの変更、おそらく新車時ガラスのものは変更不可かも知れませんね。
新車時アクリルは、当時は可能だったと思います。
スバル360のリアは、国内仕様はアクリルです。

イベントでの出展車両の固定化、それは私も感じます。
なのであとは、オーナーさんがどんな人なのか、そこに期待しています。

FTO、最近見なくなりましたね、と言うつもりでしたが、昨日見ました。
おそらく10年ぶりくらい?
あれ、FFしかないんです。
ランサーあたりとフロア共用してそうですが、そうではないそうで。
外観FTOで中身ランエボ、これが出来れば最強パッケージだったのではないかと
思います。
2025年1月27日 12:43
連コメ失礼します。
FFとあえて言ったのは、初代と区別する為です。初代で雪道をカウンターあてながら走って行く姿見たらそれこそ仰天です。
アクリルよかったんですね。初めて知りました。
コメントへの返答
2025年1月27日 21:32
こんばんは。
コメントありがとうございます。

失礼しました。
オーバーフェンダー付きの初代がありましたね。
そういえば、初代FTOはラリーのイメージがないですね。
稀代の名車、初代ランサーがあったので、わざわざFTOを使うまでもなかったのでしょうか。
基本コンポーネントは同じみたいなので、製作はそれほど手間が掛からない感じがしますが。
2025年4月20日 21:20
今晩は、マニアックな記事いつも楽しませて頂いてます。1987年頃の車両でしたけど薄板化は聞いたことが有ります。雑誌の公道試乗会用に作ったと。モーターショウ用の車両も特別に流して作るとか。240ZGは近所にいつも路駐していて子供ながらちょっと違う車だなと気にしてました。
コメントへの返答
2025年4月23日 0:33
こんばんは。
コメントありがとうございます。

ボディの薄板化、酸付けとか言われていたと思います。
私が聞いたのは、レース車両。
ボディを溶かして薄板化していたそうです。

公道試乗車用、それって広報チューンですね。
基本的には調整可能部品を、公差内で出来る限り走行性能方向に降った調整をしていたとか。
ボディの薄肉化はかなり大掛りだと思うのですが、そこまでやっていたんですね。

240ZG、当時新車で買った方は凄いなぁと思います。

まだ一家に1台ではなかった時代。
それなのに2人しか乗れず、しかも3ナンバーの超高額自動車税。

そんな苦難を乗り越えて購入された240ZGが、現代でも生き続けている。
もう新車で買われた方には、感謝しかありません。

プロフィール

「@中島乗り さん このクルマ、車名が変ったり記号になったりで、詳細が覚えきれません。」
何シテル?   05/13 12:53
クルマ、バイク、自転車と、自分でコントロール出来る乗り物が好きです。 それも日本製が好きです。 (自分で買えそうもないものには、興味が持てなくて) ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/5 >>

    1 23
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

リンク・クリップ

エコからオフ in 呉 追加情報 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/10/06 17:02:28
【告知】令和5年、那須合同ミーティング開催日決定♪  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/27 12:42:29
ダァ〜イアトーン♬ ポップスベスト10っ♪ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2022/03/14 12:53:29

愛車一覧

ホンダ N-ONE ホンダ N-ONE
2019年購入 インサイトが追突事故により修理不能となり、代替えしました。 購入候補 ...
ヤマハ YSR50/80 ヤマハ YSR50/80
1999年購入 当時RZ250Rに乗ってましたが、ビビリィな私、とても性能を使い切って ...
スバル スバル360 スバル スバル360
2019年購入。 ヘッドランプリングの黒塗装、大型のテールライトから、1968年の52 ...
スズキ ジェンマ スズキ ジェンマ
2017年購入 「購入」と言っても、物々交換で入手しています、スバル最中と。 友人がお ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation