
神奈川県座間市にあります、日産ヘリテージコレクションへ行ってきました。
夏前に施設改修とのことで、暫く休館しておりまして。
その工事も完了したので、行ってきた次第です。
で、中に入ると・・・ほとんど変わってない!
相変わらずの倉庫です。
まっ、いいか。
それ故に、展示台数が非常に多くなっていますから。
施設は変わっていませんでしたが、 展示車には変化がありました。
ダットサン ベビィ
この車には、外周にバンパーが付いています。
つまり、市販車ではないのです。
実は、こういう使われ方をしていた車なのですね。
遊園地の遊具だったのです。
1965年、横浜に開園した「こどもの国」で、安全教育用に使われていました。
子供用遊具とは言いますが、いわゆるゴーカートの様なお気楽なものではありません。
安全教育用なので、基本は自動車そのものです。
ベースとなったのも、まんま市販車のこれでした。
コニー グッピー
当時、業務提携していた愛知機械工業製の軽自動車です。
200cc単気筒、前進1段!のATを装備。
当時、軽自動車でATというのは、非常に珍しく。
あんまりパワーがなくて、クラッチ操作もないですから、子供向けにはうってつけですね。
それにしても、専用車、専用コースまで作り、子供に自動車の原体験をしてもらう。
なんとも志の高いことを、していたのですね。
若い世代のクルマ離れと言われる今こそ、やってほしいものです。
スカイライン (C10) バン
歴代スカイラインの中では、高い人気を誇る愛スカ(ハコスカ)。
人気の中心は、2000GT系ですよね。
でも私が好きなのは、1500, 1800の4気筒シリーズ。
なにせこちらは、プリンス製のエンジンですから。
GTはねぇ・・・日産のエンジンなんですよねぇ。
当時スタンダードは、専用グリルだったりしてました。
デザインがシンプルで、カッコいいです。
キャブオール(初代)
これの現役時代は、見たことなかったです。
既に街中は、4灯ライトが高い位置にあった2代目に変わっていました。
これ、縦4灯かと思っていましたが、2灯+フォグなんですね。
セドリック (430型)
これはカッコよかったなぁ。
やっぱり私、逆スラントの車が好きなんですね。
この車、実際に見ると、かなり大きく見えます。
5ナンバーサイズとは、とても思えません。
当時、2800ccの3ナンバーもありましたが、バンパーが違うくらいで、ボディは同じだったかと。
実質的な上限サイズが5ナンバーだったので、威厳たっぷりのデザインですね。
そういえば、乗用車初のターボは、この430型でした。
セドリック (Y31型)
これもカッコよかったですね。
まさか、セドリックをスポーティで売ってくるとは!
230型にはツインキャブの「GX」もありましたが、330型では廃止され。
でもそこは「走りの日産」なのか、80年代の終わりから「901プロジェクト」が展開されて。
その影響で誕生したのが、このグランツーリスモでした。
この頃は、クラウンとの差別化が上手く出来ていましたね。
走る応接間のクラウンと、走ってナンボのセドリック。
これぞセドリックの生きる道! だと思っていました。
まさかクラウンが、「ゼロクラウン」で大幅路線変更をするとは・・・
オースター JX
バイオレット リベルタ、スタンザとの3兄弟で、3ドアハッチバックはオースター専用でした。
テーマカラーも、この青。
ヨーロッパニーズに特化した合理主義設計は、潔さを感じます。
でも、日本では理解されないコンセプトでしたね。
それがプリメーラになったら大ヒット!って、ほんと日本市場の難しさを感じます。
ガゼール (S110型)
なぜかシルビアではなくて、ガゼールでした。
この直線基調のクリーンなデザイン、好きでしたね。
特に、この3ドアハッチバックの方が。
フロアがサニー/バイオレット流用の為、妙にトレッドが狭いところが残念でしたが。
同時期のカローラ (E70系) クーペと双璧を成す程の、美しいデザインだと思っています。
シルビア (S13型)
これも美しいデザインでしたね。
私的にはファストバックが好きなので、シルエイティがベストなんですが。
CMコピーがこれでしたね。
「ART FORCE」ですよ。
その自信がうかがい知れますね。
パルサー GTI-R
これも凄かったですね。
サーキットではスカイライン GT-R (R32)が席巻し。
同じ勢いをラリーでも、ということで開発された車です。
エンジンは、SR20DET、2000cc 4気筒DOHCターボ。
それに4蓮スロットルを組み込み、230psのパワーを誇ります。
もちろん、駆動系はフルタイム4WD 「ATTESA」
いざWRCに参戦するも、その小さな車体の影響で、大きなタイヤが収められず。
また、エンジンルームの冷却が十分に出来ず、ターボ排熱に苦しみ。
思う様な結果は得られず、「ラリーの日産」復権とは成りませんでした。
スカイライン 2000 Ti (C210型)
スカイライン ジャパンを語る中で、外すことの出来ない隠れた名車。
NAシリーズでは、最強ではないかと言われています。
それが、2000 Tiです。
2000ccなれどTiなので、搭載エンジンはZ20型の4気筒。
GTの130psに比べれば、非力な120psです。
ですが2000 Tiは、ショートノーズの軽量ボディとなっています。
しかも足回りは、1800 Tiとは異なり、リアがセミトレの独立、しかも4輪ディスクとGT同等。
ワインディング路であれば、Tiの方が速かったかも?
そういえば、FJ20エンジン開発時の車体は、これだったそうです。
ひょっとすると、軽量な分、R30よりも速かったりして?
設計者の桜井眞一郎さんは、Tiは廉価仕様だとは思っていない様でした。
あくまで「4気筒のスカイライン」という独立したシリーズとして、考えていたそうです。
この車は、個人からの寄贈車と紹介されていました。
もしかして、トミーテックのあの方?
スカイライン GT-R M spec Nür
最後の「スカイライン GT-R」R34型による最終モデル「Nür」です。
後継のR35 日産 GT-Rが誕生した今でも、高い評価を得ています。
まだ純日本企業だった頃の日産が、持てる技術を全てつぎ込んだ珠玉のマシン。
作り手側の熱い思いをも、感じ取れる1台です。
この車がどういう車なのか、グローバル企業になった日産でも、理解はしている様です。
ここに来ると、アフターゴーンさんの今の日産車は、違う会社の車と思えてきますね。
生き残る為には、仕方がないことだったのかもしれませんが・・・