
クランクシャフトのオイルシール裏返し作戦
オイルシール二枚重ね案では奥行きが不安でしたが、そこは奥を加工してという条件もありました
その奥

穴が開いたプレートが見えますが、周りとは色が違う
周りはアルミなので削ることは易しいが、この奥がどうなってるの?(´・ω・` )
オイルシール側での対処が難しいのであれば、クランクシャフトの移植案に移ることになると考え、それならばクランクシャフトを取り出してみようということに
そもそも異音がして降ろされたこのエンジン、クランクのメタルが逝っているであろうとのこと
移植するとなると、その状態も確認しておきたい

分解するなら小屋の中でしたい
ということで、先ずは黒カビが盛り上がったようなオイルと泥を、エアーと灯油でそこそこ落とします
金属の肌が見えてきました

園芸用の代車に載せて小屋へ移動
さてオイルパンを外します
ナットを外して、液ガスにマイナスドライバーを突っ込みこじって…パカッ!

外しました
中には銀色キラキラの金属が
見た目はアルミのようにも見えるが、塊というよりウロコのよう
これが原因なんだろうな…この金属、どこから?(´・ω・` )

こちらエンジンブロック側
やはり金属粉がチラホラ
左側のキノコはオイルポンプのストレーナー
この網をくぐれなかった金属がオイルパンに残ったんですね
あぁそういうとこ!

コレがオイルポンプのユニットだった!
クランクシャフトはその中を通っていたのね
今まで見てたの、オイルポンプの一部だったのか〜

オイルポンプをブロックから切り離しました

下に見えるのはオイルフィルターの取り付け部
うーむ…そういうこと(´・ω・` )
クランクシャフトの奥に見えた金属は、オイルポンプユニットの中にある
コレをバラすのか…保留

続いて反対、エンド側のオイルシールのプレートを外す

ブロック内部を観察
クランクを押さえるキャップは5箇所
真ん中キャップには”C”の文字がエンボスで浮かび、他はフロント側から、横棒の数が1本、2本、Cの右側に3本、4本と位置を表している
そしてその下に、ケータイのアンテナ記号のような刻印、これは向きを表している?
その間に見えるのは、4気筒分のコンロッドビッグエンドキャップ
撮影して記録したら、このボルトを外していく
予想はしていたが、そこそこ硬く締まっている
それよりもエンジンが動いてしまい、やりにくい…
低いところで作業しているせいもあるか
やっぱりエンジンスタンド、買おうかな?6,000円でお釣りがくるくらいだし…

キャップを外してクランクシャフトを取り出しました!

部位の名称を、持っている知識と照らし合わせながら確認しつつ、オイルを拭き取っていくと…
あ!(・∀・)

右側3番のコンロッドメタルだけ綺麗
ほかは黒くて回転方向にスジが!
メタルが焼けるというのは、コレのことか!

クランクシャフトもコンロッドメタルが当たるクランクピンが焼けている
改めてコンロッドメタルをよーく見ると

オイル穴、塞がってる
あの金属粉が詰まったのか〜

とりあえずこの日はここまで
後に、このエンジンを譲っていただいたアドバイザーから、原因はオイル不足だと聞く
金属粉、薄いのならそれはメタルが剥がれたものだと
金属粉が磁石にくっ付くのを確認し、アルミではないことがわかり安心した
なんせ見廻すと、アルミらしきパーツといえばオイルポンプとエンド側のプレートしかない
オイルポンプの内部という心配は無駄に終わり、少しホッとした

改めてコンロッドメタルを比較
焼けたメタルは両端が盛り上がったようにミミができているが、コンロッドに押されずに残ってるんですね
押されたせいで、幅も拡がってしまっている

厚みも、ミミが立っているにもかかわらず薄くなっています
修理方法としては、クランクピンのジャーナルをラッピング(磨き)して、メタルを新品に
クランクピンのキズが深いのであれば、削って、メタルも厚い仕様のものに
ということで、次はラッピングしてみる、ということになりますか?(・∀・)
オイルシールの裏返し二重作戦は?(´・ω・` )
ここまでバラし方がわかったのなら、やはりクランクを交換する方が良さそうだと思い始める
できればエンジンを降ろさずに、と思ってましたが、エンド側のプレートを外す必要から、フライホイールまで外して、だったらクラッチも交換できるし、そう考えたら降ろした方が良さそうです
クランクシャフトのオイルクリアランス計測もしないといけないのに、下からの作業はやっぱりしんどそう…
ということで、方針は
1.スピーディースリーブを被せる
そしてこのエンジンブロックをジックリ修理
クラッチ交換はまたいずれ
2.エンジンを降ろしてクランクシャフトを交換
一緒にクラッチも交換
の2択かな?
まだスリーブ、届かないんだよな…(´・ω・` )
ということで、クランクの修理を進めていくことにします
インスタでは『1000の中古エンジンをイタリアから送るよ〜』とのコメントもらったりして笑

さてどうなるか?いや、どうする!?(`・ω・´ )
つづく…(・∀・)