2007年10月02日
かつて大阪に存在した伝説の 『 入江塾 』 をご存知だろうか。
塾生のほとんどを灘高や ラサールに進学させた、と云う、
伝説の進学塾である。
塾生には タレントのラサール石井を始め、
高名な代議士、医師、役人、枚挙にいとまなし。
中学の同級生の 久野くんのご両親は、
この入江塾に闘争心を燃やし、自ら 『 久野塾 』 なるものを設立された。
当然、久野くんはその塾生第一号である。
吾輩はご存知のように大天才であるがゆへ、
春の新学期にもらったばかりの真新しい教科書を、
その日のうちに読破理解して、つまらぬ一年間を過ごしていたので
進学塾などとは無縁であった。
進学塾などに通う者を 実際、鼻で笑っていた。
なぜ、そこまでしなければ学習できぬのか、と。
当然、久野くんも吾輩の嘲笑・いじめの対象であった。
久野くんは赤貧家庭の吾輩とはちがい、
公立など眼中になく、ラサール一本に絞ってたため、内申書などどこ吹く風、
先生の言うことなど全く無視、
授業中にお弁当を貪り食っていた。
隣りの席で教科書を盾にしてお弁当を食べる久野くん。
ふと お弁当の中身を覗けば毎日、焼き飯が入っている。
吾輩の大好物、焼き飯である。
吾輩はうらやましかった。
だがそれは焼き飯ではなかった。
玄米に麦飯を混ぜたものに ウメボシ1個のおかずであったのである。
まだ健康食品などという意識のない時代である。
おそらくは経営間もない久野塾の収入では、
それが せいいっぱいのお弁当だったのであろう。
早弁してたのは、みんなと一緒にお弁当が食べられなかったんだよね、久野くん。
君の哀しみに、やっとこの歳になって気がついたよ、久野くん。
同級生の多くは、まだ君がツッパって早弁してたと思っているハズだよ。
久野くん、お元気ですか?
ボクは元気です。
Posted at 2007/10/02 20:53:28 | |
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