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4年間悩まされ続けていた、
・ 発進時、停止時に「コクッ」という異音と手応えが出ることがある
・ そのとき(停止後)に軽くステアリングを振ると、やはり「カクッ」という手応えがあるが、強く振るとおさまる
という症状がようやく直りました。
時間が掛かったのには理由があり、
・ 常に症状が出るわけではない
・ 症状が発生しているときに、一度ジャッキアップして降ろすと、一時的に症状が収まる
・ そのため交換した部品が正解だったのか、判定に時間が掛かる
・ 冬季にはほとんど発生しない
という特徴が原因です。
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これまでに交換した部品たち。
もっとも疑わしいタイロッドエンドは問題なさそうだったので、ラックエンドを交換(ディーラー作業)しましたが、しばらくして再発。
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念のためにということで、タイロッドエンドを交換(DIY)。
やはりしばらくして再発。
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アッパーアームも交換(DIY)。
これはあまり変化なし。
余談ですが、外したアッパーアームはヤフオクにて、そこそこの金額で売れました。
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ドライブシャフト(リビルド)、ハーフシャフト、ハブ、ハブベアリングも交換(ディーラー作業)。
しばらくは好調でしたが、やはり再発。
その他にも(症状とは関係ないものもありますが)、スタビリンクやキャリパー、ショックやアッパーマウントも交換してありますので
「あとは何を交換すればいいの?」
という状態でした。
正確には「ロアボールジョイントという可能性は、考えたくなかった」のですが。
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というわけで今回交換したのが、ロアボールジョイントです。
元整備士の同僚を横に乗せていたところ、症状が出始めたのが発端でした。
私がステアリングを左右に振って「カクッ」という振動が伝わる状態で、同僚が右ホイールのリム部分に手を当てると
「これ、すごい振動が出てるよ」。
ステアリングを切ると、ステアリング → ステアリングシャフト → ステアリングギアボックス → ラックエンド → タイロッドエンド → ナックル → アッパー&ロアボールジョイントと力が伝わるわけですが、これまでの部品交換履歴といろいろ触診してもらった結果から、ロアボールジョイントが原因であろうという結論になりました。
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部品は初版のパーツリストには載っていませんが(ディーラーのシステム上では出ます)、部品番号は51220-SDA-305、価格は約7000円、工賃はたしか1.3Hでした。
症状がひどいのは右側だけでしたが、どうせならということで左右とも交換することにします。
ディーラーには専用工具がないと断られていたため、自分で作業することに。
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スピンドルナット(36mm)を先に軽く緩めておいてから、ローター・キャリパーを外し、アッパーアーム、タイロッドエンド、ロアボールジョイントの嵌合を外し、ABSのセンサーを外します。
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ドライブシャフトを抜きつつ、ナックルを取り外し。
ダンパーフォークも外しておいたほうが楽です。
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ボールジョイントを指で動かしてみると、ガタはないものの抵抗がほとんどなく、スカスカでした。
犯人はやはりコイツに違いないと思われます。
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今回用意した(同僚が用意してくれた)秘密兵器たち。
万力代わりの超大型のC型クランプと、2つのパイプです。
1つはボールジョイントの径より少し大きいパイプA、もう1つは逆に少し小さいパイプBです。
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スプラッシュガードの上の方に転がっていますが、まずはナックルリングをマイナスドライバーでこじって外します(装着するときは、パイプを当てハンマーで叩く)。
そして万力でボールジョイントを抜こうとしましたが・・・。
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中央の真っ黒に汚れているところ、ここのクリアランスが少ないため、用意したパイプAが使えません。
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仕方ないのでボールジョイントのブーツを外し、パイプBを当ててハンマーでガンガン叩いて抜きました。
1ポンドハンマーでは威力が足りず、少々疲れます。
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新品はこんな感じに圧入します。
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写真のように、36mmのソケット → ボールジョイント → ナックル → パイプA → 当て板の代わりのスパナ を挟み、万力を締め込んでいきます。
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この作業がもっとも苦労しました。
なかなか真っ直ぐに挿入できないし、すべてが重たいので一直線上に並べるのも大変です(ビニールテープは仮固定のため)。
圧入するのも大変で、途中でスパナがしなってきたので、より頑丈なフックレンチに変更しました。
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これ以上締まらないところまで締めて、目視でも最後まで圧入できたことをよく確認します。
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途中どうなることかと思いましたが、なんとか完了。
万力を締めるときにナックルを押さえておかないといけないし、万力自体も回ろうとするので大変でした。
作業前にEGシビックの整備解説書を開いてみましたが、やはり万力と特殊工具(パイプ)で作業することとなっていましたので、手順としては間違っていないのですが、C型クランプではちょっと難しいかもしれません(汗)。
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あとは元に戻すだけです。
ドライブシャフトのスプラインには、焼付防止のモリブデンスプレーを塗っておきました。
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スピンドルナットを締め付け、カシメて完了!
右側だけでも相当疲れたので、左側は助手の後輩を呼んで作業しましたが、2人がかりとはいえヘトヘトになりました。
作業時間は左右でざっと5時間、悩む時間も多かったですが、次に同じ作業をやっても4時間は掛かりそうです。
とはいえ約26,000円分の工賃を節約できましたので、よしとします・・・。
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今回、活躍したかもしれないケミカル。
ボールジョイントの抜き取りと圧入に使いました。
潤滑のためというより、冷却して収縮する効果を狙ったものです。
ナックル側を暖めて熱膨張させると、もっと楽ができたかも。
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外したボールジョイント。
新品と比較するとスカスカですが、グリスが切れていたわけでもなく、特に傷もありません。
ただし交換後は異音・振動は皆無になり、明らかに直進性がよくなりました。
今回のトラブルの原因を考えてみると、ボールジョイントにガタがあるものの、ジャッキアップして荷重が抜けると当たる位置が変わり、しばらくの間は症状が出なかったものと思われます。
症状が、夏に多く出て冬に少ないのは、外気温の差による熱膨張であろうと考えられます。
DIYするにはちょっと面倒な作業ですが、こういう事例もある、ということで・・・。
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