ひどすぎる借金とは、我が家の家計状況を示している訳ではございません。
また我らの阪神タイガースの借金(7/22時点で14)の事でもございません。
正式には「貸そうかな まあ あてにすんな ひどすぎる借金」であります。
化学が得意な方なら「金属のイオン化傾向」とご理解いただけると思います。
「イオン化傾向」というのは、溶液中(おもに水溶液 中)における元素(主に金属)のイオンへのなり易さ(≒反応のし易さ)の相対尺度を表すものであります。
ざっくり申し上げると「酸やアルカリ水溶液」に金属を入れた時、最も溶け易い(イオンになり易い)金属を左側、最も溶けにくい(イオンになりにくい)金属を右側に並べています。
この溶けやすさ(=イオンのなり易さ≒反応のし易さ)を順番に並べると、こうなります。
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Ag Pt Au
K:カリウム、Ca:カルシウム、Na:マグネシウム、Al:アルミニウム、Zn:亜鉛、Fe:鉄、Ni:ニッケル
Sn:スズ、Pb:鉛、H(水素)、Cu:銅、Hg:水銀、Ag:銀、Pt:白金(プラチナ)、Au:金
金属ではない「水素」がありますが、金属と同じ「陽イオン」になり易い物質の為、比較の為にこの表に混じっています。
これを「貸そうかな まあ あてにすんな ひどすぎる借金」という語呂合わせで覚えます。
私も試験の時、これをブツブツ言いながら、イオン化傾向を紙に書いて問題を解きました。
お待たせいたしました。ここからが本題でございます。
私はしょっちゅう「鉄のサビ防止にジンク(Zn:亜鉛)スプレーを塗る」と言っております。
またクルマのボディパネルにも錆びやすい部分には「亜鉛メッキ鋼板」が使われています。
(画像はB12サニーのカタログより)
これは小さい傷やピンホール(小さい穴)ができた場合でも、亜鉛は鉄より腐食し易く(亜鉛の方がイオンになり易い≒反応し易い)、亜鉛が優先して腐食されることで鉄の腐食を防ぐ効果がある為であります。
これを「犠牲腐食」と言います。
更に亜鉛自体は表面に酸化被膜を形成する為、内部が腐食しないという性質も利用しています。
但し、酸やアルカリに触れると、鉄よりも簡単に溶けてしまいます。
尚、鉄の場合は酸化しても「被膜」にならず、放っておくと赤サビ(Fe2O3)が発生し内部までボロボロに腐食してしまいます。
但し特別な処理をすれば黒サビ(Fe3O4)が被膜となって腐食を防ぎます。
こういった理由により、鉄板の表面に「亜鉛」があった方がサビに強くなります。
亜鉛メッキの方が亜鉛密度が高く、サビに強いのですが、ジンクスプレーでも塗らないよりは遥かにマシです。
で、イオン化傾向の順番をよく見ると、Al(アルミ)はZn(亜鉛)やFe(鉄)よりもイオンになり易いですね。
車体の軽量化の為、ボンネットやドア、フェンダーにアルミを使うことがありますが、アルミを鉄板に直接取り付けると、アルミの方がイオンになり易い(≒反応し易い)為、アルミが腐食します。
これを「電食」と言います。
この電食を防ぐ為に自動車メーカーはアルミ又は鉄表面に被膜を付けて、アルミと鉄が直接触れないようにしています。
ちなみに、アルミも表面に酸化被膜が形成されるので、酸やアルカリに触れない限り、溶けたりはしません。
で、阪神タイガースの「ひどすぎる借金」はどうかと申しますと、また1つ増えそうですね。ヤダヤダ。
Posted at 2016/07/23 21:48:27 | |
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