
ロードスター関連の書籍は沢山ありますが、
どれが一番好きか?と聞かれれば、
迷わずこの本を選びます。
最高!
ユーノスロードスター
本を見ると出版されたのは平成4年6月15日と印刷されてます。
僕がこの本を入手したのは、まだ新社会人になりたての頃だったように思います。
グース350ではデートに使えず、親が乗ってるジムニーは貸してもらえない日もある。
早く自分の愛車が欲しくてたまらない、
そんな時期にHYPER REVに載ってたピットクルーのデモカーに一目惚れ。
毎晩毎晩、ロード&スターとHYPER REV、西風の漫画に顔を埋めて寝る毎日。
あ〜、ユーノス欲し〜欲し〜、と毎日が悶々としてた時代。
勿論、<最高!ユーノスロードスター>もよく読んでました。
で、やっとアンダー¥50万で手に入れたユーノスNA6、マリナブルー。
当時の中古は安くても¥80万からで、¥100万オーバーの方が多かった。
¥50万以下ってことは、事故歴バリバリ!
ま、当時は事故歴なんて分からないし、程度よりも何よりも気にするのは、
プライスのみ!
これは買いだと即決。そして納車の日は平日。
今日は残業しませんできませんお願いですからと定時プラス1時間で帰らせてもらって、
無理言って閉店時間を過ぎてる中古車屋に走る。
面倒臭そうな顔してた中古車屋のオヤジからキーを奪うようにして、
ロードスターに乗り込み、
GO!
最初の交差点。
うわっと、今まで感じたことのないコーナリングに驚く!
そしてコーナリング途中に、
ベンチレータールーバーが外れる!
転がる!
見失う。
店に戻るか?
いや、そんなことできない。
この車から降りたくなーいっ!
と、前置き?が長くなってしまいましたが、
この本に<ユーノスロードスターが届いた夜>という項目があります。
-キーを奪いたい衝動を抑えつつ、冷静を装いながら
ユーノスロードスターとの邂逅のときを待つ。
-エンジンルーム、室内のスイッチ類、やたらと狭いトランクルームを
ためつすがめつしているだけでも結構夜は更けるものである。
分かる。その気持ち。僕の場合は中古やったけども。
他にも<先ずは洗車から始めてしまおう>という一文もあるのだけれど、
20代前半の男子は洗車なんてしない(当時の僕の場合)し、
いきなり京都までロングドライブ、夜中に帰宅。
ためすがめつしてたかどうかは記憶にない(多分してない)けれど、
翌日も仕事が終わると、今度は夜中に伊勢まで行った。
確かあの夜は雨が降ってたなあ・・・、あ、そういえば幌が破れてて・・・。
と、前置きの前置きが長くなってしまいましたが、
この本はどちらかというとHOW TO本ではなく、
ユーノスロードスターを題材にしたエッセイだと思います。
当時はこの本に書かれている内容のほとんどはチンプンカンプンでした。
そして西風の漫画にのめり込み、絶対買えない旧いクルマに想いを馳せてました。
エランが¥5〜600万してた時代・・・。
-60年代末。日本のクルマはどんどんよくなるかにみえた。
しかしこの510ブルーバードが最後だった。
(46ナンバーの510ブルの写真の下のコピー)
-ともかく、ヒストリックオープンスポーツカーを夢見ていながら、
様々な理由でその世界に踏み込むことのできなかった人たちにとって、
ユーノスロードスターの登場は福音であったといえる。
確かに僕は、ユーノスを憧れの古いクルマに見立ててました。
まあ、
今はもう古いクルマが欲しい気持ちは薄れて、ユーノスラブですが。
ユーノス買ったら、ZOOMでストライプのシールを貼る、エランキットは高いなあ、
ピットクルーのエアロはめちゃ高いなあ・・・なんてことをずーと考えてました。
結局、どうしても古いクルマに乗りたくなって02を購入するんですけど、
2年しか乗り(れ)ませんでした。
そして再びユーノスを購入するのですが、乗り換えしなければピックル顔に出来たのに、
なんて、今ではふと思う時があります。
と、前置きの前置きの・・・。
-本当に欲しいのは、ホイールベース4.2mのフォードF350クルーキャブだ。
この本、序盤で散々煽っておきながら、
いきなりユーノスとつがいを飼うならどんなクルマがよいか?とくる。
僕はNA最後のモデル、SR LIMITEDのカタログを貰いにディーラーに行ったことがあります。
そしてワゴンRのカタログも貰いに行ったこともあります。
何も知らない癖に、一丁前にスポーツカーと実用車の使い分けを考えてたんですね〜。
タイムマシンがあれば過去に戻って自分に説教したいです。
お前はオッサンかっ!
ああ、でも僕もアラフォー。気付けばオッサンになってる。
-幹線道路ではなく、田舎道を選んで走る。
すると知らない地名の書かれた標識に出会う。
そこで取り敢えず曲がってみた。
曲がってみた。と来るか!
-いずれにしろナビゲーターシートに荷物を置いてソロでロングツアーをやるか、
彼女を乗せて荷物はリアトレーに置きクローズドで走るか、
思えば、非常に重く、厳しい選択ではある。
僕はあんまりユーノスのトランクが狭いな、と思ったことはない。
実はあんまりユーノスで旅行をしたことがない。
思えばほとんどない・・・。
-ユーノスロードスターって、
例えば峠バトル仕様みたいな、
わけのわからないことに命かけちゃう馬鹿らしさとは無縁で、
もっとずっと華やかで、アメニティみたいなものがきちんとあって、
平日の空いた箱根を、かみさんや愛人と一緒に、ざまぁ見せられるのである。
ひょっとすると、<ざまぁ見せられる>のがユーノスの最大の能力だったかも。
-ドロップヘッドクーペではないのだから、
幌を降ろして乗れない人はやめたほうがいい。
P.76にはガレージ内らしき奥の壁面にバイクの刀、手前にハードトップを置いた写真。
P.89にも同じ写真がありますが、<だからハードトップについては「必要なし」といってしまいたい。>
との一文がある。
え〜と、著者の方には、
「レーシングメイトのステッカーを貼った
ハードトップはカッコイイですよ!」
と言ってしまいたい!
-ロードスターに耐光性の十分なコンバーチブルトップが装備されることは、
その昔夢だった。
え〜と、マルハモータースさんの幌が欲しくなってきましたがな!
-しかし運良く隣のミニスカートのよく似合うすてきな女性を乗せ、
サイドブレーキを引こうとした途端その横にある足に触ってしまったりなんかしても慌てることはない、
言い訳は十分に立つ。
そしてインテリア、エクステリア、パッケージングとほめ殺しの文章が続く。
先日発売された
メカニズムBOOKで僕が感銘を受けたことが、昔の本にひとつ残らず書いてある・・・アレ?
-速いのが来たのでさっと道を譲ってしまう。
(シビックに抜かれる写真)
この文章が一番、印象に残ってます。
さっと道を譲る。そうです、その通り。
-夜の高速を単独飛行。悪くない。
嫁さんと結婚するまでは、週末は高速道路をよく利用していました。
日曜日の深夜、オープンにして明日からのことなんかを考えながら高速を走る。
あの感覚、今は忘れてしまいました。
で突然、1300R8ゴルディー二をいじる方が登場。
いかにもエンスーな方がゴルディー二のヘッドを持ち上げてます。
そしてその方が、「これいいですね。」とユーノスをしげしげと見ながら言うのです。
しげしげと見ながら言うのです・・・。しげしげと・・・。
-景色のいい、曲がりくねった峠道。
長尾峠、芦ノ湖スカイライン。
国道を戻って再び、長尾峠、芦ノ湖スカイライン。
一泊二日で、都合4周。
で突然、箱根。箱根1泊旅行記。
僕は箱根に行ったことがない。
でもいつか、いつか行ってみたい。ユーノスと嫁さんと。
-スペシャル
-センター出しマフラー、VANのステッカー、引っぱり禁止の牽引フック。
-まずタイヤだが、オリジナルよりワンセクション細い175/65R14を5.5Jの
-通常はより太いスポーツラジアルを換装する傾向にあるが、
ライトウエイトスポーツはライトであることが身上であり、
-Vスペシャルのグリーンにイエローのラインを入れ、
-クイックフィラーキャップ。貫通。
-ロールバーに軽量ハードトップ。
-再び次のコーナーをタルガフローリオに見立てて
アバルト・ビアルベーロのお尻を探すことは容易だ。
今はないユーノスのスペシャルショップのTハウスのデモカー。
今でも、しびれる。
今、ロードスター界では185タイヤでサーキットがホットトピックスになってます。
この本はある意味、予言の書?
そしてあとがきはもっと痺れる。
-こういう次元で語れるところが、ユーノスロードスターのすごいところなのであった。
こういう次元。
大量生産品であるマツダのスポーツカー。
なのに少量生産品であるマニアックなクルマ達と同じ次元で語れる。
いや、今となっては別に語る必要性もないんですけれど、
あらためて<最高!ユーノスロードスター>という素敵な本は、
発売して十数年経つとうのに、全く色褪せない。
この本は、
ユーノスと同じだ!
ほんと、素敵な本です。
現在は手に入りにくいかも知れませんが、もし未読の方がいらっしゃれば是非。
僕にとって、一番最高のユーノス本、なのです。