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2016年03月14日

【911】私的911概論

【911】私的911概論 以前のアカウントで投稿したエントリーに
加筆修正をしました。


********************************************

飽くまでも個人的な見解ですが、
ポルシェ911はスポーツカーではないー
と思っています。


スポーツカーの定義については
好事家たちの間で
永遠の命題となっているようですが、
そんなこととは関係なく、
ボク個人にとっては、断固として
「911はスポーツカーではないんだぞ」と。
     
    
      
   
理由は明白。


911乗りの間で
代々唱え続けられてきた
有名な台詞があります。
  
  
曰く、
『911は4人乗りで荷物も
載せられる実用車だから…』
  
  
2+2のリアシートを
確保するためだけに、
リアアクスルの後ろに追いやられた
Engがその証左。
  
   
とはいえ、、、
購入する際に
ユーティリティの有用性を
訴求する必要があるクルマを
スポーツカーと呼んでいいと思いますか?(爆)
   
    
     
ボクにとってのスポーツカーとは、
運転手へのドライビングプレジャーを
提供することと引き換えに、
運転手に対して
クルマへの歩み寄りをトコトン求める
クルマを指します。
    
   
     
極論するならば、
スポーツカーを走らせることにこそ、
運転手の存在意義がある。


運転手はスポーツカーが走るための
機能部品である―と
換言してもよいでしょう。
 
   
レーシングカーを運転する者は、
レーシングカーに対して
ドライビングプレジャーの提供を
一義的に求めはしません。

   
レーシングカーの存在意義は、
レースに勝つこと。

   
ドライビングに集中できる環境を
レーシングカーに具備する必要性が
検討される場合、
それはレースに勝つ環境を整える為の
手段としての話であり、
それ自体が目的とはなり得ない筈です。


   
この点において、
スポーツカーとレーシングカーとの間には
明確な一線が引かれるものと考えます。

   
例えば、
低いドラポジによる視界の悪さや、
ワイドトレッドによる取り回しの悪さ、
或いは、
暴力的なパワーによる運転のし難ささえも、
全てはスポーツカーが与えてくれる
一瞬の快楽があるからこそ受容できるもの。
   
  
誰もが触れることを躊躇うかのような
圧倒的な外観と存在感については
言わずもがな。

   
スポーツカーとは、
かくも孤高な存在なのです。

   
  
そして、もうひとつ大切なこと。
それは、スポーツカーが
開発者の想いを
多分に反映された機械である―という点。

    
開発者にとって
自分が開発したスポーツカーは
彼ら自身の分身でもあるのでしょう。

    
機械としてのスポーツカーが
運転手への快楽の提供を
自覚的に行っている筈もありませんが、
開発者は自身が目指した
ドライビングプレジャーの具現化という
喜びを感じているー のかもしれません。


    
そして、運転手は
尽くす者(=与えられる者)としての喜びを
運転を通じて
スポーツカー(≒与える者≒開発者)から
授けられるのです。
  
  
精神的快楽と肉体的官能を提供することの
トレードオフとして
運転手に対し相応の負担を求める
機械としてのスポーツカー。
  
  
『走ること』を
唯一無二の目的とした存在としての
スポーツカーと、
『ドライビング』から得られる
対価のためにスポーツカーを運転する者。
  
   
スポーツカー(≒開発者)と運転手の関係は、
精神世界で繋がれた
MasterとSlaveの相似形であると仮定すると
理解がし易いのかもしれません。

    
与える者と尽くす者。
ミニマルに完結した美しい関係です。
  


    
話を911に戻します。

   
  
斯かる定義に依るならば、
911をリアルなスポーツカーとすることに
抵抗を覚えはしないでしょうか?

    
911は運転手に
快楽と官能を与えてはくれますが、
911の開発者(≒ポルシェ社)は
運転手が911に隷属することを
良しとしてはいません。

    
現実的には、寧ろ、
911は運転手の負担を
極力ミニマイズしようとしているようにさえ
見えます。

    
その為の2+2レイアウトであり、
その為のPASMを始めとした
ドライバーズエイド。

    
そう捉えると、
911の立ち位置が見えてきます。
  
    
     
詰まるところ、
911は運転手が長距離移動を
効率的にこなすための『道具』なのでしょう。
  
    
    
ここでのキーワードは『効率』です。
   
     
道具としてのクルマと比較して、
スポーツカーは純粋であり、
高尚である― などと
言うつもりは毛頭ありません。
  
    
一般的な意味でのスポーツカーと
道具としての911。

     
この両者は、
機械として求められる性能が異なる。

     
ただそれだけの話です。


    
道具は使い手の利便性を向上させる為に
存在するものであり、
その存在意義は作業の効率性を
上げることにあります。
  
  
長距離を快適且つ安全に効率よく
移動するための道具としてのクルマは
一般的にはグランツーリスモ(GT)と
呼称されます。

     
GTとしての911は、
スポーツカーと同じように
運転手にある程度の
運転スキルを求めてきますが、
それはナイフを正しく安全に使う為に
使い手に求められるものと
同質同程度なものです。
  
  
   
道具としてのクルマを
機械として正しく使うことで
所期の性能を引き出し、
結果として効率的な移動を実現する。
なにも特別なことはありません。
 
 
道具を
効率よく使用する為のアプローチは
2つです。
 
 
ひとつは使い手の習熟度を向上させること。
 
 
そしてもうひとつは、
道具の使い勝手を向上させること。
  
   
     
911の進化の歴史は、
GTとしての資質に磨きを掛け、
高速移動の道具としての使い勝手を
向上させるための改良の歴史です。
  
  
RRとしての悪癖を少しでも解消する為の
ロングホイールベース化、
より高速での移動を実現する為の
大排気量化或いは
ターボ化によるハイパワーの実現と、
ハイパワーを効率よく伝達する為の
Rワイドトレッド化、
操安性を確保する為の全輪駆動化、
環境規制に対応するための水冷化 etc...
  
      
50年を超える長い歴史の中には、
突然変異的に
軽量シャシーを纏ったクルマや
超高出力を誇るクルマが
ラインナップされもしましたが、
何れのクルマも基本となっているのは
GTとしての性格を持つ普通の911です。


ポルシェ社は営利企業ですので、
『商品』としての『道具』の訴求力を
継続的に維持・向上をさせる為に
意図的とも思える
商品バリエーションの「逐次投入」や
キャラの異なる「特別仕様車」を
発表することは、
販売戦略として不自然ではありません。

    
営利企業である以上、
費用対効果を踏まえるのは当然ですし、
技術的に商品化が可能であっても、
収益を確保するだけの条件が整わないならば
敢えて高コスト高性能な商品を
市場に投入する必要もありません。

    
ポルシェ社は
継続的な事業拡大を指向するからこそ、
「技術的に可能だから」というだけの理由で
闇雲に先進技術を自社の商品に
導入することはしないのです。
  
  
このようなポルシェ社の姿勢に対し、
商売を優先させた欺瞞性を指摘する声が
あることは承知しています。

   
だからと言って、
「道具としての911」に対する
「使い手」の「信頼」が揺らぐことはありません。

      
何故ならば、
「道具として911を選ぶ運転手」は、
911こそが自分にとって「最高の道具」で
あることを知っているから。

     
詰まるところ、
営利団体としての企業が収益を計上し、
存続し続けることは
社会的な責務である― 
というだけの当たり前の話です。

    


話が逸れました。


実はココまでが前振りです(爆)
今回は超長文にて申し訳ありません。
  
  
   
言いたいことは至極単純です。
   
    
     
参代目白いのに乗って分かったこと。
   
    
「GT3」というキャラが与えられた911は
その出自がGTとしての911にあるとは言え
立ち位置は911と全く異なるクルマである―
    
     
簡単に言うと、
  
       
       
『997GT3CSはGTカーとは違うんぢゃね?』
    
        
ということです(爆)



ご存知の通り、参代目白いのには
リアシートの代わりに
ジャングルジムが取り付けられています。
 
    
万が一、クルマが横転しても
乗員を保護してくれる頑強なバーですが、
このつっかえ棒のお陰で、
リアに荷物を置くことさえままなりません。
  
    
リアシートがないので、
定員は前席に座る2名のみ。
   
    
その前席にはリクライニングもしない
フルバケットシートが装着されています。
 
    
ドライカーボンのシェルにスポンジを貼って
カバーで覆っただけの愛想無しですが
コーナーリング中に運転手のカラダを
ホールドすることだけは天下一品。
  
    
90Lのガソリンタンクを
空にする程度の距離ならば、
休憩ナシで走りきるだけの
最低限の快適性は保持していると
言っても怒られることはないでしょう。


     
ハンドリングは
油断も隙もあったもんではない
シビアなもの。
  
     
少し余所見をしただけでも
操舵に影響を及ぼすので
ハンドルを握っている間は
常に緊張を強いられます。

    
   
スピードのノリは文句なし。
カーボンセラミック製のブレーキによる
制動力も無敵!
 
    
このブレーキがなければ
400ps超のパワーも宝の持ち腐れ―
   
    
 やはりポルシェは分かってますね♪
    
    
   
ってな感じのこのクルマ、
効率的な移動を実現するための道具として
備えているべき最低限度の善良性さえ
欠いている―
と断じることしかできないと思いません?

    
   
効率?
そんなの知りません。
 
     
参代目白いのを
気持ちよく走らせるために
背負わねばならないリスクを考えたら、
効率的なことなんてひとつもありません。
  
    
   
快楽?
そんな甘っちょろいことは言ってられません。

    
常に運転手を挑発してくる
参代目白いのに翻弄されずに、
理性を保つことは
それなりに難儀な仕事なんです。

     
その上で運転手は、
クルマに愛想を尽かされないよう
務めなければならないという、、、

   
      
それが参代目白いの、
Porsche 911(Type997) GT3 CS
というクルマ。
   
     
ツンデレどころか、
ツンドラバリバリなキャラだけど、
このクルマを走らせる時間は
サイっコーに淫靡で素敵なんだな♪
   
     
今はこいつに代わるマシンは
考えられないのさっ!
  
    


と、惚気て終わるお約束。
   
    
参ったか!
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Posted at 2016/03/14 21:25:52

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