
おはようございました。
今日のニュースで、日産が全自動運転のクルマを7年後を目途に市販する、と言っていました(うろ覚えですので、詳細はご容赦下さい)。ほいじゃけど、今でさえワケのわからん乗り手・歩行者・チャリンコ等が居るのにから、全自動運転になってもそねえに簡単に交通事故は無くなるまあで…とツッコミを入れたくなりましたが、交通事故を無くしたいという開発者の志は尊敬に値すると思います。
さて、事故と言えば先週の話で、京都・八幡市の件であります。既にみんカラユーザーの多くの方も日記のネタにされ、様々なことが書かれていますので、これ以上多くは言いません。
ここからは私見になりますので、その点はご容赦下さい。
この度の事故って言ってしまえば「18歳の少年が、スポーツカーに乗って無謀な運転をして、通学中の児童を巻き込む事故を起こした」ワケです。こういった事故が起きてしまうと、どうしてもスポーツカー全般を非難される傾向にあります。確かに、スポーツカーと呼ばれる車は大なり小なりの改造がなされているケースもあり
(もっとシャレにならんのが、ワケのわからない弄りがなされている・メンテ不足などの理由により、本来の性能がちゃんと発揮できていないケースもあり)、色眼鏡で見られがちじゃあありますが。
また、「18歳の若造がスポーツカーなど、10年早い」と言われればそうかもしれない。
ある程度クルマの大きさ・エンジンパワーなどを考慮したクルマを選び、運転に慣れたら徐々にステップアップするのがベターじゃと私は考えています。しかしながら、自分で金を出してクルマを買う以上、最後に決めるのは自分自身じゃから、私がある程度の口出しはできても、第三者の買い物に決定権を持つ立場には無いのもまた確かです。
これは
だいぶ前にも書きましたが、
たかだか免許取って1年少々の、運転に関しては文字通り初心者のドライバーが、いいところなんて見せることができるワケが無いんですよ。勿論其の点を責めるワケじゃないんじゃけど、当たり前のこととして、そもそもウデも経験も感覚も、何もかもが未熟なんですから。
免許を取得して年数が経った方も例外じゃあありませんが、タダでさえ経験が少ないうえに、己の技量に驕り、そのクルマの性質・性能もわからぬまま、そして甘ったれた考えでステアリングを握れば、どねえなクルマでも事故を起こします。当然の事です。
例えば、私のMPV。背は高いし、車重1.7トンに達するうえに、3リッターのV6が積まれています。なまじ加速だけは良いんですが、間違えた乗り方をすればマトモに走れないどころか、簡単に特攻魚雷と化してしまいます。
例えば、大型セダン(高級車)。最近では加速・コーナリングなど、スポーツカー顔負けの走りを披露する車もありますが、所詮は…と言っては失礼じゃけど、大きいが故に重いクルマです。つまり簡単には止まれません。クルマの性質を忘れて傍若無人な振る舞いをすれば、これまた特攻魚雷と化してしまいます。
例えば、低燃費車。燃費の良さを武器
(ある意味”印籠”)に、カッ飛んでる方も不必要にゆっくり走っている方も居ますが、ブッ飛ばしてると危ないからゆっくり走れば絶対に安全か?それは大きな間違いです。どねえなクルマでも、どねえな速度でも死ぬ時は死ぬ、コレも当然の事です。
何と言うか、運転免許証が
「金で買える、ついでに運転もできる、単なる身分証」に成り下がっている気がしてならんのですが、
「(単純に)ドライバーが凄い」んじゃ無く、クルマに乗らされていると言いますか、
「○○に乗っているオレってスゲー」になっちゃあいないか?と感じています。これって似て非なるモノじゃあないでしょうか。
そう考えたら、全て…とまでは言いませんが、
クルマを運転するのは人間である以上、そのクルマの乗り手の役目が大きいことは、紛れも無い事実だと私は考えます。
ここからは嘗ての手前味噌と言いますか、「こんなスポーツカーオーナーも居る」ということで、詳細は伏せますが、実際にあったこと・私の思い をつらつらと書かせて頂きます。ここからはご興味のある方だけ読んで頂ければ幸せます。
あれは2年半前のこと、ある日の昼下がり。私が外回りから帰ってきたときに、あるお客さんが、見たことは無い方を連れて来店されていました。
話を聞けば、職場の先輩で
(つまり、既存顧客の紹介販売ですね)、初めてのクルマ選びであること。RX-8に憧れていて、中古車でRX-8のMTを所望していること。その方、年下にはなるが、私とえっと変わらん年齢であること。
中古車は「同じようなものはあっても、同じものは決してない」商品特性上、確か最初に希望ボディカラー・内装色・走行距離などを尋ねた気がするが、実はあまりよく覚えていません。とにかく覚えているのは、現状において希望を満たすボディカラー・内装色の個体は無かったことです。
しかし、巡り会わせと言いますか、その日の昼に、何とRX-7(勿論中古車)の下取で入ったという、後期モノのRX-8が居りまして。前オーナーさんにより、わかっている弄りがなされている、とてつもないミントコンディション個体でしたね。当然、お客さん・私、共にテンションは最高潮に。
果たして、下取に入った中古車をその日のうちに、確か入ってから5時間経ったくらいじゃと思うが、売る側も買う側もニコニコの販売をしました。
売った後に我に返って、納車までが期待と不安でいっぱいでしたが。「しまった、よく考えたらええのええの言って売った気がするんじゃけど、大丈夫かいのう…」と。
確かあれから20日くらい後でした。今でも覚えていますが、納車の日は恨めしいくらいの雨でした。
「ウソじゃろうがや、納車の日に雨って勘弁してくれや…」と思いましたが、刻々と納車時刻は近付きます。
当時の私は、納車の大雑把な時間配分は『車両説明・確認:だいたい30分、書類関係の確認:だいたい30分、合計1時間程度』でした。
言ってしまえば、納車は販売側にとっては雑用かもしれん。ほいじゃけど、お客さんの立場としては「楽しみな日」なワケですよ。「今の愛車との別れは淋しいのう…」と思う人は居っちゃってかもしれませんが、少なくとも「明日納車ってや、チッ…」なんて人はまず居らんでしょう。
当時の店長にこねえなことを言った記憶があります。
「今日納車の方じゃけど、いろいろ考えたら「事務的に説明してハイ終わり」じゃあ、お客さんにも申し訳ないし私も不安でやれん。じゃからクルマに慣れさせる時間が欲しい」と。
そりゃあそうじゃろう、既存顧客からの紹介販売・初めての愛車・しかもRX-8のMT。私は元々『効率』だの『スピード感』だのといった言葉が最も似合わないダメ男だと自負しちょる。
その時の私は
「これ程のクルマを、初めての愛車として乗る以上、運転の基本・それなりの技量を付けてもらわんと拙い。すぐすぐはしょうがないとしても、後々はオーナーさん自身で解決してもらわんにゃあいけんのんじゃけど、何も無しで納車した後にこのオーナーさんが笑われるということは、販売担当者としてオレの沽券にも関わる…」
笑われるかもしれんが、少なくとも私は大真面目にそう思っていました。
契約書貰えりゃあそれで終わりか?できることはベストを尽くしてこそ担当営業じゃないのか?クルマ好きを名乗る以上、何かできることは有るじゃろう?その考えが、あの発言でしたね。
大真面目な話、この話が却下されたら「それが許可されないと言うなら僕はこの仕事をやめます。」と言おうとまで考えたが、幸いにしてそねえな自体にはならず、結局その納車、1時間半かけた記憶があります。つまり
「前半は私が運転・後半はオーナーさんの運転」で、さらに30分ほど時間を頂いたんですね…。
「乗り降りの作法(RX-8、特にTypeRSは、乗り降りの際にいったんシート位置を調整せんと乗り辛いので)、ドラポジの取り方(タダでさえ注目度が高いRX-8だが、その個体は尚更注目度が高くてもおかしくない個体なので、運転姿勢から格好良かったらオーナーも格好よく見られるぞ!とか何とか言った気がする。後日談としてオーナーさんから「別のRX-8オーナーからジロジロ見られたが『ま 負けた…』という見られ方をした」と聞きました。お互い爆笑)、ステアリングの持ち方・操作(以下同文)」とか
「RX-8は、雑誌などでは判を押したように『低速トルクが薄い』と言われるが、何と比べて薄いのか言わん時点で片手落ちだ。これでも235PSあるので、ラフなスロットル操作をしたらすぐにリアがブレイク⇒ヘタすりゃあ事故るから気を付けて」とか、
「私は21歳で免許を取って、クルマの営業になったが、今までのブランクは取り組み次第で何とでもなる」とか、(あくまでも持論だが、免許取得の1~2年の差は誤差みたいなモンじゃと私は思っている)
確か紹介しちゃったお客さんも同乗走行の許、まぁとにかく、当時の私が持てる知識・ドラテク
(基本部分は実践させた。口頭だけの部分もある)を総動員し、最後に「クルマについて、特に運転について、どねえもならんかったらいつでも言ってくれ。そしてRX-8を楽しんでくれ」と言い、車両を引き渡しました。
そして納車後、いてもたってもいられず、時間を見計らって、オーナーさんに「大丈夫じゃったかいの?」と電話をしました。
後で上司(店長ではない)に「納車に時間がかかり過ぎじゃ」と言われましたが、このケースにおいては私は間違ったことはしちょらんと今でも思います。
事実、そのオーナーさん、今では慣れた様子で運転していますし、傍から見てて不安感はありませんし、実際試乗車も何度か運転していますが、特に問題無いです。
私はついつい話が長くなりがちですが、納車の際に「(しろしいのう…)あーハイハイわかりました」じゃったら、今の彼は無いでしょう。素直に聞いてくれて、それを実践してくれたからこそ、間違いなく運転技術の向上が認められるレベルになっています。勿論、これからも重要ですけどね。
他のお客さん・車両は勿論のことですが、素晴らしいミントコンディションなRX-8の販売・その後のお付き合いに携わることが出来たことに、営業マンとして以上に、いちクルマ好きとして誇りに思い、そして有難く思います。
そして、もっと有難いことに、前の仕事を退職した今でも、そのオーナーさんとは交流が続いています。
まぁその、アレですよ、乱筆乱文で大変恐縮ですが、上にも書きましたが
「スポーツカーが悪いんじゃ無いんだよ、ドライバーあってのクルマなんだよ」というお話で、当エントリーの〆としたいと思います。
ほいじゃあ今回はこの辺で。