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ダスティ・アッテンボローのブログ一覧

2011年08月23日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第16話

12 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:07:07.58 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十六話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
仲間の窮地に、ブーンがモララーを引き連れ合流。しかし、ブーンの豹変に戸惑いを隠せない一同だったが、メインヒロイン(笑)さんの活躍により…。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今回はモララーさんの登場文句を最後まで聞く事が出来るのか!?

15 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:10:30.03 ID:6xFP3tT8O
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
( ・∀・)【世界《ザ・ワールド》】(ジョジョ)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・戦闘終了

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・???

  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

ミ,,゚Д゚彡【黄金錬成《アルス=マグナ》】(禁書)

18 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:11:43.16 ID:6xFP3tT8O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき一回ずつ出来、その戦闘が終了した時点で能力は消える。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』
『脈絡なく死を与える能力』
『FFに出てきた全ての黒魔法が使える能力』『明日の正座占いが一位になる能力』『スタンド”ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”を自分に発現さ せ、120%使いこなす能力(オリジナルも超える)』『未元物質 の能力』『理想を現実に変える力を100%使える能力』
『同じ物を4つ以上揃えると消せる能力』

そろそろ手狭になってきた

28 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:16:16.76 ID:6xFP3tT8O
――――図書館の近く、ビルの影

ミセリとブーンが戦い、ブーンが勝ったのを遠くから見ていた人間がいる。

サラリーマン風の背広を来た、中年男性。

( ´ー`)「…ミセリ…」

( ´ー`)

シラネーヨ、39歳。

( ´ー`)「あんにゃろうども…」

( ´ー`)「生かしちゃおけねーよ…」


普段は物静かそうに見えるその顔が、復讐の色に燃えていた。


42 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:20:46.72 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「まずは、やはりあのブーンという男…」

シラネーヨは思考する。あの、文字通り未知数の敵を、どうして倒してくれようかと。

考えるべきは、

( ´ー`)「…あいつの弱点…でもあれば…」

遠巻きに見ていてわかったのは、あの男――確か、ブーンと呼ばれていたか――の能力は使い勝手の悪さがあるらしき事。


おそらく、ハンターハンターの某改造されちゃった系お兄さんキャラのように、能力がランダムに決まるタイプなのだろう。

つまり、だ。

50 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:24:16.57 ID:6xFP3tT8O


( ´ー`)「つまり」

つまり、ブーンの弱点とは。

( ´ー`)





( ´ー`)「…そんなの知らねーよ」

彼は深く考えるタイプではなかった。



( ´ー`)「……相手がどうとか、知らねーよ。俺のこの無敵の能力なら、誰にだって負けねーよ…」

しかしそれは軽率なのではない。
むしろそれは、自信の表れでもあった。

62 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:28:50.44 ID:6xFP3tT8O
――――――図書館前

川 ゚ -゚)「なんとか、大丈夫そうだな」

( ^ω^)「良かったお。まぁ前にぶっ飛んだ足とか再生してもらってるし、信じてはいたけど」

川 ゚ -゚)「ほんと、ネコみたいなやつだったな」

川 ゚ -゚)「お前もあいつに手を咬み千切られるなど、大変だったろうに」

ξ゚⊿゚)ξ「ほんと、なんとか倒せて良かったわよ」

(´・ω・`)「…ほんと、危なかったですね…」


ブーン達は、少しだけ二人に嘘をついた。

72 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:34:25.79 ID:6xFP3tT8O
―――「寝てる二人には、ブーンの事は黙っておきましょう」

ツンが言い出した事だった。
そんな事を言って、ブーンに対し不信感を持たせてはいけない、と。

いや、正しいのかどうかはわからない。
だが、ブーンにとってはありがたい話だった。


だって、シューが。

lw´‐ _‐ノv

あのお喋りのシューが、だんまりなのだ。

( ^ω^)「……」

自分が与えた衝撃が、如何ほどなのかよくわかる。

81 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:38:59.74 ID:6xFP3tT8O
シューは、ずっと考えている。

lw´‐ _‐ノv(……)

先ほどの戦いのさ中。
私はブーンの豹変ぶりに、ただ戸惑うだけだった。

lw´‐ _‐ノv

ブーンが、どっかいっちゃう気がした。

それが自分の心に歪みを生んでいるのだろう。


lw´‐ _‐ノv(…それを助けたのが、ツンさん…)

ホントにすごかった。私には、真似できない。

lw´‐ _‐ノv

ヒロインの座が、どっかいっちゃう気がした。

それも自分の心に歪みを生んでいるのだろう。

102 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:47:26.49 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)「ありがとうクー」

川 ゚ -゚)「うん。あ、ショボン大丈夫?回復は?」

(´・ω・`)「もういいです。ありがとクーさん」

川*゚ -゚)「あかんめっちゃカワイイ。鼻血出る。鼻血で…あ、出てもーたやんショボたん…」

(;´・ω・`)「うわぁ…」

川*゚ -゚)「あぁっ!もっと引いて!蔑んで!私をもっと弁当によく入ってるギザギザを見るような目で蔑んでぇぇぇぇぇ!!!」

(;・∀・)「ちょ、お前大丈夫かクー!!」

( ^ω^)「まぁみんな無事で良かったお」

( ・∀・)「うん、ブーン君の言う通りだ」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

(´・ω・`)「…」

lw´‐ _‐ノv「…」

( ・∀・)

( ・∀・)「ん?」

133 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 21:54:20.34 ID:6xFP3tT8O
lw´‐ _‐ノv「ねぇブーン」

(;^ω^)「シューが喋った!?」

lw´‐ _‐ノv「そら喋るわい」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、あたしも聞きたかった」

( ・∀・)

ξ゚⊿゚)ξ「この人だれ?」

( ・∀・)「ふははははは」

しゃきーん、と決めポーズを取り、モララーが叫ぶ。

( ・∀・)「名乗らせてもらおう!!俺はモララー!!世界《ザ・ワールド》を持つ、大胆不敵で獅子奮迅!疾風迅雷の電光石火!臥薪嘗胆の」

( ^ω^)「モララーさん。僕の子分だお」

( ・∀・)「よろしくお願いします」

ξ;゚⊿゚)ξ「…あぁ、うん」

lw´‐ _‐ノv「…あぁ、うん」

(;´・ω・`)「…あぁ、あぁ…」

川 ゚ -゚)「……」

164 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:02:31.65 ID:6xFP3tT8O
( ・∀・)「なんだよみんなノリ悪いなぁ。僕だってあんまり…変なキャラ位置にいたくないんだけど…」

ξ゚⊿゚)ξ「…うん。うん。そうですね」

( ・∀・)「……あ、君…」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)

( ・∀・)チラッ

川 ゚ -゚)「…ん?」

( ・∀・)チラッ

lw´‐ _‐ノv「…こっちみんな」

( ・∀・)「……」

171 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:05:34.66 ID:6xFP3tT8O
( ・∀・)「…」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、な、なに?」

( ・∀・)「いやwなんでもないよwwうんwwなんでもないwwなんでもないよぜんぜんwwでも、なんでもないからこそ魅力ってあると思うよ僕wwなんでもないけどww」

ξ゚⊿゚)ξ

ξ゚⊿゚)ξ「ブーン」

( ^ω^)「はい?」

ξ゚⊿゚)ξ「こいつ殴っていいよね?」

( ^ω^)「はい!」

ξ゚⊿゚)ξ「えい」

( ・∀・)「アッー」

ガシッ、ボカッ!
アタシは、彼方に飛んでいった。
モララー(笑)

196 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:12:00.34 ID:6xFP3tT8O
( ・∀・)「いってぇ…」

ああ痛い……って、なんだよあの子。
確かにぶっ飛ばされる場面だったが、あそこまで力込めるか?フツー。
まじ覇者パネェよ。

( ・∀・)「まぁとっさに【世界《ザ・ワールド》】でガードしたし、そんなに衝撃はなかったけど」

つーか結構吹っ飛ばされたな。


さ、戻るか……。


( ・∀・)「……」

( ・∀・)「ん?」


そこでモララーが、誰かを発見する。
ビルの影。何かをぶつぶつ言っている人間を。

( ´ー`)

………あれは。

( ・∀・)「………シラネーヨ、課長………?」

212 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:14:11.06 ID:6xFP3tT8O

( ´ー`)「誰にだって負けねーよ…」

なんか、言ってる。
しかもかなりのキメ顔で。

やばい、ナルシストだ。まごうこと無きナルシストだ。
もはやこのナルシストぶりは、事件だ。

( ・∀・)「…」

( ´ー`)「あ」

( ・∀・)「あ」



やばい。目ぇ会った。

235 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:17:15.55 ID:6xFP3tT8O
( ・∀・)「………」

( ´ー`)「………」

(;・∀・)「え、マジでシラネーヨ課長!!?」

(;´ー`)「そ、そう言う君は!!」

(;´ー`)「『窓際のモララー』!!!」

(;・∀・)「ちょ、違うわ!誰が窓際っすか!!!」

(;´ー`)「あ、間違えた」

(;´ー`)「『瀬戸際のモララー』!!!」

(;・∀・)「そうそうそれっすよそれ!!」

267 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:22:42.56 ID:6xFP3tT8O
(;´ー`)「クッソ…よりによってお前がブーンの仲間だったとは…」

(;・∀・)「ブーン?オイオイ、さんを付けて下さいよデコスケ野郎」

(;´ー`)「よし、馬鹿なとこは変わってなかった!!」

(;・∀・)「うっわー…っつー事は、なに?…戦わなきゃいけないの…?」

(;´ー`)「…みたいだな…」

(;・∀・)「マジかよ………」

(;´ー`)「………」




(#・∀・)「ありがてェ!!ぶっ飛ばす!!」

(#´ー`)「こっちのセリフだ瀬戸際ァァァァァ!!!!」

300 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:27:24.97 ID:6xFP3tT8O
(#´ー`)「駅前の鳥貴族での恨み!!はらさでおくべきかァァァァァァァ!!!」

(#・∀・)「はァ!?元はと言えばあんたのせいだろアレ!!なんで俺まで立入禁止にされたん…あぁ思い出したら腹立つ!!」

(#´ー`)「うっせ飲み代返せハゲ!」

(#・∀・)「うっせうっせばーか!!」

(#´ー`)「もう手加減はしねェぞ窓際ァァァァァ!!!!」

(#・∀・)「上等だお荷物課長ォォォォォ!!!」

二人が、闘気を発する。

和やかな空気の色が、変わった。

329 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:34:10.48 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「行くぞ!【アシ…」

( ・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】!!」

( ´ー`)

( ・∀・)「――――時よ、止まれ」

全てが、静止する。
シラネーヨも。風に靡かれる垂れ幕も。隣に見える池の水面も。全て。

これが、ザ・ワールド。全ての時を、止める力。

( ・∀・)「とりあえず、オープニングヒットは頂きだ」

動き出す、モララー。

誰がそれを止める方法を持つのか。

静止した世界は、完全にモララーの手中にあった。

そして

モララーから出でし幽波紋、【世界《ザ・ワールド》】が、
固まったシラネーヨの腹、その鳩尾に一撃を入れた。

362 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:40:17.61 ID:6xFP3tT8O

( ・∀・)「…」

だが。

(;・∀・)「ぐ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」

殴る為に使った右手から、壮絶なる痛み。

モララーが慌てて体を引く。

そして、そこで時はまた歩み始める。


( ´ー`)「……お?」

(; ∀ )「うがぁぁぁぁぁぁぁ………」

375 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:42:55.99 ID:6xFP3tT8O

(; ∀ )「が…あァ…!!」

( ´ー`)「どうした、瀬戸際」

( ´ー`)「何をしたか知らないが、まさか俺を素手で殴ったのか?」

( ´ー`)「この、俺を」

(;・∀・)「あ…あぁ……!!」

ようやく落ち着いて、激痛のする右手を見る。

すると

(;・∀・)「あ…!!!」

殴った右手が、

ただれにただれて崩壊しかけていた。


392 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:47:35.23 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「これが俺の能力」

――――【アシッドルール】。

(;・∀・)「……あ、【アシッドルール】…」

(;・∀・)「知らねェ………」


《博識ブーン先生の能力解説コーナー☆》
【アシッドルール】は、RAVEに出てくるダークブリングっていう闇の力の一つだお!!
体から酸を生み出し、自身も酸になれるという能力だお。
やべぇ!触れねぇ!頑張れモララー!



(;・∀・)「…とりあえず、なんか理解した……」

( ´ー`)「……ならいいや」

( ´ー`)「ま、そういう事だから」

( ´ー`)「早く死ね」

シラネーヨから、大量の酸が放出される。

443 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 22:54:40.92 ID:6xFP3tT8O
(;・∀・)「うわっ!!」

モララーは先ほど時を止めたばかり。
なので時を止める事が出来なかったが、瞬時に横転し回避する。

( ´ー`)「油断すんじゃねーよ」

しかし、それはとっさの行動。
それには大きな隙を伴う。

( ´ー`)「どおらぁ!!」

(;・∀・)「ッ!!」

モララーに向けられ、あちこちに飛び散る酸。

例えるなら、水飛沫。

(;・∀・)(酸が―――拡散―――!!!)

…いや、あんまりうまくないな、とモララーは考えた。
しかしそんな事をしている場合ではない。

力の限り、バックステップ。

473 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:01:46.69 ID:6xFP3tT8O
(;・∀・)「あっぶねぇ……」

( ´ー`)「…そうか、避けるか。なら」

( ´ー`)「こんなのはどうだ?」

くるりと、反転するシラネーヨ。

(;・∀・)「は!!?」

狙ったのは、ビル。

そのビルの根本を

( ´ー`)「はっ!!」

酸により、軒並み溶かし尽くす。

もちろん、支えを不安定にされたビルは

(;・∀・)「あ――――!!!」

ギギギ、と音を鳴らしながらこちらに倒れてくる。

( ´ー`)「潰れてしまえ」

(;・∀・)


二人の頭上を、圧倒的体積が襲いかかる。

499 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:08:56.45 ID:6xFP3tT8O
崩壊したビルが、全てを押し潰す。
時間にしては、そんなにかからなかったようだ。

( ´ー`)「…」

まず、フツーの顔をして突っ立っているのがシラネーヨ。

それも当たり前とだろう。

酸は、全てを溶かし尽くす。
ビルなど、動かずとも触れれば勝手に溶けて消えていく。

簡単に、死ぬわけがない。

( ´ー`)「……で」

( ´ー`)「なんで生きてられたんだ、お前」

しかし

( ・∀・)「……うっせーな」

それはモララーも同じだ。

彼はすんでのところで【世界《ザ・ワールド》】で時を止めたのち、ビルを殴り抜けるという荒業をやってのけたのだ。

( ・∀・)「潰されんのは慣れてんだよ。大人の事情でな」

( ´ー`)「………」

527 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:15:15.30 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「なんでだ」

( ・∀・)「?」

( ´ー`)「なんでお前は俺に立ち向かう?」

( ´ー`)「明らかに、状況は不利。逃げて仲間を呼んだ方がいいだろうよ」

( ・∀・)「……あー」

( ´ー`)「溶かされフェチなのか?」

( ・∀・)「んな事もわからないんすか?だから出世できないんすよ」

( ´ー`)「は?」

( ・∀・)「いいか、よく聞けよシラネーヨ。俺らゆとり世代はな」

( ・∀・)「大事なとこでいつもいじっぱりなんだよ………!!」

( ´ー`)「………」

シラネーヨがにやり、と笑い

( ´ー`)「だからお前、出世出来ないんだよ」

そう言った。

( ・∀・)「へっ………」

546 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:20:08.94 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「もう、躊躇いなくやるぜ、モララー」

( ・∀・)「………」

( ´ー`)「改めて、名乗らせてもらう」

( ´ー`)「俺は、シラネーヨ。人生の後輩に社会の厳しさを叩き込むため」

( ´ー`)「いざ、参る――――――」

ダッ!と駆け出すシラネーヨ。

それを相手取る、モララーは。

( ・∀・)「………へっ!じゃあ俺も名乗らせてもらおうかい!!」

( ・∀・)「さぁ、名乗らせてもらおう!!俺はモララー!!世界《ザ・ワールド》を持つ、大胆不敵で獅子奮迅!疾風迅雷の電光石火!臥薪嘗胆のナイスガイ!一発逆転の」

(;^ω^)「モララー!!大丈夫かお!!?」

( ・∀・)

( ´ー`)

(´・∀・)

579 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:23:51.84 ID:6xFP3tT8O
ブーンがビルの倒壊を見、助けにきていたのだ。

( ´ー`)「………ブーン、か…」

( ・∀・)「ちょ、マジで勘弁してよブーンくん。俺の見せ場は?なぁ、俺の見せ場は?」

( ^ω^)

( ・∀・)「あ、うん、ごめん。なんもない」

( ^ω^)「今北産業」

( ・∀・)「俺の先輩
      能力は酸
      俺ピンチ」

( ^ω^)「把握」

( ・∀・)「さいですか」

( ´ー`)「………」

609 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:29:30.29 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)「ピンチなのか」

( ・∀・)「うん、俺やばい。物理攻撃きかないし」

( ^ω^)「そうなのか」

( ・∀・)「うん、ビルも崩れたし」

( ^ω^)「やばいのか」

( ・∀・)「うん、右手こんなんだし。ほら」

( ^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】」

( ・∀・)「でもこんな状況を自分の力で打破したら俺の株が急上しょえええええええええええええええええええええええええええええええええええ」

640 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:32:01.41 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)「どうもみなさん安価の時間だお」

( ^ω^)「モララーに見せ場はやらん。これ主人公の特権な」

( ^ω^)「じゃ、隣の馬鹿が霞むような圧倒的厨二能力を。指定アンカーは………」

――――――>>670

 

670 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/14(日) 23:32:19.71 ID:X+mrzWox0
殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)を使いこなす能力
 

756 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:34:58.57 ID:6xFP3tT8O
『能力が決定しました。』

>>670 殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)

( ^ω^)「あと少しずれてたらホントに死んでた」

( ^ω^)「いっちょやってみっか」

804 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:41:22.72 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)「いくお!!モララー!!」

(;・∀・)「え、いきなり何お前!!」

( ´ー`)(きたか、ブーン…能力はなんだ……?)

( ^ω^)「僕を信じろ!」

( ^ω^)「僕にはこの…」

( ^ω^)「『殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)』がある!!」

(;・∀・)「!?」

「殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)」。
他の能力の元になるもの(魔力や、気)を視認する力。
そして視認したそれを喰らい、自らの力にすることも出来る。

そして

【アシッドルール】…その元、ダークブリングは……

( ^ω^)(元々魔力で動いている――――――)

(;´ー`)「!!!!」

836 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:49:45.22 ID:6xFP3tT8O
( ^ω^)「うらぁ!!」

ブーンが、動く。

(;´ー`)「ぐっ―――――」

殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)がダークブリングの魔力を、喰らう。

(;´ー`)「【アシッド――――」

喰う。

(;´ー`)「ル―――――」

食べる。

(;´ー`)「――ール】――――!!」

いただきますする。

( ^ω^)「げふ」

(;´ー`)「は!?」

削ぎとられた魔力が、シラネーヨの能力を著しく阻害する。

(;・∀・)「あ――――!!」

852 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/14(日) 23:54:26.75 ID:6xFP3tT8O
( ´ー`)「あ………!!」

いや、酸はまだ体から出る。

しかし、食われた弊害だろうか。

からだが、さんか、できない――――

( ^ω^)「今だお!!モララー!!!」

(;´ー`)「くっ………」

(;・∀・)「はァ!?いや、まだ酸出てるじゃん!!酸化してないけど、まだ殴ったらジュワジュワじゃん!!!痛いじゃん!!」






(#・∀・)「だから殴らせてもらぉぉぉぉぉかあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

877 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:00:56.60 ID:MulPibV2O
(#・∀・)「【世界《ザ・ワールド》】!!」

(;´ー`)「ま、待て――――――」

良いながらシラネーヨが後ずさる。しかし、それが通じるわけもなく

( ^ω^)「無理だお。ゆとりには、何を言っても……」

(#・∀・)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!」

無限の、ラッシュ。

(; ー )「がっ!ぐふ!!うがぁ!!」

シラネーヨの体に触れ、手がただれようとも止まらない。

(#・∀・)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!」

嫌な音が耳にこびりついても、モララーは止まらない。

902 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:05:42.30 ID:MulPibV2O

(#・∀・)「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァァ!!!!」

(  ー )「あ……が…………」

(#・∀・)「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」

そして、【世界《ザ・ワールド》】が、もはや原型をとどめていない拳を
止めの一撃と言わんばかりに、大きく振りかぶる――――――!!!!




( ^ω^)「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(; ー )「うげぁぁああっっ!!!!」

ブーンが殴った。

( ・∀・)「おーいやっぱ見せ場はとんのかーいズコー」

32 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:15:45.69 ID:MulPibV2O

( ^ω^)「……ふぅ」

殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)で食べた魔力により、身体能力をかなり向上させたブーンの全力の一撃。
【世界《ザ・ワールド》】までいかないにしても、かなりのパワーはあったようだ。

シラネーヨは軽く吹き飛ばされ、未だ痛々しく残るビルの残骸へ突き刺さっていった。

( ^ω^)「ゆとりを、舐めんなよ」

( ・∀・)「……いや、待って。かっこつけたいんだけど。上司を打ち破って、かっこいい事言いたかったんだけど……」

( ^ω^)

( ・∀・)「…言いたかった、気がしたがそんな事はなかったぜ!」

( ^ω^)「いや、酸ってかなり痛いな、なぁモララー」

( ・∀・)「うん、かなり痛いな。だからさ、僕の背広で酸拭くのやめてもらえる?ほら、穴が……あー…けっこういいやつなのに……洋服の青山…」


56 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:21:18.31 ID:MulPibV2O
( ^ω^)「とりあえず、倒せて良かったお……」

( ・∀・)「なぁ、なんで?俺にスポットライト当てろよ。今回そんな感じじゃなかった?違うの?巧妙な俺潰し回なの?」

( ^ω^)「しかし、ミセリに続き、こいつ………」

( ・∀・)「無視はひどい。泣ける。なぁ、今回俺は輝けないのか?」

( ^ω^)「これはもしかしたら、いつぞやのパターンか?僕らは、ぶちあたってるのかもしれないお……」

( ・∀・)「名乗ってみよう。俺はモララー!!世界《ザ・ワールド》を持つ、大胆不敵で」

( ^ω^)「別の一味のやつらに……」

(´・∀・)

84 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:28:51.84 ID:MulPibV2O
(;´・ω・`)「大丈夫ですか!?」

ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫!?」

川 ゚ -゚)「だいじょーぶすか!?」

lw´‐ _‐ノv「うーい(オライッ!オライッ!)」

ビルの倒壊後、様子を見に行ったブーンが帰ってこないところで
ようやく4人は到着する。

( ^ω^)「あ、みんな!」

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの、敵?敵が……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ってうわ!ブーン!手!手ェ!」

lw´;‐ _‐ノv「ブーンひどい!手がただれてる!早く、クーさん早く直してあげて!!」

( ・∀・)←両手と背広に尋常じゃないダメージを負っている人

( ・∀・)

(´・∀・)

(´;∀;)「………」

122 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:35:37.26 ID:MulPibV2O
( ;∀;)「あー手が痛いなー!やっべー!手が痛いなー!やっべー!めっちゃ痛いわー!っべー!っべーわー!手がマジっべーわマジー!」

( ;∀;)「別に回復とかいいけどー!っべーけどいいけどマジ気にしてないけどー!やっべっべっべっべー!」

川 ゚ -゚)「いや、よく見てよ」

( ;∀;)「べ?」

手を見る。
いつの間にか、光に包まれている。

川 ゚ -゚)「いま直してるからちょっと黙ってうるさい」

川 ゚ -゚)「一応仲間、なんでしょ?」

( ・∀・)

( *・∀・)

150 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:41:35.89 ID:MulPibV2O
( ・∀・)「クー………」

(´・ω・`)「クーさんありがとね」

川*゚ -゚)「いやいや、ショボたんの言う事ならなんでも聞くよもちろん」

( ・∀・)

( ・∀・)「……あー」

ξ゚⊿゚)ξ「……それにしても、ね」

( ^ω^)「あぁ、そうだお」

( ^ω^)「早すぎる。ミセリとこのシラネーヨってのは、仲間と見て間違いなさそうだお」

( ^ω^)「もしかしたら、近くにいるのかもしれない」

174 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:46:54.03 ID:MulPibV2O
lw´‐ _‐ノv「敵が?」

( ^ω^)「うん、敵が」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、そろそろ攻めてくるかもね」

( ・∀・)「……じゃあ、どうするんだ?」

川 ゚ -゚)「じゃあどうするんだ」

( ^ω^)「…いや、どっちでもいいお」

(´・ω・`)「そうですね」

( ・∀・)「やばいもうなんかこの立ち位置が心地良い」

185 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:51:04.70 ID:MulPibV2O
lw´‐ _‐ノv「動くなら動くでも、私達には目的もなけりゃ理由もないからね」

( ^ω^)「………んー」

( ^ω^)「まぁ、保留でいいか。とりあえず図書館に帰ろう」

ξ゚⊿゚)ξ「…そうしましょか」

川 ゚ -゚)「さ、帰ろう」

(´・ω・`)「帰りましょうか。ほら、モララーさん」

( ・∀・)「あ。このまま無視されてたら美味しかったのに。ショボンてめぇ」

川#゚ -゚)

( ・∀・)「うん、なんでもないけどさ」

197 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/15(月) 00:56:53.01 ID:MulPibV2O
――――――某所

ミ,,゚Д゚彡「………」

「心配ですか?フサギコさん」

声だけが響く。姿は、よく見えない。

「だっせーな。あの二人が簡単に負けてくるタマか?心配無用だって」

その声は一つではなかった。ガサツな声も聞こえてくる。

「どっちでもいいが、早く帰ってこいよな。無駄な心配はしたくない」

ミ,,゚Д゚彡「……行ってくるか?」

「あんたがいくのかよwよしてくれ。ボスに簡単に動かれちゃかなわん」

「俺が行くよ。なに、あの二人を連れてすぐ戻ってくるさ」


――――――世界は、時は、止まらない。

第十六話、終わり。

Posted at 2011/08/23 11:48:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月19日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第15話

19 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:32:04.15 ID:xAJR+Ss7O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十五話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
渡辺を助けるべくペニサスに挑んだが、救出に失敗。怒りのままに新たな力で圧倒し、全てに終止符を打ったのだった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
15話にして未だにメインヒロインが誰か決まっていないというのはいったいどういう事なのか!?

23 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:33:23.89 ID:xAJR+Ss7O
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
( ・∀・)【世界《ザ・ワールド》】(ジョジョ)
・戦闘終了

(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・図書館にて待機中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・???


  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

31 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:34:39.53 ID:xAJR+Ss7O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき一回ずつ出来、その戦闘が終了した時点で能力は消える。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』
『脈絡なく死を与える能力』
『FFに出てきた全ての黒魔法が使える能力』『明日の正座占いが一位になる能力』『スタンド”ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”を自分に発現さ せ、120%使いこなす能力(オリジナルも超える)』『未元物質 の能力』『理想を現実に変える力を100%使える能力』

36 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:36:42.20 ID:xAJR+Ss7O
―――――思い返せばこの時から僕は変わった気がする。

倫理観でもぶっ壊されたのか、死の重さなんかあまり考えなくなった。

僕の中で倒すのと殺すのにあまり大差はなくなった。

いや、こんな世界で何が狂ってる、みたいな話をするのも笑えるんだが。

後は………まぁ、よく覚えてない。



ただ

また、救えないというのなら

汚れてもいい、誰よりも強くなりたい。

そう、心の底から思った。

それだけは今も覚えている。

41 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:37:54.73 ID:xAJR+Ss7O
――――――公園の外れ

('A`)「………で」

('A`)「誰だよお前」

ミ,,゚Д゚彡「…」

('A`)「お前、なんなんだ?」

ドクオは、渡辺という女と戦っていた。
しかし、この男に邪魔されてまんまと逃してしまったわけだ。
否、並の敵ならばそんな事にはならなかった。
実際に、先の戦闘では因果律に関与する【大嘘憑き《オールフィクション》】をも反射して見せた

見せた、のに。

ミ,,゚Д゚彡「んー」

なのに、この男は何かが違う。

46 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:41:52.27 ID:xAJR+Ss7O
現在ドクオは、電波等の無線形式で弟者…【電人HAL】の無限演算を脳に直接獲得している。
それにより、魔術や、今まで法則が見えなかったものの『反射』に成功している。

なのに、こいつの力は

そんなものは度外視だと言わんばかりに……。

ミ,,゚Д゚彡「……あぁ」

ミ,,゚Д゚彡「アンタは違うの…かな?」

('A`)「は?」

ミ,,゚Д゚彡「いや、戦った感じなんだが」

ミ,,゚Д゚彡「俺の兄を知らないか?」

その当人は、いきなり質問をぶつけてくる。

50 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:44:23.33 ID:xAJR+Ss7O
('A`)「お前の…兄?どんなやつだ?」

ミ,,゚Д゚彡「俺と似た顔のやつなんだけど、ちょっと連絡とれなくてな。もしかしたら強いやつに倒されたのかも、と思ってさ」

ミ,,゚Д゚彡「この辺にいるはずだから、あんたが倒したのかと思ったんだけど」

ドクオは、考える。自分は様々な能力者を倒してきたが、目の前の男に似ている人間はあまり覚えがない。

('A`)「……能力は?」

ミ,,゚Д゚彡「【荒々しい空気《ラドンテイク》】って言ってな、…まぁ、有体に言えば精神攻撃をする黒いオーラを纏う能力だ」

('A`)「ふぅん。黒いオーラ…ね…」

('A`)

('A`)「………え?」

あれ、黒い、オーラ?

66 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:50:08.03 ID:xAJR+Ss7O
('A`)「え、それって飛ばしたりは出来るのか?こう、遠距離砲撃のように…」

ミ,,゚Д゚彡「ん?あー…遠距離かは知らんが、飛ばしたりは出来るな。物質通過なんかしたりする、厄介なやつだが。俺の能力の天敵なんだがな…」

('A`)「あぁ!それなら…」

ドクオは大まかに、自分が知る事話す。その能力らしいものに襲われた事、それはこ公園の辺りから来ていた事。

ミ,,゚Д゚彡「おお、そうなのか!やっぱりか!」

('A`)「あぁ、そうか。じゃあ、早く兄貴を助けに行ってやれよ。俺もこれ以上は面倒だ」

ミ,,゚Д゚彡「…」

「助けに行くんじゃねえ、殺しに行くんだよ」

それだけ言い捨て、二人は別れた。


76 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 21:54:44.50 ID:xAJR+Ss7O
ミ,,゚Д゚彡

(,,-Д-)

ひしゃげたジャングルジム。
その下に、それに叩きつけられたであろう人物が倒れている。

ギコ。生きているようには見えないが、死んでいるというわけでもなさそうだ。

ミ,,゚Д゚彡「…おい」

ミ,,゚Д゚彡「『起きろ、兄貴』」

(,,゚Д゚)「!!」

がくん、と電池が入ったかのようにギコが体を起こす。

(,,;゚Д゚)「あ…?」

ミ,,゚Д゚彡「お久しぶり、兄貴。誰かに負けたみてぇだな?」

(,,゚Д゚)「…あぁ、そうか。俺は……」

ミ,,゚Д゚彡「だっせ」

(,,゚Д゚)「うっせ。それより、お前が来たって事は…」


(,,゚Д゚)「俺と殺り合う覚悟が、やっと出来たのか?」

88 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:00:01.31 ID:xAJR+Ss7O
ミ,,゚Д゚彡「あ、それなんだが…」

ミ,,゚Д゚彡「ここまで来てなんだが、また回復タイム挟んでからにしね?」

(,,゚Д゚)「は??」

ミ,,゚Д゚彡「さっき気付いた。実はここに来る前に戦ったんだが、精神安定剤が切れちゃったみたいだ。だから回復タイムでまた仕入れないと」

(,,゚Д゚)「切れたって、お前…」

ミ,,゚Д゚彡「まぁいいじゃんいつだってさ。いつかは必ずやりあわなきゃいけないのは、確かだ」

(,,゚Д゚)「………」

ミ,,゚Д゚彡「【選択者《アレンジ》】になるためには」

そう。
二人は覚醒の条件など知らない。だが、これだけは直感のように感じている。

――――――「この兄弟喧嘩に勝った時こそ、自分は覚醒する」、と。

111 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:06:08.31 ID:xAJR+Ss7O
ミ,,゚Д゚彡「んじゃ、またな。安否が確認出来ただけでも、良しとするわ」

踵を返し、帰路に歩を進める弟。

(,,゚Д゚)「………」

(,,゚Д゚)「まて、フサ。フサギコよ」

ぴた。と、弟…フサギコの足が止まる。

ミ,,゚Д゚彡「あ?」

(,,゚Д゚)「兄として、今度会ったなら。この【荒々しい空気《ラドンテイク》】。惜しみなく使ってお前を倒す」

ミ,,゚Д゚彡「………」

それに対し、フサギコはにやりと笑い

ミ,,゚Д゚彡「上等だ、兄貴。俺の力…【黄金錬成《アルス=マグナ》】も…本気で使わせてもらうぜ」

(,,゚Д゚)「あぁ」

兄弟は、そこで分かれて歩んでいった。

136 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:10:06.55 ID:xAJR+Ss7O
ミ,,゚Д゚彡「………あ」

しまった。
よく考えたら、ミセリを放っていってしまった。
あいつにも兄貴を探すように言ってたんだが…

……まぁ、いいか。そのうち帰ってくるだろう

あいつは…どこを探すように言ったっけ。

ミ,,゚Д゚彡「えーっと…」


………あ、そうか。

ミ,,゚Д゚彡「図書館の辺り、だったかな」


まぁ、あいつなら心配はないか。
早くアジトに帰って、寝ようかな?

148 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:15:57.52 ID:xAJR+Ss7O
一人の少女が、玄関前で心配そうに仁王立ちしていた。
少女が心配そうに仁王立ち、というのもアレなのだが不問にしておくのが身の為である。

ξ;゚⊿゚)ξ「…ブーン…遅い…」

それを図書館内から心配そうに眺めているのは、一人の女の子と、少年と少女、計3人。

(´・ω・`)「……ツンさん、ずっとあんな感じですね」

川 ゚ -゚)「仕方ないさ。仲間思いな性格だからな、あいつは」

(´・ω・`)「………」

(´・ω・`)「…あの…クーさん…」

川 ゚ -゚)「なんだ?」

(´・ω・`)「なんで抱きついて離してくれないんですか?」

川 ゚ -゚)「ああ、密着してる方が回復が早いからだ」

三角座りをするショボンを、後ろから抱きしめる形で、と言うか抱きしめているクー
その手には、光る魔の書。
現在、ショボンは回復という名目でクーに拘束されている。


157 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:19:24.77 ID:xAJR+Ss7O
(´・ω・`)「それにしたって引っ付きすぎです。尋常じゃねえ乳があたってます。思春期には危ない、尋常じゃねえ乳が」

川 ゚ -゚)「当ててんのよ」

(´・ω・`)「絶対言うと思った」

lw´‐ _‐ノv「なるほど。ショボンは乳がでかけりゃ誰でもいいわけだ」

(;´・ω・`)「あ、ちょ、違うよ!僕が好きなのは、シューだけだよ!胸とか関係ないよ!」

lw´‐ _‐ノv「……濡れた。抱けよ」

(*´・ω・`)「えっ………」

lw´‐ _‐ノv「………」

lw´#‐ _‐ノv「クソッ!クソッ!!ブーンなら…!ブーンなら対応してくれるのに…!なんだよ!なんなんだよこいつ…!」

(;´・ω・`)「え…え?えぇ!?」

ガッ!ガッ!と、シューは「こどものえほん」コーナーの本棚を紫ピクミンで殴打するが、よい子の皆様方は絶対にマネしないで欲しい。

171 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:24:06.09 ID:xAJR+Ss7O
(;´・ω・`)「ちょ!シュー!壊すなシュー!」

lw´#‐ _‐ノv「………!!」

ガッ!ガッ!という音が16ビートくらいの心地よいリズムで響く。

(;´・ω・`)「素無視?」

川 ゚ -゚)「思春期って大変だな」

(;´・ω・`)「あんたはいい加減離せ!!」

川*゚ -゚)「やーのっ!」

(;´・ω・`)「悪質な嫌がらせ!?」


わいわいと騒がしい、図書館内。



ξ;゚⊿゚)ξ「……あの野郎ども…」

呆れるのは、外で未だ仁王立ちのツンだ。

そこに、一人の敵が接近しているとも知らずに。

187 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:29:36.59 ID:xAJR+Ss7O
ξ;゚⊿゚)ξ「あいつらはホントにもう……」

ツンは気づかない。街路樹の頂点。
そこから、ツンを覗く影がある事を。

(   )「…」

ツンは気づかない。街路樹の頂点。
その影が、こちらに向けて飛んでこようとしているのを。

「さて、行くか………にゃ!!」

ツンは気づかない。街路樹の頂点。
その影が、今まさにこちらに飛んできたのを。

ミセ*゚ー゚)リ「その命―――もらったにゃああああ」

ξ;゚⊿゚)ξ

ミセ*;゚ー゚)リ「ああああ………あああああ!!?あああああ゛あ゛あ゛!!!」


ツンは気付いた。その敵が、着地失敗したのを。

206 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:34:16.06 ID:xAJR+Ss7O
ミセ;*゚ー゚)リ「………」

ξ;゚⊿゚)ξ「………」

ミセ;*゚ー゚)リ「ど、どーもにゃ」

ξ;゚⊿゚)ξ「…どうも」

よく見れば、その敵たる少女には猫耳が着いている。
髪は、見とれてしまうように綺麗な銀髪だ。
そう言えば、ブーンが進めてきた小説にこんなキャラがいたような…

ξ゚⊿゚)ξ「なんだっけ」

(;´・ω・`)「な、何があったんですか?」

川 ゚ -゚)「なんだなんだ?」

lw´‐ _‐ノv「空から落ちてくる系ヒロインでも出た?」

ミセ;*゚ー゚)リ

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「うっわマジで女子だったどうしよう」

シューだけは相変わらずだった。

229 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:40:43.96 ID:xAJR+Ss7O
ミセ*゚ー゚)リ「すまないにゃ。私はミセリって者にゃんだが…人を探しているんだにゃ…」

変な話し方をする。いちいちにゃんにゃんうるさい娘だった。
しかし、あまり敵意は見られない。ショボンが何も反応していないのを見ると、そうなんだろう。

ξ゚⊿゚)ξ「はぁ、人をね」

(´・ω・`)「どんな人ですか?」

ミセ;*゚ー゚)リ「私のにゃかまのボスの、兄貴にゃんだが…名を、ギコと言うにゃ…知らにゃいかにゃ?」

川 ゚ -゚)「にゃんにゃんうっせぇなお前」

クーだけはキャラ位置がぶれはじめていたが、皆スルーだった。

しかし、ショボンは

(;´・ω・`)「………え?」

その発言に、反応した。

川;゚ -゚)「あ、違うよショボン!君にはそんなキツイ事言わないからね?私そんなんじゃないからね?」

(;´・ω・`)「いやあんたじゃなくて」

(´・ω・`)「……ギコって…」

237 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:45:04.64 ID:xAJR+Ss7O
ミセ*゚ー゚)リ「にゃに?知ってるのかにゃ?」

(´・ω・`)「ギコ、って人は…」

(´・ω・`)「僕がブーンと初めてあった時に、倒した人…です…」

ミセ*゚ー゚)リ「……」

(´・ω・`)「………」

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃんですと!!?」

露骨に驚くミセリ。
こんな反応は21世紀時分ではまずお目にかかれないだろう。
ありがたやありがたや、と思ったのはもちろんシューである。

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ…どうするかにゃー……」

(´・ω・`)「ギコさんなら、公園で倒れてると思いますよ」

247 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:49:30.91 ID:xAJR+Ss7O
ミセ*゚ー゚)リ「いや、そうじゃにゃくて」

(´・ω・`)「?」

ミセ*゚ー゚)リ「お前を倒すのか、殺すのか。どっちか決めたいんだにゃ」

(´・ω・`)「え」

言うが速い。

ミセ*゚ー゚)リ「にゃん♪」

ミセリが一瞬、消えたかと思われる速度で移動。

ξ;゚⊿゚)ξ

lw´;‐ _‐ノv

川;゚ -゚)

移動先はもちろん、

(;´ ω `)「うっぐぅ……!!」

ミセ*゚ー゚)リ「あは」

ショボン。
そのスピードのままに、腹に一撃を入れられ、さらに数メートル先まで離れた。

264 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 22:54:52.77 ID:xAJR+Ss7O
一瞬遅れて、3人が後ろを振り返る。

ミセ*゚ー゚)リ「おっせぇにゃん」

(;´ ω `)「ぐあ…あ…あぁ…」

そこには、ミセリに抱えられたまま呻くショボン。
ただのうめき声ではない。それはまさに、まるで
『何かを吸いとられているかのような』……

ξ;゚⊿゚)ξ「ショボン!!」

lw´;‐ _‐ノv「しょっ………」

川#゚ -゚)「くる゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!にゃん太郎ォォォォォ!!!!」

lw´;‐ _‐ノv「わっ」

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃん?」

川#゚ -゚)「『火符:アグニシャイン』!!!」

激しい怒号もそのまま、クーから無数の火の弾幕が張り詰められる。
ミセリを、襲わんとするべく。

290 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:00:57.72 ID:xAJR+Ss7O
ミセ*゚ー゚)リ「やっべ!!」

ショボンを離し、瞬時に後退。
いや、後退と呼べるようなバックステップではなかった。
そのバックステップで、街路樹の頂点まで飛び移る。

その姿に合わせたかのように、シューがショボンを抱えて移動。

lw´;‐ _‐ノv「ショボン、大丈夫?」

(;´ ω `)「う…あ……」

昏倒とは行かないまでも、意識がはっきりしていない。
体力とか、そういう類のものではなく
どうやら、『精力』と呼べるようなものが吸いとられたらしい。

やはりあれは…


ξ゚⊿゚)ξ「【障り猫】?だっけ?」

ミセ*゚ー゚)リ「……にゃ。よくご存知にゃ」

319 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:07:29.20 ID:xAJR+Ss7O
【障り猫】。
化物語に出る、怪異。
本人のストレスの権化とも言える、ストレスが閾値に達した時に、それを解消すべく暴れまわるというもの。
特性としては、他人の精力を吸収する『エナジードレイン』が、手から常時発動中。

ただ、怪異としてはそんなに大した位のものではない。
しかしその力は、本人に依存するところが大きい。

じゃあ、この女

ミセ*゚ー゚)リ「ごろにゃーん」

ミセリは、いったい…。

川#゚ -゚)「てめぇ、生きて帰れると思うなコラ」

怒りすぎて地の文のペースを崩すのは、クーだった。

この女もこの女で、いったい…。

329 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:11:17.96 ID:xAJR+Ss7O
ξ゚⊿゚)ξ「……」

だからと言って、倒せない相手でもない。
ツンはそう思いながら相手を見据える。

ミセ*゚ー゚)リ「あたしに勝てると思わないで欲しいにゃん」

発言が既にかませ犬…否、かませ猫だが気にしないでおこう。

lw´‐ _‐ノv「…一つだけ、頼みがある」

そこでようやく、シューが動いた。

ミセ*゚ー゚)リ「?」

lw´‐ _‐ノv「あれやってよあれ」

ミセ*゚ー゚)リ「にゃ?」

lw´‐ _‐ノv「『斜め七十七度の並びで泣く泣く嘶くナナハン七台難なく並べて長眺め』って言ってみてよ!!」

ミセ*゚ー゚)リ「にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃどのにゃらびでにゃくにゃくいにゃにゃくにゃにゃはんにゃにゃだいにゃんにゃくにゃらべてにゃがにゃがめ」

lw´*‐ _‐ノv「かぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁいいいいいいいいいいい!!!!!」


シューはツンに殴られた。

348 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:17:00.86 ID:xAJR+Ss7O
ξ゚⊿゚)ξ「あんま調子のるな」

lw´‐ _‐ノv「申し訳ねッスー」

川 ゚ -゚)「『土符:レイジィトリリトン』!!!」

またもや弾幕を張る、クー。

しかし

ミセ*゚ー゚)リ「にゃ」

ミセリには、当たらない。
先ほどまでとは段違いのスピードで、それこそ極小の針に糸を通すような性格さで回避する。

川;゚ -゚)「くっそあの【ピー】野郎…捕まえさえすれば【自主規制】して【放送出来ません】のに…」

ξ゚⊿゚)ξ「クー、落ち着きなさい」

川 ゚ -゚)「ん?」

そこに出やるのこそ、我らが御大将、ツンだ。

359 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:21:39.91 ID:xAJR+Ss7O
ξ゚⊿゚)ξ「今のままでいい。落ち着いて、なるたけ広範囲に弾幕を張って」

川 ゚ -゚)「いや、でも」

ξ゚⊿゚)ξ「いいから。私を信じなさい」

川 ゚ -゚)「…!!」

わかった、と一言。
クーはさらなる弾幕を飛ばす。

しかし、ミセリはそれをなんなく避け続ける。

ミセ*゚ー゚)リ「ちょ、動きづれーにゃ!」

そう言うはものの、鼻歌でも交えそうなスピードで楽々と回避する。

しかし、それでいい。

球が多く回るという事は、それだけ逃げ場がなくなると言う事。

367 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:25:53.18 ID:xAJR+Ss7O
ミセ*゚ー゚)リ「にゃん!」

例えば、こんな

ξ゚⊿゚)ξ「………」

ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳、奥義……」

大きな大きな一撃を放てば

ξ#゚⊿゚)ξ「北斗――――――剛掌波ァァァ!!!」

もはや、避ける場所は、ある?

ミセ*゚ー゚)リ「にゃ――――――!!」

放たれた、闘気。
しかし周りには、クーの弾幕。
避けられる、はずもなく。

ミセ;*゚ー゚)リ(やば――――――!!)

ミセリに、直撃した。

379 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:31:21.46 ID:xAJR+Ss7O
ゴウ!!という風が辺りを吹き飛ばしていく。
街路樹がもぎ取られ、ベンチは飛んでいく。

ツンは今の奥義に、それほどの力を込めていたのだ。

ξ゚⊿゚)ξ「………ふう」

川 ゚ -゚)「やったな!!」

ξ゚⊿゚)ξ「ちょ、露骨に生存フラグやめて」

lw´‐ _‐ノv「まぁでも、今ので致命傷でしょ」


砂ぼこりだけが舞う。

荒々しい技故に、生存確認が面倒な事この上ないが

まぁシューの言う通り、まず無事ではない



はず、なのに。

ミセ*゚ー゚)リ「……」

ミセ*゚ー゚)リ「にゃはははははははははははははははは!!!!」

傷一つ負わずに、笑っている。

394 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:35:45.14 ID:xAJR+Ss7O
ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

川;゚ -゚)「なっ…!」

lw´;‐ _‐ノv「なん、で……?」

ミセ*゚ー゚)リ「そこの巻き毛ちゃん」

ミセ*゚ー゚)リ「あんた馬鹿だにゃん?」

ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

ミセ*゚ー゚)リ「今の技、それあんたの闘気にゃ?」

ミセ*゚ー゚)リ「つまりそれは、元を辿ればただの精力」

ミセ* ー )リ「私にエネルギーを与えてくれた――――――」

ミセリが、消える。

ξ;゚⊿゚)ξ「!」

川;゚ -゚)「え」

ミセ*゚ー゚)リ「――――ようなもんにゃ」

クーの、眼前へ。

408 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:43:21.40 ID:xAJR+Ss7O
川 ; - )「あ………」

ミセ*゚ー゚)リ「捕まえたにゃ」

ξ;゚⊿゚)ξ「クー!!」

lw´;‐ _‐ノv「クーさん!!」

クーの頭を掴み、エナジードレイン。
それだけで、クーの体から力が抜けてゆく。

ミセ*゚ー゚)リ「にゃん」

ξ;゚⊿゚)ξ「こッ――――のォ!!」

遅れてツンが手を出すが、ミセリはお構い無しに消える。

ミセ*゚ー゚)リ「ぱわーあっーぷ♪ほんと馬鹿だにゃ」

ξ;゚⊿゚)ξ

いや、まさかだった。とツンは思いをめぐらせる。
まず、『怪異だから』という見方をするのが間違いだったのかもしれない。

413 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:44:57.52 ID:xAJR+Ss7O
この、最強能力決定戦。それが始まってから能力をぽんと与えられたミセリ。
そんな能力に、ストレスなど、関係があるだろうか?

もし、ストレスなど関係がなかったのなら
吸収されたエナジーは、どこへ行く?


――――――直接、ミセリの力になる………?

ミセ*゚ー゚)リ「んじゃ、行かせてもらうにゃ!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「!」

ミセリは駆ける。
先ほどより、早く。

425 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:48:57.47 ID:xAJR+Ss7O

しかし

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃあ゛っ!?」

ミセリは、横へ大きく殴り飛ばされる。

ミセ;*゚ー゚)リ(は――――!!?殴り飛ばされ、って――――?)

殴り飛ばされ?

殴る?

今の速さの自分を?

誰が。

( ・∀・)「そして時は動き出す、ってねェ!!」

誰だよ、こいつ。

454 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:52:39.37 ID:xAJR+Ss7O

( ・∀・)「いいね、いいね!!ばぁーーーん!!って効果音が欲しいねぇ!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「…え……」

lw´‐ _‐ノv「…だれ……?」

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃ……」

にゃんだお前。

そう言おうとしたミセリ。

だが、もう一人男がいる事に気付く。

( ^ω^)「うっお…ネコミミまじ萌える…いや、とれる………」

何かを感じさせる、男が。

478 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/12(金) 23:56:48.00 ID:xAJR+Ss7O
( ・∀・)「名乗らせてもらおう!!俺はモララー!!世界《ザ・ワールド》を持つ、大胆不敵で獅子奮迅!疾風迅雷の」

( ^ω^)「ちょ、うるさいモララー」

( ・∀・)「ごめんなさいブーン君」

lw´;‐ _‐ノv

ブーンが、子分をつれている。
まじかよ。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、ぶ、ブーン……」

( ^ω^)「ツン」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、え、なに?」

( ^ω^)「ショボンとクーは…あいつにやられたのかお?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、あぁ……うん……」

ツンは少しだけ違和感を感じた。
ブーンが、何か変わったような。

511 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:01:31.04 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「お前に、ケガはないかお?」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、な、ないけど…」

( ^ω^)「シューは?」

lw´‐ _‐ノv「うん、ない」

( ^ω^)「……そうかお」

( ・∀・)「おれもないよ」

( ^ω^)「きいてないよ」

(´・∀・)

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃんだ、お前…」

( ^ω^)「……なぁ、猫…」


(  ω )「二人の分、落とし前つけさしてもらうお」

ミセ;*゚ー゚)リ「え――――――」

ブーンの言葉に、空気が、凍てつく。

552 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:05:01.33 ID:xAJR+Ss7O

lw´;‐ _‐ノv

いつものブーン。

いつもの調子。

いつもの声。

(  ω )「【気分次第《アンカーテイク》】」

なのに、いつもあった何かが感じられない。

シューは、そう思った。

585 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:07:53.34 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「さてま、みなさん。毎度おなじみ安価の時間だお」

( ^ω^)「猫耳!猫耳!はあああああああん!!クンカクンカしたいおおおおおおおおおお!!!」

( ^ω^)「さて」

(  ω )「あなたのとっておきの、ちゅーにもーそーを。指定アンカーは………」


――――――>>610

 

610 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/13(土) 00:08:06.96 ID:1ZjdUr4k0
同じ物を4つ以上揃えると消せる能力
 

704 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:10:28.97 ID:GyZ7NbVlO
『能力が決定しました。』

>>610 同じ物を4つ以上揃えると消せる能力

( ^ω^)「さて」

( ^ω^)「どうしようか」

752 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:14:15.02 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「なぁ!シュー!!」

lw´‐ _‐ノv「なに?」

( ^ω^)「ピクミンをまいてくれ!!」

lw´‐ _‐ノv「え?わかった!」

シューはかばんから、ありったけのピクミンを放出。

赤、青、黄、紫、白。

入り乱れるそれは、美しくもある。

が。

ミセ*゚ー゚)リ「こんなもんが…にゃんんだよ!」

簡単に避けられる。

もちろん、それが目的ではない。

( ^ω^)「…ふひひ…」

ブーンの手には、一匹の赤ピクミン。

781 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:18:44.37 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「どぉらっ!!」

ミセ*゚ー゚)リ「うわっ……!?」

消えていく、ピクミン。

まず赤が。

赤が消えれば、それに連なり移動した青が。紫が。また青が。

そのように連鎖を繰り返し、消滅していく。

それはまるで、消滅の弾幕――――

ミセ;*゚ー゚)リ「セコいにゃあああああ!!」

まだ消えていないピクミンを振り払い、安全地帯を制作。
ミセリはそこから、ブーンに向かい跳躍する。

( ^ω^)「!!」

833 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:25:01.41 ID:GyZ7NbVlO
ミセ*゚ー゚)リ「ふざけた能力………」

ミセ#*゚ー゚)リ「使いやがって――――!!」

( ^ω^)

ブーンに、手を伸ばし、エナジードレイン

しようとするが

ミセ;*゚ー゚)リ「!!?」

急ブレーキ。方向転換。回避。

それは野生の生存本能と言おうか、人間の知機と言おうか。
どちらにしろ、最悪の自体を避けてのけた。

( ^ω^)「あ、気付いた?」

ミセ*゚ー゚)リ「…いま……」

( ^ω^)「そうだお。僕と君が近づくと、消えちゃうものがあるんだお。どうやらこれが最小単位らしいけど……」

ミセ;*゚ー゚)リ「やっぱ、り……」

( ^ω^)「めんたま、がね」

28 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:34:47.48 ID:GyZ7NbVlO
ミセ*゚ー゚)リ「……」

( ^ω^)「そして」

( ^ω^)「別に僕はそれでもいいんだお」

ミセ;*゚ー゚)リ「………!!」

ブーンがこちらに向かって、走り来る。

はっきり言って、遅い。

今のミセリには、遅すぎる。

しかし、その動きにまったく躊躇いがない。

自分の目玉も消えてしまうというのに、だ。

それがミセリを焦らせる。

ミセ;*゚ー゚)リ「にゃ――――――!!」

近づくのはまずい。

その思いが必要以上にバックステップの距離を広げた。

59 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:41:15.12 ID:GyZ7NbVlO
ミセ;*゚ー゚)リ「………」

あいつは、なんだ?

頭がおかしいんじゃないのか?

(;^ω^)「あぁもうめんどくせぇな、さっさとやられてくれお…」

( ^ω^)「じゃあもういいか」

( ^ω^)「これで」

ミセ;*゚ー゚)リ「え」

( ^ω^)「えい」


――――――



ミセ*゚ー゚)リ「きゃああああああああああああああ!!!!!!?」

93 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:45:41.35 ID:GyZ7NbVlO

ミセリは目の前の光景が信じられなかった。

現実なのだろうか。いや、絶対に違う。違うはずだ。

もし現実じゃないにしても、こんな事を考えるやつがいるのか?

だって、こいつ

( ^ω^)「ぶへっ…いてて…」

自分の

ミセ* ー )リ(じ、じ、じぶんの――――――)








――――――指を、4本、食い、ちぎ、った。

125 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:49:22.07 ID:GyZ7NbVlO
指だって、そんな軟らかいもんじゃない。

骨がある。肉がある。なにより

痛みがある。

それを、躊躇いなく

口に突っ込んで――――――

ミセ;*゚ー゚)リ(口に突っ込んで――――――!!!!)

( ^ω^)「おいおい」

( ^ω^)「油断、すんなお」

ミセ*゚ー゚)リ「!!!!」

言われて、意識が戻る。

目の前には、その、指が。

自分とブーンの間に、直線上に。

ミセ;*゚ー゚)リ「あ………」

( ^ω^)「指。4つ以上………」

――――――揃ったお

161 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:55:09.09 ID:GyZ7NbVlO
ミセ* ー )リ「あぁっ、ああ…ああああああああああああああああああああ!!!!!」

ミセリが、地に伏せる。
伏せるというより、倒れこんだ。

ブーンが区切りに作ったのは『指』。

それはつまり、足の指も入っていたようだ。

右手左手右足左足
親指人差指中指薬指小指

そのすべてが、消え去った。


( ^ω^)「能力が、任意だったのが嬉しいとこだお。僕の残った指を除外出来たんだからな」

ブーンはフツーに立っていた。

なんと異常な光景だろうか。

足の指があるから、ではない。

自分の指を食いちぎっていながら、平然と立っている。

笑顔で、立っている。

それが、異常すぎるのだ。

196 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 00:59:52.30 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「なんなら、最初っから揃ってるものも消せたら良かったんだけどね。そしたら、僕の指なんかちぎらなくても良かったのに」

ミセ*;ー;)リ「ひぐっ…えぅ……」

( ^ω^)「つーかびびって避けないとかなにお前。僕こんなに指ちぎる必要なかったじゃん。1本で良かったじゃん」

ミセ*;ー;)リ「うぅ……ううううううううう!!!」

( ^ω^)「ああ、僕が怖いかお?嫌いかお?見たくないかお?」

「安心しろ」

( ^ω^)「今からそっちいって、目を消して」

「僕の姿も、見れなくしてやるお」

254 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 01:07:50.37 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「あ、そっか。4つ以上揃えばいいんだからさ、例えば」

( ^ω^)「僕の右上腕筋と、君の全身の筋肉、みたいに連鎖させる事も出来るのかな?」

( ^ω^)「内蔵もいいおね。肺。失ったら、しんどそー」

( ^ω^)「腎臓なんかも苦しみ半端じゃないらしいお」

( ^ω^)「歯が一気になくなる、ってのも…あぁ、目よりちっさいし無理かな」

( ^ω^)「どう?目が消えたら、次はどこから消されたい?」

( ^ω^)「僕としてはまぁ腕とかから始めようかと」

( ^ω^)「………お?」

ミセ*   )リ


ミセリは

壮絶な顔色で
失禁しながら
気絶していた。

289 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 01:11:43.06 ID:GyZ7NbVlO
( ^ω^)「あーあ、きっっったねェ」

( ^ω^)「つーか右手痛いなこれ。人間、覚悟決まれば痛覚麻痺するとか言うけど、嘘じゃんこれ」

( ^ω^)「おーいツン!クー起こして!今すぐ再構築を頼みたいお!」

( ^ω^)「………お?」


ξ;゚⊿゚)ξ


lw´;‐ _‐ノv


(  ∀ )


( ^ω^)「んー」

( ^ω^)「あぁ」

( ^ω^)「怖がらせてごめんね」

324 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 01:15:39.37 ID:GyZ7NbVlO
lw´;‐ _‐ノv「あ、あ、う…ブーン……」

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン、あんた……」

(  ∀ )

( ^ω^)「ごめん、マジでごめんな」
( ^ω^)「あと、シュー。出来たら早くクーを起こして欲しい」

lw´;‐ _‐ノv「え…あ!うん!!」

( ^ω^)「ツン」

ξ;゚⊿゚)ξ「……」

( ^ω^)「引いたかお?」

354 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 01:20:59.93 ID:GyZ7NbVlO
ツンが、歩みよる。

ξ;゚⊿゚)ξ「………ドン引きよ。はっきり言って、こうやって、近づくのも怖い」

( ^ω^)「あーららららららのらー。ツンに嫌われちゃったお。まぁ、そりゃこんだけ狂った僕なら」

ξ゚⊿゚)ξ「でもね」

( ^ω^)「お?」


ツンが

ξ-⊿-)ξ

ブーンを、抱きしめる。

( ^ω^)「……」

ξ-⊿-)ξ「あんたは、狂ってない。ただ、狂おうとしてるだけ。」

( ^ω^)「……」

ξ-⊿-)ξ「何があったのか、知らない。知らないし、聞きたくない。けど、けどね」

ξ-⊿-)ξ「私たちは、仲間なんだよ。何も、怖くないんだよ。自ら狂って、私たちを拒絶しなくていいんだよ」


( ^ω^)「お………」

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/13(土) 01:25:38.65 ID:GyZ7NbVlO
ξ-⊿-)ξ「怖くない。怖くない…怖く、ないよ…」


( ^ω^)「………」

怖くない、怖くない。

ブーンの頭を撫でながら、まるで赤子をあやすように
優しく語りかけるツンがいた。

( ^ω^)「………」


狂ってしまおうと、そう思っていた。

失うなら、最初から後ろめたくないくらいに。

分裂崩壊する心で、そう、思っていた。

のに。

この少女は、それを少し繋ぎ止めた。

誰も何も言わない。だだ、ツンは言う。


――――――怖くない、怖くない。


第十五話、終わり。
Posted at 2011/08/19 21:39:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月17日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第14話

387 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:10:17.18 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十四話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
そして渡辺を助ける事に成功したが、あと一歩の部分で渡辺はペニサスに転送されてしたのだった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
ゲスい悪役から足を洗った渡辺は、見事ヤンデレ要員としてヒロイン入り出来るのか!?

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:13:07.53 ID:9/8GtECfO
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
・戦闘終了

(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・共に逃避中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
・????

/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
爪'ー`)y‐【????】(???)
・戦闘中

('、`*川【GANTZ】(GANTZ)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
( ・∀・)【世界《ザ・ワールド》】(ジョジョ)


392 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:15:29.04 ID:9/8GtECfO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』
『脈絡なく死を与える能力』


394 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:16:49.12 ID:9/8GtECfO
そこにいた若いサラリーマンが、憂鬱そうに呟いた。

( ・∀・)「…なーんかなぁ」

誰に言ったわけでもない。

( ・∀・)「俺、このままでいいのかなぁ」


( -∀-)(どーせ生き返ったんだ…)

静かに目を閉じ


( ・∀・)「やっぱやるなら」

( ・∀・)「下克上だよな……」

一人、ごちた。

404 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:25:40.56 ID:9/8GtECfO
――――――公園

数にして3人が、その場にいた。

しかし、端から見れば戦ってるようには見えないだろう。

皆、文字通り止まっていたのだ。

爪'ー`)y‐「どうだい?これが俺の力だ」

(#゚;;-゚)「………」

/ ,' 3「………」

二人の体には、奥千の刃が突き刺さっている。

それでも片方の老人は口から血を流しつつ、冷静に語りかけた。

/ ,' 3「お年寄りは大事にせぇよ、若者。これが精神攻撃だってわからんかったら、ワシゃとっくにショック死しとるわい」

爪'ー`)y‐「ふん、ばれた?まぁ、わかったとこでどうしようもないよね」



爪'ー`)y‐「この、【鏡花水月】の前じゃあ」

416 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:33:38.10 ID:9/8GtECfO
【鏡花水月】。
それは即ち、『完全催眠』を誇る刀。
この刀を見てしまえば、おしまい。
蝿を龍に見せる事も、沼を聖泉に見せる事も、なんでも可能だ。

爪'ー`)y‐「うん、だからもう俺の勝ちなんだよね」

爪'ー`)y‐「後は、単純に俺の仕返しタイム」

爪'ー`)y‐「たっぷりいたぶってやるから、覚悟しろよ」

/ ,' 3「……」

対し、老人は

/ ,' 3「どっちがいく?」

爪'ー`)y‐「?」

目の前の男を無視し、隣の少女に語りかけた。

(#゚;;-゚)「…じゃあ私が」

/ ,' 3「頼んだ」

爪'ー`)y‐「? お前ら…」

爪;'ー`)y‐「何言ってんだぐぶぉ!!!」

突如、男の体が右へと吹き飛ばされる。

423 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:38:33.51 ID:9/8GtECfO

吹き飛ばされた、というのは間違いだろう。
その正体は、何かに蹴られた。それだけ。

爪; ー )y‐(蹴られた!?何に!どうやって!?)

かなりの距離を飛ばされ、思考もままならない間に

男は、あるものを見る。

(* ∀ )

爪;'ー`)y‐「なん…だ…あれ…」

蹴りを入れられた脇腹の痛みは、尋常ではなかった。
もはやまともな肋骨など、ないだろう。

(#゚;;-゚)「いいでしょ、私のしぃちゃん」

(#゚;;-゚)「その子、最初っから頭壊れてるからね。催眠のしようもクソもない」

(#゚;;-゚)「あとは私の力で視界パクって操って、はい今に至ります」

爪;'ー`)y‐「ぐぅ………」

430 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:44:14.11 ID:9/8GtECfO

爪;'ー`)y‐「くっ…!!【鏡花水月】!!」

再び男は刀の名を呼ぶ。
二人を無限で無間の、催眠地獄に陥れる為。

しかし、今ではそれも無意味となる。

能力が、発動しない。

/ ,' 3「言ったじゃろ、お年寄りには優しくしろと」

爪;'ー`)y‐「は!?」

/ ,' 3「さて、一つだけ聞いてやろう。お前は一体いつから」

/ ,' 3「一体いつから、ワシがお前の能力をコピーしていないと錯覚していたんじゃ?」

爪;'ー`)y‐「え」

周りを取り囲むは、億千…いや、それどころではない。


まるで、刀の壁。

438 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:49:17.08 ID:9/8GtECfO
爪;'ー`)y‐「う、うわぁぁぁああああああああ!!!!」

ぐさり、というありきたりな音は聞こえなかった。

/ ,' 3「……」

(#゚;;-゚)「……なんかあっけなかったね」

爪 ー )y‐

男は、放心。
口から涎をたらしながら、地に伏せていた。


(#゚;;-゚)「さてと。終わった事だし、ドクオ君を探さなきゃね」

/ ,' 3「じゃな」

442 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 21:54:00.61 ID:9/8GtECfO
(#゚;;-゚)「また戦いを楽しんでる間にどっかいった、って感じだね。まったくドクオはいっつも…」

/ ,' 3「ワシらが言っても直るもんでもあるまい。それより、ワシはずっと気になっとる事があるんじゃ」

(#゚;;-゚)「?」

/ ,' 3「ドクオはあの弟者とやらの力で、ちゃんと選択者《アレンジ》へ昇華出来たのかの」

(#゚;;-゚)「さぁ?見て確かめたらいいん…」

その時だった。

「渡辺ェェェェェェェェェェ!!!」

(#゚;;-゚)

/ ,' 3

誰かの叫びが、同じ公園内から聞こえたのは。

453 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:00:13.46 ID:9/8GtECfO
(;゚ω゚)「ちくしょおおおおおおおお!!!」

二人が駆けつけると、血走った目で地を叩く少年がいた。

/ ,' 3「…あれは」

(#゚;;-゚)「荒巻さん、あの子って」

/ ,' 3「あぁ」

ブーン。
ドクオの友人で、最初の覚醒者。

それが、目の前であんな事になっている。

/ ,' 3「おい、どうしたんじゃブーン君!!」

荒巻は少し警戒を持ったまま、ブーンに話しかけた。

462 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:06:34.93 ID:9/8GtECfO
声に反応したブーンが、ようやく止まった。
拳からは血が垂れ落ち、息は乱れているままに。

(;^ω^)「…あんたら…かお。ドクオは…?」

(#゚;;-゚)「あ、ドクオ君ならどっかいったよ。よくあるパターン」

/ ,' 3「今はそんな事いいじゃろが。それよりお主じゃ。何があった?」

(;^ω^)「……」

何が、って。そう思いながら、真実を言うべきか言わざるべきかを考えた後

(;^ω^)「お。話してやるお…」

やはりブーンは、包み隠さず答えた。
ここで起きた事を。
渡辺の事。ペニサスの【GANTZ】の力の事。etc…。
時間はあまり、かからなかった。

473 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:12:01.70 ID:9/8GtECfO
/ ,' 3「お前、馬鹿か?」

話を聞き終えた荒巻の第一声は、それだった。

(;^ω^)「お」

/ ,' 3「何がしたいんじゃ?元敵なんか救って、改心させてハイハッピーエンド?」

/ ,' 3「そんなムシのいい話があるか」

( ^ω^)「…」

ブーンは深く黙ってから、告げる。

( ^ω^)「言ってもどうせ、ご老人にゃわからんお。最近の若者が何考えてるかなんて考えなくていいお」

/ ,' 3「ほぉ」

483 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:18:57.89 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「僕は決めたんだお。僕は、救いたいものを救う。一度信じたものに手を求められたら、迷う道理は僕にはないんだお」

(#゚;;-゚)「…」

( ^ω^)「必ず、ぜんぶ助ける。渡辺だけじゃない。兄者だって」

( ^ω^)「君がいま操ってる、つーだって」

(#゚;;-゚)「え?」

いきなり視線と話題を振られ、少し驚き顔のでぃ。

(#゚;;-゚)「しぃちゃんの本名、つーって名前なの?」

( ^ω^)「そうだお。しぃは、その妹の名前。二人とも、僕の仲間だったんだお」

( ^ω^)「しかしつーは目の前でしぃを殺され、精神を壊したお」

( ^ω^)「…渡辺によって」

/ ,' 3「……!」

(#゚;;-゚)「え…」

/ ,' 3(…ガキの割に、なんちゅー精神…)

それでもこいつは、渡辺を助けようと言うのか。

493 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:25:10.35 ID:9/8GtECfO
(#゚;;-゚)「と言うかあなた、私を怒らないの?仲間なんでしょ?」

( ^ω^)「や。生きてる事を確認できただけでも今は嬉しくて跳び跳ねたい気分だお。それくらい、あの時は絶望的だった」

(#゚;;-゚)

( ^ω^)「まぁでも。万一でもつーを死なせたら」

( ^ω^)「その時は、遠慮なくお前を殺すお」

(;#゚;;-゚)「――――!!」

ぞわり、と。
全身の毛が逆立つという言葉がふさわしいほどに、でぃは戦慄を感じる。

( ^ω^)「何があろうと、今の僕の目的は一つだお」

( ^ω^)「ペニサスの元へ行き、渡辺を助け出す」

(#゚;;-゚)「……」

/ ,' 3「……」

二人とも、言葉が出なかった。

498 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:29:41.53 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「そろそろ僕はいくお。聞きたい事は終わりかお?」

/ ,' 3「いや、まだある」

( ^ω^)

/ ,' 3「そのペニサスとやらの場所は、わかっておるのか?」

( ^ω^)「……」

/ ,' 3「お主は本当に馬鹿じゃのう。待ってろ」



/ ,' 3「あいつらの場所を、聞き出して教えてやる」

(;^ω^)「お」

ブーンにとって、予想外の手助けが入った。

505 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:36:20.20 ID:9/8GtECfO
(;^ω^)「はぁっ…はぁっ……」


平坦な道を、どこまでも走る。

目指す場所は、一つ。


――――――

爪 ー )y‐「ここから…みなみに…すこしいった…とこ…まるい…たてもの…」


爪 ー )y‐「『やきゅうじょう』……それがほんきょち…」

/ ,' 3「だ、そうじゃよ。意外と近いんだな…」

――――――


(;^ω^)「待ってろ渡辺ェ……」


一人の少年が、走り続ける。
目前にある、ドーム型の建物を目指して。

521 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:43:52.82 ID:9/8GtECfO
――――――野球場前

やっとついた、巨大な円盤状の建物。

(;^ω^)「はぁっ…はぁっ……」

あのフォックスという男の情報が正しければ、ここに間違いない。

(;^ω^)「よっしゃ…とりあえず、入口を探し…」

( ^ω^)「ん?」

そこで、ブーンはあるものを見つけた。

いや、ある人を。


( ・∀・)

あれは。

( ^ω^)「…モララー?」

533 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:47:32.07 ID:9/8GtECfO
( ・∀・)「下克上だよな……」


なんか、言ってる。
しかもかなりのキメ顔で。

やばい、ナルシストだ。まごうこと無きナルシストだ。
もはやこのナルシストぶりは、事件だ。

( ^ω^)「…」


( ・∀・)「あ」


( ^ω^)「あ」



やばい。目ぇ会った。

549 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:52:34.12 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)

( ・∀・)

( ^ω^)

( ・∀・)

(;^ω^)(やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!)

(;・∀・)(やべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!)

(;^ω^)(この人、よく考えたら相当キレた人だったじゃん!しかも殺したの俺じゃん!ヤバいじゃん!)

(;・∀・)(こいつ、あれじゃん!惑星降らしてきたやつじゃん!やばいじゃん!俺勝ち目ないじゃん!)

(;^ω^)(怖ェェェェェェェェェェェェ!!!)

(;・∀・)(怖ェェェェェェェェェェェェ!!!)


静寂だけが、二人を見守った。

571 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 22:56:58.31 ID:9/8GtECfO
(;^ω^)「や、やぁ、モララーさん…」

(;・∀・)「!!」

(;^ω^)「!!」

いきなり話しかけられたモララーは驚き、びくっ、と体を跳ねさせた。
それに驚いたブーンもびくっ、と体を跳ねさせる。

(;・∀・)「や、やぁ、ブーン君…だっけ。…なんで、こんなとこに…?」

(;^ω^)「はい?……あ、あぁ」

( ^ω^)「この中にいるペニサスってやつを、ぶっ飛ばしにきたんですお」

( ・∀・)「え?」

590 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:02:29.21 ID:9/8GtECfO
――――――野球場内

そこはまさに、地獄絵図さながらだった。

从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从 'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー '从从'ー'从
从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从从'ー'从

大量に規律正しく並べられていたのは、ガンツスーツを見にまとったコピーの渡辺。

('、`*川「……」

その渡辺を作り上げたのが、このペニサス。

从; ー 从

そのペニサスに殴られ蹴られ、ボロボロにされたのがオリジナルの渡辺。

それが、野球場内の姿だった。

612 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:08:57.11 ID:9/8GtECfO
('、`*川「…なーんかさぁ、こんだけ自分がいたらさぁ」

('、`*川「あたしだったら発狂してると思うわ」

('、`*川「こんだけいたら、文字通り自分がいらない人間じゃないかって思えてこない?」

('、`*川「自分一人消えてもいいんじゃ、ってさ。ねぇナベちゃん?」

从; ー 从「…」

('、`*川「あ、【大嘘憑き《オールフィクション》】で傷を直そうとしたら殺すよ?なんのためにいたぶってるかわかんなくなるし」

从; ー 从「…」

('、`*川「ん?」

聞き取れなかったが、渡辺が何かを呟いているのにようやくペニサスは気付く。

从; ー 从「…」

('、`*川

何を言っているのかはわからない。
血が垂れる唇の動きから、数語だけは読み取れたが。

………『か』…『ち』…『あ』『る』……。

と。

628 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:13:36.27 ID:9/8GtECfO
('、`*川「うっぜぇ池沼だなオイ!未だに自分の価値主張してんのかよ!」

ペニサスが、頭目掛けて回し蹴りを入れる。

从; ー 从

渡辺はもはや、抵抗の気力すらない。

しかし、呟く。何かはわからないが、呟く。
それが、最後の抵抗であるかのように。

('、`*川「おい池沼!!ふざけんなよ!!ムシがいいんだよ!!」


('、`*川「もはやお前に価値なんか、ねーんだよ!!!」

从; ー 从

返事は、返ってこなかった。

しかし

「いや、あるお」

代弁者は、いた。

644 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:16:31.83 ID:9/8GtECfO
('、`*;川「あ!?誰だよ!!」

ペニサスが叫ぶ。
周りには、人の気配はない。

左。

いない。

右。

いない。

下。

いない。

上。

( ^ω^)

いた。

('、`*;川「は!!?」

665 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:21:21.72 ID:9/8GtECfO
一瞬のうちにペニサスの頭上へ、移動。
そのタネは、簡単だ。

( ・∀・)「行けよ!!ブゥゥゥゥゥゥン!!」

世界《ザ・ワールド》が時を止めている間に、投げ飛ばした。それだけだった。

そして、ここからがブーンとモララーの、作戦。

それは

( ^ω^)「渡辺は頂いたおおおおおお!!」

从;'ー'从「『うひゃあああ!!?』」

渡辺の、奪取。

685 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:26:23.91 ID:9/8GtECfO
('、`*;川「なっ!!」

呆気にとられていたペニサスは、簡単に渡辺を連れ去られる事を許してしまった。

次の行動は簡単にわかるだろう。

('、`*;川「いけっ!!クローン達!!」

もちろん、取り返す。

ペニサスの命により、一斉にクローンが動く。

しかし

( ^ω^)「動くなお!!」

从;'ー'从「『え』」

ブーンが、手に何かを握っていた。
それは、渡辺の首に突き付けられる。
それは、危ない光を醸し出す。
それは、さっきブーンがモララーからもらったもの。

それは、ナイフ。

706 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:32:23.46 ID:9/8GtECfO
('、`*;川「……」

( ^ω^)「動いたら、僕は渡辺を殺すお」

从;'ー'从「『え?え?』」

( ^ω^)「そして、ペニサス。それはお前にとって一番恐れる事だろ?」

( ^ω^)「僕は知ってるお。ある女の子は、自分の能力が無限から有限になった時、チートとよべた戦力ががた落ちしてしまったお」

( ^ω^)「まだその子は良かった。恨まれるべき相手がいないから。でも、お前は違う」

('、`*;川

( ^ω^)「お前が渡辺を生かしておく本当の理由は、そこだろ?渡辺が死んでは、コピー渡辺の量産がうまくいかなくなる。そして、それを狙って自分を殺しにくるチート達がいるかもしれない、と」

( ^ω^)「ずっとずっと、恐れてたんだお?」

728 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:38:52.49 ID:9/8GtECfO
('、`*;川「くっ…」

( ^ω^)「だから、僕の言う事に従ってくれたら渡辺は解放してやるお」

( ^ω^)「まず、手始めに」

( ・∀・)「俺の頭の爆弾を、解除してもらおうか」

('、`*川「…お前の仕業か……」

( ・∀・)「そうだよ。だからなに?早く解除してよ」

これは、モララーとブーンの、互いの協定条件の一つだった。

「モララーの爆弾は必ず解除させる」
「渡辺は必ず助ける」


( ^ω^)「とりあえず一つは、簡単に解決した…!」

後は、渡辺。
モララーを解放した後、どうするか。

742 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:42:59.93 ID:9/8GtECfO
( ・∀・)「早くしてよ。この渡辺ちゃんに死んで欲しくなかったら、さ」

モララーが渡辺に近づき、渡辺の頭を小突きながら言う。

対し、ペニサスは苦汁を舐めたような顔で

('、`*;川「…わかったわよ………」

そう言った。

( ・∀・)「ひゅう♪」

('、`*川「爆弾、解除」

( ^ω^)「よしっ!!」

……しかし

( ・∀・)「……あれ?」

モララーが呟いたその後だった。

765 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:45:43.08 ID:9/8GtECfO

(;^ω^)「?」

('、`*川

ペニサスが、やけににやけた。


( ・∀・)「あー…」

( ・∀・)「あ」

( ・∀※∴・ バッ!!!


そして、モララーの頭は破裂した。

825 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:51:59.18 ID:9/8GtECfO
モララーはそのまままっすぐ

ちょうど右手が渡辺の頭をかすめるように

倒れて、動かなくなってしまった。


(;゚ω゚)「え!?」

('、`*川「あはははははははは!!!ドヤ顔で出てきやがって!!」

(;゚ω゚)「おいてめぇ何してん」

('、`*川「で」

(;^ω^)「!?」

('、`*川「ほら、逆らったら渡辺殺すんでしょ?」

833 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:54:06.00 ID:9/8GtECfO
(;^ω^)

('、`*川「早くやりなよ」

(;^ω^)

('、`*川「勘違いすんなよ。別に、信用出来て使い易いからこいつ使ってるだけであって、やろうと思えば誰のクローンでも代用は効くんだよ。ばーか」

(;^ω^)「な……」

从'ー'从「『………』」


('、`*川「さ、クローンたち」

('、`*川「そのブーンってやつ、殺しちまいな」


――――――作戦は、失敗。
渡辺が、一斉に押し寄せる。

850 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:56:40.64 ID:9/8GtECfO
さて、時間は数秒巻き戻り
モララーの話。

「爆弾、解除」

そう聞こえた。

間違いなく、そう聞こえた。

なのに、頭の中には

あの音がなる。

ピンポロパンポン、という

死のアラームが。

( ・∀・)「………あれ?」

877 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 23:59:19.88 ID:9/8GtECfO
だから俺は無意識のうちに

世界《ザ・ワールド》を展開させた。

( ・∀・)

音は、止まった。

だが、止めたところでどうだ。

もうわかっていた。

作戦は失敗だという事が。

( ・∀・)

ただ、俺は気に入らなかった。

こんな惨めに死ぬなら、どうせなら

最後くらい、悪あがきしてやろうと

そう思った。

27 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:04:26.29 ID:vjV5LEgNO
とりあえず、悪あがきだ。

何しようか。

やばい、考えてる時間がもったいない。

何しようか。

悪あがきだから、あそこの女が嫌がる事。

渡辺を殺す?

いやいや、それじゃブーンが。

ん、渡辺はなんで服従してんだっけか?

爆弾だっけか。

あぁ、そうか。





………スタンドって、ちゃんと操ったら人体内にも潜れたよな?

45 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:06:36.77 ID:vjV5LEgNO
从'ー'从

ちょうど頭が近いや。

良かった。

じゃあ、世界《ザ・ワールド》。

この渡辺の頭の

爆弾だけとってこい。

それで、いい。

それだけで、いい。

後はこの二人が何とかしてくれる。


………あ。

75 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:09:19.36 ID:vjV5LEgNO
しまった。先に自分の爆弾とりゃ良かったじゃん。

そっから渡辺のをとったら、二人とも助かったじゃん。

あーあ。

俺、死亡確定。

なんで、とっさにこっちを優先しちゃったんだろう。

………まぁ、いいか。



これで誇りを持って、死ねる。


さ、時は動き出す。

後は、二人。

頼んだよ。

111 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:13:58.01 ID:vjV5LEgNO

――――――そして、いま。


渡辺が、その事に気付く。


「『ブーンくん、ありがとう』」


絶望的な場所にそんな言葉が響く。


( ^ω^)

从'ー'从「『君たちが近づいてきたのを、《なかった事にする》』」

('、`*川「!!」

クローン達が、飛びかかってくる前の場所へ

まるで同じ場所へ、いきなり戻っていた。

――――――【大嘘憑き《オールフィクション》】渡辺、ここに復活。

138 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:20:02.00 ID:vjV5LEgNO
(;^ω^)「渡辺!!」

从'ー'从「『生きてて良かった』」

淡々と、言った。

(;^ω^)「お?」

从'ー'从「『救われた。掬われた。報われた。私は、生きてて良かった』」

从'ー'从「『あなたは、必要としてくれた』」

そう、淡々と言った。

(;^ω^)「…お、おい渡辺…?」

从'ー'从「『だから、ここからは私が頑張るよ』」

淡々と、言った。

('、`*川「渡辺ェェェェェェ!!!!」

从'ー'从「『あの子を、なかった事にする』」

そして淡々と、言った。
全ての覚悟を決めた顔で。

174 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:23:38.29 ID:vjV5LEgNO
(;^ω^)「おい!渡辺お前!」

从'ー'从「『ありがとう、サラリーマンさん』」

从'ー'从「『あなたの死を、《なかった事に》』」


( ・∀

( ・∀・)

(;・∀・)「…?…あれ…え?」

モララーが、生き返る。

そして。

从'ー'从「『ペニちゃん。覚悟は決めた?』」

从'ー'从「『私は、決めたよ』」

('、`*;川「は!?」

渡辺は、尚も淡々と言った。

203 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:26:53.95 ID:vjV5LEgNO

('、`*;川「ま、まさか……!!嘘でしょ?爆弾が消えたからって、あたしの能力で生きてるのにかわりは……」

从'ー'从「『ペニちゃんの存在、能力、影響……』」

('、`*;川「おい!!!!」

(;^ω^)「やめろお渡辺!!そんな事したらお前は」

お前は――――――!!!



从'ー'从


渡辺は


从^ー^从


笑った。

246 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:30:09.43 ID:vjV5LEgNO

――――あーあ、生まれてきて良かった。

ブーンくん、ありがとう。

そして、さよなら。




从'ー'从「『ペニちゃんの全てを――――――』」



「『なかった事にする!!』」




270 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:33:32.55 ID:vjV5LEgNO

――――――結果。




( 、 *;川「………」




('、`*;川「………え?」



(;゚ω゚)「え?」


(;・∀・)「は?」



――――――何も、変わってはいなかった。

317 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:36:39.44 ID:vjV5LEgNO


結論は、一つだ。



渡辺の能力は



最後の最後で



暴発した。



《なかった事》になったのは


自分の存在、だけ。


('、`*;川「は……はは…ははははは」


「あはははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!死にやがった!!!!!!勝手に!!!!!一人で!!!あははははははははははははははは!!!!!!馬鹿だろ!!滑稽だな!!!
あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!」

357 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:40:31.48 ID:vjV5LEgNO
('、`*川「あは!!!あはははは!!!あはひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」


('、`*;川「あは………」


( ゚ω゚)

('、`*;川「あ……」

(#゚ω゚)「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

(;・∀・)「!?」



突如、そこに光が、ほとばしる。

398 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:45:15.61 ID:vjV5LEgNO
光が、形取られる。

デミタスの時と同じように。

しかし、あの時は手だったのに対し

今回は、ブーンの背を支えるように、大きく広がる。

その様はまるで

――――――翼。

('、`*;川「なに、あれ――――」


(# ω )「……」




「【自分次第《アンカーコール》】!!!」

433 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:48:24.08 ID:vjV5LEgNO
(  ω )「どーも皆さん。二度目の覚醒ですお」

(  ω )「この前のが『二重能力《デュアルアンカー》』だったのに対して」

(  ω )「今回は、『多重能力《ボックスアンカー》』」

(  ω )「指定アンカーは………」



――――――>>440-445を、一回ずつ。

 

440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:32.61 ID:vNXboM9t0
FFに出てきた全ての黒魔法が使える能力


441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:32.63 ID:vZuM0yeC0
明日の正座占いが一位になる能力


442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:32.64 ID:YJeEWAVX0
スタンド”ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”を自分に発現させ、120%使いこなす能力(オリジナルも超える)


443 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:32.85 ID:+HUBzmh30
未元物質 の能力


444 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:33.26 ID:u5+9gQkY0
理想を現実に変える力を100%使える能力


445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/11(木) 00:48:33.46 ID:Gjzxk61R0
大嘘憑きを100%使いこなせる

 

583 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:51:26.69 ID:vjV5LEgNO
『能力が決定しました。』

>>440-445
FFに出てきた全ての黒魔法が使える能力
明日の正座占いが一位になる能力
スタンド”ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”を自分に発現させ、120%使いこなす能力(オリジナルも超える)
未元物質 の能力
理想を現実に変える力を100%使える能力

大嘘憑きを100%使いこなせる、は『能力』という言葉がないから無効。


(  ω )「さ、行ってきますお」

673 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 00:58:51.67 ID:vjV5LEgNO
光に反応するように雪崩となってやってきたのが、渡辺のクローンだ。

それに対しブーンは、まず6枚の翼を展開させる

( ^ω^)「『未元物質 の能力』!!」

未元物質。それは、現実には存在しない物質。
それはいとも容易く既存の物理法則を変えていく。

全てを薙ぎ払うように、羽一枚一枚が刺状となり、前面の敵に襲いかかる。

質量保存エネルギーおかまいなしの威力と暴れっぷりを見せ、渡辺達を圧倒する。

('、`*;川「な――――――!!!」


(  ω )「『FFに出てきた全ての黒魔法が使える能力』」

まだまだ、終わらない。

715 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:05:41.32 ID:vjV5LEgNO
( ^ω^)「滅びゆく肉体に暗黒神の名を刻め 始源の炎蘇らん! 」

まず、まだ残る、こちらに向かってきた渡辺に向けて。

( ^ω^)「フレア!!」

一掃。

('、`;*川「ひっ!」

次に。

ペニサスに向けて。

( ^ω^)「大気に潜む無尽の水、光を天に還し 形なす静寂を現せ! ブリザジャ!天と地の精霊達の怒りの全てを 今そこに刻め! サンダジャ!カ~エ~ル~の~ き~も~ち~! トード!」

('、`*川「うわ、うわあああああああああ!!!」

ペニサスが、叫ぶ。
とてつもない攻撃弾幕に、なす術もなくペニサスは伏される。

しかしまだ、それすら始まりに過ぎなかった。

761 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:11:54.50 ID:vjV5LEgNO
( 、 *;川「ぐぎゃぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!」

痛い。痛い。苦しい。辛い。非道い。酷い。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!

しかし。

('、`*川「………あ………?」

あれだけの攻撃をくらいながらも、尚もペニサスは生きている。

( ^ω^)「『理想を現実に変える力を100%使える能力』。完璧に使えるからって、寿命を減らさなくていいのは幸せだな」

ロベルトの、理想を現実に変える力を100%使える能力。

それによって、ペニサスが今の攻撃では死なないという理想を現実に作り変えた。

そして。

( ^ω^)「ゴールドエクスペリエンス・レクイエム……」

ブーンから出る、黄金のフォルム。
真実へ到達させない、その力が。

796 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:17:18.60 ID:vjV5LEgNO

『スタンド”ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム”を自分に発現させ、120%使いこなす能力(オリジナルも超える)』

( ^ω^)「ペニサス」

( ^ω^)「お前に、終わらない地獄を」

('、`*川「う、うぅ………」

('、`*川「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

ペニサスの形が、殴られ変形していく。元々の形が人間だと言われても、分別がつかないほどに。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!!!」

「無駄ァァァァァァァァァ!!!!!」

終わった頃。
すでにペニサスは、肉塊へと化していた。

829 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:21:31.39 ID:vjV5LEgNO
( ^ω^)「終わりがないのが、終わり」

( ^ω^)「それが、ゴールドエクスペリエンス・レクイエム」

ゴールドエクスペリエンス・レクイエム。
これは、全てを真実に到達させない力。
ペニサスはこれからもずっと、


「死んだ」という真実に到達出来ず、永遠に死に続ける。


( ^ω^)「………」


ペニサスを、葬る事が出来たのだ。

地獄より辛い、地獄へと。

856 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:27:10.61 ID:vjV5LEgNO
( ^ω^)「…でも、最後に一つだけ…教えてやるお」

『明日の正座占いが一位になる能力』

( ^ω^)「右親指が上で手を膝先でグーにして正座しろ。それが明日の正座占いの、一位だお」

( ^ω^)「まぁ、お前にその」


――――――明日なんて、永遠にこないけどな。

882 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/11(木) 01:31:16.81 ID:vjV5LEgNO
(;・∀・)「お……おおおおお、お、おい…ブーン………」

終わったと見えたのか、ようやく隅で震えていたモララーが近づいてくる。

(;・∀・)「あ、あの、あああ、あ、あの、その………」

( ^ω^)

(;・∀・)「う!いや、あ、違う、なんかそんな悪いあれじゃ…」

( ^ω^)「もう、いいお」

(;・∀・)

( ^ω^)「ぜんぶ、終わった」

(  ω )「ぜんぶ、終わったんだお」


――――――ブーンの中で、何かが変わる音がした。


第十四話、終わり。

Posted at 2011/08/17 21:03:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月16日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第13話

518 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 20:59:39.75 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十三話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ついにドクオと会合を果たしたが、そこにはGANTZ勢力が乱入。混乱の最中にプギャーを、戻ってきたツンと撃破。そのツンは、衝撃の言葉を口にしたのだった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
柔道をしていて右手を痛めた作者だが、慣れないサウスポーでいつもの誤字に拍車がかかってしまわないのか!?

524 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:01:44.43 ID:N6oJM0L0O
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・共に逃避中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・戦闘中

/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
爪'ー`)y‐【????】(???)
・戦闘中

('、`*川【GANTZ】(GANTZ)
・???

  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

530 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:04:07.16 ID:N6oJM0L0O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』
『自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力』

532 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:08:00.35 ID:N6oJM0L0O
――――――時間軸としては、丁度ブーンがギコと戦っている時に相当する。

「『早くいった方がいいよ。ブーン君たち、今頃大変な事になってると思うよ?』」

ξ;゚⊿゚)ξ「なんでアンタが…こんな事を……?」

从'ー'从「『それを、今から教えたげるんだってば』」

目の前には、【大嘘憑き《オールフィクション》】の少女がいる。
全てが全て嘘に聞こえて、もう存在すら嘘ではないかと疑われる少女が、何故かそこにいた。

ξ;゚⊿゚)ξ「…でも、なんで…?なんで教えてくれるの…?」

从'ー'从「『……』」

彼女は、嘘つきだったけど。

从'ー'从「『もう、いいの』」

どこを取っても、嘘つきだったけど。


从 ー 从「大嘘に憑かれた私は、もう大嘘に疲れたの」


――――――その言葉だけは、嘘には聞こえなかった。

536 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:11:59.22 ID:N6oJM0L0O
「……ごめ#ね、渡◆※ん。あ■た…もう少し×か生きれな●☆」

生まれつき心臓が悪かった。
大きく運動する事もままならなかった。
そのうち、車椅子が足になった。
そのうち、病院が家になった。

そして、ベッドの上で看護婦さんに告げられた。

その頃には、みんな私から離れていった。

今まで持ってた幸せが、全て離れていった。

私にかかるお金が原因で、大好きだったママとパパも離婚した。

ママがずっと「あんたなんか生きてる価値ない」って言ってた。

ずっと。ずっとずっと。

ずっと。

価値?

…私の価値って、なに?

541 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:17:07.22 ID:N6oJM0L0O
そして、この世界に飛ばされた。
能力を与えられた。
不完全だけど、心臓病もなかった事に出来た。
いろんなものが。いろんなものが。いろんなものが。

無価値な自分に、価値が。

('、`*;川「ナベちゃん!?あなた…立ってて大丈夫なの…?」

从'ー'从「『あ、ペニちゃん。うん、痛くない。痛くないよ』」

価値が。

('、`*川「ホントに!?良かった!良かったね!!」

从'ー'从「『もう違うんだよ。全部戻ってきたよ。価値あるんだよ。』」

('、`*;川「あぁ良かっ…?」

从'ー'从「『今までのしみったれた無価値な人生が、ぜんぶ《なかった事》になるんだよ』」

('、`*;川「え゛」

ぐぢゅり。

( 、 *川「う゛っ…!!!」

ずっと優しかったペニちゃんも、いらないと思えるくらいの、価値が。

548 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:23:54.32 ID:N6oJM0L0O
( 、 *川

あなたが見下してたのくらい、知ってるんだよペニちゃん。
クラスで私を池沼扱いして楽しんでたの、知ってるんだよペニちゃん。

从'ー'从「『………』」

私は、憑かれた。

从'ー'从「『ごめんねペニちゃん。友達だったけど』」

从'ー'从「『あなたの事は3秒くらいなら忘れ、あれ誰お前?』」

从'ー'从「『なんてね。』」

从'ー'从「『………【大嘘憑き】《オールフィクション》か。球磨川君はこんな気持ちだったのかな?』」


――――――結局、無価値だった時の私と、何も変わらなかった。

私は、疲れた。

あれ、わたし

いきてるかちないじゃん。

553 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:27:04.05 ID:N6oJM0L0O
――――――公園の外れ。

どこまで移動しただろう。
もう、荒巻達やブーン達の姿は見えない。

そこには、爆音だけが響いていた。

('A`)「うらぁッ!!」

【一方通行《アクセラレータ》】を持つドクオの右手が、横薙ぎの一撃として渡辺を襲う。
深く握られたわけじゃない。手刀というわけじゃない。

しかし、それは防御不可能。触れれば『反射』され、必ず標的を潰す。

の、はずが。

从'ー'从「『―――その威力を、《なかった事にする》』」

トン、と。
渡辺の体に触れたその右手は、まったく力を及ぼす事はなかった。
【大嘘憑き《オールフィクション》】により、衝撃が虚構へ為ったからだ。

('A`)「またかよ……」

もう戦い始めてから何分立つだろうか。
互いの体には、傷一つない。

560 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:31:40.68 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从「『どーどーめぐりってやつだね。これじゃ』」

('A`)「……」

从'ー'从「『あ、どーどーめぐりとどーてーまくりって似てない?ねぇ似てない?似てないね』」

('A`)「……」

从'ー'从「『あ、やばいどーてーとか言ってたら濡れてきた。ねぇドクオ君。抱いてくれない?』」

('A`)「……」

从'ー'从「『無視?』」

('A`)「……あ、もしかしてなんか言ってる?今、音も『反射』してるから聞こえないんだわ」

从'ー'从「『……あらあら、うふふ』」

574 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:36:46.68 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从「『そんなに音を聞きたくないなら、あなたの《聴覚をなかった事》にして』」

从'ー'从「『ネジふせてあげちゃうよん』」

そう言い、ネジを構えて走る渡辺。

だがそこに介入したものがいる。


(´<_` )《…演算終了。アップデートしようか、ドクオ》

一台の、パソコン。

('A`)「あ、終わった?」

从'ー'从「『おい、聞こえてんじゃねえか』」

('A`)「あぁうん、さっきの嘘」

从'ー'从「『まじかよびびったぜひゃっほう!』」

581 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:42:19.98 ID:N6oJM0L0O
('A`)「さぁて、俺の嘘を信じてくれてた純真無垢な渡辺さんにプレゼント」

从'ー'从「『…そりゃあ、ありがたいね』」

('A`)「俺の能力について、な」

('A`)「実を言うと、受動的に使う分には何の問題もないんだ」

('A`)「ただ、能動的に応用的に自分から大きな操作をしようと思うと、恥ずかしいが知力がまったく足りない」

('A`)「それを補ってくれるのが後ろにいる弟者なわけだが…」

(´<_` )「…」

从'ー'从「『……』」

('A`)「弟者の力もなかなかのチートでな。なんせ呼吸のように計算をしちゃうんだから」

('A`)「…どうやら、それでは止まらなかったみたいだな」

ドクオが、先ほどと同じように向かってくる。

中途半端に握られた右手を、手刀のように一閃。

586 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:51:15.04 ID:N6oJM0L0O
対する渡辺も、やる事は変わらない。

从'ー'从「『―――威力を、《なかった事》に――!』」

はずが。

从;'ー'从「『―――――!?』」

ぞくり、と。
寿命が縮むような音がした。

渡辺は、急激にバックステップで距離を置く。

('A`)「…わかった?」

从;'ー'从「『い、いまの……』」

渡辺は、すんでの所で気づく事が出来たのだ。

今の一撃を、『なかった事に出来なかった』のを。

と、言うより。

『なかった事にする能力が、弾き返された』という事を。

('A`)「弟者のおかげさ」

598 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 21:55:05.40 ID:N6oJM0L0O
('A`)「今回のアップデートにより、俺は魔術等の知らない法則率で動くもの、果てはちょっとした概念操作系をも『反射』出来るようになった。」

从;'ー'从「『………』」

……つまり、【大嘘憑き《オールフィクション》】が効かない。


('A`)「もはやこれは『反射』と言うより、『拒絶』に達するんじゃねえの?しかも……」

(´<_` )《……》

('A`)「弟者の計算は、まだ終わってないみたいだ。これだと、俺も近いうちになれるかもな」

('A`)「【選択者《アレンジ》】ってやつによ」

从;'ー'从(『……ちょ、やばくね……?』)

再び、二人の戦いがスタートする。


そしてこの後、ここにまた少しの邪魔が入るのだが、それはまた後に語る。

611 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:03:30.74 ID:N6oJM0L0O
――――――公園より逃避中。

ξ゚⊿゚)ξ「まず、そのペニサスは【GANTZ】の力で人々を生き返らせた。最初は普通に、今までの戦いで死んだ人達をね」

【GANTZ】。
それは、現代科学を遥かに超えた黒い球体を指す。
死んだ人間を蘇らせ、「星人」と呼ばれる正体不明の怪物と戦うミッションに強制的に参加させるというものだ。
ミッションは点数制で、100点取った人間はミッションを終了出来たり、より強い武器を得れたりする。

(;^ω^)「そんな能力が……」

ツンは、続ける。

ξ゚⊿゚)ξ「でも、やっぱりそこはチート集団。脳に爆弾をつけられてるから言う事には従うけど、指令以外はやりたい放題らしいわ」


ξ゚⊿゚)ξ「だから、ペニサスは自分に都合のいい手足が必要になった」

617 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:09:27.85 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「それが、渡辺だったのかお?だったら裏切りなんか出来っこないんじゃ…」

ξ゚⊿゚)ξ「…あの子は何回も言った。『自分の価値は、もう無いんだ』って」

(;´・ω・`)「?」


ξ゚⊿゚)ξ「大量生産されたのよ。完全に支配できて、かつ信頼できる手駒」


ξ゚⊿゚)ξ「『記憶と心を《なかった事》にした、渡辺のコピー』が」


(;^ω^)「え………?」

629 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:14:01.89 ID:N6oJM0L0O
――――「あ、頭の中の爆弾消そうとしたら危ないよ」

从;'ー'从「『!!』」

('、`*川「馬鹿なの?私の能力で生き返ってんのに、その私の能力をなかった事にしたら大変な事になるってわからない?」

从;'ー'从「『……』」

('、`*川「さてと、そんな私を殺してさらに今、裏切ろうとしたナベちゃんですが、私は優しいのでチャンスをあげます」

从;'ー'从「『え?』」

('、`*川「私は自分を守ってくれる人が欲しいの。守ってくれて、かつ手足のように動いてくれる人が」

('、`*川「でもさぁ、なんか皆チート能力者じゃん?正直、あたしの能力なんかひっくり返されて然るべきだと思うんだわ」

从;'ー'从「『……』」

('、`*川「だから、出来れば能力ナシであたしのガンツスーツを着てガンツウェポンで戦ってくれる人が欲しいの。そしたらあたしは裏切られても傷つかないし、安心じゃん?」

('、`*川「それを、ナベちゃんのコピーにしてもらいたいと思いまーす」

634 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:21:40.06 ID:N6oJM0L0O
('、`*川「見ててね」

ペニサスがその場に止まる。

すると、ジジジ…と、何かが下から作り上げられていく。

何秒かして、それは完成。

从 ー 从

それは、渡辺。

从;'ー'从「え!!?」

('、`*川「こうやってさ、あたしの中じゃ人間なんかただの情報だから。コピー出来んのよ」

从 ー 从

从;'ー'从「『………』」

('、`*川「この子はいまのナベちゃんとまったく一緒のクローン。まだまだいっぱい作るよ。でもさ、あんたみたいな能力者がいっぱいいたらあたしも脳処理に困るんだわ。だからさ」

('、`*川「今からナベちゃんに、出てくる自分のクローン一体一体の《記憶と心をなかった事》にして欲しいのよ」


643 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:26:34.31 ID:N6oJM0L0O
('、`*川「ほら、記憶が消えたら能力の使い方も完全抹消されんじゃん?そしたらこっちとしても、操り易いからさ」

从;'ー'从「『……』」

('、`*川「あ、ちなみに」

('、`*川「反対すると、こうだからね☆」

从 ー 从 ヴッ

从 ー※∴・; ドブジャアッ!!

渡辺のクローンの脳内爆弾が、作動。
顔面が弾け、脳から何かが覗いた。



从;'ー'从「『きゃあああああああああああああああ!!?』」

('、`*川「わかったね。そゆこと」

659 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:34:19.39 ID:N6oJM0L0O
渡辺は、頭がおかしくなりそうだった。

目の前で自分とまったく同じ固体が死ぬ。
それに対し止めどなく溢れてくる気持ちが何かはわからないが、それは予想以上に心に響くものだったらしい。


从; ー 从「『わか…った……わかったよ…』」

('、`*川「…なんか嘘っぽく聞こえるね」

ゴッ!と鈍音。

从; ー 从「『あ゛っ………』」

ペニサスは渡辺の頬に、女性とは思えないような本気のグーパンチをぶつけたのだった。
そして倒れ込んだ渡辺を、足蹴にした。


('、`*川「…ちょ、私はチャンスあげてんだよ?感謝されるべきなんだよ?なんで嫌そうなの?」

('、`*川「昔っから池沼みたいに価値価値ほざいてたあんたに、あたしが価値を与えてやってんのよ。ほら、喜べよ」

('、`*川「喜べよ!!!」

渡辺を踏みつけたまま、そう言った。

676 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:42:04.11 ID:N6oJM0L0O
――――――

ξ゚⊿゚)ξ「渡辺はずっと呟いてた」

ξ゚⊿゚)ξ「『もう自分に価値なんてない』って」

(;´・ω・`)「……なんて事だ…」

ξ゚⊿゚)ξ「めんどくさい事になったけど、まだ最悪とは言えないわね。あいつが何を考えてるのかわからないけど、私達を逃してくれた」

ξ゚⊿゚)ξ「私達に、その価値ってやつを見つけたんじゃないかな」

(  ω )「………」

ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン?」

(  ω )


ブーンは、

走るスピードが少し遅くなった。

685 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:45:37.39 ID:N6oJM0L0O

lw´‐ _‐ノv「……ブーン…?どうしたの?」

(  ω )

(  ω )「悪い、みんな」



( ^ω^)「ちょっとトイレすましてくるから先行ってて」



ブーンは、反転。

来た道へと、走り出す。


ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ブーン!!?」

703 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:50:00.18 ID:N6oJM0L0O
ξ;゚⊿゚)ξ「あんた!話聞いてた!!?もう、公園には複数のクローンが――――」

「行かせてあげて」

ξ;゚⊿゚)ξ

ツンを、制する小さな手があった。

lw´‐ _‐ノv

ξ;゚⊿゚)ξ「シュー?」

lw´‐ _‐ノv「私は、ブーンを信じてる」

ξ;゚⊿゚)ξ「……そんな問題じゃ…」

lw´‐ _‐ノv「……」

ξ;゚⊿゚)ξ「………」

716 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:53:45.43 ID:N6oJM0L0O
――――――なぁ、ブーン
俺って生きてる価値、あるのかな――――――


(; ω )「…嫌な事思い出させやがって…」


ブーンは走る。走る。
公園を目指して、まっすぐに。


(; ω )「他人からどんなに足蹴にされようが………てめぇの価値は……」



(; ω )「てめぇの価値は、てめぇが決めるもんじゃねーだろうがお!!」


ブーンが、走る。
公園を目指して、まっすぐに。




それを見ていた人影が、あった。


从'ー'从 从'ー'从 从'ー'从

「『………あ』」

735 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 22:58:09.38 ID:N6oJM0L0O
――――――公園

(;^ω^)「ハァ…ハァ……」

着いた。

のだが、渡辺はもうそこにはいなかった。

痛々しく掘り下げられた地面だけが、戦闘の痕跡として残った。

(;^ω^)「渡辺ー!!!!どこだおー!!!!」

それでもブーンは、叫ぶ。

どこかにいる、渡辺を目掛けて。

その思いは、通じたのかも知れない。



从'ー'从从'ー'从从'ー'从

「『はぁい』」

黒いスーツにくるまれた、渡辺が3人。

746 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:02:25.38 ID:N6oJM0L0O
从'ー'从

一人が、スッと何かを前に出す。

それは、ハンドガンサイズのまるでおもちゃに見えるような銃。

しかしそれは、一つのガンツウェポン。

(;゚ω゚)(『Xガン』――――!!)

咄嗟にブーンは、右へ転ぶように回避。

从'ー'从「『あは』」

ギョーンギョーン

そんな不気味な音がし

数秒の後、ブーンがいた場所の地面が爆ぜた。

755 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:06:07.87 ID:N6oJM0L0O

(;゚ω゚)「――――!!」

背筋が凍る。もし回避が遅れていたら、ブーンの頭は内部から爆発しそこらへんに飛び散っていただろう。

从'ー'从

もう一人が向かってくる。

ガンツスーツによって異常なまでに強化された、その脚力で。

垂直飛びでそこらの家を簡単に飛び越える、その脚力で。


(;^ω^)「……くっそ!!!」

774 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:12:13.19 ID:N6oJM0L0O
(;^ω^)「なぁコピー!本当はな、お前らも救ってやりたいんだお!!」

(;^ω^)「けどな、やっぱ違うんだお!!」

(;^ω^)「お前らが細胞レベルで同じのクローンだろうと!!オリジナルの渡辺のがずっとずっと可愛かったから!!」

「そっちを優先させてもらうお――――!!」


(#゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!」

785 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:14:20.06 ID:N6oJM0L0O
(;^ω^)「さてと!今回の敵はコピー渡辺!!」

(;^ω^)「救いたいやつのクローンという戦い難い相手!!」

(;^ω^)「そんなこいつらを圧倒する、あなたの厨二妄想を!!指定アンカーは………」


――――――>>805!!

 

805 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/09(火) 23:14:38.92 ID:Z+P+EybD0
脈絡なく死を与える能力

 

871 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:17:05.81 ID:N6oJM0L0O
『能力が決定しました。』

>>805 脈絡なく死を与える能力

(;^ω^)「あらあらこりゃまた!」

(;^ω^)「ずいぶんと身勝手なチートだお!」

30 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:27:02.28 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「お」

ブーンは何も言わなかった。

ブーンは何もしなかった。

なのに。

自分に向かってきた、一人の渡辺が

从; ー 从


いきなり、崩れ落ちた。


从'ー'从从'ー'从

「『あれれぇ~??』」

57 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:32:24.84 ID:N6oJM0L0O
( ^ω^)「やめとけお。そこの二人」

( ^ω^)「僕の能力は、なんの脈絡もなく死を与えてしまう」

( ^ω^)「君たちには、どうしようもないお」

从;'ー'从从;'ー'从

( ^ω^)「こうはなりたくないだろ?」

( ^ω^)「この子みたいに」

从;'ー'从ウッ……

( ^ω^)「ガンツスーツと、手足の神経に脈絡なく死を与えられたくないだろ?」


死んでは、いなかった。
ブーンは、すんでのところで殺すのを躊躇ってしまったのだ。

75 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:37:11.51 ID:N6oJM0L0O
从;'ー'从

その渡辺は、唐突に動けなくなったとしか感じられなかった。
いきなりの事。痛みすら、ない。

( ^ω^)「後で僕がどうにかして渡辺を呼んでくるお。あいつの【大嘘憑き《オールフィクション》】なら、君のそれもなかった事にしてもらえるから、それまでの辛抱だお」

从'ー'从从'ー'从

( ^ω^)「さて……」

( ^ω^)「まだやるかお?」

从;'ー'从从;'ー'从

二人は、動けなかった。

84 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:41:12.27 ID:N6oJM0L0O


が。


从;'ー'从从;'ー'从「『!!?』」

「『う………』」


「『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』」


从; ー 从 从; ー 从


(;^ω^)「え!!?」

二人の渡辺は、それでも襲いかかってくる。

推測だが、理由は簡単だ。

(;^ω^)(まさか、頭の爆弾を――――!!?)


恐らく、この二人の頭には響いているのだろう。

ピンポロパンポン、ピンポロパンポンという

爆弾起動への、悪魔のアラームが。

97 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:46:59.60 ID:N6oJM0L0O
从; ー 从

一人は銃を携え、右方からこちらへ。

从; ー 从

一人は刀を携え、左方からこちらへ。

圧倒的な力を目の当たりに、二人を動かすのは、恐怖。

抗いようのない、恐怖。

ならば

(  ω )「……もう…楽にしてやるお」


――――――君たちに、死を。

110 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:51:05.94 ID:N6oJM0L0O
从 ー 从

一人はバタッと、その場に倒れた。

先ほどの渡辺と同じ死を与え、さらに


脳内の爆弾に、死を与えた。

( ^ω^)「これで万事解決、かお……」


从 ー 从

最後の一人は、立ち止まったままだった。

脳内の爆弾に死を与え、そして



それ以外は、何もしていない。

( ^ω^)「なぁ」

( ^ω^)「本物の渡辺」


从'ー'从「『………いつから、気付いてたの?』」

132 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/09(火) 23:56:48.35 ID:N6oJM0L0O

それは、本物だった。


从'ー'从「『せっかく擦りかわってドクオ君から逃げてきたのに、まさかこっちのがやばいとはね』」

从'ー'从「『とは言え、私達、みんな同じ細胞で出来た同じ人間だよ?』」

从'ー'从「『ねぇ、なんで、わかったの?』」


( ^ω^)「わかんねーのかお?」


ブーンは自信満々に


( ^ω^)「嘘つきの嘘は、いつかバレるんだお」


そう、吐き捨てた。


从'ー'从「『………』」

148 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:00:34.33 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「爆弾は死んだお。ほら、お前は自由だ」

( ^ω^)「それより、やる事があるんじゃないかお?」

从'ー'从「『………』」

渡辺は、クローンに近づいて

从'ー'从「『君たちの手足の死を、《なかった事にする》。』」

そう言い放った。

从'ー'从

クローンは立ち上がり、体を確かめる。
どうやら、異常はなくなったようだ。

( ^ω^)「ほら」

( ^ω^)「今のは、お前にしか出来ない。お前にしか、その子らは救えなかったんだお」

( ^ω^)「価値、あったじゃねえか」

从'ー'从「『………』」

176 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:09:37.98 ID:9/8GtECfO
( ^ω^)「なぁ渡辺。お前にも、価値はあるんだお」

( ^ω^)「それに気付かず絶望して、暴走したやつだっている」

( ^ω^)「僕はそういうやつを、一人知ってる」

从'ー'从「『……』」

( ^ω^)「僕は、お前に生きて欲しいお」

( ^ω^)「それと」

( ^ω^)「僕らに、つーかツンだけど、力を貸してくれてありがとな」

从'ー'从

从;ー;从「『う………』」


渡辺は声を殺して泣きながら、言葉を吐いた。

181 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:11:48.63 ID:9/8GtECfO


「ありがとう」


「『誰も頼んでないよ。おせっかい』」


「本当に、ありがとう」


「『本当に死んじゃえばいいんだ』」


「助けてくれて、ありがとう」


「『ブーン君なんか』」



「『大っ嫌い』」。



ブーンには、渡辺の吐いた言葉のどれが嘘でどれが本当なのか、わからなかった。

まぁ、渡辺らしく、ぜんぶ嘘…オールフィクションなのかもしれないけど。

205 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:15:52.00 ID:9/8GtECfO



しかし、渡辺の頭が消えかかっていく。



从;'ー'从「『え――――?』」


(;^ω^)「な……!!」


違う、消えているんじゃない。


これは


(;^ω^)「転送!!?」


送られている。
ガンツの元へ。

222 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:19:35.12 ID:9/8GtECfO
从;'ー'从「『あ――――――』」


渡辺がこっちに手を伸ばす。


助けて、と言わんばかりに。


(;゚ω゚)「お――――!!」


ブーンも手を伸ばす。

しかし

遅かった。


渡辺の姿は、消えた。

(;゚ω゚)「渡辺ェェェェェェ!!!!」

240 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:25:16.55 ID:9/8GtECfO
('、`*川「はいはい、ストロベるのも大概にしてねー」

从;'ー'从「『あ』」

ゴツッ、と聞き覚えのある重音がする。
渡辺が、転送されたと同時にペニサスに蹴られていた。

('、`*川「今更ラブコメとかムシよすぎ。あんた、今まで何人の人間を絶望に追いやったのよ?」

('、`*川「そんなクズがよォ!!」

从; ー 从「『あぎっ!!』」

右目をえぐるように、爪先で蹴る。
悲鳴にも聞こえない悲鳴をあげる、渡辺。

251 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/10(水) 00:29:04.89 ID:9/8GtECfO
('、`*川「あ、わかってると思うけど、転送中にちゃーんと爆弾も再設置しといてあげたからね」

从; ーメ从「『う……』」

('、`*川「池沼ちゃ~ん。あんた、自分報われるとでも思った?」


('、`*川「んなわけねーだろゴミクズ」


――――――現実の無情感を忘れてもらっちゃあ困るな☆


第十三話、終わり。

Posted at 2011/08/16 21:34:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月15日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第12話

18 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:04:12.39 ID:T+61aS07O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十二話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ツンを追う際たまたま出会ったショボンとの共闘により、ドクオはとばっちりをくらい、ついに動き始めていた。

今回の敵は!?今回の安価は!?
正直作者も予想だにしない展開でプロットも仕上がってないのに大丈夫なのか!?

22 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:06:33.17 ID:T+61aS07O
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
(´・ω・`)【弱者のパラダイム】(PSYREN)
・共に行動中

ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・????

lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・待機中??

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中

  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

27 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:10:11.75 ID:T+61aS07O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』
『すべての攻撃の対象をドクオに変える能力』

30 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:13:20.78 ID:T+61aS07O
――――――公園

( ^ω^)「とりあえず、みんなと合流しなければ」

ブーンが一人でに呟く。
その隣には、小学生くらいの少年。

(´・ω・`)「あ、仲間がいるんだよね?何人くらい?」

( ^ω^)「あぁ、僕を含め6人いるお。一人はどっかに走ってっちゃったけど」

(´・ω・`)「そうなの。じゃあその人達に会いにいくんだね?」

( ^ω^)「だお」

(;^ω^)「…つーか、よくよく考えたら僕が馬鹿だったお。弟者にマップ検索をしてもらえばツンもすぐに見つかるってのに、なぜ飛び出してきたし…」

そう、独り言のようにごちた。

33 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:16:29.16 ID:T+61aS07O

(´・ω・`)「そんな事出来る人がいるの?やっぱ凄いんだね、みんな」

( ^ω^)「だお。みんなやっぱ、チートなんだお」

(´・ω・`)「あ、じゃあ他の人はどんな能力を?」

( ^ω^)「聞きたいかお?他のクーちゃんって女の子は変幻自在の高火力魔法使いだお。シューって子はピクミンを操るし、兄者って変態は、あらゆる物を止めれたり…」

(´・ω・`)「まって」

( ^ω^)「お?」

(´・ω・`)「…シュー?」

37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:19:31.56 ID:T+61aS07O
――――――図書館前の道

そこには、男1人と女2人が走っていた。

(´<_` )《うん、間違いない。公園だな》

そのうち男が首からかけているノートパソコンから、そう聞こえる。

lw´;‐ _‐ノv「戦ってるんだよね?ブーンは大丈夫なの?」

( ´_ゝ`)「………」

川 ゚ -゚)「急いだ方がいいのか?」

(´<_` )《いや、その必要はなさそうだ》

(´<_` )《どうやら戦いは終わったらしい》



39 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:21:36.90 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「ほぉ。さすがブーン」

(´<_` )《いや、違う。どうやら仲間?でいいのかな?…とりあえず、共闘者がいて、そいつの力もでかかったらしいな》

川 ゚ -゚)「誰だ?」

(´<_` )《えっと名前は…ショボン…ん、小さい子だな。ショタ属性持ちのクーにはたまらんだろ?》

川 ゚ -゚)「だまれ。いや、ごめん。黙って」

lw´‐ _‐ノv「まって」

(´<_` )「ん?」

lw´‐ _‐ノv「……ショボン?」

44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:25:27.24 ID:T+61aS07O
――――――公園

( ^ω^)「お?ショボン、シューを知ってるのかお?」

(´・ω・`)「え?うん!!シューは…」

――――――道路

(´<_` )《お?シュー、ショボンを知ってるのか?》

lw´‐ _‐ノv「え?うん。ショボンは…」


――――――公園

(´・ω・`)「僕の彼女だよ!!」

――――――道路

lw´‐ _‐ノv「……ごめんやっぱ知らない。誰だっけそいつ」



62 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:30:08.94 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「ま、まじかお!!シューに、彼氏が!?」

(´・ω・`)「うん!僕はシューと一緒に小学校から帰ってるとき、この世界に一緒に飛ばされたんだよ!わぁ、嬉しいなぁ!シューに、シューに会えるなんて!」

(;^ω^)「お…最近の小学生は進んでるお…」

(´・ω・`)「早く、早く会いにいこうよ!図書館だよね!?いこう!」

(;^ω^)「テンションあがりすぎだおお前……」

その時、

「……あ!!いたっ!!」

公園の入口から、聞き慣れた声がする。

71 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:34:20.08 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「おーい!ブーン!」

分厚い本を片手に、クーが手を振っていた。
その後ろに、兄者と弟者、そしてシュー。

( ^ω^)「あ!みんな!来てくれたのかお!」

lw´;‐ _‐ノv「良かった!無事だったん………」

lw´‐ _‐ノv「……え…!!?」

(*´・ω・`)「あ…あぁ……!!」


そこに見つめ合う、二人の小学生。

80 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:37:55.29 ID:T+61aS07O
(*´^ω^`)「シュー!!無事だったんだね!!」

抱きしめる為に腕を広げ、最愛の人に走り向かうショボン。

対して、シューも腕を広げ、走り向かう。

ブーンに。

lw´*‐ _‐ノv「ブーン!!怪我はなかった!?心配した!!」


(*´^ω^`)

( ´_ゝ`)「……」

(´<_`;)(うわぁ…)

川*゚ -゚)(……かわいい…)

(´・ω・`)ショボーン

92 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:42:12.45 ID:T+61aS07O
(;´・ω・`)「え、あ、あの……」

もはやどういう対応をしたらいいのかわからない、困り顔のショボン。

(;^ω^)「………」

そのショボンを見て、さらに困り顔のブーン。

lw´*‐ _‐ノv「えへへ」

そのブーンに抱きつく、元凶。

川*゚ -゚)「……」

興奮する、文学少女。

(´・ω・`)「あ、あの、シュー…」

lw´‐ _‐ノv「え?ショボン?久しぶり」

(´・ω・`)「あ、あの……」

lw´‐ _‐ノv「元気?顔色悪いね」

さらに場を曇らせる、元凶。

108 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:46:37.24 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「あ、あの…僕ら」

(´・ω・`)「付き合ってたよね?」

lw´‐ _‐ノv「え、あぁ……あー…………………………………………………………………………………………うん。そうだね」

(´・ω・`)「クラスで、結婚する約束とかしたよね?」

lw´‐ _‐ノv「したっけ。した?あぁ、した。したね」

(´・ω・`)「で、この状況はなに?」

lw´‐ _‐ノv「えっ」

(´・ω・`)「えっ」

lw´‐ _‐ノv「なにそれこわい」

(´・ω・`)ショボーン


ショボン、小学生。
彼は幼いながらにこの時、「自分の目に見えないものが一番の脅威なのだ」という、不変の心理に気付く。

121 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:52:18.07 ID:T+61aS07O
lw´‐ _‐ノv「ごめん。今の私はブーンに恋心とか愛とか初めてとかいろいろと奪われちゃってるの」

( ^ω^)「まて。奪ってないのが混じってる」

(´・ω・`)「」

(´;ω;`)「…」

川*゚ -゚)「あれ?じゃあさ、ブーンとシューが付き合って、ショボンと私が付き合ったら万事解決じゃね?なぁ、よくね?」

( ^ω^)「お前どうした?お前、今までで一番どうした?お前の立ち位置どうした?」

川*゚ -゚)「なんなら、ショボンとブーンが付き合って、さらに突き合ってみたらどうだ?それも見てみたいぞ!」

( ^ω^)「おいまてこら」

lw´*‐ _‐ノv「…」

( ^ω^)「え?お前も?お前も見たいの?」

139 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 21:58:53.71 ID:T+61aS07O
ぎゃあぎゃあと騒ぐ男女4人。

(´<_` )《…なぁ、お前ら…》

ノートパソコンの声は、もはや聞こえていなかった。


(;^ω^)「ああもう!!つーか、後は早くツンを探しに行かなきゃだお!」

川 ゚ -゚)「勇気あるな。この状況にツンを呼ぶのか」

( ^ω^)「やっぱゆっくり探そう」

(´;ω;`)「うぅ……ううう……」

川*゚ -゚)「おーよしよし、可哀想にショボンくん。おいで。お姉さんの胸に、Dカップの胸に飛び込んどいで」

(´;ω;`)「うぅ……………」

(´;ω;`)「……う……?」

その時、泣きじゃくっていたショボンが、何かに気づく。

153 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:04:15.89 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「……え……?」

川 ゚ -゚)「ん?どうした?パッドならいれてないぞ?むしろこの下はノーブラだからな」

(;´・ω・`)「……」

Dカップ破廉恥文学少女を尻目に、ショボンは何か違和感を覚える。
否、違和感というより、それは自分の視界に見えるもの。

脅威が。

脅威を表す光が、視界がをゆるやかに薄白くする。

(´・ω・`)(…どこ……?)

そう思いふと、上を見あげた時だった。

そこは、脅威の光で真っ白に埋まっていた。

167 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:09:43.80 ID:T+61aS07O
(;´゚ω゚`)「みんな!!上!!」

(;´゚ω゚`)「何かくる!!」


そう言うとほぼ同時。

隕石のような勢いと共に、何かが飛来した。

川;゚ -゚)「ん!?」

lw´;‐ _‐ノv「…!!」

(;^ω^)「ッ!!」

ショボンの声に、3人は散りその場を離れる。

そして、その何かは

('A`)「………」

ブーンの、何よりの探し人。

182 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:14:27.68 ID:T+61aS07O
/ ,' 3「ふぃー、疲れた」

いつぞや見た、老人。

(#゚;;-゚)「ありがと、しぃちゃん」

(* ∀ )

虚ろな目をした少女に担がれる、もう一人の少女。

そして。

(;^ω^)「………」

(;゚ω゚)「お………」

('A`)「……久しぶりだな」

('A`)「ブーン。」

自分の名を呼ぶ親友が、目の前にいる。
しかし、その雰囲気がブーンに違和感を覚えさせる。

――――――あれは、本当にドクオか?

191 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:18:58.98 ID:T+61aS07O
('A`)「あら?ツンは?死んだ?」

('A`)「おいおい、友達くらい守ってやれよ。荒巻から聞いたが、お前オリジナルなんだろ?」

(;゚ω゚)「ドクオ……お前……?」

川 ゚ -゚)「知り合いか?ブーン……」

(;^ω^)「…ドクオは……僕の親友だお…」

('A`)「『前の世界では』、な」

('A`)「おいおい、こっちじゃお前の価値なんかないぞ?ツンもだけど、なんでそんな感じでくるかな」

('A`)「気持ち悪い」

(;゚ω゚)「お前……!!」

205 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:24:14.79 ID:T+61aS07O
('A`)「とりあえず、さっきのお返しはさせてもらうか。死ぬのと死ぬの、どっちがいい?」

ドクオがへらへらしながら、そう言い張る。


(#^ω^)「…!…ふざけん…」

しかし、怒るブーンをぐい、と誰かが手で抑えた。

川 ゚ -゚)「……」

それは、クー。

(;^ω^)「………クー?」

川 ゚ -゚)「……悪い、ブーン。こいつ」

川 ゚ -゚)「腹立つ」

そう言い、魔導書たる古本が開かれた。

224 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:29:30.25 ID:T+61aS07O
川 ゚ -゚)「『火符』…」

(;^ω^)「ちょ!待てクー!!」

しかし、止まらない。

川 ゚ -゚)「『アグニシャ』」

川;゚ -゚)「う゛っ……!!」

『火符:アグニシャイン』。
それは、止まらないはずだった。
しかし、それを暴力で止めた人間がいる。

腹を全力で殴りつけられ、気絶するクー。

その犯人は。

( ´_ゝ`)「……」

(;^ω^)「兄者!?」

242 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:34:51.66 ID:T+61aS07O
('A`)「おいおい、女を殴るなよな。魔術はうまく『反射』出来ないとは言え、俺は傷つかないんだから」

('A`)「………『弟者』」

(;^ω^)「え!?」

(´<_` )《馬鹿言うな。俺が傷つくかもしれんだろーがよ》

(´<_` )《さ、行こうか兄者》

( ´_ゝ`)「………」

(;^ω^)「え!?お、おい……兄者…!弟者……!!?」

兄者と弟者は、ドクオの方へ行く。

(´<_` )《あ、ごめんなブーン》

(´<_` )《俺、今からドクオに味方するから》

平然と、そう言いのけた。

256 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:39:47.09 ID:T+61aS07O
(;゚ω゚)「お……?」

頭が、ついていかない。
なんだ。なんだ?この状況は。

('A`)「あらあら裏切られちゃったwお前ってば本当友達少ないなw」

('A`)「さ、お前もこいよ」

('A`)「シュー」

lw´‐ _‐ノv「…」

(;^ω^)「…シュー?」

しかし、シューは。

lw´‐ _‐ノv「ごめん、ドクオさん。あんたなんかちょっと見ない間にブサイクになったからいいわ」

lw´‐ _‐ノv「私、ブーンの味方する」

平然と、そう言いのけた。

290 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:44:36.43 ID:T+61aS07O
('A`)「ほぉ?」

lw´‐ _‐ノv「ごめん、私面食いだから。ブーンについてく」

(;^ω^)「シュー……」

('A`)「やっぱガキか。状況が見えてないみたいだな」

('A`)「仕方ない、遠慮なくやらせてもらおう」

(;^ω^)「ッ!!ショボン!!」

気絶したクーを抱えて、算段をつけるブーン。
しかし、状況はあまりにもひどすぎる。

正直、勝てる気がしない。

勝てる見込みと言えば。

(;^ω^)「……おい、ショボン……」

(;´゚ω゚`)「あわわわわ………」

隣でずっと震えている、『脅威』を払う少年。

333 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:51:04.10 ID:T+61aS07O
(;´゚ω゚`)「駄目だ…駄目だ……!!」

lw´;‐ _‐ノv「ショボン!落ち着いて!」

('A`)「じゃあ、行かせてもらう」

ドォッ!!と、およそ脚力だけでは生めない爆発的な勢いで地を蹴り、迫り来る。

(;^ω^)「ショボン!!」

『反射』がある限り、ブーンは触れない。しかし、ショボンなら。
【弱者のパラダイム】なら、手を払えば後退させられる。

しかし

(;´゚ω゚`)「あぁ…!!…脅威が……」

少年は、震えたままだった。

(;^ω^)(くっそ…出来れば使いたくないけど、使うしかないのかお…!?)

384 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 22:56:49.38 ID:T+61aS07O
【気分次第《アンカーテイク》】は、まさに予測不可能。
ある時はチートで、ある時はポンコツ。そんな使い勝手の悪い力だ。
だから、乱戦では使いたくないし、ましてや相手が強敵ならなおの事。

(;^ω^)(…けど!もううだうだ言ってらんなそうだお……!!)

(;^ω^)「しゃあない!!いくお!!ドクオ!!」

(;´゚ω゚`)「違うんだ!!ブーン!!」

(;^ω^)「ッ!!?」

その決意に割り込むは、ショボン。

そして、言う。

(;´゚ω゚`)「脅威は……!!」


(;´゚ω゚`)「脅威はまだ、止まってない!!」


('A`)「!!」

その時だった。

ドクオが何かに気付き、身を引く。

そこには、数本のでかすぎるネジが落ちてきた。

434 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:00:48.38 ID:T+61aS07O
('A`)「………」

視線を動かせば。

(;^ω^)「………」

そこには三人の人影。

爪'ー`)y‐

タバコを片手にする男。

( ^Д^)

不気味に笑顔が張り付いた男。

そして。

(;^ω^)「……なんでお前がいるんだお…」

(;^ω^)「渡辺!!」

从'ー'从「『はろー、ブーンくん』」

かつて全てを台無しにした女、渡辺。

464 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:06:48.67 ID:T+61aS07O
('A`)「誰だ?」

从'ー'从「『こんにちわ私は渡辺趣味は下等生物の虐殺好きな食べ物はこんにゃく畑のバターソテー』」

从'ー'从「『あなたを、殺しにきました』」

そう言い、渡辺はドクオに向かいダッシュ。
両手に持った規格外の大きさのネジを、ドクオの胸に走らせる。

ドクオは、それを反射

('A`)「ッ!?」

はせず、すんでのところで両手でネジを掴み、動きを止める。

そして、均衡。

从'ー'从「『あれれ~?ちょっとしか能力を《なかったこと》に出来ないよ~?』」

('A`)「悪いね。俺のこの力は、今や俺だけの能力じゃない。代理もいるんだ。だからじゃないか?」

从'ー'从「『なにそれこわい』」

二人の戦いが、始まった。

488 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:11:50.69 ID:T+61aS07O
爪'ー`)y‐「やぁ、おじさん」

/ ,' 3「ん?誰じゃったかな?」

爪'ー`)y‐「とぼけんなよ。お前、俺を殺してくれたろ?」

(#゚;;-゚)「ほら、荒巻さん、あれだよ。ベルとかいうやつの時になりすます為に使ったって言ってたじゃん」

/ ,' 3「年寄りだからそんな事覚えてない」

爪'ー`)y‐「……」

ぴくり、とフォックスの肩が動く。

(#゚;;-゚)「それより、あなたはどうして生き返ってるの?」

爪'ー`)y‐「………さぁ?」

爪'ー`)y‐「死んだら、わかるんじゃねえか」

ここにも、戦いが始まる。

519 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:17:41.77 ID:T+61aS07O
そして。

( ^Д^)「あぁ、余っちゃったな。どうもプギャーですよろしく」

(;^ω^)「お、お前らなんなんだお!?どうして、どうして渡辺が……!!」

( ^Д^)「まぁいいじゃん」

( ^Д^)「戦いながら語ろうぜ!」

lw´‐ _‐ノv「!!」

(;´・ω・`)「!!」

川 - )

( ^Д^)「アイス・ボール!!」

ここにも、戦いが。

539 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:21:51.40 ID:T+61aS07O
飛来したのは、氷塊が数発。

(;^ω^)「お!!」

(;´・ω・`)「【弱者のパラダイム】!!」
しかし、それはショボンの手で弾かれ、あらぬ方向へと誘導される。

( ^Д^)「あら」

lw´‐ _‐ノv「いけっ!!」

その間も、シューが動く。
ピクミンを際限なく放りなげる。

が。

( ^Д^)「……」

lw´;‐ _‐ノv「!?」

プギャーの体に触れたとたん、ピクミン達は凍りついた。

(;^ω^)「…あれは…」


570 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:25:31.64 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「【ヒエヒエの実】…かお…!!」

( ^Д^)「お、よくわかったね」

【ヒエヒエの実】。
ワンピースの、青キジの自然系悪魔の実の力。

彼自身が氷となり、さらにそれを操る力。

つまり

lw´;‐ _‐ノv「うっわ…相性が悪すぎる……!!」

そう。今回、シューの物理的数の暴力は通じないも同然なのだ。

(;^ω^)「どうやらそのようだお…シュー!クーを頼むお…」

lw´;‐ _‐ノv「わかった!」

590 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:31:30.03 ID:T+61aS07O
( ^Д^)「さて、坊っちゃんよ」

(;´・ω・`)「?」

( ^Д^)「なんで俺の攻撃を跳ね返せたのかな?聞かせてくれないかな?」

(;´・ω・`)「………」

( ^Д^)「例えば、俺がもっと大きな攻撃をしたら、君は跳ね返せるのか?」

( ^ω^)「ショボン、耳を貸すなお」

( ^Д^)「周りを低温にしても、お前の周りだけは常温なのかな?」

(;´・ω・`)「……」

それは、出来るかどうかわからない。
ショボンが払えるのは、自分に見える脅威となる物だ。
温度なんて曖昧なものでは、試した事がないから。

もし、払えなければ……

(´・ω・`)「……ブーン…!」

( ^ω^)「わかってるお……!!」

610 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:35:47.83 ID:T+61aS07O
(´・ω・`)「ブーン。信頼してる」

( ^ω^)「まかせとけお…相手がどんだけヒエヒエだろうと」

( ^ω^)「僕の家族関係より冷えてギクシャクしてるものはないと断言してやるお!」

( ^Д^)「………」

(´・ω・`)「………」

聞いてはいけない事を聞いた気がした。

( ^ω^)「いくお!【気分次第《アンカーテイク》】!!」

そして、そのまま自信満々でいった。

628 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:37:44.71 ID:T+61aS07O
( ^ω^)「さぁみなさん!お楽しみの安価の時間だお!」

( ^ω^)「なんかさっきフライングしたやつ数名がいてびびった!」

( ^ω^)「じゃあ、ヒエヒエ野郎をぶちのめすあなたの厨二妄想を!指定アンカーは……」


――――――>>650!!

 

650 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 23:38:04.79 ID:dOs8h54VO
自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力

 

742 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:39:46.74 ID:T+61aS07O
『能力が決定しました。』

>>650 自分の爪を折ると相手の歯が折れる能力

( ^ω^)「うっわなにこれいたい」

( ^ω^)「ぼくもいたい」

774 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:43:23.68 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「やるしかないお!!」

そういい、ブーンは自分の爪を噛み

(;^ω^)「っつあぁ!!」

ブーンは爪の先を、折る。

すると

(;´・ω・`)

(;^Д^)「んぐっ…ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

プギャーがとたんに口を押さえ、苦しみだした。

24 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/07(日) 23:57:11.52 ID:T+61aS07O
(;^ω^)「よっしゃ!!効いてるお!!」

(´・ω・`)「いけるね!」

(;^ω^)「もう一回!!」

(;^Д^)「させるかよォォォォォ!!!」

プギャーは左手で口を押さえながら、右手を前へ。

そこから放たれたのは、氷で造型された、大量のナイフ。

しかし

(´・ω・`)「うらぁ!!!」

あからさまな『脅威』を目の前に、ショボンが動かないわけがない。
【弱者のパラダイム】にて、簡単に払われる。

(;^Д^)「なっ…!!」

( ^ω^)「ナイスショボン!!」

37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:00:46.21 ID:upA6ALgSO
( ^ω^)「うらぁ!!!」

カリッ、と。
今度はさっきより大きめに、爪を折る。

すると

( ;Д;)「うがぎっ…ぎゃああああああああああ!!!!……」

目から涙を流し、膝をつくプギャー。
左手で押さえられた口からは、血のようなものと白い破片がこぼれる。


( ^ω^)「へへへ……」


優位は、明らかにブーン達にあった。

54 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:05:30.86 ID:T+61aS07O
( ^ω^)「さぁて、と……プギャー君よ…」

( ;Д;)「ぐっ……」

( ^ω^)「そんなんで大丈夫か?僕の爪は108式……とは言わなけど、足も合わせてまだまだあるお」

( ^ω^)「今度はどうする?真正面から折るか?剥がすように折るか?捻るように折るか?」

(;´・ω・`)「…うわ、いたい……」

( ^ω^)「こっちにはクーっていう仲間がいてな。爪くらいなら、簡単に再生してもらえる。つまり、覚悟さえ決めりゃ」

―――――手の爪10枚を、一気に剥がす事だって出来るんだぜ。
どうだ?お前、されてみたいか?


( ;Д;)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

90 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:10:59.44 ID:upA6ALgSO
プギャーは頭がどうにかなりそうだった。
問答無用で与えられる苦痛。
止めようと攻撃すれば、隣の少年に弾かれる。
その間も、爪はおられる。

正面から戦っては、どうしようもない。

だから、プギャーの次の行動は明瞭簡単だった。

(;^Д^)「まっへふれ!!」

( ^ω^)「ん?」

( ^Д^)「わるはっは!!ほーさんら!!ほーさんするはら!!」

悪かった、降参する、と
なおも口を手で押さえつつ言う、プギャー。
口を開くたびに赤い何かが口をしたたる光景に、ショボンは少しだけ顔色を悪くした。

112 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:17:04.49 ID:upA6ALgSO
いきなりの降参。
いや、まぁ当然と言えば当然なのだが。
しかし、念のためと思考し

( ^ω^)「……ショボン、あいつからまだ『脅威』は見えるかお?」

(´・ω・`)「…んー、わかんない。あるけど、かなり弱くなってるね」

( ^ω^)「………」

つまり、信じるか信じないかは気分次第なわけだ。
ブーンはそう思い、そこから利用価値を探す。

( ^ω^)「………」

そこから欲しいのは、やはり情報だ。

( ^ω^)「なぁ、プギャー君よ」

128 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:22:09.27 ID:upA6ALgSO
( ^ω^)「お前らはなんでここにきたお?なんで、渡辺が生き返ってるんだお?」

(;^Д^)「ああ、それへ………」

(;^Д^)「……べぇっ!!ぶふっ!!」

口の中にある破片と血液を吐き出し、続ける。

(;´・ω・`)「…おぇ」


そして

( ^Д^)「それはな、俺らがな……」



(#^Д^)「言えるわけねぇだろうが!!!」

(#^Д^)「『アイス・エイジ』!!!」


手を地表に、一気に氷をその場広くに走らせた。

(;^ω^)「!!!」

141 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:27:26.79 ID:upA6ALgSO
(;´・ω・`)「――――――!!」

まずい、と思い

ショボンは無意識のうちに右手をふるっていた。

そこまではいい。
目の前に走らされた氷は吹き飛び、脅威は取り除かれた。

しかし、ブーン。

(;^ω^)「やば―――――!!」

ブーンに向かっている『脅威』が、取り除かれていない。

さらに、取り除く事も出来ない。

【弱者のパラダイム】は、自分に見える脅威を払うから。

ブーンにとっての脅威は、払えない。

(;´・ω・`)「ブーン!!!」

157 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:30:53.38 ID:upA6ALgSO
(;^Д^)「ひゃははははは!!!」

(;゚ω゚)「お――――!!!」

氷が、迫る。

間に合わない。




しかし、その時

ブーンの目の前に、衝撃波に似た何かが走り

氷が、全て阻害された。

(;^Д^)「え!!?」

175 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:34:04.40 ID:upA6ALgSO

(;^ω^)「お………」

粉塵の中、何かが語る。

(;´・ω・`)

「………その質問になら」

(;^Д^)



ξ゚⊿゚)ξ「私が答えてあげる」

ツン。

グッドタイミングでやってきた、正ヒロイン。

213 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:39:20.98 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「ツン!!」

ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず、倒しちゃいましょうか、こいつ」

覇者の少女が、何食わぬ顔でいう。

(;^Д^)「う、うわあああ!!」

プギャーの手から放たれたる、多数の氷塊。
それは、ツンを凍らせるため。

しかし

ξ゚⊿゚)ξ「ぬぅんッ!!!」

少女の体からほとばしる闘気が、それを許さない。

(;^Д^)「な、なにが……!!!」

プギャーには、理解が出来ない。
多対一とは言え、あの【ヒエヒエの実】の力を持つ自分がなぜここまで追い詰められるのか。


235 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:42:55.33 ID:upA6ALgSO
ξ゚⊿゚)ξ「わからない、って顔ね」

ξ゚⊿゚)ξ「教えたげる。あんた、相手が悪すぎたのよ」

(;^Д^)「え?」

ξ゚⊿゚)ξ「この世には、チートなんかより怖くて卑怯で意地悪なものがいっぱいあるのよ」

( ^ω^)「そーいう事だお」

ブーンが言う。


言いながらも、その手の周りには、シューから借りたであろう、数匹のピクミンがいた。

251 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:47:12.16 ID:upA6ALgSO
(;^Д^)「………」

(;^Д^)「……ま、さ、か…」

( ^ω^)「プギャー君。お前の覚悟、しかと見届けたお」

(;^Д^)「ちょ、嘘だろ?なぁ、それ、お前も痛いぞ?やめとけって。駄目だってそれ…」

( ^ω^)「だから僕も覚悟を決めるお。そりゃあ痛いだろうが、後でクーに治してもらえると思えばまだマシだ」

( ^ω^)「さ、やっちゃってくれピクミンたち」

声を合図に、ピクミン達が

ブーンの両手の爪を、一斉に全力で、全て叩き割った。

282 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:50:39.27 ID:upA6ALgSO



その後のプギャーはひどかった。

敢えて詳しく言うなれば、


【見せられないよ!!】だった。


プギャーはその後、白目を向きながら、口からは赤い泡を吐いてその場に倒れてしまった。

297 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:55:54.25 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「ツン!」

戦闘を終え、ツンに駆け寄る。

ξ゚⊿゚)ξ「とりあえずはこっから逃げるわよ。急がないと、もっといっぱいの人間が来るわ」

(;^ω^)「お……」

ξ゚⊿゚)ξ「あいつらはペニサスって女に、【GANTZ】の力で復活され、従わされて闘いに来てるのよ」

(;´・ω・`)「な、なるほど……」

ξ゚⊿゚)ξ「だから、早く逃げないと」

(;^ω^)「ま、待ってくれお!!」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

(;^ω^)「なんで、ツンはそんな事知ってるんだお?なんで、ツンはここがわかったお?お前、僕と別れてから何があったんだお?」

ξ゚⊿゚)ξ「…あぁ……」

310 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 00:59:17.94 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「答えてくれお。お前、隠してるつもりかもしれないけど…」


(;^ω^)「……なんか、変だお」

(;´・ω・`)

lw´;‐ _‐ノv

川 - )

ξ゚⊿゚)ξ「………」

ξ゚⊿゚)ξ「…ほんと、そういうとこだけは鋭いんだから」

(;^ω^)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「簡単よ。ここの事については、教えてもらっただけよ」

321 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/08(月) 01:01:16.94 ID:upA6ALgSO
(;^ω^)「教えてもらった?だ、誰に?」

ξ゚⊿゚)ξ「うん、それはね………」



彼女は、小さく一つの単語を口にする。




――――――「渡辺」。




第十二話、終わり。
Posted at 2011/08/15 21:08:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット

プロフィール

「転職した http://cvw.jp/b/274697/44067138/
何シテル?   06/06 15:48
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