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ダスティ・アッテンボローのブログ一覧

2011年08月13日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第11話

6 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:07:46.80 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十一話。

『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
ブーンの覚醒、そして2度目の回復タイム終盤に差し掛かり、舞台は大きく動こうとしていた。

今回の敵は!?今回の安価は!?
作者は今回も誤字脱字を指摘され顔を真っ赤にするのか!?

11 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:11:12.97 ID:zOwZi8EsO
一応、登場人物とその能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・休養中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中

  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????


19 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:15:23.37 ID:zOwZi8EsO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』
『体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力』

25 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:18:55.07 ID:zOwZi8EsO
ショボン。それが僕の名前だ。

年齢は四捨五入したら10になる。
身長は高くも低くもないようで低い。
体重はハンバーガー換算で、よくわからない。

小学校の帰り道、好きな女の子と楽しくお喋りしながら帰っていたらいきなりこの世界に飛ばされた。

さらに運の悪い事に、強い人から命を狙われるハメになったりと、そりゃあ絶望の連続だ。

でも、絶望の中にも希望はあった。
ヒーローに会ったんだ。
この世界で初めて、敵意なく僕を助けてくれる、僕を必要としてくれるヒーローに。

だから。

(; ω )「……お…」

(;´・ω・`)「だから、だから今度は僕が助けるんだ!!」

(,,゚Д゚)「……ふん…」



――――話は、もっともっと前にさかのぼる。

32 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:22:07.87 ID:zOwZi8EsO
――――図書館。

(´<_` )《そろそろ、真剣に語ろうか》

騒然としていた図書館に、弟者の一言。

( ^ω^)「お?」

ξ゚⊿゚)ξ「え」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

川 ゚ -゚)「…」

(´<_` )《これからの行動について、だよ》

画面の中の弟者が言う。その、思惑がいまいちわからないような声色で。

36 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:23:48.45 ID:zOwZi8EsO
(´<_` )《忘れてないよな?ブーンは初めての覚醒者だ。おそらく、何人か……少なくとも、オリジナルの連中はそれに気付いて近づいてくるとは思うんだ》

(;^ω^)「……お…」

(´<_` )《だから、どうするか考えよう》

(´<_` )《なぁ、兄者?》



(  _ゝ )「………」


( ´_ゝ`)「……あぁ、そうだな」


今まで一言も語らなかった兄者が相槌をうつ。
ブーンはそこに少しの不安感を覚えたが、特に気にする事ではないと思い胸にしまった。

44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:26:48.43 ID:zOwZi8EsO

(´<_` )《俺としては、あまり動くべきではないと考えてるんだが…》

( ^ω^)「お、それはちょっと困るお」

そこでようやく口を開いたのが、当人のブーンだった。
彼は平然とした顔で、自分の当初の目的を皆に告げる。

(´<_` )《ん、なんだブーン?》

( ^ω^)「や、ちょっと困るんだお。一応僕にも目的はあるから」

lw´‐ _‐ノv「あ、そう言えばそうだったね」

( ^ω^)「僕、ドクオって友達に会いに行きたいんだお」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

ただ一人だけ、それに大きく反応した少女がいた。

52 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:30:16.09 ID:zOwZi8EsO
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーンあんた何を」

( ^ω^)「ああ、ツンにも言ってなかったかお」

( ^ω^)「このシューは、なんとドクオのチームの一員なんだお」

lw´‐ _‐ノv「うん。よく考えてなかったら名乗ってなかったね」

ξ;゚⊿゚)ξ「え――――!」

ドクン、と。
ツンは鼓動が早くなるのを感じる。自体が、思ったより都合の悪い方向に進んでいるのを感じて。

(´<_`;)《おお、そうなのか。ドクオって、あのドクオだよな》

lw´‐ _‐ノv「あ、弟者さんは知ってんのね。そりゃあんだけ強い人なら、全体マップで見た事あるよね」

ξ;゚⊿゚)ξ(………)

lw´‐ _‐ノv「そうだよ。【一方通行《アクセラレータ》】を持つ、ドクオさんだよ」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「え」

………ん?【一方通行《アクセラレータ》】?
それって確か、ツンが………

59 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:34:26.40 ID:zOwZi8EsO
そのシューの発言から、いきなり言い争いが始まった。

(#^ω^)「なんで黙ってたんだお!!!」

ブーンは激怒。ツンがなぜドクオについて黙っていたのか、なぜ嘘をついたのか、なぜ自分に助けを求めなかったのか。
いろんな感情が吹き出し、一気に吹き出した。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、え……」

(#^ω^)「はっきり言えお!!お前はドクオに襲われたんだお!?それを詳しく話せってんだお!!」

lw´;‐ _‐ノv「ちょ、ブーン落ち着いて」

一番困惑したのはシューだ。自分が何気なく言った一言が、まさかこんな事態を呼ぶと思ってはいなかったから。

(#^ω^)「シューは黙ってろお!」

lw´;‐ _‐ノv「ひっ…」

そして、ブーンのこんな顔を見た事がなかったから。

66 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:38:31.09 ID:zOwZi8EsO
ξ;゚⊿゚)ξ「仕方なかったのよ!!私だって、あなたを思ってn」

(#^ω^)「僕を思って!!?何がだお!ドクオにぶっとばされるかも知れないからか!!?ふざけんなお!!」

lw´;‐ _‐ノv「やめて!落ち着いてよブーン!!」

川 ゚ -゚)「……」

(´<_`;)《うわぁ………》

ブーンは回りの反応などお構い無く、それでも激しく怒鳴り散らした。

こうなってしまえば、行き着く先は決まっている。


ξ;⊿;)ξ「………う」

lw´;‐ _‐ノv「あ」

ツンの目に、涙が貯まっていく。

(;^ω^)「お………」

それが鎮静剤になったかのように、ブーンの怒号もピタリと止まった。

しかし、ツンはそれでは止まらない。

78 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:43:26.99 ID:zOwZi8EsO
ξ;⊿;)ξ「もういい!!ブーンのばか!!」

ツンは全力でどこかに走っていった。
これがラブコメなら、見所シーンだったのかも知れない、だがここは戦場なのだ。

(;^ω^)「えぇええええ!!!ちょ、ツン!!!」

川 ゚ -゚)「うっわー。泣ーかしたー泣ーかしたー」

(´<_` )《キャーサイテー》

(;^ω^)「待て!待ておツン!」

二人を無視し、ブーンも陸上部(もはや忘れかけられているであろう設定)で鍛えたダッシュ力で追いかける。
しかし、それでもツンは早い。当たり前だ。あんな少女も、中身は覇者なのだから。

しかし追い付けないからと言って、追いかけないわけにもいかない。

(;^ω^)「………たっく、もう!!!」

lw´;‐ _‐ノv「え、ブーン!!」

(;^ω^)「ごめんみんな!!すぐ戻るから待っててお!!」

こうして男女3人とパソコン1台を残し、ブーンとツンはどこかへ走っていった。

84 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:46:20.22 ID:zOwZi8EsO

――――――公園。

結果。

(;^ω^)「…ハァ…ハァ…あいつ早すぎるお……どこ行ったマジで…」

(;^ω^)「しゃあない。いったんみんなのとこに戻って………」

( ^ω^)

(^ω^ )

( ^ω^)「………」

 (^ω^)

/(^ω^)\「ここどこだ」


ものの見事に、迷った。

96 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:50:14.24 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「あれ、もしかして僕、結構ピンチなんじゃね?」

公園内を一頻り歩くブーン。

しかし、まずい。
必死で走っていた為か、この公園のどの入口から入ってきたのかもわからない。

ふざけんなよ自分、働け前頭葉、としきりに思うが何も変わらない。

(;^ω^)「んー、こんなとこ通ったっけ……」

110 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:54:45.33 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「まずったお……」

そう言いながら大きな針葉樹林を抜けようとした時

(;´・ω・`)「うらああああああああああああああああ!!!!」

(;^ω^)「お!!?」

後ろから、というより上からいきなりの襲撃者。
推定、小学生。おそらく、木に登って隠れていたんだろう。

(;´・ω・`)「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

その小学生は、激しい声と勢いと共に、ブーンを

(;^ω^)「まず――――――」



平手で叩いた。

122 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 21:58:09.80 ID:zOwZi8EsO
突然の平手打ち。
当たり前だが、ダメージはまったく無い。

(;´・ω・`)「………え?なんで?」


(;^ω^)「………えぇ?」

(;´・ω・`)「………」


(;´・ω・`)「……あの、だれですか?あ、僕はショボンです」

襲撃者は礼儀正しかった。

(;^ω^)「僕は、ブーンです」

とりあえず敬語で返した。

135 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:02:28.77 ID:zOwZi8EsO

(´・ω・`)「……なるほど、道に迷った、と」

(;^ω^)「うん……」

ショボンと、ブーン。二者に年下と年上の関係は完全に構築されているのだが、なぜかブーンにはショボンを小学生とは思えなかった。

(;^ω^)「で、君も命を追われてると?」

(´・ω・`)「そうなんだ」

驚いた事にこの小学生、ある人物から追われていて
命からがらここに逃げ込んだ後、僕をそいつと勘違いし、襲撃したらしい。
平手で。

149 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:07:13.93 ID:zOwZi8EsO
(´・ω・`)「叩いて、すいませんでした」

( ^ω^)「いいお。でも、なんもなかったお?」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「それは、君の力が関係してるんだお?」

(´・ω・`)「………」

ショボンは、押し黙る。
何か聞いてはいけない事だったのか、とブーンが思った時

(;´・ω・`)「……あ、あの」

( ^ω^)「?」

(;´・ω・`)「もし、もし迷惑でなければでいいんですが……」



(;´・ω・`)「ちょっとだけ一緒にいて、もらえませんか?」

( ^ω^)

( ^ω^)「…オゥフ……」

何か聞き間違えたら大変な事になりそうな発言をした。

157 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:11:40.53 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「あの、君はどういう…」

(;´・ω・`)「あ、いや、違うんです!」

何が違うと言うのだろう。

(;´・ω・`)「ただ、こんな感じ初めてで…」

何が初めてだと言うのだろう。
なぁ、狙っているのか?ショボン君。

(;´・ω・`)「その、心地良いって言うか、なんて言うか……」

何が心地良いと、ああもういいめんどくせぇ。なんだこいつ。

(;^ω^)「待て、何がどうなって何なのか教えろお!!」

(;´・ω・`)「あ、すいません。違うんです」

(;´・ω・`)「ちょっとだけ、守ってもらいたいだけなんです」

なんだそれ。

169 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:15:46.55 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「ああもう。守ってやるお。ちょっとだけ一緒に行動するお!これでいいかお?」

(´・ω・`)「…え……」

あれだけ言っていた割には、当のショボンは、信じられないと言った顔でブーンを見てから

(*´・ω・`)「ありがとうございます!」

満面の笑顔で、そう答えた。

(;^ω^)「……僕もツンを探さないといけないのに…」

ブーンは不満そうだったが、まんざらでもなかった。
頼られると言うのは、そう言う事なのだろう。

180 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:20:28.01 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「じゃあ、聞かせてもらわないといけないお」

(´・ω・`)「?」

( ^ω^)「君が、誰になんで追われているのかって事を」

(´・ω・`)「……それは…」


ショボンが語り始めようとした時。

その時、いきなりそれが訪れた。

文字通り、いきなりだった。

187 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:22:53.04 ID:zOwZi8EsO

(;´・ω・`)「!!?」

ショボンがいち早く、それを察知したらしい。
そして

(;´・ω・`)「ひっ―――――!!!」

声も漏らさず、いきなりの、逃走。

(;^ω^)「お、おお!?」

ブーンは当然、驚くしかなかった。
当然だ。目の前のショボンの行動の意味がわからない。

だが、その答えはすぐに知る事になった。

(;゚ω゚)「――――――え」

ぞく、と、謎の悪寒がブーンの背中に走る。

(;゚ω゚)「な………」

反応さ、その背後を振り返れば


(,,゚Д゚)「………」


強面の男が、こちらに迫っていた。

196 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:27:29.04 ID:zOwZi8EsO
(;゚ω゚)(なんだ、こいつ―――――)

それは、異質だった。
今まで会った、誰とも違う、負の感触。
モララーとも。渡辺とも。デミタスとも。そのどれとも違う。

まるで、『不快感』の塊。

(;^ω^)「しょぼ――――――」

ショボンは、いない。
つまり、おそらくこいつなのだろう。

ショボンの命を狙っているというやつは。

(,,゚Д゚)「……よォ。俺はギコってものなんだが」

(,,゚Д゚)「ここらでガキ、見なかったか?」

負が、話しかけてくる。

204 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:30:57.34 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「……知らないお」

(,,゚Д゚)「……へぇ、そうかい」

(;^ω^)「その子がどうかしたのかお」

(,,゚Д゚)「いや、わからないならいいさ」

強面の俺が、語りかけてくる。とてつもなく、気持ちが悪い。

(,,゚Д゚)「しかし、あんた。もしかしてアレか?」

(,,゚Д゚)「ちょっと前にあった、『最初の覚醒者』じゃないのか?」

(;^ω^)「!!?」

(,,゚Д゚)「やっぱりか。そこはやっぱりオリジナルか。通じるもんがあるな」

211 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:34:57.70 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「という事は、お前も……」

(,,゚Д゚)「ああ、そうさ。改めて名乗ろうか。俺はギコ、『主謀者《オリジナル》』の一人」

(,,゚Д゚)「…ちょっくら、お手合わせ願おうか」

その強烈な負から、どす黒いオーラが放たれる。

(;^ω^)「な………!!!」

(,,゚Д゚)「じゃあ、行かせてもらう」


(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!!」

ギコの能力が、解放された。

234 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:39:07.94 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「うらぁ!!」

そのギコの体を纏うオーラが手に集まり、黒球となりブーンに襲いかかる。

(;^ω^)「な!?」

何かの、黒い塊。しかし、ブーンは本能的に感じる。

――――――あれに当たっては、いけない。

(;^ω^)「おおおお!!!」

本能に従うまま、左に回避。
黒球達はブーンの右を通過して行った。


なんなく、かわせた。

しかし

(;゚ω゚)「うっ―――――!?」


ブーンを、謎の感覚が襲った。

248 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:44:22.30 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「う……」

交わした、はずなのに。ブーンを襲ったのは、強烈な『不快感』。
嫌だ。辛い。苦しい。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

思わず体を動かすのも嫌になる。
しかし、そこに近づく元凶。

(,,゚Д゚)「なぁ」

(,,゚Д゚)「あんたがアレンジだってんなら」

(,,゚Д゚)「あんたを殺しゃ、俺も覚醒出来んのかな?」

(;^ω^)「………!」

その言葉に反応出来、やっと体を襲っていた気だるさが解ける。

(;^ω^)「ううううう!!!」

(,,゚Д゚)「お」

逃走。

ブーンはひとまず、遊具の影へと退避する。

260 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:50:56.50 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「はぁ…はぁ……!!」

とりあえず、ブーンは相手の能力を冷静に把握する。

あいつは【荒々しい空気《ラドンテイク》】と言ったか。

わかった事は、あいつが纏うオーラ。
あれに触れると、大量の負の感情を流されると言う事。
交わしたにも関わらず、近くにいただけで自分はかなりの不快感を与えられた。

もし、あんなものが当たれば。

(,,゚Д゚)「……」

(;^ω^)「……まぁ、ここが公園で良かったってところかお…」

幸い、公園には遊具などの遮蔽物がたくさんあった。
最初は驚いたが、あの黒球の飛んでくるスピード自体はそれほど早くはなかった。
つまり、冷静に対処すれば大丈夫、なはず。

( ^ω^)「あとは、【気分次第《アンカーテイク》】で――――」


そう思っていた時。

268 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 22:56:02.08 ID:zOwZi8EsO
突如、

黒い壁が押し寄せる。

その、全ての負の感情を集めたかのような黒いオーラで出来た壁が。

(;゚ω゚)「え………?」

(,,゚Д゚)「……」



しかも、ただ黒い壁が迫るだけではない。

その壁は、遊具や気、ベンチ等の

遮蔽物を、まるですり抜けるように通過してこちらにやってきた。


(;゚ω゚)


――――――逃げ道が、ない。

294 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:03:16.47 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「………【荒々しい空気《ラドンテイク》】、『面の中傷』」

どす黒いオーラを纏う者、ギコは、自分の起こした黒い津波にブーンが巻き込まれるのを見ていた。

そして、それが通過した後。

(; ω )「お……」

残ったのは、負の津波にのまれ、立つ事すらままならなくなったブーン。

(,,゚Д゚)「勘違いするなよ。俺の能力は、何者からも邪魔されない」

(,,゚Д゚)「障害物があろうが、大きな風が吹こうが、正面から攻撃されようが、俺の【荒々しい空気《ラドンテイク》】は外的要因じゃ止まらない。必ず、特定の人物を狙って飛んでいく。」

(,,゚Д゚)「そして、人に不快感を与え押し潰す」


ギコが、語りかけてくる。
しかし、ブーンは

(; ω )(辛い。苦しい。辛い。嫌だ。逃げたい。嫌いだ。嫌だ。嫌だ、嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)

声は届かず半狂乱にさえ、なりかけていた。

309 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:08:20.95 ID:zOwZi8EsO
聞こえているのかどうか、ギコに確かめる気はなかった。
しかし、続ける。

(,,゚Д゚)「だが、今使った『面の中傷』はあまり強いものじゃないんだよな」

(,,゚Д゚)「だから、今から完全に精神を壊させてもらう」

ギコが、両手を振り被った。

(; ω )「…お…おぉ…」


ブーンには、見えていなかった。

しかし、別のものが見えていた。



(;´・ω・`)

(; ω )

木の影から、こちらを見やるショボンが。

321 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:13:34.18 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)

(; ω )「……はは…」

ショボンが何かを言いたそうに、こちらを見ていた。

あぁ、ごめんなショボン。勢いとはいえ守るって言ったのに、こんなザマだ。
でも、ちょっと待ってて。
僕が。

僕が必ず

(; ω )「必ず、守ってやるお………!!」

(;´・ω・`)「!!」

荒らしに潰されかけながらも、ショボンに自分の思いが届いた。
あとは、やるだけだ。
自分の力を。

(;^ω^)「アンカー…」

(,,゚Д゚)「遅い」

(;^ω^)「!?」

(,,゚Д゚)「『大炎上』!!」

それより早く、ギコは動いた。
ブーンに迫りくる、雨のような黒球。

331 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:17:28.09 ID:zOwZi8EsO
雨が、降り注ぐ。

(; ω )(しまった――――)

間に、合わない。

(; ω )(……あぁ、ショボン。逃げ………)


どうか、どうかどこまでも逃げろ。

早く、今のうちに。

僕が役に立つとしたら、もうそれくらいだお。




そう思った時だった。




(;´・ω・`)「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

少年が、突っ込んできた。

342 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:20:18.45 ID:zOwZi8EsO
(;´・ω・`)(僕だって………!!!)

(; ω )「…お……」

(;´・ω・`)(僕だって………!!!)

(´・ω・`)「ブーンを、助ける!!」

(,,゚Д゚)「!!?」

現れたのは、ショボン。だが


(;´・ω・`)「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

怒号。

降り注ぐ、黒球の雨。

彼が払うは、右手。

しかし

(,,゚Д゚)「!!」

それにより、黒球はあらぬ弾かれる。


その、不可避のはずの黒球が。

370 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:25:10.53 ID:zOwZi8EsO
(;^ω^)「お!!?」

それにより、ブーンは完全に目を覚ます。

ショボンが手を振り払った。

すると、黒い雨が全て弾かれ、跳ね返された。

(;´・ω・`)「僕だって………!!」

(;´・ω・`)「僕みたいな弱いやつだって、ブーンを守るんだ!!」

(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!」

また、迫り来る黒球。対しショボンは

(´・ω・`)「うらああああ!!!」

また右手を、払うように振るっただけ。

しかしそれで、黒球が跳ね返される。

(,,゚Д゚)「……!!」

(;^ω^)「まさか………!!」

382 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:28:27.82 ID:zOwZi8EsO


(;´・ω・`)「はぁっ…!はぁっ……!」

ブーンには、見えない。

(´・ω・`)「行くよ!『ヨヨ』!!」

しかし、その名は知っている。
ショボンが呼ぶ、臆病者が使うその能力を。

――――『コノ腕デ掴ムハ“運命” 祓ウハ“脅威”
 死ノ運命ヲ操リ回避スル』――――


(;^ω^)「【弱者のパラダイム】――――――!!!」

(´・ω・`)「行くぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

ショボンが、吠える。

423 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:35:06.71 ID:zOwZi8EsO
【弱者のパラダイム】、又は【チキンソウル・パラダイム】。
『PSYREN』の、霧崎兜の使うPSI能力だ。

彼の目には、数秒先に起こる「 脅威 」が光のように見える。

【弱者のパラダイム】は、その光を手で振り払う事によって、その脅威を吹き飛ばす事が出来る。

言わば、限定的な運命操作能力。

(;^ω^)「なるほど………!!」

合点がいった。

最初ショボンが襲いかかってきた時、ショボンは平手打ちだった。
それはこの能力で、脅威の塊である敵自体を吹き飛ばそうとしたからだ。

しかし、ブーンは敵でなければ脅威もなかった。

だから、ただの平手打ちとなった。

しかし、この世界で、ブーンのようなまったく脅威を持たない人間など、多く存在するだろうか?

脅威が見えてしまうショボン。
その目で見た、初めてのまったく脅威を持たないブーン。

それは、ショボンの目にどんな風に写っていたのであろうか?

448 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:41:00.65 ID:zOwZi8EsO
だからこそショボンは、ブーンについていこうと思った。
だからこそショボンは、ブーンを助けようと思った。

初めて心から、自分にとって脅威でない人間。

「守ってやる」

純粋に、その言葉を放った人間。

(´・ω・`)「だから!!助けるんだ!!」

(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!『面の中傷』!!」

ギコが放つ黒い津波。
しかし、ショボンにはそれは通じない。

(´・ω・`)「うわあああああ!!!」

右手を振る。それだけで

黒い津波が押し戻され、空中分解した。

(;^ω^)「助かったお……!!!」

その隙に、ブーンも少し回復する。
そして、あの能力を使う用意を。

470 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:45:13.14 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「ショボン。お前の選択はたぶん大正解だお」

(´・ω・`)「え?」

( ^ω^)「お前の目に見える、『脅威』。そりゃ怖いだろう」

( ^ω^)「なら、今から」

―――――僕が全て払ってやるお。

( ^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」

(´・ω・`)「え………」

一瞬。
ショボンの視界をつつむ『脅威の光』が、ブーンによって取り払われた。
そんな気がした。

484 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:46:54.36 ID:zOwZi8EsO
( ^ω^)「みなさん、おひさー!!」

( ^ω^)「多くは語らないお!!」

( ^ω^)「あの不快感系男子をぶちのめす、あなたの厨二妄想を!!指定アンカーは………」

――――――>>505

 

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/05(金) 23:47:11.67 ID:gE9vQog/0
すべての攻撃の対象をドクオに変える能力
 

581 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:49:22.91 ID:zOwZi8EsO
『能力が決定しました。』

>>505 すべての攻撃の対象をドクオに変える能力

( ^ω^)「………」

( ^ω^)「チートっつーかこれ………」

607 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:53:32.76 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「【荒々しい空気《ラドンテイク》】!!」

(;^ω^)「お!!」

そして、ギコから放たれたのは黒球。
しかし、

(,,゚Д゚)「なっ!!」

ギコの黒球は、空中へ。
そしてどこかへ向かって、飛んでいった。

(;´・ω・`)「え!!?」

(,,゚Д゚)「な、何が!!」

続けて発せられる、黒球。
しかし、それも同じだった。

全てがギコの意思とは反し、どこかに吹き飛ばされるように飛んでいく。

37 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/05(金) 23:57:07.93 ID:zOwZi8EsO
(,,゚Д゚)「くっ!!」

いくら黒球を出しても、同じ事だった。
まったくコントロールがきかない。

(,,゚Д゚)「なんだ!!何がどうなっている!!」

(;´・ω・`)「こ、これ、ブーンが……?」

( ^ω^)「ショボン!今だお!!!」

(;´・ω・`)「!!!」

呼びかけに反応し、駆け出すショボン。

狙いは

(,,゚Д゚)

自分の思う攻撃が出来ず、焦るギコ。

658 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:01:58.88 ID:oGdMrMFQO
(´・ω・`)「うらあああああああ!!!」

ショボンが用意したのは、振り被った右手。

しかし、それでいい。

それだけでいい。

(,,゚Д゚)「くっ……!!」

このギコは、存在自体が脅威なのだ。
つまり

(´・ω・`)「あああああ!!!」

ショボンが右手を振るった。

(,,;゚Д゚)「ぐ、がああああああああ!!!!」

それだけで、ギコは嫌な音を立てて大きく吹き飛ばされる事となる。
そして、後ろにあったジャングルジムに叩きつけられた。
メキメキ…と、軋む音を出しながら。

676 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:05:44.32 ID:oGdMrMFQO
――――――廃ビル

('A`)「………遅いな」

ある男が、そこにいた。

/ ,' 3「何がじゃ?」

そして、老人。

('A`)「弟者からの連絡が、遅すぎる」

(#゚;;-゚)「……なんかあったんじゃ…」

そして、少女。

その後ろには

(* ∀ )

虚ろな目をして立っている、少女。

691 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:08:35.56 ID:oGdMrMFQO
('A`)「しかし、弟者。いくらなんでもなぁ……」

と、言いながら空を眺めたドクオ。
しかしそこに見えたのは


('A`)


('A`)「なんだ、あれ」


こちらに向かって飛来する、おびただしい数の黒くて丸い何か。

711 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:12:33.93 ID:oGdMrMFQO
誰かの攻撃だろうか。しかし、出来すぎているような気もする。

まるで、特定の人物にホーミングする力でもあるかのように。

('A`)「………ノトーリアスBIGみたいなもんか……?」

まぁ、いい。
何がこようが、跳ね返せばいい。

そう思った。だが

(;'A`)「!!?」

何かの違和感に気づく。

そして、ベクトルを操作し、壁を殴り破壊する。
そしてドクオは言う。

(;'A`)「お前ら!!避けろ!!」

726 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:16:24.05 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「上から攻撃が来る!!だが!!」

(;'A`)「物理的ベクトルが存在してない!!あれじゃ俺も反射出来ない!!」

/ ,' 3「!!」

(#゚;;-゚)「!!」

言うが早く、荒巻は

/ ,' 3「【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】」

/ ,' 3「『空気の軽さ』。」

そういい、跳躍する。
いや、それは跳躍というレベルではなかった。

飛翔。空気の軽さをコピーした荒巻は、飛んでいたのだ。

735 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:20:54.99 ID:oGdMrMFQO
(#゚;;-゚)「んー…『感応視』」

(* ∀ )「!!」

びくん、と、つーの体が動く。
そして、でぃの前で大きく防御姿勢をとる。

(#゚;;-゚)「あなたなら盾になっても大丈夫でしょ。しぃちゃん」



しかし、二人がとった防御行動には、何の意味もなかった。

(;'A`)「!!?」

黒球は、カーブする。
全てが、回避していたドクオに向かって。

751 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:24:27.28 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「なんだこれ…!!」

ドクオは、方向転換。

しかし黒球もそれに合わせてついてくる。

(;'A`)(ふっざけんな……!!!)

跳ね返せず、しかも完全ホーミング付き?

(;'A`)「こんなの、どうすりゃ……!!」

しかし、ドクオはここで一旦冷静になる。

跳ね返せない、ベクトルは存在していないとは、何か。

759 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:28:54.91 ID:oGdMrMFQO
ものが動く時、必ずベクトルが発生する。
それは物体であれ生命活動であれ熱であれ電磁波であれ。

つまりそれが発生していないとは、何か概念的なものとなる。
当たっても、外傷は発生しないはずだ。

そこで一番強い線は精神攻撃系。

('A`)「…!試す価値はあるな!!」

ドクオは、また方向転換。
ベクトルを駆使し、全力で駆ける。

(#゚;;-゚)「ん?」

(* ∀ )

でぃの前に立つ、つーに向かって。

772 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:33:39.53 ID:oGdMrMFQO
('A`)「悪ぃでぃ!!ちょっとこいつ借りる!!」

(#゚;;-゚)「あ、1分200円です」

('A`)「うらっ!!」

ドクオは、つーの頭を掴み、そして向かってくる黒球の盾にする。

(* ∀ )「――――――!!!」

黒球はつーの体に当たり、そして消滅。
体に当たるたびにつーの体は、びくんと大きく跳ねるが、何も問題はないようだ。

やはり、これは精神攻撃。
もともと心が壊れたつーには、通用しない。

(* ∀ )

('A`)「………」

そして、全ての黒球を、つーの体が飲み込んだ。

辺りは、静寂を取り戻した。

790 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:37:44.38 ID:oGdMrMFQO
(;'A`)「……ふぅ…」

やはり、先ほどの攻撃は『人間だけを対象とした遠距離精神攻撃』らしかった。

つーという人壁がいなければ、今頃どうなっていたか。

/ ,' 3「大丈夫かの?」

(#゚;;-゚)「……すごかったね」

全てが終わり、二人が寄ってくる。

('A`)「あぁ、まさかあんな力があるとは。さすがはチート能力ってとこかな」

/ ,' 3「ジョジョ風に言うなら遠距離パワー型、みたいなもんじゃったな」

(#゚;;-゚)「でも、なんでドクオを狙ったの?」

('A`)「………」

806 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/06(土) 00:42:41.14 ID:oGdMrMFQO
('A`)「………」

深く考えこむ、ドクオ。

(#゚;;-゚)「どうしたの?」

('A`)「いやぁな、ちょっと計算してただけだよ」

('A`)「さっきの攻撃の弾道から、攻撃してきたやつの大まかな位置をな」

/ ,' 3「………ほう」

('A`)「行ってみるか」

――――誰だか知らねぇが、喧嘩を売られたからにはこのままじゃ置いてけねぇだろ。
このままじゃ、相手の気持ちは一方通行だしな。
残念ながらそのままで置いとくほど、俺は優しくない。


第十一話、終わり。
Posted at 2011/08/13 08:09:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月11日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第10話

23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:24:39.72 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第十話

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
強敵デミタスを謎の力で圧倒したブーン。時代は今大きく変わろうとしていた。

今回の敵は!?今回の安価は!?
ハロウィンでテンションが上がっている母を、作者はねじ伏せれるのか!?

33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:27:24.59 ID:oHkXx/KEO
一応、登場人物と能力一覧

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《ストッパーテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・休養中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
(#゚;;-゚)【幻視】(SIREN)
・共に行動中

  _
( ゚∀゚)【????】(vip)
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????


34 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:28:42.45 ID:oHkXx/KEO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』
『口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力』
『どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力』

43 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:33:31.54 ID:oHkXx/KEO
この戦いが始まってから、もうだいぶ人が死んだなぁ

そろそろ…そろそろいいかな?

いいよね?こんだけ待ったんだし、いいんだよね?


('、`*川「そろそろあたしの出番よねー!!」


さてさて、何人くらい使ってやろーかしら…
圧倒的優位な立場ってのは胸が踊るわね。

('、`*川「…殺してくれてありがとね、ナベちゃん」


―――――たーっぷり仕返しさせてもらうわよ。

50 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:37:27.41 ID:oHkXx/KEO
起きたそこは知らない場所だった。

( ^ω^)「………」

辺りを見回す。本がやけに大量に並んでいるのが見える。

図書館、だった。

川 ゚ -゚)「あ、起きた」

( ^ω^)「……お」

この子はあの時の女の子?

あれ、何がどうなったんだっけか。
よく思い出せない。えーっと…確か、デミタスと戦って…負けて……そんで………

ξ゚⊿゚)ξ「………」

(;^ω^)「ツン!!」

55 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:40:48.80 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「……無事で、良かった」

( ^ω^)「こっちのセリフだお!良かった、良かったお!」

ξ゚⊿゚)ξ「いや明らかにこっちのセリフだし。うん」

…あれ?ツンの様子がおかしい。よく見れば肩が震えている。
ひょっとして僕が起きた事に対して、涙を止めるのに必死なくらいの感動を覚えているんだろうか。

( ^ω^)(………)

いや、ないか。
なんたってツンだしな。

………ん?そう言えばツン………じゃない、他にも大事な事があったような………




………シューは?

65 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:45:31.04 ID:oHkXx/KEO
(;^ω^)「あ、え!?シューは!?シューはどうなったの!?」

そうだった。シューはデミタスにやられて…どうなった?
無事なのか?それとも……

(;^ω^)「なぁツン!近くにちっちゃい子がいたお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「………」

(´<_` )《ああ、シューちゃんな》

(;^ω^)「うお!!パソコンがしゃべっとる!!」

いや、良く見れば違った。パソコンの中に人がいる。電脳世界で完全な人格を形成している。
この能力といえば……まぁ、後でいいや。
それより、シューだ。

(;^ω^)「どうなったお!?」

(´<_` )《ああ、シューちゃんなんだが……》

79 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:49:11.08 ID:oHkXx/KEO


ふとその時、ブーンは後ろから何かに抱きよせられる。

(;^ω^)「おぉ!?」

一瞬だけ驚くが、敵意がない事を確認し、落ち着く。
しっかりと抱きしめられているので後ろは振り向けない。

しかし、この自分を抱きしめる小さな手は。
この、肩にかかる髪は。
この目の前にいるピクミンは。


この、温もりは。

lw´  _ ノv「……ぶじで、よかった」

この、声は。

106 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:52:47.17 ID:oHkXx/KEO

lw´  _ ノv「良かった」

(;^ω^)「……シュー」

lw´  _ ノv「良かった。良かった。ホントに良かった。心配した。たくさん心配した。」

lw´  _ ノv「ホント…に…よかっ…」


シューの声は、ふるふると震えていた。

( ^ω^)「………お」

ξ#゚⊿゚)ξ

ツンの肩も、わなわなと震えていた。

125 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 21:56:55.36 ID:oHkXx/KEO

lw´‐ _‐ノv

シューがより一層強く、ブーンを抱きしめる。

ξ#゚⊿゚)ξ

その微笑ましい雰囲気の中、ただ一人だけ大気を震わせる少女がいる。

(;^ω^)「………」

命の危機を感じる。自分の生命の危険を感じる。
あまりの危篤感に、ブーンはとてつもなく母親に親孝行がしたくなった。

(;^ω^)「…あの、シューさん」

lw´  _ ノv「………なに、ブーン」

(;^ω^)「あの、抱きしめてくれてるのは嬉しいんですが、ちょっと周りをよく拝見なさってみてはいかがかと…」

lw´‐ _‐ノv「え?」

144 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:01:39.70 ID:oHkXx/KEO
シューが辺りを見回すと、

ξ#゚⊿゚)ξ

明らかに何かしらの怒りを放つ少女を発見した



lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv

ξ#゚⊿゚)ξ

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「………あー」


シューは頭がいい。二人を一度見やっただけで、状況を把握する。
この二人がどんな状況で、いまブーンはどんな状況なのかを。

156 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:04:09.56 ID:oHkXx/KEO
一瞬にして状況把握の後は、どうやって解決するか。
どうやらこの後の展開は自分が握っているようだという事を、理解。




そして、様々な解決方が浮かぶ中で










lw´‐ _‐ノv「ねぇブーン。約束通り、ちゅーしよう?」



(;゚ω゚)「え?」



限りなく一番ややこしい方向に導く答えを見いだした。

182 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:08:06.64 ID:oHkXx/KEO
ξ#゚⊿゚)ξ



ξ#゚⊿゚)ξ「… は ァ ?」


lw´‐ _‐ノv「ねぇ、約束通りごほうびちょうだい。ブーン、言ってくれてたよね?」

シューの抱きしめる力がより一層強くなる。
本来嬉しいはずの行為だが、今のブーンにはそれが首にかかったロープがゆっくりしまっていくような感覚にしか感じられない。

(;゚ω゚)「あ、えぇ!?僕そんな事言ってないやん!し、シューちゃん何言ってん!?マジわけわからんって!!」

ξ#゚⊿゚)ξ

目の前の少年から、ゴゴゴゴ…という音が聞こえる。

224 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:15:36.64 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「なぁブーン」

ξ゚⊿゚)ξ「お前私とはぐれてから」

ξ゚⊿゚)ξ「なにしてた?」

(;^ω^)「ちょ、誤解だおツン!!ほら、シュー!!お前からもなんか弁明を!」

lw´‐ _‐ノv「あ、私の初めてももらってくれるんだよね?腹上死させるって、言ってたもんね………///」

(;^ω^)「言ってねーよ!!!!」

ドグシャアッ!!!と
ツンが右拳を左に突き出し、『子供の絵本コーナー』の本棚を軽く吹き飛ばす。

ξ゚⊿゚)ξ

(;゚ω゚)「ヒィィィィィィィ!!!!!」

244 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:20:56.24 ID:oHkXx/KEO
(;゚ω゚)「待て!ツン落ち着け!!腹上死させると言ったのはシューの方だお!!」

ξ゚⊿゚)ξ「……あぁ、シューちゃんが言ったのね」

(;^ω^)「そうだお!僕はそんな事言うわけないお!!」

ξ゚⊿゚)ξ「そうなの。言った事自体はホントなのね」

(;^ω^)「そうだお!そう………え?」

ξ゚⊿゚)ξ「あなたは、このかわいい幼女と」

ξ゚⊿゚)ξ「腹上死という単語が出るような」

ξ゚⊿゚)ξ「そんなセクハラまがいの会話をしていたのは事実なのね?」

(;゚ω゚)「あ………」

ブーンの絶叫が、図書館の静寂を殺した。

270 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:25:50.41 ID:oHkXx/KEO
(;´_ゝ`)「うるっせえな…ちょっと静かにしろよ…体に響く…」

(´<_` )《あ、兄者。起きたか》

(;´_ゝ`)「ツンさん暴れてんのか?うるせぇんだよ。ちょっと黙らしてくれよ」

(´<_` )《ああ、それなんだが……》

ξ#゚゚⊿゚゚)ξ

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「………」

(´<_` )《なぁ兄者》

(´<_` )《この図書館、静かだろ?》

( ´_ゝ`)「………うん。ごめん間違えた静かだわ。もう一回寝てくる」

(´<_` )《はいはい》

川 ゚ -゚)「女って怖いな」

303 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:33:01.00 ID:oHkXx/KEO
lw´‐ _‐ノv「やめてよツン姉さん!」

そこでやっと、ニヤニヤしながら傍観していたシューが止めに入る。
お前、もうちょいはよ止めにこいよ。

(;#)ωメ)(シュー…お前はホントに……)

ξ#゚゚⊿゚゚)ξ「なんだ小娘。なんかよう……」

ξ゚⊿゚)ξ「姉さん?」

lw´‐ _‐ノv「姉さんが怒るのももっともだけど、ブーンに罪はないよ」

lw´‐ _‐ノv「もともと私がたぶらかしたようなものなんです。あ、でも私は本気です。本気であなたの弟を愛してるんです」

ξ゚⊿゚)ξ「え、ちょ、待て待て待て」

ξ゚⊿゚)ξ「おとーと?」

lw´‐ _‐ノv「え?違うの?あ、ごめんなさい」

lw´‐ _‐ノv「だってめちゃくちゃ仲良さそうだったし」

lw´‐ _‐ノv「て っ き り 姉 弟 だ と 思 っ ち ゃ っ た (笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)」

ξ# ⊿ )ξ

何かが弾ける音がして、図書館の文庫本コーナーは瓦礫へと変化した。

330 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:38:27.84 ID:oHkXx/KEO
おっす!ウリはニダー!
かっこよくて頭が良くて、欠点がない事が欠点の天才ニダ!

突然だけど、ウリは凄いものを見たニダ!
なんと、選択者《アレンジ》の覚醒の瞬間をこの目で見たニダ!

あれはすごかった。もし、あんなやつを仲間に出来たら

<ヽ`∀´>「ウリの優勝は、ほぼ間違いなくなるニダ……!」

というわけで、今回は図書館にやってきたニダ。

367 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:43:55.40 ID:oHkXx/KEO
<ヽ`∀´>「どうやらあのブーンってやつには仲間がいるらしいニダ…」

つまり、内部にいる人間とは戦闘になるという事。
でもウリは、まったく心配なんかしてないニダ。
なぜならウリには………

<ヽ`∀´>「この【ザ・ハンド】があるニダ!!」

ニダーの隣から、スタンドが発現。
【ザ・ハンド】。
ジョジョ第4部に出てくる、右手の手のひらで触れたものを全て『消す』スタンド。

<ヽ`∀´>「これがあれば、ウリはそこらのやつには負けないニダ。まさにチート………ホルホルホル」


しかしその時に、何かの波動砲のようなものが図書館から射出された。

<ヽ;゚∀゚>「ファビョーン!!?」

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:48:14.84 ID:oHkXx/KEO
<ヽ;`∀´>「ニダー!!」

突如迫り来るその波動砲に向かい、右手をふるう。

ガオン!!という音とともに、その波動砲は消し去った。

<ヽ`∀´>「ま、まさか………」

まさか、もうウリが潜伏したのがバレたニダ?
先手を撃ったつもりが、まさか先に攻撃されるとは…

<ヽ`∀´>「もういい、なら強行突破ニダ!!」

バァン!と大きな音をたて、ニダーは図書館に突撃した。

409 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:52:22.12 ID:oHkXx/KEO

<ヽ`∀´>「やいお前ら!その選択者《アレンジ》をウリにおとなしく渡すニ………」

<ヽ`∀´>

そこでニダーが見たものは。

(〃#)ωメメ)

ボロ雑巾のようにに汚い男と、

lw´‐ _‐ノv

天使のように可愛い少女と、

ξ#゚⊿゚)ξ

悪魔のように、って言うか悪魔。


<ヽ`∀´>「………」

<ヽ;`∀´>「………ニダ?」

あれ?何この空気。

432 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 22:57:27.51 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「ちょうど良かった。あのね、君」

lw´‐ _‐ノv「ちょうど良かった。あのね、君」

ξ゚⊿゚)ξ「私いま、とぉぉぉぉぉぉっても気分が悪かったの」

lw´‐ _‐ノv「私いま、とぉぉぉぉぉぉっても気分が良かったの」

ξ゚⊿゚)ξ「だから」

lw´‐ _‐ノv「だから」

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっくらストレス解消に付き合えや!!!」

lw´#‐ _‐ノv「せっかくのドロドロ雰囲気ぶち壊すなや!!!」


<ヽ;`∀´>「ニダー!!!?」

天使と悪魔に、同時に襲いかかられるニダー。

(;^ω^)「あーらららららららら」

ようやく解放されたブーンだけが、それをどうやって止めようかと考えていた。

(´<_` )
川 ゚ -゚)

二人はまったくの無反応だった。

455 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:03:50.35 ID:oHkXx/KEO
lw´‐ _‐ノv「いけ!!」

ニダーの足を、無数のピクミンが掴む。

<ヽ;`∀´>「ニダ!?」

ξ#゚⊿゚)ξ「ぬぁあああ!!!」

そして身動きのとれなくなったニダーを、ツンの北斗神拳、北斗剛掌波が襲う。

<ヽ;`∀´>「あわわわわわ!!!」

慌てて右手で、先ほどのようにツンから放たれたそれを消し去るニダー。
しかし、今の一連でさすがのニダーもわかったのだろう。

<ヽ;`∀´>「に、に、逃げるニダー!!!」

ニダーは にげだした!

ξ゚⊿゚)ξ「どこへ行く?」

おわった! かんたんに かこまれてしまった!

<ヽ;`∀´>「ヒィィィィィィィ!!!」

(;^ω^)「……さてと、とめる準備に入るかお…」

(;^ω^)「………【気分次第《アンカーテイク》】」

478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:07:00.67 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「どうもみなさん、ブーンです」

( ^ω^)「まさか仲間を止める為にこの力をつかう日がくるとはね」

( ^ω^)「もし止められないような能力が来たら、その時は…その……ニダーさんごめん」

( ^ω^)「では、窮地にたたされたニダーさんを救う、あなたの厨二妄想を。指定アンカーは………」

――――――>>500

 

500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/31(日) 23:07:25.06 ID:MdeZ9n0pO
体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力
 

575 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:09:38.43 ID:oHkXx/KEO
『能力が決定しました。』

>>500 体外に射出した自らの精子をミニサイズのキタキタおやじに変化させる能力

( ^ω^)「………なぁ」

( ^ω^)「これもしかして、ぼくしぬんじゃね」

613 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:13:49.95 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「とりあえず、出しにいくか」

目の前のポッポLV5対ミニリューLV42&ギャラドスLV91と悲惨な乱闘を尻目に、ブーンはトイレへ。


( ^ω^)「おかずは何にするかな………」

うーん、と考えて一言。

( ^ω^)「クーちゃんにするか。文学少女まじ萌える」


本来、一番選らんではいけない道を選ぶ。

658 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:20:13.56 ID:oHkXx/KEO
その頃、図書館内の情勢は大きく変わっていた。

<ヽ;`∀´>「もうマジですんませんニダほんと許してほしいニダ……」

完全に屈伏させられていたニダー。

lw´‐ _‐ノv「ねぇツンさん、爪何枚で許してあげる?」

ξ゚⊿゚)ξ「そうねシューちゃん。とりあえず二人で30枚ずつくらいはいかないとね」

なぜか意気投合した二人。

そして

「そこまでだお!!」

<ヽ;`∀´>「ニダ………?」

( ^ω^)

凛々しい顔で現れた、ニダーの為の救世主。

678 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:24:04.00 ID:oHkXx/KEO
( ^ω^)「………ふっ」

そのブーンの足元には



呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉呉
呉「ですぞー」呉「ですぞー」呉「ニケどのー」呉「私の踊りがー」呉「ですぞー」呉「ブーンどのー」呉「ですぞー」


小さいが大量の、キタキタおやじ。

713 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:28:36.12 ID:oHkXx/KEO
ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン…あなた、私が目を離したわずか約1分のうちに、何を……」

( ^ω^)「言いたくないが、いいことを教えてやるお」

( ^ω^)「これは全部」

( ^ω^)「僕の精子だ」

呉呉呉呉呉呉呉「な、なんだってー!!!」

( ^ω^)「今すぐニダーさんを許してやれお。さもなくば………」


――――――この大量の元精子のキタキタおやじを……お前ら初いも若き乙女の肉体に、大量にまとわりつかせるぞ?

747 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:31:55.02 ID:oHkXx/KEO

地獄絵図だった。

大量の紫ピクミンが飛来した。

無数のキタキタおやじがぷちぷちと潰されていく。

ツンから闘気の塊が放たれた。

無数のキタキタおやじが吹き飛ばされていく。

結局、キタキタおやじ達はニダーにしかまとわりつけなかった。

776 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:36:50.05 ID:oHkXx/KEO

ニダーさんは虚ろな目をして帰った。

シューは未だに僕にむかって紫ピクミンを投げていた。

ツンは僕の胸ぐらをつかみ、しこたま殴った。

クーもなぜか入ってきて、僕に向けて弾幕をあびせた。

弟者は《すげぇ、これだけの攻撃の中、誰一人巻き添えをくらう事なく、かつブーンに全ての攻撃が当たっている。物凄いチームワークだ》と冷静に評していた。



キタキタおやじはどこかに帰っていった。

804 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:42:21.42 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ…ハァ……!!」

lw´;‐ _‐ノv「ふーっ!ふーっ!」

川;゚ -゚)「ぜぇ…ぜぇ……」

※※※※←ブーン(自主規制)「………」

ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ……ねぇ、…ハァ……二人とも」

lw´;‐ _‐ノv「………なに……姉さん」

川;゚ -゚)「……なんだ?」

ξ゚⊿゚)ξ「すこし、思ったんだけど」


――――――私たち、とっても仲のいい友達になれると思う。

lw´‐ _‐ノv「………」

川 ゚ -゚)「………」

lw´‐ _‐ノv「えへへ」

川 ゚ー゚)「そうだな」

こうして、謎の友情が芽生えた。

29 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 23:57:35.59 ID:oHkXx/KEO
( ´_ゝ`)「うぃー…よく寝た……」

(´<_` )《あぁ、おはよう兄者。もういいのか?》

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「…なぁ、弟者。聞いていいか」

(´<_` )《ん?なんだ?》

( ´_ゝ`)「俺バカだからまったくわからないんだ。まったくわからない。全然わからない。なんでブーンがあんなボッコボコになってて、図書館が図書館とは呼べないような状態になってて、女三人が意気投合してるんだ?」

(´<_` )《それは俺の演算でも解析不可能だな》

( ´_ゝ`)「そうか。だよな………」

兄者はブーンに近より、具合を確かめる。
どうやら生きているようだが、ひどいものだ。どうやったらこんな事になるんだろう。
………いや、詳しい説明は無しにするが。

44 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:01:55.65 ID:0ykJ2X0BO
( ´_ゝ`)「あのー、ブーン。生きてる?」

聞こえてるのかもわからないが、話しかける兄者。


「…お……あんた…には…この状態の人間が…生きてるように…見えるのか……お………?」

( ´_ゝ`)「わかった。ベストコンディションなんだな。起きれるか?」

どうやら聞こえていたらしいので、しれっとした顔で兄者は続ける。

「………お?」

( ´_ゝ`)「ちょっと外に出ようか」


( ´_ゝ`)「話したい事がいくつかある」

60 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:08:01.57 ID:0ykJ2X0BO
「嫌だお……誰があんたについてくかよ…」

( ´_ゝ`)「『ロリ巨乳はダメ絶対』。」

「!!!」

ピクン、と倒れたままのブーンが起き上がる。
兄者はさらに続ける。

( ´_ゝ`)「『ポニーテールよりツインテールよりサイドテール』『ニーソは白ニーソが最強』『シュシュは場合によりけり』」

「………!!!」

( ´_ゝ`)「『黒髪×黒髪の百合は桃源郷』『ドSは幸せの塊』『ドM女の犬口調はメシア』」

( ^ω^)「ちょっと話を聞こうか」

( ´_ゝ`)「よく言った」

この瞬間、この二人は心で語り会える友達というものが、この世には存在するのだという事を実感した。
かけがえのない最後の親友が、見つかった気分だった。

81 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:13:25.25 ID:0ykJ2X0BO

図書館の奥深く、司書室と書かれた場所に、二人が入った。

( ^ω^)「………で、なんだお話って」

ブーンはわくわくしていた。自分の趣味がここまで被る人間を、いま目の前にしている。その事実が、ブーンを高揚させた。

( ´_ゝ`)「あー、その…なんだ」


対して兄者は、頭をぼりぼりとかきながらめんどくさそうに言った。




( ´_ゝ`)「単刀直入に言おう。覚醒した時の事を教えて欲しい。どうやってお前は、選択者《アレンジ》になれたんだ?」


( ^ω^)「え?」

94 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:16:24.02 ID:0ykJ2X0BO




( ´_ゝ`)「お前には話しておきたいんだ。弟者以外信用出来ない俺だが、お前になら話せる。多分、なんだが……」


( ´_ゝ`)「………俺はもうじき、誰かに殺されると思う」


( ^ω^)「………」


(;゚ω゚)「………え?」



何を、いきなり。

126 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:21:35.82 ID:0ykJ2X0BO
二人しかいない静かな部屋に、重い空気が雪崩れこむ。

( ´_ゝ`)「俺の能力をお前は知らなかったな」

(;^ω^)「……おぉ…」

( ´_ゝ`)「俺の能力は【強制規制《ストッパーテイク》】って言う。自分に危機だと、害だと感じた他人の動作を『規制』する力だ」

( ´_ゝ`)「この能力のせいなのか、俺は人一倍…いや、何倍も危機感を感じる力が強くなってる」

( ´_ゝ`)「それが最近になって、とんでもない危機感を覚えるようになってるんだ」

(;^ω^)「………」

( ´_ゝ`)「当然俺は死にたくない。だから、抗う力が欲しい」

( ´_ゝ`)「だから、聞きたい」

( ´_ゝ`)「お前はあの時、どうやって覚醒したんだ?」

148 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:26:55.08 ID:0ykJ2X0BO
つかの間の沈黙。
ブーンは押し黙った。無理もないのかも知れない。二人を埋めたのは、言い表しようもない負の感情だった。
そして、数十秒後。ブーンが、口を開く。

( ^ω^)「その前に聞かせてくれお」

( ´_ゝ`)「ん?」

( ^ω^)「その、選択者《アレンジ》ってなんだお?主謀者《オリジナル》ってのもよくわからない。そこらへんを教えてくれお」

( ´_ゝ`)「そうだな。まずそっからだよな」

兄者は語り出す。自らの未来を開く為に。

172 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:34:45.57 ID:0ykJ2X0BO

兄者の説明はなかなかわかりやすかった。

まず、主謀者《オリジナル》。
自分や、兄者、荒巻といった者達を指す言葉だ。
これはゲームの首謀者『マスター』からじきじきに作られた能力らしい。

続いて、模倣者《フェイク》。
これは他のみんなのような、どこかの漫画などにある能力を使う者達の事。

そして、選択者《アレンジ》。
オリジナルとフェイクが、何らかの相互干渉を起こして発する、『チートのチート進化』をした者達
………と、言われているらしい。

(;^ω^)「そんなのが、僕に……」

( ´_ゝ`)「多分、お前のあのアレンジ………【自分次第《アンカーコール》】だったか。あれはまだ、完全じゃない。まだまだ先があるはずだ。なんせ、『チートのチート進化』。あんなもんで済むはずがない」

( ´_ゝ`)「だが、俺がお前を尋ねる理由にしては十分すぎる。なんせ始めての覚醒者だからな。さて、俺の話はここまでだ」

( ^ω^)「………」

187 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:39:41.65 ID:0ykJ2X0BO
( ^ω^)「僕にも、よくわからないお」

( ´_ゝ`)「ちょっとでいいんだ。何かないのか?」

( ^ω^)「………」

あの時、シューがやられて。
ツンがピンチになって。
それで


それで……。

( ^ω^)「僕はただ」

( ^ω^)「二人を守りたい。そう思っただけだお」

( ´_ゝ`)「二人を守りたい、ねぇ……」

なるほど、と兄者は思う。
あの二つの大きな手は、二人を守るという覚悟だったらしい。
まだまだわからないが、トリガーというものに感情の要因はありそうだ、と考えた。

( ´_ゝ`)「俺も、守れるかな」

( ^ω^)「お?」

203 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:45:10.89 ID:0ykJ2X0BO

( ´_ゝ`)「俺の弟、弟者は俺より遥かに優秀だった」

( ^ω^)「………お」

( ´_ゝ`)「はっきり言って、嫌いだった。自分のコンプレックスの裏返しみたいなもんなんだがな」

( ´_ゝ`)「だが、あいつはいつまでも俺を見捨てなかった。俺を兄と慕ってくれたんだ」

( ´_ゝ`)「俺は死にたくない。弟者は所詮二次元空間内の存在だ。誰かに、守ってもらわないといけない」

( ´_ゝ`)「こんなダメ兄貴を守ってくれてたんだ。この世界であいつを守るのは、俺の役目だ」

( ^ω^)「………お」

強い決意を聞かされたブーン。
その時ブーンは、自分にはない何かを、この兄者に感じていた。

( ´_ゝ`)「……長話が過ぎたな、出ようか」

こうして司書室の扉が、再び開かれた。

218 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:50:10.06 ID:0ykJ2X0BO
――――――所変わって、某所


('A`)「そろそろ、俺も本格的に動きたい」

ドクオがその場にいる二人に言った。
いや、言ったというよりは問いかけたという方が正しいのかも知れない。

/ ,' 3「……そうじゃな。最初の覚醒が、起きた。それはこの老人でもちゃんと感じたからな」

(#゚;;-゚)「……そうだけど、あせる必要はあるの?」

('A`)「俺はまだまだ弱いんだ」

(#゚;;-゚)「そんな事ないよ」

('A`)「あるさ」

ふーっ、と息を吐き、続ける

('A`)「俺は実際、この【一方通行《アクセラレータ》】をもて余してる」

239 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:56:27.90 ID:0ykJ2X0BO
(#゚;;-゚)「…持て余してる、って……」

でぃは目の当たりにしている。このドクオという男の、暴れっぷりを。
邪魔する者を、物を軒並み破壊しつくす、あの圧倒的な『ベクトル操作の力』を。

('A`)「持て余す原因は、俺の頭なんだがな」

それでもなお、言う。

(#゚;;-゚)「あたま?」

('A`)「膨大な計算が追いついてない部分があるのさ。どうやらあの【一方通行《アクセラレータ》】って人間の一番凄いところは、この力自体じゃなくその力を行使する為の計算をずっと行う頭だったらしい」

/ ,' 3「………」

('A`)「しかし俺はまだまだ先を行くつもりだ。覚醒なんかに頼らずとも、自力で進化して『選択者《アレンジ》』を目指してやる」

/ ,' 3「…そんな事、出来るわけ」

('A`)「出来るさ」



('A`)「出来る方法を、見つけたんだ」

250 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 00:59:47.16 ID:0ykJ2X0BO

(#゚;;-゚)「………」


/ ,' 3「ワシにゃわからんな。なんだ、その方法ってのは」



('A`)「よく考えたら簡単な事だよ」



('A`)「誰かに、代理演算を頼めばいい」


あっけらかんとした顔で、しかし冷静にドクオは言った。

265 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:03:18.33 ID:0ykJ2X0BO
――――――図書館

二人が、みんなの元へ戻る。

lw´‐ _‐ノv「あ、ダーリンおかえり!」

ξ;゚⊿゚)ξ「んなっ!!シューてめえ!!」

川 ゚ -゚)「………」

(;^ω^)「ちょ、いきなりややこしいわお前ら!!」

幸せだった。
この時がいつまで続くかは知らないが、少なくとも今は………。


その時、

『ピンポンパンポーン!!二度目の回復タイムだよー!!!なんせ、めっちゃくちゃ建造物をぶっこわしてくれたやつが出たからね!!』


天からの声が響く。

287 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:06:52.67 ID:0ykJ2X0BO
(´<_` )《お、きたか回復タイム。まぁ当たり前だよな》

( ´_ゝ`)「そうだな。あんま腹減ってないけど、なんかよぼっかな?ロリっ娘とか、頼んだらこないかなぁ」

(´<_` )《なぁ兄者》

( ´_ゝ`)「ん?」

自分のボケを華麗にスルーした弟を見るが、何やら真剣そうな顔をしていたので不問にする事にした。

(´<_` )《ブーンと、何の話をしていたんだ?》

( ´_ゝ`)「別に。ちょっとな」

( ´_ゝ`)「覚醒について、話してただけさ」

(´<_` )《なるほど。おんなじオリジナルだしな》

299 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:11:01.35 ID:0ykJ2X0BO
二人は、一瞬沈黙。
そして出来損ないと呼ばれた兄は、語り出す。

( ´_ゝ`)「………なぁ、弟者」

(´<_` )《ん?》

( ´_ゝ`)「前に話した通り、俺には危機が迫ってる。それまでに、必ず覚醒してやる。何があってもな」

出来損ないの兄は、熱い心のままに語る。それは、優秀な弟の為に。

兄と弟が、

出来損ないと優秀が、

人間とパソコンが、正面から向き合う。

そして兄者が、言う。

( ´_ゝ`)「必ず守る。何があってもな。お前を守る役目は、俺のもんだろ」

(´<_` )《………兄者》

313 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:15:22.97 ID:0ykJ2X0BO







(´<_` )《ごめんな、俺を守ってくれる人間って、実はお前以外にもいるんだわ》


( ´_ゝ`)「え――――――」

パッ、と

弟者の移る画面が切り替わる。

それは、画像データ。

しかしただの画像データではない。

見た人間の視覚に通じて、脳の中に直接作用し洗脳する、最悪の『それ』




( ´_ゝ`)(『電子ドラッグ』――――――)


もう、間に合わなかった。

339 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:18:50.94 ID:0ykJ2X0BO
(  _ゝ )

(´<_` )《洗脳完了、と》

(´<_` )《ははは、兄者。出来損ないのアンタが、俺を守るって?》

(´<_` )《そんな不安しか残らない選択肢、誰が選ぶかよ》


――――――俺は、ドクオと組む。
演算を無限に出来る俺が、あいつの代理演算を行なって、そしてあいつに守ってもらう。

そっちの方が、有益だろ?


なぁ、兄者。

366 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:23:32.85 ID:0ykJ2X0BO
――――――どこか

从;'ー'从「『―――――え?』」

渡辺は突如、目を覚ます。

从;'ー'从「『な、なにが―――――』」

と、辺りを見渡すと、他にもたくさんの人がいる。

(;・∀・)「なんだよ、これ……」

モララーもその一人だった。
確か、自分はブーンという少年に負けたはずだ。
それが………なぜ?


「はぁーい、みなさん注もーく!」

呼びかける誰かの声が、聞こえる。

398 : ◆BnhUepkPaA :2010/11/01(月) 01:28:35.68 ID:0ykJ2X0BO

('、`*川「はーいアタシをみてー」

一人の女の子が、いた。

从;'ー'从「『ペニちゃん!?』」

そこにいた自分の親友に、驚きを隠せない渡辺。
だってそう、このペニサスは………

('、`*川「あらナベちゃん」

('、`*川「あの時は、殺してくれてありがとね」

从;'ー'从「『なんで……』」

('、`*川「あなたのお陰で、私は自分の能力を発現できた。だからそのお礼に、あなたにもチャンスをあげるよ」

从;'ー'从「!?」

('、`*川「みんな!よく聞いてね!」

('、`*川「『てめえら達の命は、なくなりました。 新しい命を どう使おうと 私の勝手です』。」

――――――新しい何かが、始まる。


第十話、終わり。

Posted at 2011/08/11 19:09:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月09日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第9話

12 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:02:18.57 ID:gNnFpEI2O
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第九話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していく。
シューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう途中に敵勢力に出会い、そのボスのデミタスに2人は敗北してしまったのであった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
冬の寒さで作者のストマックが土石流なのだが、本当にちゃんと投下できるのか!?

18 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:04:45.41 ID:gNnFpEI2O
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』
『尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力』
『目視したものを任意で捻る能力』

23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:08:35.11 ID:gNnFpEI2O
廃ビル、という表現で正しいのだろう。そこにはあるグループのアジトがある。
そこに一つの足音があった

爪'ー`)y-「たっだいまー」

(`∠´)「おお。遅かったな。誰かと戦いでもしたか?」

爪'ー`)y-「いや、べつに」

(`∠´)「そうか。しかしみんな遅いな。回復タイムでしこたま酒を手に入れたんだ。早くまた飲みたいもんだ」

爪'ー`)y-「こんな廃ビルじゃ襲われる心配もないもんな」

(`∠´)「お前もどうだ?フォックスよ」

爪'ー`)y-「あー…いやさ。俺ってばタバコはいけるけど酒はからっきしなもんで。ベルさん酒強くていいよなぁ」

30 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:11:50.14 ID:gNnFpEI2O
(`∠´)「はは、残念だな。この戦いに生き残ったら、いい店を紹介してやりたいんだがな」

爪'ー`)y-「ベルさんそれ死亡フラグw」




爪'ー`)y-「まぁ、実際あんた今から死ぬんだけどな」

(`∠´)「え」


ドスッ…、と何かが何かに刺さる音がする。
ベルは自分の脇腹を見る。それは実にわかりやすかった。
仲間の、フォックスの持つナイフが、自分の脇腹に刺さっている。

( ∠ ;)

いや………フォックス、じゃない




/ ,' 3「どーも偽物です」


誰だ、この老人は。

47 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:20:12.79 ID:gNnFpEI2O
(`∠´;)「ぐ…あ……」

/ ,' 3「【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】、『完全模倣』。騙された事には恥じなくていい。言わばドッペルなんとかみたいなもんだからな、ワシは」

(`∠´;)「きッ…さまァァァァ!!」

/ ,' 3「あら、まだ死なないか。仕方ない。【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】…」

/ ,' 3「この、『ナイフの切れ味』」

そう言いながら、ベルの首に手刀をかます荒巻。
しかし、彼の手はおよそ人間のものとは思えない切れ味で、ベルの首を断ち切った。

/ ,' 3「………ふぅ」

これが、荒巻の力。
彼にコピー出来ないものは、何もない。

56 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:25:03.60 ID:gNnFpEI2O
体に浴びた返り血に嫌気をさしながら、荒巻は携帯電話を取り出す。

/ ,' 3「……もしもし、ドクオか?終わったぞい」

『ああ、ありがとうな。そろそろ戻ってこいよ』

電話相手は、ドクオ。彼の所属するチームのリーダー的存在だ。

/ ,' 3「そうじゃな。そうし………」

荒巻の言葉は、ふとそこで止まる。

『………どうした?』

/ ,' 3「いや、なんでもない。じゃあまた後でな」

『ああ』

ピッ、と電話を切り、荒巻は呟く。

/ ,' 3「……なんか…嫌な予感のする日じゃのぅ…」

65 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:31:20.99 ID:gNnFpEI2O
長岡ジョルジュは公園にいた。
同時に、何かの不穏な空気を感じていた。

  _
( ゚∀゚)「……なんだろなぁ…」

公園のベンチに寝そべりながら、呟く。
  _
( ゚∀゚)「何がこんなに、俺を不安にさせてんだか……」

「おーい!!ジョルジュー!!」
  _
( ゚∀゚)「んお」

(;´∀`)「大変だモナ!ベルの一味が…潰されたって!!」
  _
( ゚∀゚)「………」

(;´∀`)「あのドクオとかいうやつらのチーム、最近やたらと活発だモナ。なんか怖いモナ……」
  _
( ゚∀゚)「……いや、それじゃあないんだよなぁ」

( ´∀`)「え?」
  _
( ゚∀゚)「あ、いや、何もない」

73 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:35:07.86 ID:gNnFpEI2O

( ´∀`)「でもどうするモナ?僕らも、もっと仲間増やした方がいいんじゃ…」
  _
( ゚∀゚)「あせんなよ。どーせザコが増えたところで一緒だっつの」
  _
( ゚∀゚)「それより俺は、そろそろ出ると思ってる。そいつに、俺は会いに行きたいんだよな」

( ´∀`)「………?」



  _
( ゚∀゚)「わかんねぇか?『選択者《アレンジ》』だよ。『選択者《アレンジ》』」

84 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:42:16.25 ID:gNnFpEI2O
――――ビル街

都心部の整備された道路を、男1人、女が2人走っている。
いや、正確に言うなれば男がぶさらげているノートパソコンの中の人間も男なので、男は2人だ。

ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!…弟者!まだつかないの!?」

(´<_`;)《もうすぐだ!このあたりで間違いないんだが、どうもマップがうまく使えない!》

(;´_ゝ`)「どういう事だ!?」

(´<_`;)《俺のマップは、強いやつがいると少し乱れちまうんだ!多分、デミタスに反応してるんだと思う!》

川;゚ -゚)「そのデミタスってのは強いのか!?」

(´<_`;)《おいおい、答えはわかってんだろ》

《ありゃ、チートだよ》

95 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:46:48.59 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ(ブーン…あんた…大丈夫なの…!?)

心配ばかりが募る少女。


ふと、その時。



「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


ξ;゚⊿゚)ξ「!!」
川 ゚ -゚)「え!?」
(´<_` )《…!》
(;´_ゝ`)「な…!!」


目の前のビルから、とてつもない怒号が響く。

そして、その声の主をツンは知っていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!!!?」

110 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:52:05.13 ID:gNnFpEI2O

…ふぅ、と一人ため息をつく男がいた。

(´・_ゝ・`)「右手はもうダメだなこりゃ…」

先の戦いで、ブーンに右腕を捻り潰されたデミタスだ。
いや、もはや腕とは呼べない。ぐちゃぐちゃした肉塊が、右肩から伸びている。

(´・_ゝ・`)「………」

取り出したのは、『神剣フラガラッハ』。
【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】の固有能力の一つで、刃先が単分子レベルの厚みしか持たないという、まさに鋭さだけを追求した片刃の剣だ。

その刀で、なんの躊躇いもなく右腕を切り落とした。

あまりの切れ味に、まったく痛みはなかった。
しかしその凄まじさを、そこから流れる血量が物語る。

118 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 21:57:19.49 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「………」

ふと、足元の少年を見やる。

(  ω )

しかし、強かった。
もしこのブーンという男が怒り狂ってなければ、自分はいま立ってはいなかっただろうと思う。

なんなら、この子の能力も吸収しておけば良かったのかな?などとも思う。

(´・_ゝ・`)(…まぁ、そんな事しなくても十分強いからな、俺)

おごった発言ではない。
彼、デミタスは自分に出来る事を把握出来る人間なのだ。
もし戦闘に勝機が見えた中で、取捨選択に右腕が出てきたならば
それを喜んで差し出す。

そんな男だった。

133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:02:04.07 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「……あーらら」

しかし利き腕を失うというのは辛いものだ。
血はARMSの力なのか、すぐ止まったが再生はしなさそうだ。
これではタバコもうまく吸えやしない。
これもあの『回復タイム』とやらで戻ってくれるのだろうか?

(´・_ゝ・`)「まぁ、別に無くてもいいんだがな……」


そう言ってビルを出ようとした、その時だった。

光のように見えるが、違う。

それは、闘気。

億千の闘気が、すさまじい勢いでデミタスを襲った。

146 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:10:04.73 ID:gNnFpEI2O
ツンが肩で息をしながら、そこにいた。

ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!」

(;´_ゝ`)「やったか!?」

(´<_`;)《兄者、せっかくツンさんが全力でやったのに生存フラグをたてんな!それよりクー!お前回復系の魔法使えたよな!?》

川;゚ -゚)「残念ながら回復魔法はない…が、再生魔法なら少しある!それを応用させて治療をしてみる…」

そこに倒れていた麦わら帽子の少女の前でクーが本を開き、治療を始める。

川;゚ -゚)「傷自体は大丈夫そうだ……だが、それより出血量が……間に合うか……?」

クーの手から溢れる光が、その少女を包む。

162 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:15:45.20 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「それより、その子がシューちゃんでしょ!?じゃあ、ブーンは!?」

(´<_`;)《わからないが、近くにいるのは確かなハズなんだ》

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!どこなのよ!いるなら、返事しなさいよ!!」

ツンが叫ぶ。しかし、返事は返ってこない。
ツンの焦りだけが、溜まっていく。
しかし兄者は、そこに何かを発見する。

(;´_ゝ`)「…おい、あれ…もしかして…」

兄者が震える指先で指した方向を、ツンも見やる。
そこには、何か赤黒ずんだ物体があった。

ξ゚⊿゚)ξ「え………」

(  ω )

………ブーン?

171 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:19:45.28 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「あ…」

(  ω )

ひどい状態だった。
右足はちぎれかけていて、あらぬ方向へ曲がっている。
左腕は、ない。どこかに消失したか……と思えば、遥かに先の場所に吹き飛んでいたのを発見する。
それが、ブーンだった。

ξ゚⊿゚)ξ「あぁ……」

ツンの会いたかった、ブーンだった。

ξ;⊿;)ξ「あああああああ!!!」

絶望が、押し寄せてきた。

(´・_ゝ・`)「どこを見ている?」

もう一つの絶望も、押し寄せてきた。

188 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:24:24.75 ID:gNnFpEI2O
ξ;⊿;)ξ「あああああああ!!!」

涙のままに、ツンは後ろにいたデミタスへ拳を奮う。

(´・_ゝ・`)「ふん」

しかし、デミタスは消え、いつの間にか割れた窓から見える外
地上へ、降りていた。

ξ;⊿;)ξ「………ぐすっ」

ξ゚⊿゚)ξ

(´<_`;)《みんな、もう一度いっとくぞ。そいつはデミタス。力は【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】。能力吸収が出来、様々な能力を持っている》

兄者の持つノートパソコンから、弟者の声だけがその場に響く。

206 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:32:30.78 ID:gNnFpEI2O
【幻獣《グリフォン》】。
超音波、超振動にて振るった対象を分子レベルから破壊する、『震動子ブレード』を持つ。

【帽子屋《マッドハッター》】
荷電粒子砲『ブリューナクの槍』を持つ。

【チェシャ猫《チェシャ・キャット》】
「空間干渉能力」にて空間転移をしたり、空間に歪みを生ませあらゆる物体を裂き破壊する「空間の断裂」、『魔剣アンサラー』を持つ。

【三月兎《マーチ・ヘア》】
ホログラムやビームを放つ「バロールの魔眼」を持つ。

【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】は、その全てを持つ。


(´<_`;)《…といっても、これは俺の知る限りの情報だ。能力吸収が出来るなら、今はそれ以上かも…》

(´・_ゝ・`)「それはないよ」

(´<_`;)《!?》

否定したのは、意外にも本人だった

217 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:37:57.34 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「俺はわかってる。俺が今のままでも、十分他を圧倒出来る事を。だから、これ以上の力は欲さない」

(´・_ゝ・`)「俺は奢らない。いつだって自分に出来る事をやる」

(´・_ゝ・`)「俺は負けない。だって俺は、負けないから」

ξ゚⊿゚)ξ「うあああああああああ!!!」

ツンが二度目の遠距離波動を放つ。

北斗伸拳奥義、北斗剛掌派。

それが、デミタスに襲いかかる。

(´・_ゝ・`)「……『ブリューナクの槍』」

対するは荷電粒子砲、『ブリューナクの槍』。
二つは正面衝突しながら、激しい余波を生み、辺りに衝撃を撒き散らした。

226 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:44:48.96 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「あーらら。今日はそんなに暴れるつもりはなかったのになぁ」


(´<_` )《兄者!!》

( ´_ゝ`)「わかってるよ。ちょっくら逝ってきます!」

兄者が弟者のいるノートパソコンを置き、ツンの元へ駆け寄っていく。

川;゚ -゚)「弟者!シューちゃんの方、終わったぞ!!」

(´<_` )《よくやった!!直ぐ様、このブーンってのに取りかかれ!!》

川;゚ -゚)「おいおい、ひどいなこりゃ。私の力はあくまで『再生』の応用だから、傷が癒えるんじゃなく消えるだけだぞ?こんなの、もし再生したって生きてられるか……」

(´<_` )《つべこべ言うな!早く!》

川;゚ -゚)「把握………!!」

シューにやった事を、今度は同じくブーンにもやる。
光が、壊れたブーンを包む。

238 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 22:53:31.45 ID:gNnFpEI2O
ξ;゚⊿゚)ξ「はぁ…!はぁ…!」

(´・_ゝ・`)「いけ。『空間の断裂』」

ξ;゚⊿゚)ξ「!!」

その言葉に、ツンが左へ回避。
すると、右にあったビルが綺麗に真っ二つに裂ける。

(´・_ゝ・`)「ふ……!!」

しかし、ツンが避けた間にもデミタスはツンに接近していた。

ξ;゚⊿゚)ξ「やば…!!」

(´・_ゝ・`)「ふん。『ブリューナクの槍』」

( ´_ゝ`)「遅ぇよ!!それは既に『規制対象』だ!!」

そこで動いたのが兄者だった。
放たれるはずの『ブリューナクの槍』が、出ない。

(;´・_ゝ・`)「!?」

ξ゚⊿゚)ξ「うあああああああああ!!!」

その一瞬の隙をつき、ツンが拳をふるう。
その最強の拳を、目の前にいるデミタスのこめかみに。

257 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:01:42.73 ID:gNnFpEI2O
(;´・_ゝ・`)「ぐっ…あーららぁ…!!」

その拳の勢いで、隣にあったビルにもの凄い勢いで突っ込んでいくデミタス。

ξ゚⊿゚)ξ「ありがと、兄者!あなたの力…」

( ´_ゝ`)「あぁ、説明いるか?敵としてしか使った事ないもんな」

( ´_ゝ`)「俺の能力は【強制規制《ストッパーテイク》】。俺が見た中で『自分に害がある』と思ったものが自分や自分の近くに向いた時、それを強制的に停止させる力さ」

ξ゚⊿゚)ξ「なかなか便利なもんじゃない…」

( ´_ゝ`)「あとは簡単。ツンさんがあいつの力を全て引き出してくれりゃ、俺が全て『規制』する。そうなりゃ、俺らの勝ちさ」

ξ゚⊿゚)ξ「倒さなくていいってのは、ありがたい事ね…!!でも…」

デミタスの突っ込んでいったビルから爆音が鳴り響く。
中から出てきたのは、当然のようにデミタスだ。

(´・_ゝ・`)「………」

ξ゚⊿゚)ξ「向こうもやる気みたいよ…!!」

272 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:08:55.54 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「……!!」

デミタスは、走るわけでもなく、立っていただけだ。

ξ゚⊿゚)ξ「……」

しかし

( ´_ゝ`)「【強制規制《ストッパーテイク》】!!」

(;´・_ゝ・`)「!!?」

デミタスが、ガクンと膝を崩しかける。

( ´_ゝ`)「甘いよ。俺に見えないその『空間転移』ってやつなら規制にひっかからないと思ったか?」

デミタスは『空間転移』…すなわちテレポートを使い、二人の後ろに回りこもうとしていたのだ。
しかし、それは先ほど、戦いが始まった当初に兄者が見ていた。

ξ゚⊿゚)ξ「隙あり!!」

そこにまた、ツンが飛び込む。

ξ゚⊿゚)ξ「うらぁぁぁぁぁぁ!!!」

後ろ回し蹴り。すさまじい速度で打ち出されたそれを、デミタスは回避出来なかった。

303 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:15:38.00 ID:gNnFpEI2O

ツンの回された踵が、正確にデミタスの脇腹を貫いた。

はずだった、が。

三三三三・`)

ξ;゚⊿゚)ξ「え!!?」

そのデミタスは、光の影を作り、そして消える。
空振りしたツンが驚き、体が一旦硬直する。

(;´_ゝ`)「しまった!ホログラム―――!!」

(´・_ゝ・`)「正解」

(;´_ゝ`)

本体は、後ろにいた。
そしてその左手からは、対象を必ず分子レベルから破壊する、震動子ブレード。

ξ;゚⊿゚)ξ「兄者――――――」

314 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:18:21.68 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「これ、見てなかったよな?」

(;´_ゝ`)(やば………!!)

その震動子ブレードが、

ξ;゚⊿゚)ξ「兄者ァ!!!」



兄者の腹へ突き刺さる。

335 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:22:55.82 ID:gNnFpEI2O
(´・_ゝ・`)「あーらら。こいつ、死んじゃったかな?」

(; _ゝ )「がっ………はァ゛……!!!」

デミタスがそのまま剣を横に降り、兄者は地面に投げ捨てられる。
その紅い血を吹き出す腹には、風穴が空いていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「兄者ぁぁぁぁ!!!」

(´・_ゝ・`)「これで、規制は使えないな」

(´・_ゝ・`)「さて………」


――――――今度はお前の番だよ、小娘。

354 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:28:07.90 ID:gNnFpEI2O

ふぁーあ…。なんかよく寝たお。

あれ、ここはどこだお?


何が、どうなってるんだ?

川;゚ -゚)

この女の子は誰だ?かわいい。自分に向かって何かをしているのは見えるが、体が動かないからよくわからない。

(´<_`;)

あ、パソコンだ。この世界でも見れるのかな。ならvipに行きたいな。今日こそは腹筋スレ踏まねーぞ。

(; _ゝ )

うわ。人が死にかけてる。やばいな。お腹に穴空いてるじゃん。なんでこんな事になってんだお?


ξ;゚⊿゚)ξ

あれ


ツンだ。

389 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:33:31.44 ID:gNnFpEI2O
――――公園

( ´∀`)「そういやジョルジュ。その、選択者《アレンジ》ってなんなの?まだ聞いた事なかったけど、それってかなり重要モナ?」
  _
( ゚∀゚)「あ?おお、言った事なかったっけか。気になる?」

( ´∀`)「そう何べんも会話に使われちゃ、気にすんなってのが無理モナ」
  _
( ゚∀゚)「まぁそうさな。じゃあ、教えてやるとするか」

二人の男が、ベンチの上で会話していた。
颯爽と風が吹き抜ける中、一呼吸置いてジョルジュが話し出す。



  _
( ゚∀゚)「『選択者《アレンジ》』ってのは、簡単に言や『自分の持つチートを強化したやつ』みたいなもんさ」


425 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:40:22.23 ID:gNnFpEI2O
(;´∀`)「そ、そんな都合のいいやつがいるモナ?」
  _
( ゚∀゚)「今はまだいない。俺がどこぞのパソコン馬鹿から聞いた話じゃ、『主謀者《オリジナル》』と『模倣者《フェイク》』が相互干渉をしてうんたらかんたら、そして進化したやつを『選択者《アレンジ》』って呼ぶんだとよ」

(;´∀`)「ちょ、なんかちょっと重要なとこがアバウト……」
  _
( ゚∀゚)「仕方ねーだろ。あくまでこんなの噂の域で聞いとけ。まぁあのパソコン馬鹿は、『マスター』達のとこに直接ハックしてそのデータを見たらしいがな」

(;´∀`)「モナ………」
  _
( ゚∀゚)「重要なのは、そのトリガー。何をすればいいのか知らんが、未だに自分の能力を進化させたやつはいない。それだけは事実だ」

( ´∀`)「……でも、じゃあなんでさっき『そろそろ出るぞ』みたいな事言ったモナ?」
  _
( ゚∀゚)「………」

  _
( ゚∀゚)「何か、嫌な予感がすんのさ。俺も一応主謀者《オリジナル》なんだからな」

440 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:43:41.76 ID:gNnFpEI2O

(´・_ゝ・`)

あれは、僕を倒した敵だ。
名前は確か、デミタス。

ξ;゚⊿゚)ξ

ああ神様。

あなたは、僕から、ツンも奪っていくのかお?
シューを守れなかった僕から。

今度はツンまで奪っていくのかお?

そんなの、嫌だお












――――――力が欲しい。

463 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:46:39.60 ID:gNnFpEI2O
デミタスは、こう思う。
人間ならば、殺せる。例えば空気を吸えなくなる、例えばものを食えなくなる、内蔵を潰す、頭を破壊する。そんな理由で、簡単に人は死ぬ。

だから自分は今まで生きてた。どんな相手もいつかは死ぬから。知恵を駆使し、取捨選択を正しく、かつ迅速に。
それが彼が生きてきた道だった。



だが。

(;´・_ゝ・`)(……だが…)


あいつ、ホントに人間か?






(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

496 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:50:26.92 ID:gNnFpEI2O
その事実に、一番驚愕していたのはクーだった。

川;゚ -゚)「な……!」

おかしい、とクーは素直に思う。
だって、クーはブーンを治療していた。
だからわかる。
彼はまだ、2割ほどしか再生が出来てなかったはずだ。

なのに、彼は五体満足で立っている。
今戦っている少女を助けに、前線に立っている。
これが………

川;゚ -゚)「これが、覚醒………!!?」


(# ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

539 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:55:44.91 ID:gNnFpEI2O
(  ω )「………」

ブーンの絶叫が止む。

川;゚ -゚)

しかしその代わりにブーンの体を、
キィィィィィ…と言う音を発しながら光が収束する。

(;´・_ゝ・`)

その光が両手の回りに集中し

(´<_`;)

そして。

(; _ゝ )

光は、大きな手のひらの形になり、ブーンが広げた手に纏うように漂っている。

550 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:57:01.17 ID:gNnFpEI2O
(  ω )「………」

広げた両手の先にある、その光の手。

纏われたその両手の光が、より一層輝きを放つ。

そして、ブーンが一言発する。






――――――「【自分次第《アンカーコール》】」








575 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/30(土) 23:58:51.27 ID:gNnFpEI2O


(  ω )

(  ω )「みんな…」

( ^ω^)「ただいま」


――――――指定アンカー、右手に>>590左手に>>595

 

590 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:18.59 ID:0JIWPfKo0
口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力
595 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/30(土) 23:59:20.76 ID:ZCe7/+YB0
どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力
 

695 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:02:24.33 ID:oHkXx/KEO
『能力が決定しました。』

右手>>590 口からもの凄い勢いで腐った牛乳を出す能力

左手>>595 どんな状況下においてもフワッフワのパンケーキを作ることができる能力


(  ω )「ありがとう」

――――――じゃあ、いくお

745 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:06:47.86 ID:gNnFpEI2O
(# ω )「おおおおお!!!」

光が、収束。
まず光ったのは、ブーンの手の先にある『光の左手』。

(;´・_ゝ・`)「なんだ!?」


異変に気付くのは早かった。なぜなら、辺りがいきなり光を失ったから。


突如、頭上から



フワッフワのパンケーキ1ホールが、悪魔のように降り注ぐ。

775 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:09:57.69 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶはっ!?」

全てを巻き込む巨大なフワッフワのパンケーキ。それにツンも嫌が応にも巻き込まれてしまった。

しかし、ダメージはない。

当たり前である。


それは


フワッフワなのだから。


しかしフワッフワのパンケーキにも、効力があった。



(;´・_ゝ・`)「しまった…!!身動きが…!!!」


拘束、である。

806 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:14:16.27 ID:oHkXx/KEO
(;´・_ゝ・`)「くっ…」

早く、「空間転移」でここから抜け出さねば。
そう思うも、回りは全てパンケーキ。
きついホットケーキミックスの臭いが充満し、何が何かわからない。

(;´・_ゝ・`)「なら……!!遥か頭上まで飛ぶまでだっ!!」

「空間転移」、作動。
ビルより高く飛んだデミタスだったが、そのフワッフワのパンケーキが着地の衝撃を緩和した。

だが、安心するわけにはいかなかった。

(  ω )

そこに、悪魔がいたのだ。
悪魔は、今度は光の右手を輝かせる。

836 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:19:47.47 ID:oHkXx/KEO
(;´・_ゝ・`)「くっ…『空間の断れt」

(  ω )「無駄だお」

光の手が、空間の断裂を凪ぎ払う。
それだけで、自分の攻撃は無効化された。

(;´・_ゝ・`)「な……!!!」


しかし、尚も右手の光はやまない。
そして

(  ω )「はぁっ!!!」


秒速にして200mは越すであろうとてつもない勢いで、ブーンの口からは腐った牛乳が射出された。

(;´・_ゝ・`)「――――――!!」

その様は、まるで破壊し駆逐し殲滅する為だけに作られた、まさに兵器だった。

875 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:26:11.26 ID:oHkXx/KEO
腐った牛乳は、正面のビルを軒並み破壊し、やっと収まる。

(;´・_ゝ・`)「………!!」

間一髪、「空間転移」で避けたデミタス。
冷静に見てわかってしまった。


アレの前には、『ブリューナクの槍』も消し炭だ。

しかもあの光の手。自分の空間の断裂を
単なる力で消しさった。

不可視で不可避であるはずの、空間の断裂を

(;´・_ゝ・`)

頭のいいデミタスだからこそわかる。
彼に残された道は


(  ω )

(´・_ゝ・`)「死ねッ!!」

「空間転移」による、不意打ちしかなかった。

906 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:32:46.65 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)「食らえ!!『神剣フラガラッハ』を!!」


しかし

(  ω )「ふん」

左手が光り、ブーンの背後。
つまり自分の目の前に、フワッフワのパンケーキが出現する。

(;´・_ゝ・`)「なっ!!」

デミタスが切ったのは、その低反発マクラのように、柔軟性を嫌というほど使ったように柔らかいパンケーキだった。

ブーンには、届かない。

(;´・_ゝ・`)「くっ!!!」

デミタスが焦り、辺りを「空間の断裂」で刻みつける。

しかし、辺りにブーンはいなかった。

当たり前だ。

彼は、自分の遥か後ろで、その様子をあざけるように見ていたからだ。

24 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:43:18.79 ID:oHkXx/KEO

その差は、口に出すまでもなく圧倒的だった。

(;´・_ゝ・`)「………」

道路に走る、亀裂、亀裂、亀裂。

一面に渡る、パンケーキ、パンケーキ、パンケーキ。

その全てを、この数分間で作り出した男が、この目の前のブーンだ。

(;´・_ゝ・`)「あーららぁ……」

デミタスは、口癖にもなったその言葉を呟く。
もう、どうしようもない。

攻撃するにも、フワッフワのパンケーキがそれを阻害する。
力づくで行くにも、腐った牛乳にはかなわない。

(# ω )

「チェックメイト、だお」

ブーンは小さく、そう呟いた。

33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:47:31.52 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)

堅実に生きる。
それが、デミタスの生きる道だった。
無難な学校生活を乗り越え
平凡な成績を打ち出し
そこそこの会社勤めをし
まぁまぁな役割で生きる。

彼の生きる道はそれだった。

楽しい楽しくない、ではない。

生きる道だったのだ。

しかし

だからこそ、と彼は思う。

だからこそ

(´・_ゝ・`)「こんな世界でこんな状況。一回くらい、生きる道なんかかなぐり捨ててもいいんじゃねえか?」

(  ω )「無駄だお」

(´・_ゝ・`)「言ってろ」

最後が、始まる。

51 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:53:17.48 ID:oHkXx/KEO
(´・_ゝ・`)

(  ω )

(#´・_ゝ・`)「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

男が走る。
理屈でなく打算でもなく、ただ純粋な思いのみで。

(  ω )「ふん」

ブーンはそのままに、光の左手と、光の右手
両手が、光輝く。

(#´・_ゝ・`)「うらぁ!!!」

空間の断裂。

しかし、フワッフワのパンケーキがその断裂を許さない。
ブーンは無傷のまま、パンケーキが3等分された。

56 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:54:47.65 ID:oHkXx/KEO


そして、頭上から流星群のように降るのは、

ブーンの最後の攻撃。








口からもの凄い勢いで吐き出された腐った牛乳で作られた、フワッフワのパンケーキ。








84 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 00:59:27.28 ID:oHkXx/KEO

(;´・_ゝ・`)「くそ、くそぉ………!!」

(;´・_ゝ・`)「うわああああああああああああああああああ!!!!」



ズシィィィィィン、と鈍い音がして


デミタスは生き埋めになる。

まだ生きてるのかも知れないが、もう無理だろう。
彼がいかなる攻撃手段を使ったところで
彼が空間転移を使ったところで


このパンケーキの厚みは、破れない。



(  ω )「………」

戦いが、終わった。

110 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:03:47.57 ID:oHkXx/KEO
(  ω )

シュウウウウウ、と

( ^ω^)

光が消えて

( ^ω^)「……お…」

いつものブーンが、戻ってきた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!!」

( ^ω^)「……ツン…無事で」

(  ω )「…よ…かっ…」



フラッと、ブーンはそこで倒れる。

144 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/31(日) 01:10:59.57 ID:oHkXx/KEO
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン!?」

倒れたブーンに駆け寄るツン。いきなり強くなったかと思えば、今度は倒れる。こいつはいったいどうなってるのかと、頭はそれにしか回転しない。

(  ω )「……すー…すー………」


ξ;゚⊿゚)ξ「……」

ただ単に、過労で寝てるだけだった。

ξ;゚⊿゚)ξ「まったくこいつは……」


しかし、ツンは何かを感じていた。
置いていかれたような、もう二度と取り戻せないような、何かを。

ξ゚⊿゚)ξ「……ブーン…あんた………」

――――――いったい、なんなの………?


突如起きた何かの片鱗が、この後に全てを大きく変えるトリガーだった。
それを知るものは、まだ誰もいない。

第九話、終わり。
Posted at 2011/08/09 21:23:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月07日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第8話

15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:02:52.10 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第八話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして、シューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう途中、様々な刺客を圧倒するのであった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今日で8日目なのでそろそろ飽きられそうで怖いが、やはり一日休みとかも作った方がよいのだろうか!?

19 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:04:16.52 ID:YjuNcXVwO
一応、登場人物と能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
・ドクオのアジトへ向かってる途中。


ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《スレストテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・???

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

26 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:05:22.88 ID:YjuNcXVwO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』

33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:07:19.04 ID:YjuNcXVwO
――――ビル街中心部

『回復タイム、終了ー!じゃあ引き続き頑張ってね!!』

( ^ω^)「……お」

lw´‐ _‐ノv「最後になんか頼んどきゃ良かったね」

( ^ω^)「そうか?僕はお前の存在だけでもう十分だけどね」

lw´‐ _‐ノv「やばいかっこいい。ねぇ、ちゅーしていい?」

( ^ω^)「あ、いや、手に余るって意味で、な」

lw´‐ _‐ノv「やばいどつき回したい。ねぇ、じわじわとなぶり殺してしていい?」

ブーンとシューは相変わらずと言った感じに、歩みを進める。
向かうは、ドクオの元。

40 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:10:53.66 ID:YjuNcXVwO

――――――某所

「……なぁ、ワカッテマスまで戻ってこないってどういう事だ?」

「さぁ…わかりませんね……」

「倒されたか?」

「まさか。あの人に限って、そんな事ぁないでしょう。あなたでもない限りは」

「……何か、嫌な予感がする」

「………またまた………」

「行くぞ。アサピー」

「はいはい、デミタスの旦那」

50 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:16:05.13 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「しっかし、いつまで歩かせる気だお?シュー」

lw´‐ _‐ノv「ごめんなさい。でも、ブーンがまさかアジトと逆方面に逃げるとか予想してなかったからさ」

( ^ω^)「俺のせいにすんのか?」

lw´‐ _‐ノv「そんな気はさらさら無いよ。ごめんなさい。私が、ブーンが逃げる方向を予想してなかったせいでこんなになっちゃって」

( ^ω^)「そうだよまったくシューは」

lw´‐ _‐ノv「ごめんなさい」

( ^ω^)「…まったく…」

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)

( ^ω^)「調子のってすいませんでした」

lw´‐ _‐ノv「おぶれ。話はそれからだ」

60 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:21:13.06 ID:YjuNcXVwO
こうしてブーンにおんぶされるシューだが、ブーンにとっては洒落にならない重さとなっている。

( ^ω^)「おい責めてピクミンおろせ」

lw´‐ _‐ノv「黙って働けよノロマ。お前は車内にデブがいたら降ろすのか?」

( ^ω^)「一回降ろされた事あるお」

lw´‐ _‐ノv「……お前…」

( ^ω^)「とにかく、敵に狙われちゃったんだし回り道は仕方ないお」

lw´‐ _‐ノv「さりげなく論点をすり替えないでよ……」

二人は街の中心部に、歩いていく。

70 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:29:44.80 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「どうも」

(;^ω^)

lw´;‐ _‐ノv

(´・_ゝ・`)「………」


二人の人間が、空から降ってきたのだ。

そして二人を挟みこむように、敵が道を塞いでいる。

その片方、メガネをかけた背の低い男が語り始める。

(-@∀@)「どうも。アサピーと申します」

lw´;‐ _‐ノv「………」


(-@∀@)「ビーグルとワカッテマスを倒したのはあなた達で間違いないですか?」

アサピーと言った男は単直に聞いてきた。
嫌な汗が背を伝う感触をブーンは確かめてから、言う。

(;^ω^)「……だとしたら、どうするお…」

77 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:33:42.15 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「どうする、か。うん」

(-@∀@)「どうしたらいいんですかね?デミタスさん」

そう言ってブーンとシューをまたぐように後ろの男に話しかけたアサピー。
デミタスと呼ばれた男は、何をするわけでもなくただ一言、言った。

(´・_ゝ・`)「……好きにしろ」

(-@∀@)「…そうですね」








(#-@∀@)「じゃあブチ殺ォォォォォォォォす!!」

93 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:38:49.78 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「!!」

lw´;‐ _‐ノv「!」

(#-@∀@)「おおおおおお!!!!」

怒りを露に走り向かってくる、アサピー。
その、手に持っているのは

(;^ω^)「……木の枝…!?」

それは、どこにでも落ちているような木の枝だった。
馬鹿な。あんなものでどうすると言うのだ?
しかしあの自信からは何か、嫌な予感しかしない。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン、迷わないで!!」

(;^ω^)「!!」

115 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:43:45.04 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「私があの無口な男をやる!!だから、ブーンはあのチビメガネを!!」

(#-@∀@)「誰がチビメガネじゃボケクソがああああああああああああ!!」

まるで小学生の時のトラウマあだ名を思い出してしまったかのように
さらに激昂するアサピーは、足を止める事はなかった。

(;^ω^)「でも!!シューお前!!」

lw´;‐ _‐ノv「わからないの!?この状況!!私達の『弱点』を思い出して!!」

(;^ω^)「………!!」

そうだった。

132 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:50:10.05 ID:YjuNcXVwO
ここに至るまで、2人の強敵を倒した二人のコンビ。
この連携力抜群に思えるコンビには、一つだけ弱点と呼べるものがあった。

それは、『二人の能力が乱戦に対応出来るタイプでない』と言う事。

シューのピクミンの強さは、まさに一人を多人数(人と数えるのは不適切なのだが)で囲む戦法を取るからこそ強いのだと言うこと。

ブーンの【気分次第《アンカーテイク》】も、安価による変動はあるものの、原則として能力自体は『一人の人間に対して』行う能力。

二人とも、遥かに1対1に特化した能力なのだ。

lw´‐ _‐ノv「…だから、乱戦になる時は落ち着いて分担するのが賢いよ」

道中でシューに、そう言われていたのだ。

143 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:54:41.88 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「早くいって!!」

だからこその、シューの叫び。
ここから離れて1対1の得意な勝負に持ち込め、と。

しかし、そんな事をしたら。

(;^ω^)(もし、シューが………)

ブーンが一番気にするのはそれだった。
シューがいなくなる事。それだけはなんとしても避けたかった。

乱戦になった時の事、なんてシューから聞かされた時は何も考えなかったのに
土壇場になると、まさかここまで体を硬くするのだとは。

(;^ω^)「……!!」

157 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:59:17.10 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「ブーン……?」

シューはその異変に気付く。そして、その異変が自分に向けての心配からきてるという事も。

だからこそ、なのかも知れない。

シューはその事実が、この上なく腹立たしかった。

lw´;‐ _‐ノv「あぁもう!!」

lw´;‐ _‐ノv「鬱陶しいわさっさといけや馬鹿!!」

(;^ω^)「んおぉ!?」

(-@∀@)「!」

ブーンが、宙に舞う。それはアサピーの方向へだが、余裕でアサピーを通り越す軌道で。
紫ピクミンに力いっぱいぶん投げられたのだ。

171 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:05:11.64 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「シュー!?何を」

「うざいのよ!この過保護!!!」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「なんで迷うの!!あなたは私が、あなたがいなきゃ何も出来ない幼女に見えてんの!?」

lw´‐ _‐ノv「私だって!!私だってブーンの役に立ちたいの!!あなたに任せっきりになんかしてられないの!!気付けよ馬鹿!!」

(;^ω^)「…シュー…」

lw´‐ _‐ノv「いいから早く行って!!とっととそいつ倒して戻ってきて、説教の続きはまたその時に!!」

( ^ω^)「シュー……!!」

lw´‐ _‐ノv「行け!!」

(-@∀@)「茶番劇はそろそろいいかい?なぁ色男!!」

アサピーがこちらに向かってくる。相変わらずその手に、木の枝を持ちながら。
しかしそれをも無視し、ブーンは叫ぶ。

( ^ω^)「…シュー!!一つだけ約束するお!!!」

197 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:10:24.22 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「後で絶対なでなでさせろよ!!!」

lw´;‐ _‐ノv「じゃあ私はちゅーさせろ!!」

(;^ω^)「また後でな!!愛してる!!」

lw´;‐ _‐ノv「行ってら!!あいらびゅー!!」

(#-@∀@)「あああああああ゛!!!イライラするぅぅぅぅぅぅ!!!」

アサピーには、彼女が出来た事がなかった為に、この手のやり取りはヘタな精神攻撃よりダメージが来たようだ。

ブサイクな顔が、さらにブサイクに精錬されて行く。

( ^ω^)「…こいやブサイク…!色男が相手してやるお…!!」


もう迷いはない。こいつを倒して、すぐにシューの元へ行く。
そうブーンは覚悟を決めて、走り出す。

(#^ω^)「おおおおおおおお!!!!」

225 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:15:54.85 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「………」

lw´;‐ _‐ノv「…私が…やる…!!」

中年と、少女。二人が合間見える。

(´・_ゝ・`)「なぁ」

しかし中年…デミタスはまったく緊張無さげに、言った。

(´・_ゝ・`)「なんかそういうの、いいな」

lw´;‐ _‐ノv「?」

(´・_ゝ・`)「見てて微笑ましいよ。おれもあんな青春を」

lw´;‐ _‐ノv「うるさい!!」

そのデミタスの語りを、自分のペースを乱す為だと結論付けたシューが動く。
否、正確には動いたのはシューじゃない。ピクミンだ。ピクミンが放物線を描いて、デミタスを襲う。

(´・_ゝ・`)「……こんなもん…」

それをデミタスが右手を上げ、簡単に払いのけた。

242 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:20:54.46 ID:YjuNcXVwO
lw´‐ _‐ノv「かかったな!!」

(´・_ゝ・`)「!?」

デミタスが違和感を覚える。
それは、足元。
足元近くにある、マンホールの蓋が空いていたのだ。
そしてそのマンホールから出る、何やら紫に光る生物が大量にデミタスの足元へ集まっていた。

lw´‐ _‐ノv「行けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

(;´・_ゝ・`)「……!」

そのままデミタスは、隣にあったビルの2階へと、力づくで飛び込まされた。

lw´‐ _‐ノv「よし!」

シューの狙いだった。もとより、室内戦の方がピクミンを遥かに張りやすいからだ。

lw´‐ _‐ノv(私は……やる!!)

デミタスが投げられたビルへ、シューも同じ要領でピクミンに投げてもらい飛び込んでいった。

255 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:28:07.32 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「………!!」

(-@∀@)「……はは」

ブーンは困惑していた。さっきかっこよく飛び出して行ったのに、膝をついているのは自分。その現実に。

(-@∀@)「どうした?色男……」

(;^ω^)(なるほど、別に木の枝でなくとも良かったわけか……)

(-@∀@)「その顔面…ひどい事にしてやるよ!!」

ブーンの懐近くに飛び込み、また乱雑に木の枝を奮うアサピー。

(;^ω^)「くそっ!」

272 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:30:53.38 ID:YjuNcXVwO
ブーンはとっさに木の枝を掴みに左手を伸ばす。

しかし。

(-@∀@)「優先する。―――木の枝を上位に、人体を下位に。」

その一言で、ブーンの体はただが木の枝に競り負け、

大きく吹き飛ばされた。

(; ω )「がっ……!」

痛む体ながらにも、わかっていた。洒落にならない強さを持つ。しかしそれは、木の枝が強いわけではないのだ。

(; ω )(…やっぱり…やっぱりこの能力は……)


この、『物の優先順位を決定する能力』は………


(; ω )「…【光の処刑】……!!」

295 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:35:41.18 ID:YjuNcXVwO
【光の処刑】。禁書目録の左方のテッラが持つ特別な術式。
それは『物の優先順位を決定する』という巨大なもの。
例えば弾丸を下位に、紙を上位にすれば
ピストルを紙に撃っても、潰れるのは弾丸のほうだ。

そういった本来の優先順位を決定してしまう力、それが【光の処刑】。

(-@∀@)「お前の強さがどんなもんか知らんが、そんなもんは関係ない」

(-@∀@)「だって、それは俺が決めるんだからな」

ひゃはは、とブサイクな笑い方をするチビメガネ。
対してブーンは。

(; ω )「………」

313 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:40:51.20 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「例えばお前が能力を出す」

(-@∀@)「しかしその能力を下位に、俺の攻撃を上位に優先すれば何があれどお前は負けてしまう」

(-@∀@)「わかるか?お前の負けは、決まってるんだよ」

(  ω )「決まってねーお」

(-@∀@)

(  ω )「こちとら、まだ能力すら決まってねーんだお」

(  ω )「そんな状態で勝負が決まったとか言うなお」

(  ω )「お前が何を優先しようがいい。でもな、今の僕はな」

(#^ω^)「なにからだってシューを最優先してやるお!!!」

(#^ω^)「いくお!!【気分次第《アンカーテイク》】!!!」

340 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:43:37.57 ID:YjuNcXVwO
(#^ω^)「どうもみんな!お楽しみの安価の時間だお!!」

(#^ω^)「ああもう!今日は腹立ってます!!なんだあのチビメガネザル!!キモいんだよしね!!!」

(#^ω^)「だから、あのサルを黙らせる圧倒的厨二能力をお願いしますお!!指定アンカーは………」

――――――>>355

 

355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/29(金) 22:43:51.40 ID:lI/MWYZu0
尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力

 

53 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:46:13.85 ID:YjuNcXVwO
『能力が決定しました。』

>>355 尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力

( ^ω^)

( ^ω^)「ふひひ………」

( ^ω^)「待ってろメガネザルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

492 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:50:37.72 ID:YjuNcXVwO
この【光の処刑】という能力は、かなり強いように見えて使い勝手が少し悪かったりする。
まぁチートとは得てしてそういうものなのかも知れないのだが。

それは、2個間の優先順位しか決めれない事。

もう一つは、奇襲に弱いという事。

だから。

(#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

(;-@∀@)「ぎっ…ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…?…ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



――――――これ以上の説明が、必要だろうか。

553 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:56:24.75 ID:YjuNcXVwO
(#゚ω゚)「ハァ!!……ハァ!!…………」

(-@”※∴∵ 「………」

ピクピクと動く、アサ……否、何かにまみれた何か。
それを見下し、ブーンは言う。

(#゚ω゚)「ハァ…ハァ…これが…!!」

「色男の力だお…!!わかったら精進しやがれブサイク……!!」

そう、吐き捨てた。

583 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:00:13.33 ID:YjuNcXVwO
こうやっていつまでも汚物にまみれた汚物みたいな汚物を眺めていたいが、しかし。

( ^ω^)「こんな事してる暇はないお……!早くシューの元へ……!」



早く戻って、シューを助けなければ。


603 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:03:10.21 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「………!!」

駆け出したブーン。

しかし、突如


ブーンの隣にあるビルの壁が大きな音を立てて崩壊する。

620 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:07:22.08 ID:YjuNcXVwO

「あーらら」

(´・_ゝ・`)「やーれやれ。やられちゃったのかぁ」

探し人の相手が、そこにいた。


(´・_ゝ・`)「私のチームも、これで壊滅だなぁ。これならちょっと怒ってもいいよなぁ?」


無口だったはずの中年が、流暢に話しかけてくる。


(;^ω^)「…おい、まさか……!」


嘘だろ。室内じゃピクミンの相手はやばいから。
外の方が安全に立ち回れるから。
だから外に出てきたんだよな?

(´・_ゝ・`)「…つまり、俺がいいたいのはな」

おい。そうといえよ。まさか。戦闘中だろ?まさか。こっち向くなよ。まさかまさか。シューの方をむけよ。
まさか。まさかまさかまさか。まさか……

………嘘だろ?

644 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:10:57.09 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「こんな小娘一人じゃ、ぜんぜん足りねぇのよ」

デミタスはブーンに向けて何かを放り投げた。

何か。何かを。


lw´   _ ノv


腹部を中心に、血にまみれる何か。

首にかかったかわいらしい麦わら帽子が半分消し飛んでいる、何か。





統率を失いあわてるピクミン達。

666 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:12:51.32 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「……お…」

おい。

( ゚ω゚)「……おぉ……」

待てよ。

(;゚ω゚)「おおおお………」

そんな。







………シュー。

690 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:14:59.34 ID:YjuNcXVwO
(;゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」







(#゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!!」

712 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:16:40.60 ID:YjuNcXVwO
(  ω )

(  ω )


(  ω )「指定アンカー……」


――――――>>720

 

720 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/29(金) 23:16:48.39 ID:COkwAEjj0
目視したものを任意で捻る能力

 

810 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:21:28.28 ID:YjuNcXVwO
(#゚ω゚)「おああああああああああああああああ!!!」

ブーンは叫ぶ。目の前の男に向かって。
男?いや、男ってなんだ。男ってなんだ?あれは生物か?否。あれはゴミだ。ゴミは削除。削除だ。

殺す。知ってますかみなさん。知らない人も多いと思うけど人間は殺したら死ぬらしいです。
便利な世の中になりましたね。僕もこの法則をさっそく使ってみたいと思いまーす。

(#゚ω゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(´・_ゝ・`)「!!?」

デミタスは何か右手に異変を感じる。
すると、右手が。

848 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:26:27.51 ID:YjuNcXVwO
この>>720の能力は『目視したものを任意で捻る能力』らしいです。
任意ですよ任意。こりゃやばい。俺も目視で任意がやばい。しかも捻る。これ最強。
さっそく目の前のデミタスに使ってみましょう。

(;´・_ゝ・`)「あーらら」

材料は簡単。デミタスを一つ。
まずはあの糞の塊のような右手を、ミンチにします。捻るんです。
やってみましょう。簡単ですね。

(#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

871 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:30:23.17 ID:YjuNcXVwO
(;´・_ゝ・`)「痛いなこれ」

ほらほらいたがってます。ここまできたらしめたもんです。いただきましょう。いただいちゃいましょう。やっちゃいましょう。ねじっちゃいましょう。ひねっちゃいましょう。まげてゆがめてころしてばらしてさらしてならべてそろえてさらしてやりましょう。

(;´・_ゝ・`)「でも、まぁ」

(´・_ゝ・`)「右手一本で済むなら安いもんかな」


………え?

(#゚ω゚)

ぼくはじぶんのあしをみました。
みぎあしがはんぶん、ちぎれていました。

911 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:34:56.93 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「…さて」

(´・_ゝ・`)「『ブリューナクの槍。』」

なんかびーむがとんできた。いたい。いたい。
ひだりかたが、ひだりかたがなくなっちゃったよ。
そして、でみたすはきえた。

(´・_ゝ・`)「『魔剣アンサラー』…『空間の断裂』よ。あいつを刻め」

あれ、うしろにいる。あれ、どっかいった。なんで?
のうりょくがつかえない。

あれ、ひだりてが。ひだりてがあんなところにいって………

(#゚ω゚)「お………」


半端でない出血量と共に、ブーンはその場に倒れた。

929 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:37:05.16 ID:YjuNcXVwO
「私が言葉を使うとき………自分がえらんだ意味だけで使うのだ――それ以上でも以下でもなく」


(´・_ゝ・`)「なんつってね。気をつけたまえ。私は身勝手な【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】。」


(#゚ω゚)「おおお………」



「【幻獣《グリフォン》】【帽子屋《マッドハッター》】【三月兎《マーチ・ヘア》】【チェシャ猫《チェシャ・キャット》】。
数あるアドバンストARMSの、その全ての力を持つ、非常に身勝手な存在だ。
今まで君が会ってきた、誰とも違うんだよ」


(#゚ω゚)


そらが。そらが。とおくなる。
あれ。ぼくはなn





第八話、終わり。
Posted at 2011/08/07 13:16:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月06日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第7話

8 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:12:21.87 ID:QQ93L/teO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第七話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして、今はシューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう為に、行動しているのであった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今日で投下一週間記念という事でペプシモンブランを片手に一人ではしゃいでいる作者だが、そんな事をして寂しくないのか!?

13 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:14:30.00 ID:QQ93L/teO
一応、登場人物と能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
・ドクオのアジトへ向かってる途中。


ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・???

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・????

16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:15:30.85 ID:QQ93L/teO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』

24 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:18:30.67 ID:QQ93L/teO
――――図書館内。

広大な場所だった。その中で「史学」と書かれたスペースだけが、荒れに荒れていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ…ハァ……」

正直、うかつだった。つーに飛ばされた後、とりあえず身を隠す為に入った図書館。
まさかそこに謎の集団が占拠しているとは。

川 ゚ -゚)「…大した力だな」

(;´_ゝ`)「そろそろ諦めてよ…。俺ら、お前に危害を加える気はないってば。ただ仲間になって欲しいだけだっつの」

ξ;゚⊿゚)ξ「…誰があんたらみたいな得体の知れないのと…」

(;´_ゝ`)「あらら、嫌われちゃってる」

31 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:21:41.14 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳奥義―――――!!」

拳を構え、距離をつめるツン。

( ´_ゝ`)「あ、それ、規制対象ね」

ξ;゚⊿゚)ξ「!!?」

ガクン、と体が重くなり、腕がこれ以上進まなかった。
さっきと一緒だ。この男に対しては、自分の力である奥義がまったく使えない。
一連の動きに無駄に隙を生んでしまうだけだ。

( ´_ゝ`)「馬鹿正直にこないでよ。俺だって一応主謀者《オリジナル》だぜ」

41 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:25:19.04 ID:QQ93L/teO
( ´_ゝ`)「さ、クーにゃん今のうち」

隣の少女がそれに反応し、手に持つ本を開く。
すると、その少女の回りを7つの光が照らした。

川 ゚ -゚)「私をクーにゃんって呼ぶな。……金木符………」


川 ゚ -゚)「『エレメンタルハーベスター』!!!」

7つのうち2つの光が混ざりあい、無数の光球を生む。
その全てが、まだ体制を立ち直し切れていないツンへと襲いかかった。


ξ;゚⊿゚)ξ(やば――――!!)

49 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:29:26.87 ID:QQ93L/teO
波動、閃光。
ツンを中心に全てが薙ぎ払われていく。
大きく書かれた『図書館では静かに!』という看板すら吹き飛んでいく。

川 ゚ -゚)「……」

(;´_ゝ`)「…お前、出力間違えたろ。今の死んでてもおかしくねーぞ…」

川 ゚ -゚)「ごめんなさいだにゃん」

( ´_ゝ`)「許す。仕方ない仕方ない。たまにはあるよ、そういう事。ぜんぜん大丈夫だよクー」

その時、ゴウ!!と図書館を散らしていた粉塵が巻き上げられる。
その中心に、

ξ# ⊿ )ξ「……」

無言で闘気だけを発する少女。

川;゚ -゚)「……おお…」

(;´_ゝ`)「今のくらってなんで生きてんだよあいつ……」

61 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:36:18.94 ID:QQ93L/teO
少女は腕を構えて、威風堂々と立っている。
仁王立ち。やっているのは少女なのに、なかなかどうして、様になっている。

ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳を封じれば、大丈夫と思った?」

川 ゚ -゚)

ξ#゚⊿゚)ξ「……私を、舐めるな」

(;´_ゝ`)「まじかよ…」

ξ#゚⊿゚)ξ「私は覇者。技を封じられたら、拳で殴り殺す。拳を封じられたら、脚で蹴り殺す。脚を封じられたら、口で噛み殺す。口を封じられたら、目で睨み殺す。全て封じられたら、それでも呪い殺す!」

ξ#゚⊿゚)ξ「最強を、なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

風と共に、突進。その勢いは、何者にも止められぬのではないかと思わせる。

(;´_ゝ`)「あーもう、めんどい……」

その時だった。

71 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:40:48.34 ID:QQ93L/teO


『ピンポンパンポーンwwww定時連絡でーすwwww』

図書館内のアナウンスではない。空から声が、落ちてきている。
そしてこの声は知っている。
自分達をこの謎の戦いに追いやった、『マスター』達の声。

ξ゚⊿゚)ξ

川 ゚ -゚)

( ´_ゝ`)

その声に、3名は静止する。その声に集中する為に。


『なっかなか面白いもんを見せてもらってるよー!!みんなすごいね!圧巻だ!リタイアしちゃった連中も再生させて、もう一度最初から見たいくらいだ!』

マスターは無邪気なままに言う。

90 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:48:21.20 ID:QQ93L/teO

『ってゆーわけで、そろそろ君たちの傷を癒してあげると同時に、君たちによって破壊されてる建造物等を修復したいと思いまーす』

『今までも君たちが戦闘終える度ちょいちょい回復してあげてたけど、それじゃ明らかに足りない人が何人かいるみたいだからね!』

『修復してほしくない建造物等があれば言って下さい!あと、お腹好いた人とかいる?いるなら今言ってくれたらなんでも渡すからね!』

『そいじゃ、回復タイムスタート!またね~!』

ブツッ、と、声はそこで止まった。

ξ゚⊿゚)ξ「………」

川 ゚ -゚)「………」

(;´_ゝ`)「…あの、どうする?」

ξ゚⊿゚)ξ「…こ……」

( ´_ゝ`)「こ?」

ξ*゚⊿゚)ξ「コーラ飲みたい!3本くらい頂戴!!」

( ´_ゝ`)

川 ゚ -゚)

ほどなくして、ツンの前に光が集束し、それがコーラとなって手に落ちた。

114 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:53:38.83 ID:QQ93L/teO
コーラをイッキ飲みする芸人と言うのがいる。回りの人は笑ってみているが、実はあれはかなりキツいものだ。並大抵の度胸では完遂できない。

…はず、なのだが。

ξ*゚⊿゚)ξ「んくっ…んくっ……ぷっはー!!!」

目の前の少女はそれを既に4、5本連続でやってのけている。
何故だ。覇者だからか?覇者だからなのか?

( ´_ゝ`)「何から何までぶっとんだ少女だ…」

川 ゚ -゚)「ふぁにをいってふんらふぁにじゃ」

( ´_ゝ`)「お前も、もぐもぐしながら言うな。はしたないわ」

そのうちにも数々の光が荒れた図書館を元通りにしている。
その様は、神秘的とも言えた。

133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:59:14.50 ID:QQ93L/teO
――――川沿いの道

lw´*‐ _‐ノv「こめっ!お米たべたいっ!しゃけおにぎりがいいっ!!」

( ^ω^)「メロンパンを出せ!話はそれからだ!」

少年と少女は、天に向かって叫んでいる。

すると、目の前に光が集束し、望みのものが降ってくる。

lw´‐ _‐ノv「きゃっほぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

麦わら帽子を被った少女が、一際テンションあがっていた。
隣でそれを見ていた少年は、「やべぇかわいいハグしてぇ」と思った。

( ^ω^)「やべぇかわいいハグしてぇ」

lw´‐ _‐ノv「は?」

口にも出ていた。

150 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:04:08.58 ID:QQ93L/teO
lw´‐ _‐ノv「今、私はお米様のご恩恵を受けてるんだ。不埒な真似をすれば、即刻裁きの小人を出すぞ」

( ^ω^)「なんでもないよ、お前の事なんかなーんとも思ってないよ」

lw´‐ _‐ノv「………」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「それはそれで寂しいじゃんなんかしてこいや顔面産業廃棄物が」

( ^ω^)「無茶いうようになったなお前」


先の戦闘での最後の一件で、二人はさらに仲良くなったようである。

164 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:08:22.70 ID:QQ93L/teO
同時に、ある少女が正体不明の戦慄を覚える。

ξ;゚⊿゚)ξ

それは焦りと言おうか、焦燥と言おうか。酒を飲めば二日酔いがあるように、それに相当する時間がいまやってきているのである。

( ´_ゝ`)「どした?少女よ」

ξ;゚⊿゚)ξ「…なんでもない」

ξ;゚⊿゚)ξ(戦ってもないのに…何?この悪寒は……)

( ´_ゝ`)「ま、いいや。とりあえず、ついてこないか?どっちにしろ、一人じゃ危ないんだろ」

184 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:13:05.60 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「悪いけど、私には探し人がいるのよ」

( ´_ゝ`)「あ、そうなのか?そりゃあ都合がいいや」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「弟者さんか?」

( ´_ゝ`)「うん。あいつならすぐ見つけれるだろ」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、手伝ってくれるの?」

( ´_ゝ`)「まぁ、俺らはぶっちゃけ今暇だからな」

さっそく行くぞ、と兄者が歩きながら言う。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと待って!」

( ´_ゝ`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「コーラがまだあと10本は足りない」

底なしの、バケモノであった。

208 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:19:54.23 ID:QQ93L/teO
ツンが連れてこられたのは、図書館の奥。
そこに、一台のパソコンだけが置いてある。

( ´_ゝ`)「弟者、元気か?」

(´<_` )《まぁ一応ね。暇だけど》

ξ;゚⊿゚)ξ「………!」

素直に驚いた。
画面の中に、れっきとした人がいた。

( ´_ゝ`)「ツンさん、驚いたか?これが俺より出来のいい弟、弟者だ」

(´<_` )《初めまして》

ξ;゚⊿゚)ξ「…は、初めまして」

( ´_ゝ`)「見ての通りだ。弟者の能力は、【電人HAL】。二次元世界上においては、こいつに敵うやつはいない」

(´<_` )《まぁ、死ぬ事がないからな。ネットワーク上に干渉する能力者って、あんまりいないみたいだし》

ξ;゚⊿゚)ξ「…はぁ……」

237 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:25:17.28 ID:QQ93L/teO
( ´_ゝ`)「で、出会っていきなりだがこのツンさんには頼みがあるらしい」

(´<_` )《ん?》

ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、私、探したい人がいて…その」

(´<_` )《ああ、そうなの?ちょっと待って》

言葉を遮るように、弟者が言う。それと同時にパソコンの画面に何かが表示される。

ξ;゚⊿゚)ξ「…これって」

(´<_` )《この仮想都市VIPの、全体マップ。凄いでしょ》

そう。VIPの、地図だ。そこにいくつかの赤い点と、青い点が表示されている。

254 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:29:47.71 ID:QQ93L/teO
(´<_` )《んで、お探しの人の名前は?》

ξ゚⊿゚)ξ「…ブーン」

(´<_` )《ブーン、ね…。お、いたいた》

地図が大きく切り替わる。ある一部を拡大していっているのだ。
それは地図の隅にある、川沿いの道路だった。
そこに赤い点が一つ、青い点が二つ表示されている。

(´<_` )《赤いのは主謀者《オリジナル》。青いのは模倣者《フェイク》。黄色は選択者《アレンジ》……アレンジはまだいないけどね》

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ブーン誰かと行動してるの?」

(´<_` )《みたいだな》

281 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:35:00.06 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「だれ?だれと行動してるの?」

(´<_` )《ちょい待ち。えっと……えーっと…》

(´<_` )《見つけた。素直シュール。…あら、かわいい幼い女の子だこと》
 _,
ξ゚⊿゚)ξ「は?」

(´<_`;)《………》

ξ゚⊿゚)ξ「あいつ、え?……まさか、え?」

(´<_`;)《あれ?俺今電脳空間にいるんだよな?なんで冷や汗が止まらないんだ?》

(´<_` )《それと、もう一人いるな》

ξ゚⊿゚)ξ「女?女か?O・N・NA・KA?」

(´<_`;)《ちょ、怖い怖い。いや、男みたいだよ》

300 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:39:52.47 ID:QQ93L/teO
(´<_` )《名前は…ワカッテマス。27歳。……おや…》

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」

(´<_` )《いや、これは穏やかな雰囲気じゃないなと思って》

ξ゚⊿゚)ξ「よくわかったわね。私の心中は穏やかではないわよ」

( ´_ゝ|壁 「安心しろ弟者。パソコンならまたすぐ見つけるからな」

川 ゚ -|壁 「………」

(´<_`;)《待て!てめぇら助けろ!違うんだツンさん。どうやら…》

《どうやらこいつら》



《戦闘中らしいぞ》

320 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:45:14.94 ID:QQ93L/teO
――――川沿いの道。

( <●><●>)「あなた達が焦っているのはわかっています」

ビシッとスーツを決め込んだ、謎の男がいた。

(;^ω^)「くっ…シュー!大丈夫かお!」

lw´;‐ _‐ノv「なんとか…」

うかつだった。
確かに、回復中は戦闘を行ってはいけないなんて、誰も言ってないけど。

( <●><●>)「ビークルを倒したのがあなた達だと言う事も、わかっています」

恐ろしく冷静な男だった。
ビークルとは、あの犬の事だろうか。

( <●><●>)「ビークルは犬と言えど、強い。並大抵の力じゃ倒せない。だからあなた達が強いのだと言う事もわかっています」

その大きな目が、二人を捉える。

337 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:49:23.81 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「うらぁぁぁぁぁ!!」

シューがワカッテマスに向け、大量にピクミンを放る。

( <●><●>)「そいつらも見飽きました」

しかし

lw´;‐ _‐ノv「またか………!」

ワカッテマスには、当たらない。

当たらないと言うより、まるで

すり抜けているように。

363 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:54:22.22 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「フフフ………」

ワカッテマスが、ゆっくり近づいてくる。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!あいつ何!?すり抜けるよ!まるで幽霊みたいに!」

(;^ω^)「………」

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!?」

(;^ω^)「わかってるお!能力自体はわかってるんだお!ただ、対処法が見つからないんだお!」

lw´;‐ _‐ノv「教えてよ!あいつの能力は?」

( <●><●>)「……どうぞ、当ててみなさい少年」

ワカッテマスは心底楽しそうに言う。
ネズミを見下す猫のように、圧倒的な立場にいる者が浮かべる笑みで。

393 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:59:04.00 ID:QQ93L/teO
後退りしながら、ブーンは言う。

(;^ω^)「能力はたぶん…」

(;^ω^)「ティキ・ミックの【選択】。」

( <●><●>)「正解ですよ。少年」

lw´;‐ _‐ノv「なにそれ!?」

(;^ω^)「触れたいものを、自分で自由に選べる能力だお。あいつはピクミンに触れたくないと思ってるから、当たらないんだお」

lw´;‐ _‐ノv「え………!!」

(;^ω^)「わかったところでどうすればいいかわかんないんだお。あいつの攻撃は当たり、こっちの攻撃は当たらない、なんて……」

lw´;‐ _‐ノv「……そんな…」

( <●><●>)「あははは…楽しいですねぇ……」

ブーン達の悩みの張本人は、狂ったように笑っていた。

436 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:04:09.11 ID:QQ93L/teO
ディーグレイマンに出てくる最強敵集団、ノア。
その一人、ティキ・ミックの能力だ。

彼は自分で触れたいものを選ぶ。
例えば人間の心臓だけを触れたいと思えば、心臓だけ綺麗に抜き取られた死体が完成する。

空気に触れたいと思えば、空気を踏む事で宙にも浮ける。
逆に、空気を完全拒絶すれば、真空を生み敵に襲いかからせる事もできる。

まぁ、そんな事しなくとも

( <●><●>)「触れられないあなた達にゆっくり、ダメージを与えていけばいいだけの話ですがね」

(;^ω^)「………」

456 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:08:27.51 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)(やっぱ【気分次第《アンカーテイク》】に頼るしかないのかお…しかし……)

(;^ω^)(もし外れの力が来た時の事を考えたら、これはキツイお…それ以外に、狙いがあるとすれば……)

「わかっています」

(;^ω^)「!!」

( <●><●>)「あなたの狙いはわかっています」

( <●><●>)「私があなたの体に触れにいく瞬間。私が実体化する瞬間だけを狙い、刹那に攻撃を合わせる」

( <●><●>)「わかった上で言います」

( <●><●>)「面白い。やってみろよ、と」

( <●><●>)「今から私はあなたの心臓だけを狙いにいきます」

( <●><●>)「だから、ぜひ」

――――――楽しませて下さい。

そう言い、その触れられない男はダッシュしてきた。

478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:12:02.48 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「どうするの!?ブーン!!」

(;^ω^)「う……!…うぅ……!!」

ワカッテマスとの距離は、もう5mほどしかない。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!!」

(;^ω^)「あーもう!!うじゃうじゃ考えんのはナシだお!!」

(;^ω^)「何がくるかわからんけど!やるしかないならやるしかないお!!」


( ^ω^)「行くぞ!【気分次第《アンカーテイク》】!!!」

501 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:14:42.09 ID:QQ93L/teO

(;^ω^)「どーもみなさん。お楽しみの安価の時間だお」

(;^ω^)「いきなりの襲来者。いい感じだお。うざいけどな」

( ^ω^)「ワカッテマスワカッテマスうるさいあのおっさんを駆逐する、あなたのかんがえたさいきょうのうりょくをお願いしますお!指定アンカーは………」


――――――>>520

 

520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/28(木) 23:14:56.17 ID:40get0Yh0
ワリバシを上手に割れる能力
 

652 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:17:30.02 ID:QQ93L/teO
『能力が決定しました。』

>>520  ワリバシを上手に割れる能力

( ^ω^)

(;^ω^)「今までで一番使えない能力きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

715 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:22:37.80 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「シュー!!作戦変更だお!!」

lw´;‐ _‐ノv「え?」

(;^ω^)「ピクミンで壁つくれ!!」

lw´;‐ _‐ノv「わかった!!」

シューはピクミンを操り、目の前に自分達の姿が隠れるような壁を作る。

( <●><●>)「そんなもの、私には意味がありません」

壁は、妨げになるから壁なのだ。触れられない壁など、意味がない。
しかしこねピクミンの壁は、防御する為に作られたものではなかった。

ワカッテマスがそれに気付いたのは、壁を通過した後だった。

758 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:26:16.27 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「………?」

壁を通過し、二人を襲いかかろうとしたワカッテマス。

が、そこに二人はいなかった。
先ほどの壁は、防御壁ではなく

( <●><●>)「…私の視界を遮るため……」

視界を遮り、そのうちに逃げる為、だ。


( <●><●>)「………どこにいこうが、探してやります」

ワカッテマスは飛翔。空気を踏み、宙に浮く。
遥か頭上から探す気らしい。

766 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:28:18.90 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「さて………」

今が回復タイムで本当に良かった、とブーンは思った。
二人の目の前には、大量の割り箸。

lw´;‐ _‐ノv「そんなの、どうするの…」

(;^ω^)「まて。まずは、試してみてからだお」

ブーンは割り箸を手にとる。

806 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:33:15.41 ID:QQ93L/teO
パキッ!と軽快な音が鳴る。
そしてブーンの手により割れた割り箸は、完全左右対称。

lw´*‐ _‐ノv「うわぁ………」

シューには、目の前の完全なる芸術に、時間がゆっくりに見えた。

( ^ω^)「おぉ………」

ブーンも、幸せだった。人間としての幸福を、今しかと受け止めていた。

lw´‐ _‐ノv「……ってなにしとんねんふざけんなや殺すぞ!!」

綺麗に割られた割り箸は、少女に踏まれさらに乱雑に割られた。

824 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:35:57.45 ID:QQ93L/teO

lw´;‐ _‐ノv「どうしようもないじゃん!!こんなの!!」


( ^ω^)「まぁ、待て」

lw´‐ _‐ノv「え?」

嫌に落ち着くブーンを見て、それでも同様が消えないシュー。

しかしブーンはニヤリと笑う。

そして、こう言った。

( ^ω^)「僕に、策がある」


28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:49:22.97 ID:QQ93L/teO
ワカッテマスは空にいた。
比喩ではなく、自身の能力で空気を踏みしめ、遥かに上空から待ちを見ていたのだった。

( <●><●>)「………」

下を見渡す。
もちろん、あの二人を探す為だ

( <●><●>)「………お」

探し物は、簡単に見つかった。

( <●><●>)「いましたね」

二人は、先ほどの川沿いの道をずっと登ったところで、川を見ながら何かを話していた。

38 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:52:01.51 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「あんな見つかりやすいところで、何をしてるやら……」

( <●><●>)「さ」

―――――行きましょうか。

体制を変え、空気を蹴る。
そして一気に急降下。

lw´;‐ _‐ノv「――――――!!」

(;^ω^)「――!――――!!」

何かを話している、二人の元へ。

71 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:54:25.05 ID:QQ93L/teO
ドッ!と、およそ着地とは思えないような音がなる。

(;^ω^)「!!」

lw´;‐ _‐ノv「きた!!」

( <●><●>)「……さて、私を倒す方法は見つかりましたか…?」

(;^ω^)「おいおい、それを聞くかお。じゃあとくと見ろよ!」

ブーンは割り箸を一膳、前へ出す。

98 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:59:11.22 ID:QQ93L/teO

それは、つかの間の美。
パキッ……!と言う音。
流動的な流れ。
綺麗に当分された割り箸は、木に出せるとは思えないほどの高級感を醸し出す。

( <●><●>)「……ほぉ…」

素晴らしい。本当に、素晴らしい。
ワカッテマスは、敵ながらブーンに拍手喝采を送りたかった。

こんな感動はいつぶりだろう。
目の前の一連の動きに、金を払えと言われても文句無くさしだせる。

そんな、つかの間の美だった。






( <●><●>)「………なめてんのか?」

(;^ω^)「ですよねー!!」

lw´;‐ _‐ノv「やっぱダメじゃん!ブーン!」

131 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:03:31.58 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「で、終わりですか?」

( ^ω^)「いや、そう言えばまだ一つ策があったぜ………!」

lw´‐ _‐ノv「え、ブーン。なに?」


( ^ω^)「俺らに残された最後の策……それは………」


lw´;‐ _‐ノv「そ、それは?」

(;^ω^)「逃げるんだよォォォォォォォォ!!!」

lw´;‐ _‐ノv「意外!それはジョジョネタ!!」

二人は、目にも止まらぬ速さで逃走した。

( <●><●>)「どうしようなんかいらついてきましたよし殺す絶対殺す」

163 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:08:55.90 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「だってどーしよーもねーお!!『ワリバシを上手に割れる能力』なんて!!」

(#<●><●>)「待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(;^ω^)「待つかああああああ!!!」

二人はそこで左折。
左の道を行くと、畑が見える。

(#<●><●>)(いや、この際どこに逃げても一緒だ!!全力で殺す!!)

全力で逃げる、ブーンとシュー。
全力で追う、ワカッテマス。


しかしその徒競走対決の決着はすぐについた。

理由は、体力差、だ。

(;^ω^)「やば………!!」

172 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:11:47.63 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「ハァ…ハァ……ごめ……ブーン…!!」

(;^ω^)「シュー!!」


地面に膝をつく、シュー。
それを気遣いしゃがみこむ、ブーン。

微笑ましい姿だ。
しかし、それは今は何の意味もなさない。

( <●><●>)「チェックメイト、ですよ」

ワカッテマスが、追いついてきた。

179 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:14:40.95 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「諦めましたか」

(;^ω^)「………!!」

lw´;‐ _‐ノv

黙ってしゃがみこんだまま、シューを疲弊したシューを抱き寄せるブーン。

( <●><●>)「残念ながら、あなたの死に場所はここです。共にお逝きなさい」

(;^ω^)「ここが死に場所、か………」

218 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:21:33.46 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「この、ちょうど都会と畑の間の場所が僕らの死に場所かお……」

( <●><●>)「そうです。この、畑と都会を分かつ場所があなた達の死に場所、です」

(;^ω^)「そうかお……この、橋の上が僕らの死に場所………」

( <●><●>)「そうです。この橋の上こそが、あなた達の死に場所です」

( <●><●>)

( <●><●>)「………橋?」

下を見る。
あれ。今まで私はどこを走っていた?
川沿いの道。
都会と畑を分ける川の沿いを、ずっと走っていた。

そしてここは丁度その中間地点。

都会と畑を分ける、橋の上。

都会と畑を、ちょうど割る橋の上。

( <●><●>)「………」


『ワリバシを上手に割れる能力』。


………………割り、橋?

252 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:23:49.75 ID:YjuNcXVwO
(;<●><●>)「まさか――――――!!!」

( ^ω^)「今更おせぇよ!!おらあああああああああああああ!!!」

ブーンは、下を殴る。
その、橋を。

『ワリバシを上手に割れる能力』。

その名の通り、橋は綺麗に割れ、倒壊した。

296 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:30:31.95 ID:YjuNcXVwO

(;<●><●>)「なっ………!!!」

しまった。
そう思うも、既に地面がない。
重力法則に従い、三人は瓦礫と共に綺麗に落ちていく。

違いがあるとすれば、二人はしゃがみこんでこの状況に対応しているのに対し

ワカッテマスは立っていたので、完全にバランスを崩し頭から落下している事だ。


(;<●><●>)(まずい!!早く、早く空気を踏まないと!!)

油断していた今は、体が完全に実体化している。

( <●><●>)「早く、早く――――――!!!」


地面が、近づいてくる。

311 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:33:54.39 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「シュー!!」

lw´‐ _‐ノv「あいよ!!」

シューの鞄から、大量にピクミンが飛び出し、地面へと投げつけられる。
そして落下する二人の体の衝撃を、力を合わせて受け止める。


対し、ワカッテマスは

(     )「………」


( ^ω^)「………」




( <●><●>)「………」


生きて、いた。

330 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:38:52.92 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「……よく…見てましたね」

( <●><●>)「この橋の下。ちょうど川の水の少なく、露出した地面が多いこの場所を選んで。」

( <●><●>)「慌てた私が空気に触れる暇もなく体をうち死ぬと。あなたの策がようやくわかりました」

ワカッテマスはすんでのところで空気を踏み、衝撃を受けてはいなかった。

( ^ω^)「………」

lw´‐ _‐ノv「………」

( <●><●>)「でも、失敗です。あなたの策は、終わりました」

( ^ω^)「いや終わってないし」

( <●><●>)「え?」

354 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:42:44.33 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「お前はわかってないお。お前が戦ってんのは、僕だけじゃないだろ」

( <●><●>)「………」

lw´‐ _‐ノv「うぃす」

( ^ω^)「知ってる?ピクミンってゲームの中にね、ハチャッピーって敵が出てくるんだけどさ」

( ^ω^)「チャッピーにピクミンが寄生して、発芽して生まれたチャッピーの事ね。やっぱピクミン怖いね。ピクミンの一番の怖さは、やっぱその繁殖力だわ」

(;<●><●>)「………な」

( ^ω^)「でさぁ。それって、人体だとどうなんのかなぁ」

( ^ω^)「なぁ。体が変な感じしない?ああ、そうか」

――――――落下に注意がいってて、気づかなかったかな?

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:48:11.36 ID:YjuNcXVwO
(;<●><●>)「まさか――――!!!」

言われたと同時に、体の異変に気付く。
体が嫌に思い。頭痛がどんどんひどくなる。
まさか。まさか。まさか。

恐る恐る頭の上に手を伸ばす。

(;<●><●>)「――――――!!!」

………葉っぱが、はえてる。

( ^ω^)「あんたにシューが与えたのは、『白ピクミンの種』。嫌ならとれば?また触りたくないって、選択してさ。まぁ」

――――――自分の体自身を選択対象に選べるかどうかは、知らないけどねぇ。

(;< >< >)「ごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ごはっ!!がっ………!!!」

白ピクミンの毒が、体を蝕む。
止める手だては、ワカッテマスには無かった。

439 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:53:28.51 ID:YjuNcXVwO
そこからのワカッテマスは、見ていられなかった。

体の内側から根を張られ、呼吸が続く限り直に毒を送り続けられる。
そんな人間の気持ちなんか、考えたくもない。

「ぐああああああああああ!!!がっ!!!!がはぁ!!!う゛べぉえ!!!がっぶぅ!!!」

( ^ω^)「さ、いくお。シュー」

「ぎゃあ゛あ゛ぁあ゛!!!あ゛っ!!!い゛だい゛!!うわ゛ぁあ゛!!!」

lw´‐ _‐ノv「帰りましょうか」

「ごほっ!!!ごぶあ゛っ!!!あ゛!…ああああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

lw´‐ _‐ノv「なんか変な音がうるさいね」

( ^ω^)「じゃ、この音を聞いて癒されましょうかね」

ブーンはポケットからすっ、と一膳の割り箸を取り出す。

454 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:55:36.98 ID:YjuNcXVwO


パキッ!

やはりこの音は、いい。

lw´‐ _‐ノv「癒されるね」

( ^ω^)「癒されるお」

二人は川から上がり、都会方面へと歩いていった。
途中からいきなり割り箸が綺麗に割れなくなったが、まぁ
それはそれでいい事なのかもしれない。

472 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:58:52.74 ID:YjuNcXVwO

( ^ω^)「にしても、あいつなんだったんだろうね?」

lw´‐ _‐ノv「立て続けに二人も敵に出くわすなんて、おかしいよね。これはやっぱ近くにあるよ」

( ^ω^)「何が?」

lw´‐ _‐ノv「二人の敵が所属するチームの、アジト」

( ^ω^)「………」


――――――命を運ぶと書いて、運命。

第七話、終わり。
Posted at 2011/08/06 17:51:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット

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